これも全部ブラッドボーンが神ゲーなせいだ
あ、聖杯はちょっと…
悪夢を見るようになって眠れなくなったのは、もうずっと前のことのように思える。しかし実際はそれほど経っていないのだろう。人の体内時計は睡眠によって同期され、それを失ったのなら針は止まるし、逆回転すら始めたところで違和感はない。
もう街の医者には全部かかった。だが何処でも原因が分からないと突っぱねられた。
それを追求するのが医学なんじゃないのか。
仕方ないので隣町の大きな診療所でも診てもらった。結果は不明。
友人のコネで異邦の医者にも診てもらった。何を言っているのか分からなかったが、きっと手がつけられないなどと言っていたに違いない。そもそも奴が医療の心得を持っているかさえ怪しかった。
まともな手立てはとうに失せた。かくなる上は民間療法だ。言語を知らない切れ目の彼が異邦人だったなら、彼女は違法人だろうか。しょうもない。
だが彼女は私を見るやいなや、その瞳の色を変えた。スラムの雰囲気に等しい薄汚く淀んだそれが、爛々と輝くのを見たのだ。ここで気が付くべきだった。愚かにも私は、その瞳の輝きに活路を見出してしまったのだ。
実際には、そのぎらつきは活路など齎さず、獲物を見つけた猛禽類のそれだった。悪夢によく効くと言われて差し出された薬を飲めば、たちまち意識が混濁し、目が覚めると無一文だ。一杯食わされた。
つまり八方塞がりだった。夜な夜な悪夢は訪れるし、赤子の泣くような耳鳴りが止まらない。
もはや手段はなかった。
こんな状況でなければ信じなかっただろう。
スラム街の老女の言葉を思い出す。
「あんた、ヤーナムって街は知ってるかい?」
「昔は『血の医療』だかなんだか、そんなもんが盛んでね」
「今はもう廃れちまってるんだが、それでもこういう噂が絶えないんだ」
「ヤーナムの血を受け容れれば、どんな病も治っちまう」
「しかもその『血』が面白い。なんてったって、青ざめてるってんだ。あんた見たことがあるかい? 血が青ざめた様を」
「どうだ、面白いだろう。そしてこれが、その血が入った小瓶だよ。なあに、騙そうってわけじゃあない。飲んだら安らかな眠りが訪れるだろうよ。ヒヒヒッ」
誰か信じるのか。与太話だ。しかし、それに縋るしかない。
私はその一縷の望みに賭けるしかないのだ。きっともう帰らないだろう。
だからせめて、私がここにいたという証を残しておく。
もし、もし私が『青ざめた血』に達することができなかったら。
その時はどうか頼む。意思を継いでくれ。
――とある街の寂れた家に残された書き置き
[< OK >]
………
「『青ざめた血』、ねえ…。確かに、君は正しく、そして幸運だ」
「ヤーナムの血の医療だけが、君の導きとなるだろう」
「…だが、それをよそ者に語る法もない」
「だから君、まずは我ら、ヤーナムの血を受け入れ給えよ」
「誓約書を…」
[<YES>] [ NO ]
「よろしい、それでは輸血を始めようか…。なあに、何も心配することはない」
「何があっても、悪い夢のようなものさね…」
「ああ、ゲールマン様、始まりますね」
「…そうだな」
「今度の狩人様は…」
「どうだっていい。ただ私は、私の役目は、助言者にすぎないのだから」
「……日が、暮れます」
とりあえずプロローグです
YESとかNOとか出てるのは今回だけです 臨場感を出したかった
このオープニングくらいのセリフは良いですよね…?
ここだけは絶対に入れたかったので
まあうろ覚えだし大丈夫…
大丈夫ですよね?