『アハハハハハハハ!キャハハハハハ!』
大きな声が、うめき声が、響く。
絶望を帯びた、絶望の塊から。
私達は現在、魔女結界の中にいる。
きるとちゃんは双剣を使っていて、素早い。
近距離戦闘が得意である。ただし、小さい敵は狙いずらいので不向きだ。
私はマシンガン。銃系は全般使える。とはいえ、構造をある程度把握していないと、使えない。
銃を具現化する能力。弾切れはない。
近距離も遠距離もできるんです!!
『ギギギギギギ』
ドアを開く。
あっという間に魔女のお出まし。
私はマシンガンを二つ召喚し、片手で一つずつ持ち、ぶっぱなす。
数分後。
「ふぅっ」
「終わったぁ~!」
退治完了。ま、いつも通りの早さかな。
結界が歪み始め、街の景色に戻る。
「よっ、と」
きるとちゃんがグリーフシードを拾いあげる。それを制服のポケットにしまうと、
「じゃ、次いってみましょう」
と言った。
「だね!」
と私は笑顔で頷き返した。
とはいえ、ソウルジェムで魔力の反応を確かめるのは地道。ひたすら練り歩かなければならない。
私は道中、きるとちゃんと『あの話』をすることにした。
「ねぇ、きるとちゃん」
「何?」
「きゅうべえが言ってた、魔女の話、どうする?」
「みかんはどうしたいの?」
「私はきるとちゃんについてくよ」
「違うわ、みかん自身の意思を聞いているの」
「私、は……」
魔女化を、助ける?
それはつまり、人を、少女を、殺すようなもの。
さらに、その人を利用して、さらに多くの人を殺すということ。
世界を、壊すということ。
なんだ、素晴らしいじゃない。
「私は魔女化に協力しても別にいいと思うよ。復讐できるかもしれないしね。ただ、具体的に何をするのかは分からないけど……」
「私もそのつもりよ。復讐してやるわ、あいつらに、この世界に」
「今ここで、聞いてもいいかい?明日まで待ってあげてもいいけど」
私達の足元に、いつの間にかきゅうべえが現れていた。
私は、きるとちゃんに目を向ける。
同時に頷く。
「うん、いいよ。私達はあなたに協力する。でも、具体的に何をすれば良いのか教えてくれないかな?そもそも、きゅうべえにはできない事だから、人間にお願いしてるんでしょ?」
「そういうことになるね」
「君達は、どちらを選ぶ?魔女を大量に狩り、グリーフシードを無くすか、魔法少女を魔女にさせるか」
「私はもちろん、後者を選ぶわ。現実的に考えても、グリーフシードを無くすなんて無理だわ」
「私も、後者かな」
「僕も、最初の案は否定すべきだと考えているよ。君たちの負担も多いだろうし、なにより───復讐が果たせないだろう?」
「じゃぁ、なぜ聞いたのよ」
「最初の案を選んだら、こちらから断ろうと思っていたんだ。考えが甘いだろう?途中で投げ出されては、こちらもたまったもんではないしね」
「それで、私達は何をすればいいの?」
「魔法少女狩り、とでも言おうかな」
「魔法少女狩り?」
「魔法少女同士が戦い、魔力を消耗させる。魔法少女があまりに強ければ、精神的に追い詰めてもいいよ。言ってくれれば、情報は集めるからね。他にもどんな手段を使っても構わない。魔法少女を、狩るんだ」
「他に、協力者はいるの?」
「明日にならないとまだ分からないね。確かこの町に一人やるって言ってくれた子がいたくらい、かな」
「さすがに少ないわね……まぁいいわ。とりあえず、私達はあなたを手助けする、ということ。利害は一致しているわ──あ、ソウルジェムが」
私達のソウルジェムが強く輝き始めた。
「じゃあ僕はここで失礼するよ」
そう言い残してきゅうべえは消えた。
魔力の反応をたどっていくと、ある場所にたどり着いた。
「ここは──ショッピングモール?」
「そうみたいね。こんなところに魔女がいたら、さぞ人が影響を受けるでしょうね」
「まぁ、倒さずにしておけば世界は勝手に壊れていくかもしれないわね」
「でも、他の魔法少女に倒されて、グリーフシードを取られるのはやだし、倒そうよ」
「それもそうね」
そう言って、結界の中へ。
「待って!」
きるとちゃんではない、誰かの声が聞こえた。
「誰?」
私は振り返って聞いた。
「私は南 すみれ」
そこには、魔法少女の服装(?)をした同い年くらいの少女が立っていた。
あれ、何処かで……?
──あ。
「すみれ……って、うちの学校の!?行方不明の!?」
「あなた達の制服をみるからにそうみたいでふ。あなた達も魔法少女なんですか?」
「そうよ。私達は魔法少女。で、あなたは?魔法少女の服装だけれど倒そうとしていないようだけど?」
「──あの、あなた達は魔女を倒しに来たんですか?」
「そりゃそうだよ。それが使命じゃないの、魔法少女って」
「そう…ですよね……。じゃあ、戦うしかないんですね」
「どういう意味なのか、詳しく教えてくれるかしら?」
「私は────この魔女を………守りたいんです」