やはり俺が海を航海するのはまちがっていない。   作:スキート

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どうも、ユキです。

今回の話は、修行とか何たらかんたらで話が何回も飛びます。


2話 〝修行開始〟

「ベックマンさん」

 

「ん? どうした? ハチマン」

 

 俺は、椅子に寄っかかっているベックマンさんに話しかける。

 

 赤髪海賊団の船に乗り、もう半年経つ。あの時七歳だった俺は、もう八歳となっていた。半年は長いと言うことである。

 

 あと1ヶ月程で偉大なる航路(グランドライン)を抜けて、東の海(イーストブルー)に到達すると言う。

 

 速いものだろう。とは言っても、無駄な道は通らず、敵とは戦わず逃げ、とにかく速めのスピードで東の海に向かっていた。

 

 東の海に向かう理由、それは、子供である俺を平和な東の海に置いていくこと…だろう。

 

 本当の理由は定かではないが恐らくそうだろう。子供である俺がずっと船にいるのは危険だろうし。

 

 俺はそんなことを気にせず、ベックマンにわからないことを聞いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 。。。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 1ヶ月経つのは早かった。

 

 文字はそれなりに覚え、他の知識も記憶に完全に入っていた。

 

 

 そして目的地に着いた。

 

 ドーン島、ゴア王国のフーシャ村。特に何もなく、平和な土地である。

 

 そこの村にあった酒場を、シャンクスたちは拠点とした。

 

 そして、俺はある提案をした。

 

 「山に籠って修行させてくれ。たまには降りてくるから」と。

 

 シャンクスたちは、少し悩みながらも承諾をしてくれた。

 

 一緒に宴はできないのか……、と残念にしていた。

 

 

 俺は、強くならなければならない。

 

 そして、海を出て小町を探す。

 

 この目的だけに強くなる。小町は、もしかしたら死んでいるかもしれない。その確率は五分五分だろう。

 

 あの海賊の屈強な男の発言からするに、小町は大人まで取っておきたいらしい。ならば、殺しているということはないはず。

 

 そして、新世界の海にあの海賊たちが適応できたか、あいつらが死んでいたら元も子もないからだ。

 

 

 俺は必要な物を持ち、山に向かった。ただ、強くなるために。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 。。。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 籠って1ヶ月。

 

 強くなったかがわからない。

 

 ランニングを1時間以上して、腹筋、腕立て伏せ、スクワットを100ずつして、持っていった剣に重りをつけ、何百回も素振り、銃で、岩のど真ん中に狙い撃ち。強くなっているのかは、まったくわからない。

 

 体力は付いただろうし、筋力も付いただろう。それはわかるのだ。でも、俺には何の能力もない。

 

 シャンクスに剣術を習い、ヤソップに狙撃を習い。

 

 それでも満足ができなかった。

 

 前に、悪魔の実図鑑というものを目にした。

 

 果物のような形に、ぐるぐるした模様が入っている実だ。

 

 その実は、口にすると一生カナヅチになるが、強大な力を手に入れることができる。

 

 欲しい。

 

 図鑑を見た時に素直にそう思った。

 

 だけど、そうそう見つかるものじゃないことはわかっている。

 

 だからこそ俺は、ただただ剣術と狙撃の技術だけを磨き続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 。。。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そこから1ヶ月。

 

 俺はふと、この山を越えたら何があるのだろうと思っていた。

 

 結構な道のりを歩き、山を越えた。

 

 そして、その先の景色は予想外のものだった。

 

 

 

 

 

 

 大量のゴミが捨てられた場所。異臭を放ち、ホームレスかと思われる人たちが何十人もうろついていた。

 

 

 俺は、折角来たから、と、ゴミ捨て場に降り立った。

 

 後にしることだが、ここは、不確かな物の終着駅(グレイ・ターミナル)と呼ばれる場所らしい。

 

 そして、俺はここに通うようになった。ゴミ捨て場の中には古本が何冊もあり、知らない知識をたくさん手に入れることができたからだ。

 

 そして、その頃だったろうか、俺の周りに、2人の少年がまとまりつくようになったのは、名前は、ポートガス・D・エースとサボと言うらしい。

 

 またDかよ……。と、俺はうんざりしていた。本を見るたびに、『空白の100年』だとか、Dの意志とか書かれているからだ。

 

 まぁ、そんなことは置いておこう。

 

 この2人の少年は、俺を遊びに誘っていた。こんなゴミ捨て場には子供なんてあまり来ないからだろう。まぁ、こいつらのやってることは遊びというか盗みなんだけどな。

 

 こいつらと遊ぶ気なんてまったくもってなかったが、俺は本を読みたいのでここに必然的に来なくてはならない。そして、毎日絡んでくる内に話すことが多くなっていった。

 

