第33話 東京へ
6月24日土曜日、沼津駅南口ロータリー中央部、沼津機関区記念碑前──
俺と曜、そして顧問の
「遅いなー・・・。・・・百香ちゃん、結構な荷物だね」
曜に言われた通り、俺の荷物は、スーツケースを持ち、リュックサックを背負っていた。理由は、このリュックの中身を、東京で会うある人物に渡すためであったからだ。そのため、俺だけ秋葉原に着いたら途中まで別行動だ。
ちなみに、この話をしている横では、いつも通り善子が堕天していた。
「ものすごく注目されてるんですけど・・・」
「曜姉、他人のフリだ、他人のフリ!!!」
善子は、かなり奇抜な格好をしている為、曜が言うように周りの人々からかなり注目されていた。この時の時雨先生は、スマホを弄り、完全に他人としての対応をしていた。
「何か善子ちゃんへの対応がひどいずらね」
「過去の1件がまだあとを引きずってるんじゃない?」
「?」
いつの間にか花丸とルビィ、そしてまだ何も話していない千歌が居た。どうやら、善子が堕天している時にここに着いたらしい。
「あれは忘れろ!!!」
「みんな遅いよー!!!」
俺と曜が花丸とルビィの二人と話をすると、善子が何やら力を溜めているようなポーズをし始め、そして──
「善子じゃなくて・・・、ヨハネ!!!漆黒のステージ、溜まりに溜まった堕天使キャラを解放しまくるの!!!」
叫んだのだった。その瞬間、辺りの人々は一斉に散りはじめた。小さな子供に至っては、母親に無理矢理連れてかれている。まるで何かから逃げるように・・・。
その堕天使キャラについていけなかったのか、千歌達は「お、おう・・・」と、しか言えなかった。
その後、俺達は沼津駅前までに移動し、俺は、きっぷを買うために千歌達と一旦別れ、沼津駅の全線きっぷ売り場に向かった。
「在来線使用で秋葉原までの往復7枚で」
「新幹線はどうされますか?」
「在来線使用って言ってますよね?」
「新幹線は」「在来線で」
「・・・では合計5万6千」「それ新幹線だろ」
「25,060円となります」
「御殿場、小田急線経由にしないでくださいね?」
「・・・31,780円となります」
どうにか新幹線誘導をしてくる販売員に騙されずに在来線のきっぷを購入(時雨先生を除く分)する事が出来た。何?俺が鉄道に詳しくないと思った?
俺は、きっぷを持ち、きっぷ売り場を出ると、千歌達と合流した。さっきのきっぷ購入の茶番の時に千歌の同級生のモブ3人組、むつ、いつき、よしみが来たのか、袋いっぱいに詰められているのっぽパンがあった。
「千歌姉。きっぷ買ってきたぞ」
「ありがとう。じゃ」
俺達は、
三島、函南駅を経て、俺達は熱海駅に到着した。熱海駅は東海道線の主要駅で、静岡方面と東京方面の電車の乗り継ぎ駅でもある。朝晩の数本だけ東京から沼津まで行く便もあるが、今は昼間な為、全て乗りかえる必要がある。
その熱海駅では、千歌が「コッチだー」と下田方面のホームに行って、それに曜がついて行ってしまったり、花丸が勝手にのっぽパンを食べ始めてたり、善子がまた堕天しようとしたりと、カオスな状態が発生したが、どうにか梨子と一緒に場を収め、東京行きのオレンジ色と緑色のラインが入った電車に乗り換えた。
東京駅で山手線に乗り換え、秋葉原駅の電気街口に着いた俺は、とりあえず、千歌達と別れることとなった。
俺が向かった先、そこは、秋葉原を南北に貫く中央通り沿いのビルの中にあるファミリーレストランだった。
そこに居たのは・・・
「遅いぞ、副長」
「どれだけ待ったと思ってるんですか?」
「すみません。千歌達が集合時間に遅れて1本後で来たので・・・」
沢木さんと林だった。沢木さんはコーヒーを飲み、林はパフェを食べていた。何故この2人が居るのかと言うと、2人はどちらも東京住みで、すぐに集まれるからと言うのと、沢木さんと俺の用事とAqoursが招待された東京での大会がちょうど同じ時にあったからだ。ちなみに、石川県住みの八名はさすがに今日は呼べなかった。高校生にとってだが、1ヶ月でかなりの金額を使う事になってしまい、親からいろいろ言われるらしい。明日は、親が居ないため、東京に来るらしいが。なお、林に沢木さんが艦長が転生した姿だと言ったら大変驚いたのだが。
