のび太のBIOHAZARD Extream Unbreakable Memories 作:ジャン=Pハブナレフ
ここは、アンブレラの私有部隊のUBCSの基地である。二人の男女が急ぎ足で本部のとある一室に入った。
「どうしたエスター、リシーツァ?」
エスターというバンダナを身に付けている若者は息を切らしている。
「最悪なのと、どうでもいいのがある」
「紅茶がまずくなるからどうでもいいのからで頼む」
青髪の傭兵はダージリンティーを飲みながらそう言っている。
「シンガポール支部にあった化粧品サンプルが盗まれたそうだ。」
「それはどうでもいいですね。そんなの僕らに関係ありませんね。」
青髪の青年は武器を磨きながらぼやいていた。
「ヤノフの言う通りだ。んで、最悪なのってのは一体?」
紅茶をすすりながら隊長らしき人物が話を聞いていた。
「それはあたしに話させな。」
「ああ分かった。」
「日本で例の餓鬼どもを引っ捕らえるのと現地のUSSの奴から新型のサンプルの回収の任務であたしたちに出撃命令が出てるんだ」
リシングスキーはそのことを聞くとカップを落とした。
「早く言えよ!」
「やれやれだ…」
寡黙な青年が立ち上がるとサイダーを飲んでいた青年も一気飲みをして立ち上がった。
「こっちは香港とアフリカで裏切り者のUBCSとB.O.Wの処分に行ってたのな!」
青年は軽くキレている。
「こうも裏切りとかが出るアンブレラもそろそろ末期だな…まあいい行くぞ。俺たちの出番だ。セイカー、リシーツァ、ヤノフ、エスター…行くぞ!」
そう呟き、一行は空港に向かった。
5年前、ススキが原を襲った伝染病事故で人が暴徒化し人々はパニック状態に陥り完全に街そのものが封鎖された。
しかし、これは全て当時の製薬会社アンブレラの研究員であった金田の陰謀だったのだ。彼は街を実験台にし人々を苦しめたがのび太たちの戦いによってその野望は頓挫した。
そして数ヶ月後にアンブレラ社はまたしても事故でTウイルスが漏れた結果、日本で最大の戦略地であったR市でまたもバイオハザードを起こしてしまった。その結果数千人がゾンビと化し、地獄となってしまった。事態を重く見たアンブレラは政府と取引を済ませ、街を滅菌し全ての証拠を隠滅した。
アンブレラはススキが原の調査とさらなるB.O.Wの強化及び量産を進ませ、より強力となっていた。しかし、アンブレラの本性を知り、次々と離反もしくは反逆の意思を示すものまで現れた。
アンブレラに追われたのび太たちも彼らから本格的に狙われそうになるも骨川財閥の後ろ盾でなんとか身を偽って生活していた。
「いよいよだね。」
出木杉たちが武器に整備をしていた。
「ええ、今日はススキが原にいる自衛隊の3分の2が撤退する頃だったね。」
「R市は完全に更地になってしまった…」
R市はアンブレラにより更地になってしまったが、政府により伝染病の危険性が無いかの調査を数年で終え今は復興の最中であった。しかし、ススキが原は伝染病の始まりであるため、今も厳しい監視が行われていた。
「だが、ススキが原は無事だ。」
「ススキが原は研究所が吹っ飛んだだけで住宅はまだ無事なはず」
「私はススキが原は知らないけど一応付いて行くから。大事な友達を見捨てて暮らすってのも気が引けるわ」
晴海も大橋たちの孤児院の義父の元へ向かうのを拒否し、のび太たちと戦うことを決めた。
「太郎は今回さすがに危険だから残すとして誰が残る?」
太郎はまだ小学生ということもあってさすがに今回の戦いは不参加だった。
「私にするわ」
静香が手を挙げた。
「静香ちゃん…」
「まあ、俺たちに任せてくれ。」
