Fate/Grand Order〜愛は人理を救う〜   作:100¥ライター

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〜前回のあらすじ〜

突発的なレイシフトにより、冬木の特異点に到着。カルデアの所長達と一緒にいるもう一人のマスター藤丸立香を探す前にサーヴァントを召喚したらメイヴだった。


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ちなみに作者はもふもふのコートを羽織ったメイヴちゃんが一番好きです。


スーパーケルト人メイヴちゃん

女王メイヴ。ものすごく簡潔に言えばクー・フーリンを死に追いやった反英雄である。

 

 

一体何故メイヴが来たのか心当たりが全くなー

 

 

はっ!冬木の聖杯戦争にはクー・フーリンがいる!もしかしてそれが…いや、違うか。メイヴが知っているはずもないし、考えすぎだな。

 

 

「ん?私のために戦ってくれる勇敢な戦士は?」

 

 

「いない」

 

 

「じゃあ、貴方が戦ってくれるの?」

 

 

「見りゃわかるだろ?この通り近接格闘は論外だ」

 

 

「はぁ…」

 

 

露骨にため息つくのやめてくれませんかね?一応俺マスターなんですが。

 

 

「だが、まずはあいつらの始末が先だ」

 

 

少し前にいなくなったかと思いきや…また出てきたな。全く…

 

 

「マスターの力、お手並み拝見といかせてもらうわ」

 

 

「俺としちゃお前の力のお手並みを拝見したいんだがな」

 

 

サーヴァントなのに冷たいなぁ…でも戦闘の準備は出来ている。あとは撃つだけ。急所を的確に。

 

 

「くらえ!」

 

 

流石に遠坂凛のガトリングレベルの連発は無理だが、そこそこ射程はあるし、ちゃんと狙って撃てばこの程度の相手は一撃だ。

 

 

数もそんなに多くないし、近づいてくる前に十分捌ききれる量のはず…

 

 

「ちっ!後ろから湧いて来やがー」

 

 

「ふっ!」

 

 

思わず見惚れてしまいそうなくらい鮮やかで強烈な後ろ回し蹴り。

自分は戦わないと言っておきながら…俺はメイヴのことを少し誤解していたかもしれない。

 

 

「ギリギリ及第点。ってところかしら…」

 

 

「マスター、こいつらの出所がサーヴァントなら倒せばいなくなる。そうじゃなくてもまずは他のサーヴァント探すわよ」

 

 

「了解。雑魚はともかく、サーヴァント戦は任せる。いいな?」

 

 

「仕方ないわね。その時は見せてあげるわよ、私の本当の力!」

 

 

 

 

「ふふ、どうやらやつに仕掛けたあれは上手くいったようだな」

 

 

あの二人が予定通り来なかったのは予定外だが、何の問題もない。

一人はただの一般人。もう一人にはあの仕掛けがしっかりと作動している。

 

「藤丸立香、蓮井蓮。お前達にはちゃんと消えてもらおう」

 

 

 

 

 

「ん、いたぞ。サーヴァントらしいやつ!」

 

 

鎌を持ったサーヴァント。周りに張ってある鎖も恐らく彼女のものだろう。

 

 

「あの武器…見たところランサーかしら?」

 

 

ランサー?冬木にいるランサーはクー・フーリンだったはずなのに目の前に立っているのはむしろ…

 

 

「あいつ…ライダーじゃないのか?」

 

 

ピンクの長い髪や高い身長。見た目はメデューサのそれと酷似している。

 

 

そして彼女によって石にされたと思われるワカメ頭の男。真名はメデューサで間違いないはずだ。なら必然的にライダーになるはずだが…

 

 

ただ一つ解せないのがあの鎌。ライダーの時は使っていなかった気がするが…

 

 

「知らないの?適性のあるクラスが複数あるなら別のクラスで呼ばれることもあるわ。例えば普段はランサーであるクーちゃんがキャスターで呼ばれる可能性だって…」

 

 

「お困りのようだな、坊主。ちょっくら俺が力を貸してーメイヴ!?何でオメーがいるんだ!!」

 

 

「クーちゃん!!マスター、見つけたわ!あれがキャスターのクーちゃんよ!マスター!!」

 

 

メイヴがやたら嬉しそうに俺の背中をバシバシ叩きながらクー・フーリンを指差した。そうか、あれがキャスターのクー・フーリンか。

 

 

いつもの魔槍『ゲイ・ボルク』はなく、代わりにルーンらしきものが刻まれた杖を持っている。そして青いローブを羽織っており、ランサーの時とは打って変わってまさにキャスターと言うべき姿になっている。

 

 

「キャスターであろうとクーちゃんがいれば百人力よ!」

 

 

「おい、メイヴ。百人…何だっけ?」

 

 

明らかにクー・フーリンはこちらに敵意を抱いている。あろうことか矛先をこちらに向けようとしている。

 

 

「くっ、よりにもよってキャスターの時にお前と会うとはな。やつの幸運もあるだろうが…とことんついてねぇな、俺」

 

 

杖を回し、まるで槍のように扱い…ん?これってやっぱ俺達に向いてる?

 

 

「まさかこんな所に思わぬ伏兵がいたとはな!かかって来い、女王メイヴ!!」

 

 

案の定クー・フーリンは敵となった。


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