俺の霊圧は消えん!   作:粉犬

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vs.ケツァルコアトル

題名はなんと翻訳サイトだからちゃんとしているかは不明!!!!(


原作開始までの物語(ダイジェスト)
番外編『Batalla caliente』


「日本に行くそうデスネ」

 

「ム……」

 

日本の高校に行くことになった俺は、修行場のトレーニング用品を整理していた。

そんな時、背後から声が投げかけられる。

件の女神、ケツァルコアトルだ。

 

「ああ」

 

「そうデスか。日頃の息抜きの場が少なくなって、お姉さん悲しいデース。ですから」

 

一気に叩きつけられる純粋な闘気。

 

「言葉は不要。神は人間に試練を課すものデース! 貴方の旅路への餞別、この場で渡しマース!」

 

言うや否や、マカナと呼ばれる棍棒の様な武器で殴りかかってくる。

即座に両腕共に武装し、右腕で受け止める。

しかし何の冗談かこの棍棒、()()()()

 

「両腕共にその状態にできるようになったのデスね! お姉さんわくわくしてしまうわ!」

 

軽口を聴きながらもその攻撃の威力は絶大。足元の地面が陥没するほどの衝撃が体に走り、ガリガリと音を立てて腕の装甲を削っていく。

 

「づっ! ぉおおお!!!!」

 

渾身の力で振り払い距離を取らせる。腕の装甲を見れば出血しているのが解る。

この目の前にいる女性の攻撃は、信じられないことに虚化をした状態の巨人の右腕(ブラソ・デレチャ・デ・ヒガンテ)でないと受け止めきれないのだ。

顔に手を当て仮面を出現させる。

 

「いつみてもその仮面、祭具に似てますね。神聖な勝負という名の儀式、それに相応しいデース!」

 

「ぉおおおお!」

 

此方には口を聞いている余裕などはない。

左腕(攻撃の腕)から出す特大の拳撃を叩きこむ。

 

「オーレッ!」

 

そんな掛け声とともにその拳撃を()()()()()()()

驚きはしない。むしろこんなことで驚いていたら身が持たない。精神的にも物理的にも。

瞬歩で回り込み、もう一発撃ち込もうと飛び出したら笑顔を浮かべるケツァルコアトルが眼前にいた。

瞬歩の速度に完全についてくるどころか、肩をしっかりと捕まれ膝が顔面を捉える。

 

「ぐっ」

 

意識が飛びそうになるがそんなことは言っていられない。

ルチャリブレの技はモーションがでかく連撃が効かない。相手を掴み打撃を当てたり、飛んで自重で相手を潰したり、どうしても溜めが大きくなる。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()女神(規格外)()()()()()()()()()

 

反れた上体の体勢を立て直そうとしている瞬間、肩に足をかけて高く飛びあがるケツァルコアトル。

ヤバイ、来る!

 

「取って置きのプランチャを喰らいなサーイ!」

 

ボディプレス。

あの程度の身長、体重であれば受け止められるくらいには鍛えているつもりだ。

だが、彼女が技として繰り出すそれはもはや物理法則など関係無い程に重く、俺の体を圧し潰してくる。

 

ズガンッ!

 

と大砲でも着弾したかのような音を響かせ俺の体が地面に文字通り沈み込む。

 

「まだまだぁ!」

 

だがこの程度で終わっていられない。

虚閃(セロ)で辺りの地面を吹き飛ばし飛び出す。

一気に距離を詰め近接格闘(インファイト)に移行する。

 

1(ウノ)

 

右腕で体の中心を狙い突きを放つ、しかしマカナで逸らされる。

 

2(ドス)

 

左腕で打ち下ろす、またもマカナで真正面から防がれる。

あれは一体何でできているんだ……

 

100(シエントス)

 

どこかの破面(アランカル)の技を真似た、自分にできる最高速度の左右の連打。

だが急所に当たるものは全て潰され、大したダメージは与えられない。

 

「だが、その武器は貰った!」

 

魔人の一撃(ラ・ムエルテ)

 

自身の持ちうる最高威力の技。

この状態(虚化)では初めて打つが、威力なら折紙付きだ。

 

「くっ!」

 

大きく甲高い音を立てマカナが粉々に砕け散る。

するとケツァルコアトルは大きく跳んで距離を取った。

 

「ヤー、やっぱりいいデース! こんなに胸が躍る戦い、中々できるものではありまセーン! 私の技を喰らっても起き上がってくるその頑丈さ。決して折れない心! やっぱりルチャドールの才能がありマース! 今からでも連れて行ってルチャドールの道を目指させたい所デース!」

 

息も絶え絶えのこちらと違い、テンションが急上昇して機嫌よく話すケツァルコアトル。

しかし一気に真面目な顔になる。

 

「でも旅立ちは旅立ち。惜しいけど送り出さないとね」

 

先ほどから発していた闘気が可愛く見えるほど、空気が壁となって自身に叩きつけられるような錯覚を起こすような圧が発せられる。

 

「最高の技を、貴方に贈るわ」

 

ケツァルコアトルの立つ地面が爆ぜ、反応する間もなく体を掴まれる。

それと共に周囲に爆風が吹き荒れる。

 

「私は蛇!」

 

その言葉と共に天空へと投げ飛ばされる。

息もできない程の速度で上がっていく中で視界に移るのは炎を纏う姿。

 

「私は炎!」

 

まるで鳥の如く上空を飛行する俺に追いつき腰を掴み、叫ぶ。

 

「『炎、神をも灼き尽くせ(シウ・コアトル・チャレアーダ)』!!!!!!!」

 

自身が隕石にでもなったかのような熱さ、強烈なGの中で俺は思う。

 

 

この瞬間を待っていた。

 

 

両手にすべての力を集約する。

そして足でケツァルコアトルを拘束する。

 

「なっ!?」

 

「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

 

着地の瞬間両腕から力を解き放ち、両腕で着地し地面を掴み取り、体を叩きつける要領でケツァルコアトルを地面へと脳天から落とした。

 

「ぐっぅ……!」

 

虚化が解ける。

両腕はもはや使い物にならない、呼吸もままならない体ではあるがある種の達成感が身を包んでいた。

あの脳天落とし破りが成功したことへの歓喜である。

 

「……まさかあれを避けるとか、防ぐとかじゃなく、返されるとは思ってませんでした」

 

視線を上げるとそこには無傷のケツァルコアトルが立っていた。

 

「贈るどころか最高の贈り物をもらってしまいましター」

 

少し照れるような笑いを浮かべながら頭を掻く姿に内心少々驚きながらも、まあ神と称される程なのだから届かない程遠くてもおかしくはないだろう。

 

「いや、これまで返しきれないものを貰っていたのは俺だ。別れの日に少しでも返せたというのならこれ以上ないことだ」

 

「……頑張りなさい。きっとあなたには多くの試練が待ち構えているわ。でも、きっとそれを超えられるって私は思ってマース」

 

すると一枚の羽を俺に渡し、こう言った。

 

「だからまた会いましょう? その時はルチャの道も考えておいてくれると嬉しいわ」

 

「ふっ、ああ、考えておく」

 

「フフッ、ではチャオ! ヤストラ!」

 

それは誰も知らない二人の戦士の一幕。

 

 

to be continued…

 

 

 

 

 

 

ちなみにチャドはこの後黒歌に回収されめちゃくちゃ怒られながら治療された。




特に書くことではないけど後日隕石でも降ってきたのかと近所で噂されたりはしたらしい←

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