俺の幼馴染が壊れた   作:狸舌

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二話連続投稿となっているのでご注意ください。

追記
誤字修正しました!
報告いつもありがとうございます!


16話投稿後、感想いただいた方。
返信出来ず申し訳ありませんでした!
また読んでいただいた際、感想いただけると嬉しいです!


赤い背中

[ヴィラン襲撃2]

 

「血ィ見せろぉぉぉぉぉ‼」

無慈悲に振り下ろされた拳が洸汰の眼前に迫り――――背中、筋で覆われた肩甲骨の辺りに何かが衝突した衝撃で真横へと逸れていく。

 

「・・・あぁ?」

 

 

空を切ったその拳の余波で転がる少年などもう興味は無いとばかりに、獣のような顔つきをいぶかしげなものへと変える。

背中へと手を回しその何かへと手を当て、指先に走る痛みに眉を寄せる。

 

(刃物?あのボロ雑巾が投げやがったのか?)

 

緊急用にそういった小道具を隠し持つヒーローは多い。

だがそういった小道具を最後に出すヒーローは既にほかに打つ手がないと、そう自ら言っているに過ぎない。

 

 

苦し紛れの一撃と、そう笑い飛ばそうとして――――

 

「―――――はぁ?」

 

今度こそ驚愕ではなく、困惑した様な声が口から漏れる。

視線の先に居たのは確かに先ほどまでいたヒーローの卵。

 

だが、先ほどまでとの違いが多く存在する。

 

 

「実は取り寄せの個性だった、とかか?武器使うならもっと早く使えよなぁ、緑谷!まだ楽しめそうじゃねぇか‼」

 

「――――随分と頭が回るじゃないか。申し訳ない、てっきり脳の中まで個性通りなのかと思ったよ」

 

挑発的な口調。

注意は集めようとしていたが、ここまで煽るような口調では無かったはずだ。

 

そして、その左手に握られた弓と反対の手には短刀のようなサイズの刃物が握られている。

服装も変化しており、胴には黒の鎧が見えるが羽織る様に・・・というよりも縫付けてあるように赤い外套を羽織っている。

特徴的な緑の髪はオールバックにまとめられている。

 

顔を見なければ別人と間違うその姿。

しかし、マスキュラーにとってそんなことはどうでもよかった。

壊れかけのオモチャが勝手に直り、立ち上がる姿に喜びしか湧いては来なかった。

 

 

「イイぜ‼面白いじゃねぇかッ、その小さいナイフで何が出来るか見せてくれよ‼」

 

地を蹴り砕き、マスキュラーが跳ぶ。

距離を詰め、腕を振るおうと右肩を上げ―――――緑谷が手に持った、自身の前腕ほどのサイズの短刀を弓につがえ、小さく息を吐き矢のように放つ。

 

「スゲェな、どうやってんだよソレ‼」

 

対するマスキュラーは構わずそのまま直進する。

腹部を狙ったその刃は――――しかし、その分厚い筋繊維に阻まれ、再使用を封じるようにその中に飲み込まれてしまう。

 

「これで矢はもう無ぇなあ‼」

 

拳が、振り下ろされる。

小柄な体を簡単に粉砕する力と、目で追いきれないほどの速さをもつ拳が振るわれ――――身を屈めた緑谷の頭上を容易く通り過ぎていく。

 

(見切っただとッ、さっきまで手で押さえるのが精いっぱいだった筈じゃ・・・ッ)

 

「あいにくと筋力には自信が無くてね。代わりと言っては何だが、少しばかり手品をお見せしよう」

 

だが、武器は無い。

そう笑みを深めた巨体の下で、小さく緑谷が何かを口にする。

 

灼熱感。

腹部に感じた痛みに視線を下げれば、左右に奇妙な形の剣を持つ少年の姿。

その白と黒の双剣に腹部を筋繊維ごと切られたのだと気付けば、激高しやすい脳に血液が一気に上り詰める。

 

怒りに任せて左右の腕を組み、真下へ振り下ろすがすでにそこに緑谷の姿は存在しない。

体を回転させ、迂回するようにマスキュラーの背中へ回り込めばその背中へと二本の剣を振り下ろす。

 

(ッ、・・・・させるかよォ‼!)

