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階段に腰掛けて部屋を見下ろす
地面の丸い模様を四角く囲む赤い葉っぱの線
そこから伸びる直線の道
その先には僅かに光が見えるDELTA RUNEの刻まれたゲート
多くのモンスターが焦がれ求める日の光
地上と繋がる所を示すもの
この場所にはどんな意味があったのだろう?
「ねえ、帰らないの?」
何をする訳でもなく座り込んでぼーっとしていたら傍らに置いていた花がうんざりした顔で聞いてきた。飽きたのかな?
それにしても帰る、帰るか......。ぼくの帰るべき場所はRuinsのあの家ではないという確信は未だにある。
でも、帰りたいと思うのはTorielの待つあのHomeだけだ。
王都の家は覚えのない懐かしさと大事な何かが欠けているような寂しさを感じてどうにも落ち着かない。
そして心の奥底に刻まれている帰るべき場所はどこにあるのかすらわからない。多分地上のどこかだとは思うけど。
それはともかく
「ここらで一旦状況を整理しようかと思って。......Torielの前ではできるだけひとりごとは避けたいから」
「あー、やっぱり僕と話してると変な目で見られるのか。声に出さなくても伝われば便利なんだけどね」
もうあんな生暖かい優しげな目で見られるのはごめんだ
「状況の整理? ていうかボクにそのひとりごとを聞かれるのはいいの?......まぁ今更だよね」
本当に今更だからねこのストーカー花
*ヘンタイッ!
「ぼくのLVはもちろん1。装備は玩具のナイフと包帯。持ち物は棒切れ、パイ、アメ、ドーナツ、サイダー、リボン」
「......防具の更新は」
「Ruinsならこれで充分でしょう?」
なんとなく手放し難いんだよねこの包帯
「あとお供に反省中のFloweyが加わった」
「ボクが進んでキミと居るみたいな言い方やめてくんない?」
全く反省していないけど
「目下の目標はこれまで通りRuinsでぐだぐだしながらFloweyと仲良くなること」
それとできればプレーヤーにやる気を出させること
「せいぜい頑張って、無駄だけどね!」
......花とはまた
「具体的には何をすればいいんだろう?」
「......これまで通りに水あげたり話しかけたりすればいいんじゃないかな?」
それでダメだから聞いてるのだけど
「その様子だとキミのイマジナリーフレンドは役立たずみたいだね」
「きみも話せたらいいのにね」
そうしたら何か変わるかもしれない
「うーん......Floweyは僕のこと認識できてもおかしくはないんだけどね。声が聞こえるかは別問題なのかな? そもそも原因不明だからなあ......」
「え、そうなの? ちょっとFlowey! あそこに浮かんでるパソコンのモニターみたいなやつ見える?」
「ボクはもう子どもじゃないからイマジナリーフレンドなんて見えな......うわなにあれ時空の歪み?」
「マジか。てかそういう風に見えてたのか......えーと、やあ聞こえる?」
*驚いて彼は固まってしまった!
「反応しないね」
「そうだな......Chaos BusterとかStar Blazingってぼくのかんがえたさいきょうのまほう的な技名だけどあれ発動の時に高らかに唱えてたり」
「なんで知ってるんだよ!?」
「あ、解凍した。......よくわからないけどぼくはかっこいいと思うよ」
「おー、ついに君以外とも話せるようになったか。......本当に何なんだろうなこの状況。楽しいけど」
*落ち着くまで少し時間が必要だ
「つまりキミが引きこもってるのはそこの別次元の人間のせいってこと?」
粗方説明した後に花が発した第一声がこれだった。
「こいつの希望に沿って行動すると決めたのはぼくだよ」
「でもそうだね、原因は僕だ。真の勇者も愚か者も中道を歩まず、なら道を決めすらしてない僕は何者にもなれない愚者以下の何かなのかもね。定めた道を違えた末路だ。これでは誰も幸せになれないことはわかってるけど......」
「......」
「きみ相当恥ずかしいこと言ってるって自覚はある?」
「やめて指摘しないで」
周回重ねるとRuinsのパズルのヒントの文章は心にグッサリくるんだよというかあの技名はよくて僕のはダメなの!?と言い訳が聞こえるが流す。
花の様子を伺うと何かを考え込んでいるようだったけど、言葉を見つけたのかプレーヤーの方を見て口を開いた。
「どうして? キミは他にやることがあるでしょ? ボクらみたいに閉じ込められてるわけじゃないんだから。どうして
「好きだからだよ」
花の問いかけにプレーヤーは考えるまでもないとそう答えた。
「愛していると言ってもいい。それくらい僕はこの世界に
だからごめん諦めて。プレーヤーは申し訳なさそうに笑っていた。きみがいないとぼくは歩くことすらできなかったっていつになったら理解するんだろうね。
「ただ、今回に限っては主導権をその子に託している。僕は何もしない。......その子の命を守ること以外は。君の望みを叶えたいのならその子をなんとか説得するんだね」
そこでぼくに丸投げするのか......! というか花の望みってなんだよ地下世界の神様になること? 今までの花の所業を考えるととてもバリアを壊すためとか殊勝な理由じゃなさそうなんだけど叶えて大丈夫なのその願い!?
恐る恐る花の方に視線を動かす。
わけわかんないと言って俯いていた花はいつの間にかこちらに顔を向けていた。
「結局キミ次第か......。ねえどうしたらハッピーエンドに向かってくれる? エレベーターの電力を落とさなかったらいいの?」
「あれきみのせいかよこのf*ckin' Flower!!」
絶っ対にきみの言う通りになんて行動しないからな!!
但しネタを思いつくかどうかは神のみぞ知る