海上自衛官が渡辺曜の妹になりました   作:しがみの

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一応、エンドパターンは2パターン考えました。後日談は・・・。1パターン目がキツイですね、色んな意味で。絶対書くのが辛いと思います。ベースとしてる作品がダークすぎるので。


第31話 再会2

「いやぁー、まさか慶喜が女になったとわなぁ・・・」

「本当、本当」

 

八名と林は勝手に2人で頷きあっていた。本当、前世から八名と林は仲がいいな。これで付き合ってるわけじゃないからなコイツら。

 

「まあとりあえず、コッチの名前で自己紹介するようだよな。俺は、渡辺百香だ」

 

神田(かんだ) 大智(だいち)だ」

 

「私は大辻(おおつじ)美咲(みさき)

 

とりあえず、コッチの名前で挨拶をしたのだが、名字とAqoursと一緒にいた事を見ても気づかないのか?俺が曜の妹ということを。

 

「まあお前ら。立ち話もなんだし、移動すっか」

 

俺が2人にそう言い、とりあえず内浦を南北に貫いている県道出た。車通りは土曜日なのにも関わらず少ない。俺が前世に内浦に行った時にはかなり混雑していた。まあ、あの混雑はこの世界が原因なんだけどな。

 

 

 

 

 

 

 

「なあ慶喜。お前、さっき善子と話してただろ。どうしてだ?」

 

県道に入ってすぐに八名に問いかけられた。八名や善子推しの林からすると善子と話している俺が羨ましいだろう。

 

「ああ、友達だらかな」

 

「はあ?善子と友達!?ズリぃぞお前!!!」

 

「え!?善子と!?ズルいですよ!!!私善子が一番好きなのにー!!!」

 

八名が不満の声を漏らしたと同時に林まで不満の声を漏らし始めた。普通にAqoursのメンバーと話せる事は俺達にとって普通はありえないからだ。そんな普通では無い事を出来ている俺は、他ライバーから羨まれる存在なのだろう。それに俺は曜と血が繋がってる。もしこれが慶喜だった時の世界だったら・・・下手すると殺されるんじゃないか?俺。そしたらこの空間が天国に思えるに違いないな・・・。

 

「そんなの俺に言われたって・・・。転生先を決めた神様とかに言えよ」と2人に言ったのだが、不満の声は、十千万の少し前まで歩いてきても止むことは無かった。こうなったら奥の手を使うしかない。

 

「・・・あーああ。いい情報教えようとしたんだけどなー。教えるのやめようかなー」

 

俺は、ニヤニヤしながら2人にそう言った。すると──

 

 

「あ?どんな情報だ?」

「そうですよ」

 

 

 

──思った通り2人共食いつきてきた。

 

「お前ら、今日どこに泊まる?」

 

「十千万だ」

 

「私も十千万です」

 

2人に宿泊場所を聞くと、2人共〝十千万〟だと答えた。

 

「実はな、今日はAqoursの合宿があるんだ。十千万でな」

 

その2人の答えを聞いた俺は、ニヤリとして答えた。

 

「嘘だろ!?マジか!?花丸ちゃんに会えるじゃねーか!!!」

善子(ヨハネ)にも!!!」

 

「あんま騒がしくすんなよ。バレたらヤバいんだから」

 

俺が八名に忠告すると、八名と林はわーってるよと答えた。守る気無いだろうコイツら。

 

はーっと俺がため息をついたと同時に俺達は十千万の入口の前に着いた。八名と林はスーツケースを預けるらしく、2人して十千万のチェックインカウンターに向かって行った。

俺は、制服に着替える為に2人と別れ、2階に向かう事となった。2階で制服が置いてある宿泊部屋である千歌の部屋にはうんうん唸りながら突っ伏している千歌と曜、千歌に軽く怒っている梨子がちゃぶ台を丸く囲うように座っていた。

 

制服に着替えながら3人に〝着替え取りに行くから、そのついでになんか買ってくる物あるか〟と、尋ねたところ、曜と梨子は特に何も無いと答えたのだが、千歌は突っ伏していた顔を上げ、みかんアイス!!!と答えてきたので、部活動に関係するものを頼もうなと答えた。すると千歌は酷いよーと言いながらまた突っ伏してしまった。

 

制服に着替え終わり、行ってくると言うと曜が行ってらっしゃいと敬礼をしてくれた。俺は曜に海自バージョンの敬礼をして1階に降りていった。

 

 

「お待ちどー」

 

「えっ!?」

「おま、それっ!?」

 

俺が外に出ると既に八名と林が待っており、俺のことを見た後、驚いた声を出しながら出迎えてくれた。

 