「ドリンクバー1つ」
「で、例の物は?」
「持ってきました」
ドリンクバーを頼んだ後、沢木さんに言われた通り、沢木さんに事前に言われたあるものリュックから紙袋に移し替え、手渡した。
「よし。これで高校時代の答え合わせと、これからを見れる」
手渡した物は、ラブライブ!とラブライブ!サンシャイン!!のアニメと劇場版のBluRayディスクだった。沢木さんは音ノ木坂学院出身で、さらに、あの高坂穂乃果と同い年なのだ。
沢木さんは紙袋を自身のバックの中に入れると、立ち上がった。
「じゃあ、そろそろ・・・」
「え?もうですか?」
「ああ。ちょっと・・・あれだからな・・・」
そう言いながら、沢木さんはコーヒー分の代金を置いてすぐにファミレスから出ていこうとした。
「艦長。いくらなんでも早すぎますよ。もう少しゆっくりしたらどうですか?」
「副長、今はそれどころじゃないんだ!!!」
いつもは丁寧な言葉遣いをする沢木さんが元の口調になるほど焦っていた。
「わ、わかりました」
沢木さんにそう言うと、沢木さんはすぐにファミレスのドアを開けようとした。その時、ドアが外側から開いた。
「やっと見つけました、陽葵」
「う、うう、海未!!!」
ドアを開けたのは、黒髪ロングの女性、いや、こう言うのが正しいだろう。元μ'sの、園田海未。海未の姿を見た瞬間、沢木さんは固まってしまった。
「もう。勝手に家を抜け出すの辞めてくださいね。家の人から友人の私達にも見つけるように言われるので・・・」
笑いながら言っていたが、明らかに目が笑ってなかった。沢木さんは冷汗を流し、すぐに進行方向を反対に変えると、走り出した。
「逃がしません!!!」
「百香!!!囮になってくれ!!!」
沢木さんはそう言いながらこちらに走って来た。
「百香、囮になったらどうなるか分かってますよね!?」
「アッハイ」
「この、裏切り者ォ!!!」
沢木さんは後ろから追ってきた海未に捕まった。海未は、青のスマホをポケットから出すと、すぐに連絡をし始めた。
「嫌だァ!!!帰りたくない!!!後生だから!!!」
「貴女は穂乃果ですか・・・」
そう言いながら、海未は沢木さんを引き摺りながらでていったのだった。
「「・・・」」
「・・・明日は来るんだよな?」
先程の光景を見た俺は、少し言いづらそうに言った。
「あ、はい!!!八名一曹と一緒に行きます!!!」
「艦長は?」
「行けないと言ってましたね。もっとも、さっきの状況では来れそうじゃないですけどね」
林は、苦笑いをしながらココアを一口飲んだ。パフェは全て食べ終わっており、容器は空になっていた。
「そうだな・・・」
「そうだ、これから買い物行きませんか?Aqoursとの集合時間はまだあるんでしょ?」
「そうだな」
「副長とこんな事が出来るなんてね」
林は、そう言いながらクスッと笑ったのだった。
俺と林は席から立ち上がると、料金をレジで支払うと、一緒に街に向かったのだった。
ファミレスを出た俺と林は秋葉原から電車に乗って新宿経由で原宿や渋谷などに行き、夕方までの短い時間だけだったが、有意義な時間を過ごす事が出来た。
最後は林の家が近い品川駅で別れ、山手線で秋葉原に向かい、電気街口で顧問の時雨先生を含む千歌達7人と合流した。
「どうだったか?」
「皆勝手に移動するから時間なくなっちゃった・・・」
千歌は、俺の質問に対し、苦笑いをしながら答えた。周りを見てみると、梨子は後ろに薄い本、同人誌を隠しているし、善子は何か堕天グッズを持ってるし、曜は何故か巫女服を着ている。呆れるしかない。
千歌達と話しながら秋葉原のビルや家の合間の路地を歩いてつあた場所は、明神男坂下だった。
「ここだ」
「これが、μ'sがいつも練習していた階段・・・!!!」
千歌とルビィは階段の上を見ながら目を輝かしていた。
「登ってみない?」
「そうね」
「よーし、じゃあ、皆行くよー!!!」
千歌は掛け声と一緒に階段を登り始めた。俺達もあとに続くが、登り始めた時に、千歌は既に真ん中よりも上に行っていた。
