学級委員長委員会委員長って言いにくいね   作:こっここーまん

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3話 作戦開始の段

「かわいそうに……生贄に選ばれちゃったかぁ……」

「「先輩に言われたくないです!!!」」

 

 森の中で笑顔でそんなことをいう青葉に、久作と三郎次はつい叫んでしまった。

 場所は、い組とは組の陣地のちょうど中央あたり。ここから、ろ組へ攻撃を仕掛けるのは、い組とは組の複合チームだ。

 

「青葉はおそらくそこにくる。本来なら、作戦を自分の陣から見守るのがあいつのスタイルだが、は組は上級生が少ないからな。必然的に青葉も出てくることになる。なので、お前たちは途中で撒かれる」

 

 それはもう断定だった。確かに、六年に本気で逃げられたら、二年では追いつけるわけがない。つまり、ろ組の陣へ入って戦いとなった場合、まず見捨てられる。まさに生贄。

 左近は保険委員ということで、珍しく運良くその役目から外された。

 

「安心してよーちゃんと陣までは一緒に行くから」

「見捨てる気満々じゃないですか!」

「ま、まぁ、一種の死間ってことだろ……」

 

 今後のことを考えれば、ここに配置されるのは、それほど重要な戦力じゃない人間。つまり、低学年になる。

 

「まぁ、本当に死ぬってわけじゃないから。第一、これチーム戦だから、別にチームが勝ってくれれば勝ちなんだからさ。そんなに落胆しないで」

 

 忍者は自分の命すら道具にすることがある。それが、城の勝ちへと繋がったなら、それは忍者にとって負けではない。それはわかっているし、青葉の言っていることは、間違ってはいなかったが、

 

「はっきり俺たち見捨てるって言ってるようなもんだよな……」

 

 忍者は非常に非情な生き物なのである。

 ろ組の陣地があるだろう場所までは、もうしばらくあると少々油断していた時だ。突然、少し行ったところで激しく音を立てながら爆発が起きた。しかも、一発ではなく、不規則に間を開けながら三発。

 

「うわぁぁッ!?」

 

 三人はすぐさま身を隠し、そちらを見つめるが、何もいない。

 

「み、見つかったってことでしょうか?」

「牽制だね。今の音で戦ってるって思わせて、この辺から向かってくる相手を回り道させようとしてるんだろうね。何故だと思う?」

「できる限り敵が攻めてくる方向を減らしたいからですよね?」

「それで、攻めてくるであろう方向にしっかりと守りを……」

 

 そこまでいって、ろ組の守りの要を思い出して、二人が顔を青くした。

 

「というわけで、俺はゆり子ちゃんとお見合いしたくないから、あの地点を突っ切りたいんだけど、いいかな?」

「「はい!!!」」

 

 その音は、は組の陣営にも聞こえていた。

 

「い、今の音なに!?」

「どこかで戦いが始まったんだ! しんべヱ! そろそろ起きろ!」

 

 きり丸がしんべヱを起こすと、残っていた、は組は周りの森を睨むように警戒し始める。

 

「一年生、張り切ってますね」

「集中持ってくれればいいけど……」

 

 少し離れた場所から、保険委員である伊作と数馬が、一年の様子を気楽に眺めていた。

 そのは組の陣地のそばで、罠のサインに気がついた左之助が足を止める。直後、現れた左門も左之助を見つけると、足を止めた。

 

「左之助! お前も迷子か?」

「お前と一緒にするなよ。左門。それより、罠のサイン置いてあるから、この辺気を付けたほうがいいぞ」

「それなら俺もさっき見つけた! でも、ろ組で決めたサインじゃないよな?」

「ってことは……」

「「い組」」

「は組の陣地だ!!」

 

 二人にゲンコツを落としながら現れたのは、法螺貝が鳴ってから二人を探し続けていた作兵衛だった。

 どの組にも、陣地のおおよその方向だけは教えられているため、自分のいる位置さえ分かれば、自分の陣地からどの組の陣地かわかるようになっているのだが、この方向音痴たちではわかるはずもなかった。

 

「つーか、ホントに見つけたよ……こいつら……」

 

 半分賭けではあったが、本当には組の陣地を見つけたのだから、たまには方向音痴も役に立つ。

 三人が罠を見つけた位置から、おおよその陣地の場所は予想がつく。

 

「どうする? 乗り込むか?」

「は組って、基本的に一年だけだろ? さっき向こうで戦闘音したし、上級生が一人くらいなら誰か囮になればいけるんじゃないか?」

「おめーら、最初からいなかったから……」

 

 作戦が梅になったことを、この二人は知らないのだ。しかたなく、作兵衛がそのことを伝えれば、二人共すぐに先程の音について納得した。

 

「ってことは、すぐに戻ってここの情報を伝えつつ、は組の攻撃を止めたほうがいいかもな」

 

 まさか後ろから攻撃されるとは思っていないだろう。作兵衛も左之助の意見には賛成だったが、疑念がひとつ。

 時間が勝負のこの状況で、この二人をしっかり引っ張って陣地まで帰る方がいいか、それとも二人はここで待機させて自分だけ走って戻ったほうが早いか。

 前者であれば、時間はかかるが、は組の攻撃に上級生が混ざっていてもなんとかなるかもしれない。後者なら、時間は掛からないが、上級生が混ざっていた場合、どうにもならない。

 

「……戻るか。とりあえず、縄はちゃんと結べ!」

 

 前者を取った。

 

 

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