「話は車でだ。行くぞ」

 

だが、俺の事をここで話すわけには行かない。とりあえず2人を車へと誘導した。走る車の中ならばある程度の大声を出しても盗聴器が取り付けられていない限り外に漏れると言うことは無いからだ。窓が空いていたら別だが。

 

助手席に八名、後部座席に林を乗せたR33は静岡県道と国道414号を沼津市街地に向けて走り出した。走る車の中で、俺はこの世界の俺の事を全て八名と林に話した。もちろん、曜と血の繋がった妹だということや、Aqoursにマネージャーとして入ったということもだ。

 

「ズルいぞ慶喜!!!」

「そうですよ!!!」

 

羨ましそうに言ってくる2人に対し、「にひひ。ズルいでしょ?」と、曜の声真似をして答えたところ、八名は、「どうりで曜と姿と声が似ていたわけだ」と、2回ほど頷いていた。

 

「で、今はどこに向かってるんだ?」

 

「俺の家。あ、入ったら不法侵入で通報するからな」

 

その瞬間、車内は落胆の雰囲気に包まれた。コイツら本当に入りたかったんだな、曜の家。いや、もしかしたら家じゃなくて部屋とか・・・!?よし、車内に置いていこう。絶対だ。

 

 

 

 

家に着くと、降りるなと2人に釘を刺してから車を降り、すぐに曜の部屋に入って下着を袋に入れて持ち出した。曜は俺に下着を貸したため、持ってきた下着が1着少なくなったからだ。車に戻り、後部座席に置いといてと後部座席に座っている林に言い、袋を渡した。

 

「何ですか?これ」

 

「下着だ。曜の」

 

「「えっ!?盗んだ!?」」

 

「なわけあるか。俺が下着忘れて曜から借りちまってな、それで1着足りなくなったんだ」

 

2人に警察に通報されそうになったため、俺は2人に持ってきた理由を説明した。林はそうだったんですかーとうんうん頷いていたが、八名はなるほど・・・ん?と言い、首を傾げ始めた。

 

「という事は・・・今の慶喜の下着は・・・」

 

「曜のだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「・・・はぁ!?」」

 

しばらくの沈黙の後に2人は驚きの声を出した。そりゃそうだ。誰もメンバーの下着を着けているとは思わないからだ。これも妹の特権・・・なのかもしれない・・・

 

「仕方ねぇーだろ。忘れちまったんだから」

 

俺は、少し不機嫌そうに言いながらアクセルを踏んだのだった。

 

 

 

 

 

 

車が向かった先は浦の星女学院。昨日わざと置いてきた下着を回収するためだ。とりあえず、俺は浦の星女学院前のバス停脇の広場に車を止めた。2人は浦女が見れないと文句を言ってきたが、不審者と思われて通報されたらどうすると言い、不満そうな顔をした2人を車に乗せたまま浦女に向かうため、階段を上がったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は、部室に置いてきた下着を取ってきてバス停に通じる階段を降りた。車にいた八名と林は車から降りていた。八名は暇そうに車のボンネットに座っており、林はバス停の写真を撮影していた。

 

「何やってんだ林・・・」

 

「え?いやぁー、浦女のバス停って現実で初めて見るので、写真に収めておこうかなーって・・・」

 

「あまり不審そうな事はするなよ。撮り終わったら助手席に乗れよな」

 

俺はそう言うと、ボンネットに座っていた八名を半強制的にR33の後部座席に押し込んだ。文句を言っていたが、この後十千万に行くことを知っている為か、拒否する事はなかった。

 

「終わりましたー」

 

そう言いながら車の助手席に乗り込んだ林を俺はすぐに確認し、十千万に向けて発車した。

 

 

 

 

「あ、そうだ。ちょっと寄りたいところがあったんだ」

 

ふと、ある事を思い出した俺は少しニヤリとしながらルームミラー越しにきょとんとする2人を見たのだった。

 




アンケートを取りたいと思います。当作品に登場する新しいオリジナルキャラクターを決めたいと思います。期限は11月27日です。
なお、アンケートは()()()()で行いますので、返答は()()()()の方でお願いします。
↓活動報告
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=196630&uid=133483

次回更新予定日は
11月28日0時0分です

時間的に余裕が出てきたので1話だけ番外編ストーリーを書きたいと思います

  • 渡辺百香と前世の娘
  • スクスタ時空─スクフェス!─
  • 百香とルビィの入れ替わり!
  • スクスタ時空─虹学・Aqours対決!─
  • ロリ辺百香

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