ぐだぐだてーる   作:UTPlayer

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花と冒険(ESC保険付き)

追記
少し修正しました


だらだらお出かけ中
雪に覆われた森の中にて 1


 背後で扉が閉ざされた

 耳鳴りがする

 風が唸っている

 とてもさむい

 両手で抱えた鉢を強く抱きしめる

 顔を上げて前を見据えた

 

 「フン......よりにもよってボクにキミのことを頼むなんてやっぱりあの人は頼りにならないね。......どうかしてるよホント」

 

 花が胸中に渦巻く苛立ちを吐き捨てるようにそう言った。

 先ほどの彼女の言葉を思い返す。

 

 

 『小さなお花さん、どうかその子のことをお願いね』

 

 『その子と一緒に旅をして、支えてあげてちょうだい』

 

 『怪我をしないように見ていてくれると嬉しいわ』

 

 『......そして、あなたも。......どうか、元気で』

 

 『気をつけてね。いい子でいるのよ』

 

 『......さようなら。私の大事な子達』

 

 

 何度経験してもこの別れは胸にくる。戻ることができると知っていても。

 彼女の期待を裏切り、彼女の献身を踏みにじり、彼女の寂しさを見過ごしても、それでも彼女はぼくのことを......ぼく達のことを想って言葉を尽くしてくれる。無償の愛を注いでくれる。

 彼女に報いることがぼくにできるだろうか?

 

 「いつまでぼーっと突っ立ってるつもり? ってか次元の向こう側のヤツうるさい。アレで泣くとか正気? 何回目だよキミ?」

 「グスッ......回数とかの問題じゃないんだよぉ......」

 

 花に声をかけられて今に意識が戻ってくる。プレーヤーが泣くのは今更だから無視する。

 そうだ。今は進もう。以前と同じ道を。今度は花と共に。

 

 *あなたの前には直線の一本道が続いている

 *幅は狭く薄暗く深い森に押し潰されてしまいそうだ

 *静かだ......静か過ぎる

 *木々の隙間からナニカがこちらを伺っている......?

 

 やめてよ! 今までそんなフレーバーテキストなんて出して無かっただろう!?

 分かっていても怖いものは怖い。でもここで立ち尽くす訳にはいかない。

 

 「よし、行こう。......いつものお願い」

 「グスッ......ふう。......またやるの? 今回はFloweyもいるし......あーあー了解」

 「いつもの?」

 

 花をしっかり抱えて前だけに集中する。耳はできるだけプレーヤーの声だけを聞くようにする。

 

 「テレレテレレ テレレテレレ テレレテレレ テレレレ♪」

 「は?」

 

 なにも聞こえないなにも聞こえてない枝とか知らない

 

 「テレレテレレ テレレテレレ テレレテレレ テレレレ♪」

 「え、ちょ」

 

 知らない知らない消える人影とか見てもない

 

 「パパパ パパパ パパパ パパパ パパパ パパパ パパパパパ♪」

 「......」

 

 後ろから迫ってくる不気味な足音とか全部気のせい!

 

 「チャララララララララララララ♪」

 

 ここで振り返って左手で握手!

 

 汚ったない音が静かな森に鳴り響く。

 握った手はとても細く、若干ヌルヌルしている。

 目の前にはニヤニヤ顔のスケルトン。

 

 「へっ......古い手だが手にブーブークッションを仕込んでおいたのさ」

 

 それはいいけどその前がいただけないな!

 

 「......キミ本当に怖がりなんだね。ちょっと手を緩めなよ」

 

 花が呆れたような声で言った。その言葉で手が白くなるほど力を込めて鉢を持っていたことに気がつく。

 

 「ってちょっと待て......オイラが来るの分かってたのか? アンタ振り返っただろ。オイラが話しかける前にさ......いや、その......」

 

 彼が花に視線をやる。歌に合わせてタイミングを計って振り返っただけだよ。花は関係ない。

 花は一瞬ビクッとしたけどすぐにいつもの笑顔になって挨拶をする。花もプレーヤーと同じように彼のことが苦手なのかな?

 

 「Howdy! ボクはFlowey. お花のFloweyさ。キミとは初めましてだね!」

 

 やけに初めましてを強調する花を彼は真っ暗な眼窩で見ていた。しばしの無言。けど、ちょっと目を瞑っていつものニヤケ顔に戻った。とりあえず普通に挨拶を返すことにしたようだ。

 

 「オイラはsans. スケルトンのsansだ。初めまして。言葉を話す花のflowey. それとアンタは人間、だろ?」

 

 その問いに頷く。少なくともぼくはモンスターではない。痛みに鈍く、死にかけるような怪我でも何の支障もなく動き続けることができる。そんなぼくが本当に人間なのかは定かではないけれど。大部分が水で構成された体とソウルを持っているのは確かだし多分人間だよ。

 

 「そりゃあいい。オイラは人間が来るのを見張ってるように言われてるんだ。ま、捕まえるつもりはないから安心しろ。ただ弟のpapyrusは筋金入りの人間ハンターで......そう言えばアンタはオイラの弟のことを知ってるんじゃないか? なあflowey?」

 「う、うん。知ってるよ」

 「じゃあアンタは見つかっても大丈夫だな。人間を隠すのに都合のいいランプがあるんだが、アンタを持ってるとはみ出るからな......という訳だ。ソイツはオイラが持っておくからアンタはあのランプの後ろに隠れるんだ。早くしろ。弟がもう来るぞ」

 

 *彼をSansに渡す?

 渡す  やだ

 

 急かされて躊躇う間もなく鉢を彼に渡す。

 花が捨てられる子犬のような目で見てくる。どんだけ嫌なんだよ。

 

 「じゃあちょっとお願い。......がんばれFlowey」

 

 すがりつく視線を振り払ってぼくの体にジャストフィットなランプに隠れる。プレーヤーが小声でドナドナ歌っている。

 大丈夫かな......




2000字超えると話を切りたくなる症候群
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