 

 

背中の筋繊維が断ち切られるのを感じた瞬間に、両腕を止め背中に生み出す筋量を増やしていく。

振り下ろされた双剣は容易く筋繊維の中へ飲み込まれ、無手になったはずの背後の敵を振り払うように腕を振るう。

 

だが再び、その腕は霞を掴んだかのように空振る。

 

 

 

(チッ・・・やっぱ取り寄せか。呼ぶ武器が無くなるまで付き合うのはやってらんねぇな)

 

振り向いた先で、あの小さな子供を守る様に立ち塞がるその姿に目を細めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『・・・一つ良いだろうか。なぜ剣ではなくナイフになっているんだ? 霊基を預けた以上、本来の使い方と違う事は理解している筈だが』

 

〈彼〉の時ほど強い力は出ないが、代わりに目が凄い事になっている。

動体視力、だろうか。さっきまで目の前まで見続けてやっと合わせた動きが、動き始めから最後までよく見え、躱す事が出来る。

 

(えっと・・・さすがに剣は殺傷力が高すぎるかと。それよりも、あなたは――――)

 

『霊基を受け渡した以上、あまり長くは留まれない。伝えるべき事のみ伝えさせてもらおう。・・・まず、今回の個性消失はあの銃弾によるものではない』

 

(・・・え? でも、それならどうしてッ)

 

『正しく言えば、あの弾は確かにお前の個性に傷をつけたがパイプが壊れたのは別の話だ。弾の影響が個性に及んだ瞬間、パイプは自壊を始め崩壊し、今も原因の究明に君の相棒は大忙しだ』

 

銃弾は関係が無かった。

それなら、近くにもう一人・・・パイプを壊すような誰かが居て僕はその個性にやられた?

 

『目的も方法も分からないが、気をつけるといい。外敵か、内敵かいずれにせよまともな者の犯行ではない。おぞましい計画の一端の可能性であることすら有り得るだろう』

 

内側から、声の主の存在が薄れていくのを感じる。

この人の助けが無ければ、洸汰君を助けることなどできなかった。

だから

 

(・・・・ありがとう、ございます‼)

お礼の言葉は、いくら言っても言い足りない。

でも、多くの言葉を重ねるよりも一言でいいからこの気持ちをぶつけたかった。

 

 

『・・・なに、大した事はしていないさ。これからは君が戦うんだ、私の助力など大した意味もない』

 

 

 

 

霊基とは座に登録された英霊の記録であり、その存在全てである。

巌窟王は緑谷出久を7日間の地獄で試しその霊基を譲った。

 

己の力、技量・・・人生においてあらゆる努力によって得た力を赤の他人へ譲る者など多くは存在しない。

 

故に、そのようなことが出来る者は一部のお人よしか、狂人か――――正義の味方なのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「取り寄せの個性だろうが、俺が取り上げている間はどっかから取らなきゃならねぇな‼」

マスキュラーの腕が、再び緑谷の体を狙う。

一撃、ただ一撃入れてしまえば相手の体を四散させることが出来る。

そして相手の武器は僅かに腹部まで到達したが、刀身の短さからこちらに致命傷を与えることは出来ない。

 

空ぶった腕を、下方向からいつの間にか手に持っていた白黒の双剣が切り上げる。

その刃は容易く太い筋繊維を両断し――――しかし、蠢く筋に再び飲み込まれてしまう。

 