「うまくいくよう祈っといてくれよ!」
「はい!任せてください。」
静香が微笑む中、赤田が腕を組んで悩んでいた。
「でも、ほんとにタイムマシンなんてものがあるのか?おとぎ話とちゃうん?」
赤田はタイムマシンがあるとは思ってはいなかった。
「あるんですよ赤田さん!」
そしてもう1人____この状況で久下は悩んでいた。
(もしも俺たちが全滅してもドラえもんさえたどり着ければ…)
久下はただの警官であり、べつに気張る必要はない。しかしその考えは周囲の雰囲気で一瞬で改まった。
「いや、生き残ってやる。ここで逃げたら死んでいった同僚に申し訳ないしな。」
「でもそれで未来を変えたら一体どうなるの?」
咲夜の言葉に全員が言葉を飲んだ。しかし、スネ夫が口を開いた。
「おそらくここで起こったこと全てがパラレルワールドのことになるでしょう。」
「それでも平和な時代に戻れるなら俺は喜んでやるぜ。」
「そうね。例えどんなに辛くたって自分たちは幸せになりたいわ。」
静香と太郎以外は家の前で家を見上げながら家を背に立った。
「行くぞ!」
ここはススキが原より数キロ離れていて、バリケードが張られている。あれから5年が過ぎ監視要員の自衛隊の数は3分の2まで削減されていた。
「大鷹さーん、俺暇っすよ〜」
「そういうな」
「どうせ誰もきませんよ〜」
ススキが原の警備は今3分の2に減っており、完全に封鎖されている。するとそこに静香と太郎が現れた。二人は事前に大鷹以外の自衛隊員をその場から離れさせて、その隙にのび太たちを入れるという役になるよう事前に話されていた。
「すみませーん」
「僕たち迷っちゃって…」
「元来た道を戻るんだ!ここは危ねえんだぞ!」
「…柏木、その子たちを連れたら休憩所で休んでろ。俺の命令だから誰もケチは言わねえだろ。」
「んじゃあ、遠慮なく。ほら着いて来るんだ」
柏木は二人を連れて行った。
「もういいぞ…」
すると近くの茂みからのび太たちが現れた。
「大鷹さんひさしぶりです。榛名さんと浪波さんの時以来ですね。あの二人のおかげです。ありがとうございました。」
大橋が頭を下げると大鷹は空を見上げた。
「ああ…懐かしいな。行ってこい…!死ぬなよ。あいつらの二の舞になるな。さっきの子たちのためにな…」
「行ってきます」
そしてのび太たちを送り届けた大鷹は悩んでいた。
「どうするかな?人を入れるのを手引きしたら多分首だ。転職でもするか?」
と独り言を言っていた。
大鷹により、一行はバリケードの中に入った。
「よし入ったな」
一行が進むとそこにはハンターαタイプの死体があった。
これは、ハンター!?」
「なんでこんな所に?」
そう言いつつ一行は死体をあっさりスルーしてススキが原に戻ってきた。そこは風の音しか聞こえない無人地帯となっていた。
「戻ってきた…」
「ほんと、静かだ…」
「やっと帰ってこれたか、俺たちの街に…」
のび太に続き安雄とジャイアンは目を瞑っていた。しかし変わり果てた街を前に言葉を飲んでいた。
「ここが諸悪の根源…」
晴海も風の音しか聞こえない街を静かに見つめていた。
「行こう…のび太君の家に…」
一行は白骨を目に言葉を失いながら歩き出した。彼らの進む先にはカラスが集っていた。
「カラスが集ってる…」
カラスはその辺りの骸骨を啄ばんでいた。
「ゾンビ化してるかもな。取り敢えず無視して行こう」
全員、カラスを刺激せずに静かに通り過ぎた。そして通りにもカラスがいた。しかし、ジャイアンだけは拳を握り締めていた。
「俺たちは帰って来た…けど…巫山戯んな! それはてめーらの餌じゃあねえんだよ!」
