もしも兼一が龍斗との約束を覚えていたら 作:ポケモン大好きクラブ
お待たせしました。
新しい修行にもだいぶなれてきたころ、いつも遠くで見ていた逆鬼が声をかけてきた。
「なかなか続くじゃねぇか」
「え、あっはい!地蔵はなかなか投げれないですけど…」
「何だ、気づいてなかったのか?その地蔵をよーく見てみな」
「あっこら、逆鬼!」
「あれ?何だか前より大きいような…」
岬越寺先生も様子がおかしいし…
「…大きくしてました?」
「まぁ、そっちの方が強くなれるからね」
さすがよく考えてるなぁと感心した兼一だった。
「兼一、あーその、何だ…。俺もお前に教えてやる!」
「えっ!」
「おやぁー弟子はとらない主義じゃあなかったのかね?」
ネタをばらされたからか、岬越寺がニヤニヤしながら逆鬼に言った。
「う、うるせぇ!今日は特別何だよ!今日、今日はそう!俺の誕生日だった!だから特別だ!」
耳を真っ赤にしながら言われても説得力は皆無だが、つつくと修行をつけて貰えないので兼一は黙っていた。
「おら、行くぞ!」
「は、はい!」
兼一と逆鬼は庭に出た。
「で、だ。お前をやった相手はどんな武術だった?」
「えーと、構えとステップからしてスポーツ空手だと思います。」
空手は様々な格闘技を取り込んで多様化している。その中でもスポーツ空手は、ルールなしの喧嘩よりもルール内で闘うことに重点がおかれている。
「スポーツ空手か…ならとっておきの技を教えてやる」
「とっておき?」
逆鬼から技を教えて貰い、基礎鍛練も怠けることなく続け、以前よりも体力、筋力共についてきたころ、花の手入れのため校舎裏へ行くとまた筑波が喧嘩しているところに遭遇してしまった。
「止めろ!」
「あん?またてめぇか、弱い癖にでしゃばんじゃねぇよ。また痣だらけになりたいか?」
「君、逃げて」
兼一の声で殴られていた人はそそくさと走っていった。
それを見て筑波は気に入らねぇとばかりに顔を歪ませる。
「何だか騒がしいですわね」
と美羽が歩きながら首をかしげていると、怪我だらけで必死に走ってきている人とすれ違った。
校舎裏から出てきたのを見て何事かと覗いて見ると、なんと兼一が筑波と対峙していた。
「おい、何してくれてんだ」
「闘うきのない人に暴力している所なんて見過ごせないだけです」
「いい度胸だ、またボコボコにしてやるよ!」
「兼一さん!」
叫んだ美羽の声が聞こえたが、兼一は第一撃に集中した。
むかってきた筑波に、兼一は顔面に向かって正拳を繰り出した。筑波はその拳を腕をクロスさせることでガードし、余裕そうな顔を見せた瞬間、顔が今度は歪み、苦痛の声色を出した。
「あっあれは」
「山突…だとお!こんな技試合に使う奴いねぇぞ!」
「これは試合じゃない、喧嘩です!」
筑波のお腹には突き出した右とは逆の左手の拳が突き刺さっていた。
『いいか兼一、人間ってのはどうしたって顔面への攻撃が怖いんだ。そら!』
『わっ!』
実際に兼一に技を出す。
『まず顔をかばったろ?余程の訓練を積まねぇ限り、この上下同時突きをかわすのは難しい』
『わっ、いつの間に!』
兼一がお腹を見ると逆鬼の拳が当たっていた。
『この山突は最近の試合のルールじゃねぇから、見慣れてないだろう、効くと思うぜ!』
(やった!当たった!)
逆鬼の読みどうり筑波の腹にクリーンヒットした。
そこから逆上して繰り出された蹴りを掴み、膝へ力を入れるが、予想以上に力が上がっておりミシミシと音をが聞こえた気がした。
(折れる!?)
思わず離した瞬間、顔面を狙って拳が迫ってきた。
その拳を腕ごと掴み、相手の力を利用して背負い投げを決める。
「ぐあぁぁぁ!」
そのまま筑波は気絶した。
「兼一さん!大丈夫ですか?」
「美羽さん、大丈夫ですよ。この人生きています。」
(自分じゃなくて今闘った人の心配ですか…自分も大切にしてほしいですわ)
兼一は今闘った筑波の心配をしていた。
というのも兼一がお人好しというのもあるが、岬越寺に投げの技は実践では必殺の技となり得る、と言われたことを気にしていたからだった。
「では帰りましょうか」
「そうですわね」
筑波を背負うことを忘れずに。
「何!筑波がやられた?」
「はい」
「くっくくく…いるじゃないか骨のある奴が」
影で怪しい影が動いていたことを兼一は知らない。
このままだと美羽は何も教えずに終わってしまう!
と、思いつつ入れれたらいれようかと思います。