先ほどから繰り返される光景。

だが、目の前の少年が再びいつの間にか二振りの剣を手に取った所で僅かに違和感を覚える。

いかに剣の貯蔵があろうとも、その数には限りが存在するはずだ。

その数が無意味に減り続ければ、多少の焦りも見えてくる筈。

にもかかわらず、その表情に焦りなど微塵もなくただ淡々とその剣を振るっている。

 

「どうした?考えるとはらしくない。力任せの特攻が君の得意分野のはずだが」

 

水を差すように挟まれたその言葉に、違和感がさらに積み重なっていく。

この煽るような言葉も、なにかから気を逸らそうとしているとしか思えない。

 

「良いんだよッ、こまけぇことはどうでも‼楽しく個性使って、楽しくぶっ潰す‼それだけできりゃぁ問題ねぇ‼」

 

だが、己の快楽に僅かにあった冷静な思考は簡単に流されていく。

両腕を振り上げ、組み合わされた腕は筋によって再び絡み合い一つの鈍器として形成されなおす。

 

大地を砕いた凶腕が、再び緑谷へ振り下ろされようとして――――

 

 

 

 

 

ズッ、と。

繋ぎ合わさったその両手の間に、銀色の剣のような矢が突き刺さり―――

「こんなもんで止まるかよ‼さっさと血ィ撒き散らして、死ねぇぇぇぇッ‼」

何の障害にもならないと、その腕は鈍る事無く振り下ろされる。

 

狂気に笑みを深め、撒き散らされる血に心臓を高鳴らせたマスキュラーの顔を、緑谷はただ何もせず見上げ――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マスキュラーの背中――――肩甲骨の直上で、爆炎が上がる。

 

「ッ!? 何が―――――‼?」

吹き飛ぶ筋繊維、そして背中を覆う熱量に体を思わず丸めれば、その体を黒いブーツが突き放すように蹴り飛ばす。

 

 

「――――決めるとしよう」

 

背後へ倒れていくように離れていくその巨体に、緑谷は口元へ初めて笑みを浮かべる。

どこまでも爽やかなその笑顔のまま、告げるのはこの戦いを終わらせる最後の台詞。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――――壊れた幻想(ブロークン・ファンタズム)。健気にも大事に剣を回収していてくれて助かったよ」

 

 

 

マスキュラーの背中、腕、腹部に張られた筋肉の鎧の中で投影された剣が熱を帯びる。

先ほどの爆発の原因、それにようやく気付き筋繊維を緩め剣を落とそうとするが間に合うはずもない。

 

「ッ、ま―――――‼」

 

夜空を照らし切るような閃光が、放たれる。

爆炎はマスキュラーの筋繊維を容易く弾き飛ばし、その肉体を露わにしていく。

そして同時に、圧迫された筋繊維の中で起きた爆発の衝撃波は容赦なく彼の肉体を貫き、打ち付ける。

 

 

波紋のように広がる衝撃は、脳を打ち揺らし―――――人の姿へと戻ったマスキュラーの体は、ゆっくりと地面に倒れ伏した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

洸汰の視線の先で、両親を殺したヴィランがゆっくりと倒れていく。

それを成した背中が、涙の止まった瞳にしっかりと映っている。

 

赤い外套に身を包んだその後ろ姿。

急に恰好は変わって圧倒するようにヴィランを打ち倒したが、目を凝らせばその髪には血がべったりと付着しており、手足には無数の傷跡が刻み込まれている。

 

〈洸汰。あんたのパパとママ・・・ウォーターホースはね、確かにあんたを遺して逝ってしまった。・・・・でもね、そのおかげで守られた命が確かにあるんだ〉

 

脳裏に響くのは、両親が殺され何も信じられなかった時にマンダレイが話してくれた言葉。

 

〈あんたもいつか・・・きっと出会う時が来る。そしたらわかる〉

 

あの時はただ、自分を励ますための誤魔化しだとしか感じなかった。

こいつもまたヒーローで訳が分からない考えの持ち主なんだと、そう思ってしまった。

 

