海上自衛官が渡辺曜の妹になりました   作:しがみの

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はい、初めてのBirthdayStoryです。初めては花丸。尚、特別編では、主人公の事がAqours全員にバレている事になります。ようするにパラレルワールドです、パラレルワールド。


特別編1 Happy Birthday 花丸

俺は早朝の海岸沿いの県道を自分のR33で快調に飛ばしていた。

 

今日は、花丸と一緒に東京御茶ノ水一帯にある神田古書店街に向かうのだ。あ、ついでに高速道路料金は割り勘な。駐車場料金は俺の知り合いである沢木さんの知り合いの和菓子店の駐車場借りるから無し。

 

車をしばらく走らせた俺は、内浦地区にある寺の門の前に向かい、そこで止まった。既に花丸は門の前で俺の事を待っていて、車が着き、サイドブレーキを上げると、花丸は直ぐに乗り込んでいた。

 

花丸はスポーツカーに初めて乗るからだろうか、未来ずらぁー!!!と言いながら車内を見回していた。

 

「ねえ百香ちゃん、運転してもいいずら?」

 

いや、流石に不味いだろ。花丸は免許ないから。

 

「無理だよー。花丸免許ないじゃん?」

 

「だよね・・・。」

 

花丸は、俺の返答で(´・ω・`) ショボーンとしてたけど、しょうがない。免許無いんだから。

 

「じゃあ、シートベルト締めて。出発するよ!!!」

 

「ずら。」

 

花丸は、シートベルトを締め、持っていたバッグを膝の上に乗せた。・・・。シートベルトが・・・、食い込んでいる・・・!!!何処とは言わないが。

 

 

 

 

・・・。俺も食い込んでいるんだけどな。

 

 

俺は、サイドブレーキを下げ、車を発進させた。俺のR33は、B83の2人を乗せ、東京に向け、走り出したのだった・・・。

 

 

しばらく走らせると、車は長岡インターから伊豆中央道に入った。まだ朝早い為、交通量はまだ少ない。今回のルートは、伊豆中央道と伊豆縦貫道経由で長泉沼津インターチェンジから新東名高速道路に乗り、御殿場ジャンクションから東名高速道路に入り、東京に向かうというルートだ。

 

車は快調に伊豆中央道を走り、江間インターチェンジの信号で停車した。江間インターチェンジ。珍しい交差点のインターチェンジだ。現在時刻は5時58分。伊豆中央道は唯一の江間料金所が有人のみのため、6時から有料(普通車200円)になる。伊豆中央道の江間料金所はこの交差点の目と鼻の先。無料の時間帯に通過したいから、早く発車したい。だが、変わらない。信号が・・・、変わらない・・・!!!

 

 

歩行者用信号機がようやく点滅し始め、信号が変わる徴候を出していたのだが、時刻は5時59分。あと1分。

 

俺は、早く発車したいため、エンジンを蒸し始め、花丸はのっぽパンを頬張り始めた。

 

 

 

・・・青!!!

 

俺は直ぐにアクセルを踏み、車を急発進させた。もう少し、もう少しまでで料金所に差し掛かる時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・料金所のバーが下がった。午前6時、料金所稼働開始。

 

「あらら。惜しかったですね。200円です。」

 

「・・・。はい・・・。」

 

残念でしたと言ってくる料金所の職員に俺は200円払い、バーが開くと同時に車を発進させた。

 

「はあ・・・。」

 

「まあ、200円くらいいいよ。のっぽパンでも食べて元気出すずら。」

 

俺がしばらく溜め息をついていると、花丸が齧り掛けののっぽパンを口に突っ込んできた。

クリーム味か・・・。甘くて美味しいな・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・ん?・・・齧り掛け?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

齧り掛けだぁ!!!間接キス?間接キスになるよなあ!!!これ!!!ヤベぇ嬉しい!!!\( 'ω')/ヒィヤッハァァァァァァァア!!!

