ぐだぐだてーる   作:UTPlayer

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Ruinsに侵入者は果たして実在したのか......?


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ありがとうございます!

追記
ソフィアさん誤字報告ありがとうございます


落ち葉の上にて

 いつかの幽霊に倣って赤い木の葉をベッドに目を閉じる

 静寂、しかし無音ではない

 それまで聞こえなかった小さな音を耳が拾う

 枯れ葉が擦れる音、Froggitの鳴き声、風が通り抜ける音

 それはささやかだが確かに音楽だった

 

 

 「ほかにやることないの?」

 

 暇を持て余した花によって静寂はかき消された。

 目を開けてすぐ側に置いていた花の方を見る。

 

 *彼はとても退屈している

 

 「んー......Vegetoid相手に何ターンしのげるか新記録目指す?」

 「そんなこともやってたの、本当にヒマなんだね......てかそれボクはやることないじゃん」

 

 そうは言ってもRuinsでできることは限られてるからな......

 

 「じゃあきみは何か良い案があるの?」

 「外に出る」

 「えー」

 

 不満げな声をあげたら花がイラッとした顔で睨んできた。Ruinsでできることって言ってるだろ。

 

 「ここでできることなんてないでしょ」

 「何かあるって......廃墟の街に行く道探すとかは?」

 

 倉庫から見える街を探検できたら楽しそうだよね。

 

 「......アテはあるの?」

 

 どうやら多少は興味を引けたみたいだ。

 花もあの場所には行ったことないのかな?

 

 「第一候補は遺跡の入口の落ち葉が積もっている所だね。僕はあの下に下り階段があるんじゃないかって思ってるんだ。そもそも防衛を優先するならあの場所は左右対称のカーブ階段ではなく壁に沿って直階段か梯子がベストだと思うんだよね。そしたら上から石なり魔法なりで攻撃できるからさ。なのに中央に空間があるってことはそこに何かがある」

 「はい、そこまで」

 

 またプレーヤーがBGM再生機になるところだった。油断も隙もない。

 というかそんな人間みたいにえげつない罠をモンスター達が思いつくとは思えないから考えすぎだと思うんだけど。

 

 「なに今の......」

 

 突然のマシンガントークに花が戸惑っている。そう言えば聞いたの初めてなのか。

 

 「あいつこの世界(このゲーム)に関してはAlphys博士並にオタクだからよくああなるんだ。放っておくと延々と喋り続けるから聞き流すか途中で止める必要がある。きみも気をつけてね」

 「言い訳できない。君達が興味ないのはわかってるけど話す機会があるとつい......」

 「ふーん......OK. テキトーに流せばいいんだね」

 「聞いてくれてもいいんだよ!?」

 

 ぼくと花が同時に鼻で笑った。キリがないのにまともに聞くわけないだろ。

 

 「まあ真偽はともかく。どうする? 探しに行く?」

 「......行く。ここで横になってるキミを眺めるよりはマシなヒマつぶしになりそうだし」

 

 *彼はその気になったようだ

 *あなたは立ち上がり、両手でしっかりと彼を持ち上げた

 *彼は幾分か以前より安定している

 

 「きみは宇宙を感じれなさそうだよね」

 「何の話?」

 「ゴミみたいな気分になる話」

 「もっとわけわかんないんだけど?」

 

 こうやってたわいもない話を花とするようになるとは思ってもみなかったな。

 

 「あいつの予想が外れてたらちょっとRuinsの外に出ようか」

 「え!?」

 

 Ruinsの外でセーブしない限りプレーヤーの望みに反することにはならないから少々の外出は許容範囲内ということにしている。あいつはTorielとお別れする度に傷心(Heartache)するけど。

 

 「ようやく進む気になったの? ......やっぱりさすがに飽きちゃった?」

 「いや、進まないけど。この穏やかさのためなら退屈くらい許容できるし」

 「......キミって本当に予想がつかないよ」

 「変わってるってこと? 失礼な。あいつ程じゃないよ」

 

 傷つくと安心して楽しいと罪悪感で潰れそうになるやつを差し置いてぼくを変人と呼ばないで欲しいな。

 あいつはそのことを表に出さないようにしてるからぼくも指摘したりはしないけど。

 繰り返した全てをいくら無かったことにしても、あいつの中では無かったことにできてないんだろうな......

 そんなに深く考えなくてもいいと思うんだけど......今を全力で楽しめば良いのに。少なくともぼくはいつかのことなんて知らないし、知ったとしても気にしないだろうからさ。

 

 ぐだぐだ話しながら歩いたり落ちたりして遺跡の入口に到着した。

 階段を降りて段差の下の赤い落ち葉が敷き詰められている一帯を調べる。

 

 *あなたは枯れ葉をかき分けた

 *散らかった枯れ葉は自然と元の場所に戻ってしまった!

 *枯れ葉達は整然と並んでいる

 

 「......」

 「......」

 「......」

 

 *枯れ葉達は整然と並んでいる

 

 「Torielに言ったら通れるかな......?」

 「止められるに決まってるでしょ」

 

 過保護だからな......一応聞いてはみよう。

 ダメだったら彼女には悪いけどちょっと外に遊びに行こう。

 ......彼女の言いつけをほとんど破ることになるな。まぁ、ぼくがいい子じゃないのなんて今更だよね。




パズルの設置方向から想定されている侵入路はスタート地点の縦穴とすると、
あの縦穴わざわざ降りてまで来る人間とか殺意高すぎるので居たとしたらモンスターは全滅してそう。
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