唐突に、目の前の彼から青い光が飛び散る。

ほどけるように赤い外套が消え去り―――現れた背中。

血だらけで、晒された両腕は傷のない場所を探す方が困難で。

 

 

 

「なんでっ・・・何も知らないくせにっ」

 

〈命を賭してあんたを救う。あんたにとっての―――――〉

 

目の前の後ろ姿と、先ほどまでの命をかけてヴィランへと食らいついていく姿が重なる。

殴り飛ばされて、いたぶられて、それでもただ自分にヴィランが手を出さない様に必死で喰らい付いて行ったあの姿。

 

 

さっきの大男に比べれば、小さく見えるその後ろ姿から目が離せない。

小さく、大きなその背中に安堵と共に強い――――名前など分からない熱い気持ちが溢れてくる。

 

 

その後ろ姿はまさに少年が憧れた両親の後ろ姿と同じ。

命がけで助けてくれる――――

 

(僕の―――――・・ヒーロー)

 

 




「――――随分と頭が回るじゃないか。申し訳ない、てっきり脳の中まで個性通りなのかと思ったよ」
(やっぱり、経験なのか洞察力は高いッ。動きも単純に見えて逃げ道を潰すように動いていた気もする!)

「あいにくと筋力には自信が無くてね。代わりと言っては何だが、少しばかり手品をお見せしよう」
(パワーは少し足りてないかも知れないけど。できる事は多いみたいだ、僕が上手く使えれば‼)

「どうした?考えるとはらしくない。力任せの特効が君の得意分野のはずだが」
(っ、かかってきなよ‼僕なんか簡単にやれるはずだろ‼)


「――――決めるとしよう」
(準備が・・・整った!)

「――――――壊れた幻想(ブロークン・ファンタズム)。健気にも大事に剣を回収していてくれて助かったよ」
(「――――――ブロークン・ファンタズム。上手くいって・・・良かったッ)




















β世界線 真相編








「ーーーーートレ・・・・」



『待て貴様っ、何をする――――』
『良いじゃないか。減るものでもないだろう?むしろ増えるっ、少年ラッキーだネ!』






「血ィ見せろぉぉぉぉぉ‼」
無慈悲に振り下ろされた拳が洸汰の眼前に迫り――――背中、筋で覆われた肩甲骨の辺りに何かが衝突した衝撃で真横へと逸れていく。

「・・・あぁ?」


空を切ったその拳の余波で転がる少年などもう興味は無いとばかりに、獣のような顔つきをいぶかしげなものへと変える。
背中へと手を回しその何かへと手を当て、そこへ埋め込まれた何かを筋繊維の中から取り出す。


(銃弾だと!?あのボロ雑巾、銃でも隠し持ってやがったのか?)


反射的に首を覆うように筋繊維を張りながら、勢い良く振り向き―――





「―――――はぁ?」

今度こそ驚愕ではなく、困惑した様な声が口から漏れる。
視線の先に居たのは確かに先ほどまでいたヒーローの卵。

だが、先ほどまでとの違いが多く存在する。
「実は取り寄せの個性だったってか!?それにしちゃぁ、随分とダセェ格好と・・・あと、ナンだソレ?」

「――――はっはっは!仮装衣装では筋肉ドレス君にはさすがに負けるネ!ぶふぅっ、いいセンスだよ君ィ」



妙な口調。
先ほどまでの口調とはまるで違う、煽るようにーーーしかし、その瞳は抜け目なくマスキュラーの四肢の動きを観察している。


そして、その右手には金色の杖が輝き、左手に持った鎖の先には過度な装飾を受けた巨大な棺桶のような何かが置かれている。
服装も変化しており、白いシャツの上に赤いベスト。
何故か周囲には青い蝶が舞っている。




顔を見なければ別人と間違うその姿。
しかし、マスキュラーにとってそんなことはどうでもよかった。
壊れかけのオモチャが勝手に直り、立ち上がる姿に喜びしか湧いては来なかった。