 

「なんか変なこと考えてるずら?」

 

「いえ、そんな事はございません。」

 

なんか花丸が握りこぶしをつくって聞いてきたから俺は即座に否定した。肯定したら命が無くなったかもな。

 

車は伊豆中央道から伊豆縦貫道に入り、長泉沼津インターチェンジから新東名高速道路に入った。料金所をETCで通過する時、花丸が「未来ずらー!!!」と言ったことは言うまでもない。

 

車は制限速度内で新東名と東名高速道路を通り、途中、海老名サービスエリアで休憩となった。東名高速で東京にいちばん近いこのサービスエリアはまだすべての店が空いていないこの朝早い時間からでも駐車してある車の数は多い。

 

俺と花丸は、トイレ休憩で寄っただけなので、トイレに行ってからトイレ脇にある自販機で花丸はお茶、俺はコーヒーを買ってから直ぐにサービスエリアを出た。

 

 

車は東京料金所を抜け、首都高速に入る。渋谷線、都心環状線を通り、代官山出入口で首都高速を降りた。首都高乗ってから花丸がずっと「未来ずらー!!!」と言っていたのはまた別の話にしよう。ていうか、花丸。「未来ずらー!!!」を言い過ぎだ。

 

首都高速を降りた車は一般道を抜け、秋葉原の手前で路地に入った。それは、和菓子店の駐車場が路地にあるからだ。

 

駐車場に車を止め、和菓子店に入り、ショーウィンドウの先に立っている高坂さんに一言挨拶し、古本店街に向かった。あ、高坂さんっていっても、あの高坂穂乃果じゃないからな。それだけは言っておく。

 

20分くらい歩き、御茶ノ水の神田古書店街に着く。着いた途端に花丸は目を輝かせながら走り出してしまった。Aqours10人の中でも体力が2番目に多い俺が花丸に追いつけないほど速い。

 

・・・。練習の時もこんなに速く走れればいいのに・・・。そう思いながら息を切らしながら花丸を追う。

 

 

花丸に追いついた時、〝これも、これももう無い本ずら!!!〟と言いながら既に何冊かの本を買っていた。中古品とはいえ、既に絶版になっている本を買えるのは嬉しいだろう。でも、多すぎるのはやめてね。トランクに入りきらなくなるから。

 

 

 

 

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3時間後、俺達は丁度お昼時だったため、近くにあったファミレスで昼食をとることとなった。・・・花丸は結局トランク一杯になるまで本を買った。ガソリンが・・・、燃費が・・・。

 

花丸はそんな俺の気持ちも知らずに笑顔でハンバーグを頬張っている。まあ、花丸が笑顔ならいいか。

 

俺はそう思いながら花丸と世間話程度の話をしながらエビグラタンを頬張り始める。

 

しばらくすると、花丸は、ハンバーグが先端についたフォークをこっちに出してきた。

 

「食べる?」

 

「うん。花丸もグラタン食べる?」

 

俺は、スプーンにグラタンを掬い、花丸に差し出すと、花丸は肯定の「ずら。」を言ったので、とりあえず、食べあいっこをした。絵面的には大丈夫。うん、大丈夫・・・。

 

 

昼食をとった後は大型書店に寄り、また沢山の本を買った。花丸がね。だからトランクだけじゃなくて後部座席にも本が置かれ始めた。

 

 

 

そして、花丸とショッピング(といってもほぼ全て本だったが)を楽しんで帰路についた。俺の車の後部座席の右半分が本で埋まり、左半分は組み立て式の本棚の材料で埋まっていて、首都高速の高架橋同士を繋いでる伸縮装置を通過すると、カタカタと音をたてながら揺れていた。

 

最初は花丸と話をしていたが、ふと気づくと、花丸は、ドアにもたれかかってすやすやと寝息をたてて寝ていた。

 

俺は、その姿を見て微笑み、アクセルを踏んだ。

 

 

 

 

 

 

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その日の夜、マルは布団の上に寝そべりながら今日のことを思い出していた。朝、料金所の稼働時間前に料金所を通過できなくてご立腹していた百香ちゃんに齧り掛けののっぽパンをあげたり、ハンバーグとグラタンを食べあいっことかをした。これが今日一番の思い出。本?確かに本も買ったけど、本の思い出は二の次だったりする。マルは悪い子だ。マルには善子ちゃんが既にいるのに、百香ちゃんにも同じ感情を持ってしまったからだ。

 

「どうすれば、いいずら・・・。マルには選べないよぉ・・・。」

 

そんなマルの独り言は、誰にも聞かれずに部屋の中に消えていった・・・。




〇次回予告〇

曜「ようもか、ご期待ください」

次回、「新春ドラマスペシャル・ようもか」
※予定と異なる場合があります。
次回更新予定日は3月7日0時0分です。

時間的に余裕が出てきたので1話だけ番外編ストーリーを書きたいと思います

  • 渡辺百香と前世の娘
  • スクスタ時空─スクフェス!─
  • 百香とルビィの入れ替わり!
  • スクスタ時空─虹学・Aqours対決!─
  • ロリ辺百香

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