オラリオにピエロがいるのは間違っているだろうか 作:れもね〜ど
これからは出来る限り早く更新したいと考えてます。
これからも何卒よろしくお願いします。
ティキを追いかけ走り続けたアイズは30階層のとあるルームにいた。
アイズの足元には返り討ちにあった数多のモンスター達。アイズが背にしているルームに繋がる道にも同様の光景が広がっていた。
30階層に着くなりいきなり3体のブラットサウルスのお出迎えから始まった嵐のような
やっとの事で生き残り剣を納め一息つこうかとした直後。
ビキリ
アイズ正面の壁面に亀裂が走る。
小さかった亀裂は一瞬のうちにルーム全体に広がり新たな
また!?...ポーションを飲む暇もくれないなんて
アイズの頭には逃走の選択肢は無かった
剣を抜き、
「エアリアル!」
アイズが叫ぶと風の鎧が出現した。
よし、まだいける
自分に言い聞かせるように言葉に出しながらモンスターの群れへと向かいっていった。
◇
アイズが30階層に到着した10分程前。さらに下の31階層より繋がる通路よりティキが30階層へ足を踏み入れた。
背中には今にもはち切れそうな程に詰まったバックパックを背負い地図を片手にただただ上を目指し歩く。
30階層には『
武器の類は何一つ所持しておらず誰が見ても無防備な状態にもかかわらず、ティキに襲いかかってくるモンスターはいない。というより、遭遇することすら出来ずにいる。
透明になっているわけでも特別早く動いているわけでも無い。それなのに一度姿を確認した直後にはもうそこにはいない。モンスターからしたら幽霊にでも出会ったかのように不思議な出来事が起こっていた。
やっぱり便利やなぁこのスキル。帰ったらロキに酒でもプレゼントしようか。
ティキはオラリオで唯一のスキルを駆使しモンスター達から上手く逃げていた。
便利はいいけど、この階層なんかモンスターの数少なすぎないか?
...まさか、また誰か襲われてるのか?
ティキのスキルは便利ではあれ完璧ではない。それ故ここまで完璧に逃げられた経験は少ない。
あるとは言え、逃げられた時は毎回同じ階層の近くのルームか通路で誰かが
その見知らぬ誰かが意図せずモンスターを引き付けているお陰でモンスターに遭遇しないで済むのだ。
ティキはこれまでの経験から誰かがこの近くで襲われている可能性を考えた。
彼らを放置するのは間接的にとはいえ、見殺しにしているのと同じ事である。
見殺しにするのは余程の悪人でない限り気分の悪いものだ。ティキ自身も良く思わないでいた。
はぁ、どうする助けるか?
武器になるものは、...採取用の短剣とピッケルだけかよ笑
でもまぁ、この階層の奴らなら素手でいけるだろうし。見殺しも気分悪りぃしな。
ここで恩でも売って高く返してもらうとするか。
ティキは今までとは逆に、モンスターが多く現れた方向に向け走り始めた。