男坂の頂上にある神田明神。そこに到着すると、本殿から歌声が聞こえてきた。本殿を見ると、二人の女子高生が賽銭箱の前で歌っていた。俺達はしばらくその歌声を聴いていた所、あるフレーズを境に、振り向いた。
振り向いたのはAqoursと同じスクールアイドルグループであるSaint Snowの鹿角聖良とツン強め妹の理亞だった。
「こんにちは」
「こ、こんにちは」
急に聖良から挨拶されたため、千歌は、少し詰まりながらも挨拶を返した。
「あら?貴女達、もしかしてAqoursの皆さん?」
「嘘・・・。どうして・・・」
「PV見ました。素晴らしかったです」
「あ、ありがとうございます」
疑問に思っている千歌を置いてけぼりにしながらほぼ一方的に聖良は話している。
「もしかして・・・、明日のイベントにいらしたんですか?」
「はい・・・」
「そうですか。楽しみにしてます。Aqoursの皆さんに新しい仲間も増えたみたいですしね」
聖良は、そう言いながら顧問の時雨先生を見た。私服の場合だと、時雨先生はロリ顔な為、俺達と同じ高校生に見えてしまうらしい。むしろ、マネージャーの俺が顧問に見えてしまうこともあるらしい。
「それ、僕の事?僕顧問だけど」
「あ、申し訳ありません。見た目が若かったので」
時雨先生に指摘された聖良は、時雨先生に向かって、90度直角のお辞儀をして謝った。
「あはは・・・。よく言われるよ。もう歳なんだけどね・・・」
理亞は一礼し、このまま姉の聖良について行くと思いきや、3人で固まっていた1年生の目の前に向かって走り出し、1年生の目の前でジャンプし、宙を舞って着地するという、アクロバティックな動きをした。
あっけにとられている千歌達を横目で見ながら聖良は「では」と言い、参道に向かって歩いていった。
理亞はちらりと俺達の方を見て、姉の背中を追って行った。
「凄いです・・・」
「東京の女子高生ってこんなに凄いずら?」
「あったりまえでしょ!!!」
ルビィ、花丸、善子の1年生組が勝手にSaint Snowを東京の女子高生だと思っているらしい。だが、鹿角姉妹は道産子で、南北海道の函館の女子高生でした。
それから俺達は、お参りは特にせず、周りの写真を撮りまくり(写真を撮ったのは千歌とルビィだったが)、予約していた旅館に向かったのだった。
その後、旅館で就寝前に音ノ木坂学院に向かおうと千歌が提案したのだが、梨子の反対により、向かうのをやめた。
明日のライブ、どうなるのか、そう思いながら俺は、曜の横に敷いていた布団で眠りについたのだった。
次回更新予定日は12月26日です。
オリキャラ紹介
〇
浦の星女学院生徒指導部長
同上一学年主任
書道教師
【挿絵表示】
・CV
谷邊由美
・旧姓
・一人称
「僕」
・出身地
神奈川県横須賀市(育ちは長崎県佐世保市)
・誕生日
5月18日
・趣味
コスプレ
・顧問
スクールアイドル部、卓球部、吹奏楽部、サッカー部
・備考
千歌の姉の志満、美渡の担任、さらに千歌の母親と同級生。つまりロリバ「君には失望したよ」
このキャラはあるゲームのキャラとかなり似ているが、作品・キャラ同士の関係性は全くない「残念だったね!!!」のかもしれない・・・。さらに、スクールアイドル部の仕事の6割から7割は百香に押し付けている。昼行灯。
時間的に余裕が出てきたので1話だけ番外編ストーリーを書きたいと思います
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渡辺百香と前世の娘
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スクスタ時空─スクフェス!─
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百香とルビィの入れ替わり!
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スクスタ時空─虹学・Aqours対決!─
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ロリ辺百香