「イイぜ‼面白いじゃねぇかッ、そいつから何が出て来るか見せてくれよ‼」

地を蹴り砕き、マスキュラーが跳ぶ。
距離を詰め、腕を振るおうと右肩を上げ―――――緑谷が左手に持った棺桶を持ち上げ、ダンッと地面に下ろす。
勢い良く棺桶が開けばその中から上空に向けて飛び出すのは、小型のーーー


「なんだよそりゃぁ‼?」



ミサイル。
迫るソレの正体に、近くへと迫ったことでようやく気付く。

空から雨のように降り注いだ小型のミサイルは、筋肉の鎧へと着弾した瞬間爆炎をあげる。


ガードするように交差した両腕にから千切れ飛ぶ筋繊維。
それでも、耐えきったと腕を解きながら不敵に笑おうとしてーーーー



「・・・・マジかよ」

「そう悲観することはないさ。ゴム弾だからネ!」

こちらを狙う銃口。
棺桶が変形したのだろう巨大な重火器を目にして、マスキュラーの顔に初めて怯えの色が映る。

だが無慈悲にも、秒間数十発の勢いでゴム弾がその体へと撃ち込まれた。



























『エミヤ君だと思った? 残念、アラフィフ紳士でしたー!!』

今も手の中で振動しながら弾を吐き出す重火器を、すぐにでも投げ捨てたい。


(言われた通りにやりましたけど流石にこれは・・・。それに、あなたは――――)

『計算済みだから安心したまえ、これくらいじゃアレは死にはしないさ』

(・・・また、僕の体を乗っ取りに来たんですか?)

『イヤイヤ。ちょっと撒いていた伏線を回収しに来ただけサ!・・・全く、君の体はエドモン君の霊気が大半を占めてたから私の霊基を預ける余地が無くてネ!』



(伏線?・・・それに、霊基を預けるって一体)


『前にパイプを弄ったときに個性に干渉されたら一気に接続が切れるように細工してね。まるごと敵の攻撃のせいにして出てくる計画だったのサ!』


つまり・・・・銃弾が直接的な原因では無かった?
何をするのかと叫ぼうとして、この人物がなんのためにそこまでして霊基とやらを預けようとしているのかと頭を過る。



(何が・・・目的ですか?)

思わず、身構える。
底の読めない、思考すら理解できないこのおじさんの望みは














『ーーーーーうちの娘が心配で夜も眠れないんだヨ!!』


(・・・はぃ!?)




『考えてもみたまえ、あのツンデレの鏡のような可愛らしい子だ。どこからの誰かが、アイツはヴィラン側だヨ、とかチンピラをそそのかして連れ去らせて実は自分のライバルを誘き出すためのエサにする!とかありそうじゃないか!!』

ならば時代は火力だ。
娘を狙うヴィランは肉塊にして滝壺に沈めよう。



(いや、流石に考えすぎじゃ・・・)



唐突に内側から、声の主の存在が薄れていくのを感じる。
何はともあれこの人の助けが無ければ、洸汰君を助けることなどできなかった。
だから

(えっと・・・・ありがとう、ございます)
感謝。
でも、妙な気分。
複雑なその声音は一切気にせず、声の主は変わらない飄々とした態度で答える。


『・・・助ける知識を与えると言ったが道案内で終わったからネ。これでキミへの支払いは全て精算し終えたってワケだ』




霊基とは座に登録された英霊の記録であり、その存在全てである。
巌窟王は緑谷 出久を7日間の地獄で試しその霊基を譲った。

己の力、技量・・・人生においてあらゆる努力によって得た力を赤の他人へ譲る者など多くは存在しない。

故に、そのようなことが出来る者は一部のお人よしか、狂人か――――常人には理解できない天才なのだろう。

















そのころ、α世界線のアラフィフはエドモンに全力でコブラツイストを決められていた。

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