カラスはジャイアンの怒声で逃げて行った。ジャイアンの顔は怒りで満ち溢れていた。
「ジャイアン…」
「…ここは広いからなるべく少人数で行こう。この人数じゃあ、多すぎる。各自散らばって調査でもしよう。せっかくのススキが原だ。何か変化があるはずだ。」
全員は何人かのチームに分かれてススキが原の探索に当たった。
のび太、聖奈、大橋、ドラえもんはたまたま通り過ぎた通りに大きな建物を発見した。
「ここだ…」
「ここが大橋さんの育った孤児院…」
孤児院に入るとそこには死体が転がっていたが骸骨の大きさからして、大橋の孤児院の児童ではなく迷いこんでて死んだ生存者の死体と分かった。
「大橋さん!さっき書斎からこんなものが!」
大橋は箱を開けた。箱の中には、手紙とボウガンと矢26本が束になったものが入っていた。
「これを読んでいるということは私は死んでいることになります。死ぬ前の我が儘ですが、もしこれを拾ったらこれを使って私の救ったあの子を守ってください。
もし私が助けた子だったら一言すまないと言わせてください。私の所為で多くの人を奪ってしまいました。ですが、私は内心あなたには普通の暮らしをして幸せを感じて欲しいです。私はあなたの幸せを願ってます。一生許されなくても覚悟はできています。一生怨まれても覚悟はできてます。図々しいですが最後に私の妹の雪乃を頼みます。あの子を守ってあげてください。そして今迄一人にしてゴメンと伝えてください。」
そこには娘の住所が書かれた紙があった。そこには鳥柴亜紀ともう1人の女性が仲良く笑っている写真が挟まれていた。それを見た大橋は涙を流した。
(俺がその子です… わかりました…俺がその雪乃さんを守ります。いえ守ってみせる!)
大橋は涙を拭いた。
「行こう!全てを終わらせるんだ。」
「はい!」
大橋に続いてのび太と聖奈も歩き出した。
「ッ、カラス共!失せやがれええ!!!」
ジャイアンは怒りを露わにしてカラスを追い払おうとした。
「ダメだよジャイアン!」
スネ夫の制止でジャイアンは不機嫌ではあるものの、攻撃をやめた。
「ッ!ああ、分かった…」
スネ夫が止めた。
「あれなんかやばくない?」
カラスがゾンビ化して襲ってきた。
「ざけんじゃねえ!」
ジャイアンはすかさずショットガンを撃った。カラスたちはショットガンに倒れた。
(やれやれって感じだわ…全く…)
富藤はジャイアンに溜息をついた。
「さっさと、行くわよ。」
安雄、晴夫、赤田は青木、咲夜、翡翠たちと共に行動していた。安雄たちは青木たちと行動しているのは、出木杉がなるべく強い武器を持っていたらそう言うチームで複数に固まって動くよう言われていたからである。
「これはカプセル?」
カプセルの周りに20匹のケルベロスが現れた。
「でやがったな!ケルベロス!」
「ひさしぶりにやるで〜〜!おりゃああああああ!!!」
そう言うとマシンガンを周囲に撃ちまくった。
「わっわ、わ!!」
弾丸は翡翠の足元を反射した。翡翠は足元に当たらないよう避けていた。
「気をつけてください!」
翡翠の怒り顔に赤田は怯んでしまった。
「すいません…」
「おらっ!」
晴夫はハンドガンで応戦した。
「ひさしぶりでも大丈夫だな!」
5年という歳月をかけて訓練を積んだ赤田たちにケルベロスは次々と撃破されていった。
「これで終わりだよなあ?」
するとケルベロスの死体が倒れたため近くの装置のスイッチが押されてしまい、中からハンターが出てきた。
「αタイプ!けど、もう怖くはない!」
咲夜は多少驚いたが、αタイプでは最早相手として不足だった。
「こんな奴はこれで!」
