あー、もうすぐテストやぁ(*゚▽゚)
「私は───この魔女を………守りたいんです」
彼女──すみれは、そう言った。
三つ編みを肩からおろす金髪の彼女はそう言った。
「あの、それってどういう?」
私は首を傾げ、尋ねる。
「私は、この世界が嫌いだから!魔女が増えればいい!『あの子』を殺す世界なんて滅べばいい!だから──」
もしかしてこの子──。
私はきるとちゃんと顔を見合わせる。頷き返し、すみれちゃんの方を見る。
「きゅうべえに、聞いたかなぁ?魔法少女狩りのこと」
「───!」
すみれちゃんは目を見開き、あからさまな反応をする。
「もしかして、魔法少女狩りをする二人って──」
「私達よ」
「でもでも、あなた達は魔女を倒そうとしたじゃないですか!」
「グリーフシードを他の魔法少女に取られたら困るもの。それに、普通不審がるでしょう?」
「は、はぁ……」
「ところで、すみれちゃんはグリーフシード、どうしてるの?」
「………使ったこと、ない、です…」
「「──え?」」
使ったことが、ない?そんなの、死んじゃうんじゃ…。
すみれちゃんが行方不明になったのは数日前。
「行方不明になったときに契約したの?」
「はい」
「何を願いに魔法少女になったのか、教えてくれるかしら?それ次第では、一緒に行動することも考えるわ」
「私の願いは───あの子ともう一度だけでも会うことでした」
「あの子って誰か教えてくれるかな?」
「『あの子』は、私の憧れでした」
すみれちゃんは瞳を閉じて、───一応魔女に警戒しながら──願いを語り始める。
★
『あの子』は優しくて、格好良い私の友達でした。
私は『あの子』の影に隠れていつも生活していました。
小学校五年間はずっとクラスが同じで、毎日が楽しくて、幸せでした。
『あの子』は魔法少女になりました。
私はそのとき、素質がなく、見えませんでした。
ある日、きゅうべえがやって来て、この世の少女には皆素質があるよと言いました。
その日から魔女や魔法少女が見えるようになりました。
私は、魔法少女になりたかったのですが、なかなか願いが決まりませんでした。今週の土曜日までには決めようと思っていたんです。
明日までには、と思っていた金曜日。
『あの子』は死にました。
先生から大いに期待されていた彼女は、クラスの皆にウザがられるようになったそうでした。
そして、友達も離れていき、孤立してしまったらしいです。いじめに近いことが起こっていたんです。
私は気づくことが出来なかったんです。
自殺でした。飛び降りの。
私は、契約しました。『あの子』に何をしてあげられるかわからなかったけれど。
相談を聞いたりしてあげられなかった、せめてもの罪滅ぼしかもしれませんが。
「『あの子』に──、紗理奈に会いたい!」
★
「で、会えたの?」
「分かりません…。でも、きっといつか会えると思って。次会ったときに、『もうあなたをいじめる奴等はいない』って言ってあげたいんです」
「そっか……。」
「すみれさん?はっきり言ってもいいかしら?」
「?はい?」
「あなた、私が思うに偽善者ね。あの子のためと言いながら、自分を守ってる感じがするもの。まあでも、偽善者じゃなくても、復讐心があるならいいわ。強ければ、協力してあげる」
「は、はぁ……」
「みかん、戦ってくれる?グリーフシードは余ってるし。すみれさんは魔法少女になったばかりだから、きっと戦闘にも慣れていないだろうし、遠距離のみかんの方が適役だと思うのだけれど」
「うん。いいよー。んじゃ、すみれちゃん準備はいいかな?」
「はっ、はいっ!」
おりこマギカみてません
お金ほしい