オラリオにピエロがいるのは間違っているだろうか 作:れもね〜ど
迷宮都市オラリオ。
世界で唯一の
富や名声などを求めた冒険者と娯楽を求める神々が集う地。
バベルを中心に広がる8本のメインストリート。
西に伸びる夜になると冒険者達が集う多くの居酒屋がある。空も茜色に染まり、居酒屋も客引きを始めたころ。そこには普段とは一風変わった人集りが出来ていた。
◇
彼等はオラリオで1.2を争うファミリア『ロキ・ファミリア』。その主神のロキは彼女の眷属達が呆れるほどの酒好きである。ロキほどではないにしろ酒好きの団員も多い。となると必然的に居酒屋の集結する西地区に足を運ぶことになる。そんな彼等が普段とは違う雰囲気に気づくのにもそう時間はかからなかった。
「ロキ、この時間にしてはいつもより子供が多くないか?」
「んー、確かなぁ。いつもよりは多い気もするけど別に気にするほどでもないやろ。そんなことより早く行って酒飲もうや」
そんなことを話してしている彼等の前に人集りが見えてきた。
そこには、娯楽を求める神々やまだ幼いの少年少女、仕事帰りの人々、ダンジョンから出てきたばかりであろう冒険者などが集まっており、その中心には道化の仮面を被り派手な衣装を着て大きな玉に乗りながらジャグリングをしているピエロがいた。
「なぁフィン、初めて見たかもしれんけどあのピエロなんか見たことないか?」
「同感だね。ちょうど僕もそんなことを考えていたよ」
「ですよね!私もそう思ってました!」
フィンの答えを半分も聞かないうちに褐色の肌と露出の高い服装に隠れた大きな双丘が特徴のティオネが割り込んできた。
「う、うん。あの、ティオネわかったからそんなにくっ付かないで」
そんなやり取りをしているとあたりに拍手と歓声の声が鳴り響いた。
「今日はありがとう!また会える日を楽しみにしててね!」
ピエロはボールを空高く投げ、全員の視線が上に集中した一瞬を狙って誰も気づかないうちに消えてしまった。それに驚いた様子も見せず「まぁピエロだしねー」「どうやってやったんだろ」などと言いながら観客は散り散りに散って行った。
ピエロの演技は観客だけでなくロキ・ファミリアの目も盗み第一級冒険者にも気づかれずに消えて行えていった。