 そして、こいつらと話すようになって1ヶ月程経つと、俺はこいつらと一緒に盗みをしていた。俺がお金を集める理由は十分あった。小町を助けるためには船を買ったりしなければいけないためお金が必要だったのだ。

 

 何故、何故だろうか? 人と関わってもあまり意味がないように感じるが、俺は、こいつらの仲間になりたいと思った。もしかしたら、こいつらは強いかもしれない。なら、関わって損はないはず、と……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 。。。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そこからの日々は、特に当たり障りもない日常だった。

 

 盗みを働きは逃げて、夢を語り、本当に普通の生活をしていた。

 

 たまに、強くなろうと勝負をしていたが、剣術ができる俺にとっては敵ではなかった。

 

 パターンの決まった動き、棒で攻撃してくる時も、ただ力任せに振り回しているだけだった。

 

「お前ら、そんなんじゃ海賊になれねぇぞ」

 

「ハチマンが強すぎるんだよ…」

 

 サボがそう言い、エースも頷く。

 

 ただただ、その繰り返し。何か刺激が欲しいとかではなかったが、その日常に慣れきってしまっていた俺は、少しフレンドリーな性格になっているかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 。。。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれから、もう1年経った。

 

 俺とエースとサボは、3人で力を高めあっていた。ある時は、クマと遭遇し、ある時は、山賊と戦って、ある時は、崖から落ちそうになるなど、色々とあった。

 

 エースとサボは、どんどんと力をつけていったが、まだ、俺に勝てるというほどではなかった。

 

 肝心の俺とは言うと、少ししか強くなっていないと思う。1年前よりかは、体力も筋力も付いた。だけど、それしか俺には変化がないのだ。

 

 そして、俺は、悪魔の実がより一層欲しいと思っていた。

 

 

 

「なんだハチマン。どっか行くのか?」

 

 エースが俺に聞く。

 

「ああ、ちょっとな…」

 

 俺は、久しぶりに山を降りた。ある目的の為。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 。。。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 フーシャ村の酒場。そこで、いつも海賊たちが宴をしている。

 

 俺は、酒場の扉を開けた。

 

 ガヤガヤと煩い酒場。いつも通りと同じである。

 

 

 

 

「おー! ハチマンじゃねぇか! 久しぶりだな!」

 

 シャンクスさんは陽気な声で話す。

 

「久しぶりです。あ、マキノさんこんにちは」

 

 俺はそう言い、酒場の店主のマキノさんに頭を下げる。

 

「ふふ。こんにちは」

 

 マキノさんがそう答えると、俺はシャンクスさんの方は向き直す。

 

「シャンクスさん。折り入って話があります」

 

「んー? なんだぁ?」

 

 少し呂律が回っていない。酔っているのだろう。

 

「俺を……俺をあと1回だけ!船に乗せてもらえないでしょうか!」

 

「どうしたんだ? ハチマン」

 

 真剣な話と言うのを察したのか、シャンクスさんは、真面目に言葉を返す。

 

「シャンクスさんたちが、この村に俺を置いて行くのは知っています。だから、最後に1回だけ、もう1度一緒に、海に連れていってください」

 

 

「……いいぞ」

 

 シャンクスさんは、あっさりと許可をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 。。。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 シャンクスさんに船に載せて欲しいといってから三日。

 その日は来た。

 

「お前らー! 出航の準備はできたかー?」

 

 船に乗ったシャンクスさんが叫ぶ。

 

 そして船員たちは準備を終え、俺にとって、最後の赤髪海賊団としての航海が始まった。

 

 

 

 

「ハチマン、久しぶりだな」

 

「そうですね」

 

「山籠りでなんかあったか?」

 

「友人と呼べるであろう存在は出来ました」

 

「そうか。よかったな」

 

 寡黙(かもく)なベックマンさんとはこれだけの会話しかしない。ただ、この沈黙があまりにも心地良い。

 

「ハチマーン! ちょっとこっちへ来てくれるかー!」

 

「あ、はい。すぐ行きます」

 

 俺はシャンクスさんに呼び出され、シャンクスさんのいた船の甲板へ向かう。

 

「ハチマン。俺たちはあと3、4回の航海でこの島を出る」

 

「え、ええ」

 

「だからさ、これが俺たちとの最後の航海になると思う。今まで出来なかった戦闘を許可する。暴れるぞハチマン!」

 

「は、はい!」

 

  シャンクスが俺に初めて戦闘の許可を降ろした。今までは俺には戦わせてくれずに、危ないから下がってろ、と言われていた。だからこそ嬉しかった。皮肉なことに最後の航海で俺は赤髪海賊団の“仲間”になれた気がしたからだった。

 

 

 

 

 

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