<ブレイク!ノックアウトショット!>
5年経ったので強化ハンドガンはブレイクトリガーのパワーアップに銃そのものの威力と連射性がパワーアップされているためハンターの頭を打ち抜いた。
「ふう…」
青木と安雄と晴夫はβタイプと対峙していた。
「こいつは青木さんの言っていた!」
「こいつか…」
「こいつを倒す方法はあるんですか?」
「あああるぜ。」
「ならいくぜ!」
「待て!」
赤田は青木の話も聞かずにマシンガンを撃ちまくった。しかし殆ど当たらない上数発避けられるわで殆ど意味がなかった。
「避けられた!?」
「そいつらは身体能力が上がってるから弾丸を避けることができるんだ!」
「マジかよ!」
「じゃあどうやって倒すんですか?」
「こうするんだよ!」
青木はR市の戦法を使った。
「そうか1発撃って避けられても、すぐにもう1発連続で撃ち込めばいいのか!ハンドガンを二丁にすれば…!」
全員青木のい言われた通りに攻撃した。
「ざっとこんなもんか…けど誰がこんなモンをセットしたんだよ?」
青木たちは周囲の捜索を行うが特に人影はなかった。
笹木、久下、健治、出木杉、白峰そして晴海は裏通りからのび太の家の探索に当たっていた。
「そっちはどう?」
「ダメだ建物と言う建物が焼けてる。標識も掠れて誰の家かもわからない。」
「まぁいろんなところで火事があったからなあ」
健治がタバコをふかした。
「大丈夫だと思うよ。のび太くんの家が無事ならそれでいいさ。」
出木杉が皆を笑顔で励ました。
「んじゃあ、早いとこ行こうぜ。」
白峰の言葉で全員歩き出した。すると目の前にティンダロスが立ちはだかった。
「こいつまさかR市にいたあの…!」
油断して武器を落とした健治はティンダロスにひっかかれてしまった。
「ぐわっーー!」
出木杉が攻撃を放ち、ティンダロスは素早く離脱した。
「大丈夫ですか?」
「早く健治を!ここは僕が!」
笹木もまた強化ハンドガンと咲夜から借りている強化ショットガンを所持していたため1人でも十分相手にはできていた。
「あのナルシストさんから聞いたけど1発撃ったら避けたところにも1発って言ってたね。」
ハンドガンをくるくる回しながら呟いていた。ハンドガンの連続攻撃をもってしてもティンダロスはかわしながら攻撃を仕掛けた。笹木も運動神経は抜群なため、素早く攻撃に対応していた。
(いわゆる連続攻撃でダメージを与えようって試みたけど強化されただけのことはあるね!)
ハンドガンでは避けられるということを悟った笹木はすぐさまショットガンに変えた。
「喰らえ〜!」
すると後ろからティンダロスにたいして蹴りが飛んできた。
「大丈夫ですか?笹木さん?まさかこいつと戦ってるなんて…」
蹴りの主は大橋たちだった。
「僕は大丈夫だけど健治が…!僕は大丈夫だから早く彼の治療を!」
「わかりました。」
のび太たちは健治のところへ向かうがティンダロスが追いかけようとした。
「こっちから先にはこの僕が行かせないよ!トリガー!」
<ブレイク!ミラージュショット!>
弾丸が発射されるとティンダロスには一直線状に動くのがわかっていたのか攻撃をかわした。
「フッ、かかったね!」
弾丸が姿を消すと弾丸が目の前に現れた。
(ミラージュショットの効果は蜃気楼!1発だけでなら弾丸を一直線に撃ったと錯覚させて目の前にこさせるテクニックさ!)
笹木は飛びかかったところを狙撃したらあっさり倒した。
「強かったけあの主任がパワーダウンするとか言ってたからやれたけどどうしてここに…?まあ、いいか!さてと、とっと戻ろっと。」
笹木が辺りを見回しながら、鼻歌とともに歩き去って行った。