海上自衛官が渡辺曜の妹になりました   作:しがみの

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申し訳ございません。予約投稿日、1日後にして水曜日に投稿することが出来ませんでした。あと、感想の返信はネタバレ防止のため、行いませんでした。



・・・なんか投稿遅れるのがデフォルトになってきましたね・・・


第38話 追求

 

曜と一緒に帰宅しようとした瞬間、百香のスマートフォンからバイブレーションが発せられた。宛先はAqoursのあるメンバーからの個人チャットで、内容は、『これから2人きりで会いたい。指定された場所に来て欲しい』だった。

 

「え?バスに乗らないの?」

 

スマートフォンの画面を見ている時にバスがやってきたのだが、百香がそのバスに乗らないことに気づいた曜がバスに半身突っ込んだ体制になりながらも聞いてきた。

 

「ああ。内浦にちょっと用事思い出した。先に帰っていて」

 

「・・・わかった」

 

訳を説明すると、曜は納得しながらも、少し不満に思うような顔をして沼津駅行きのバスに乗り込んで行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

曜をバスに乗せて先に帰らせ、それを見送ったあとに百香が歩いてきた場所は、沼津南消防署内浦派出所の裏にある気多神社。

 

いつも犬の散歩のついでにしか人が来ないため、昼過ぎた今は誰も居なく、物静かだ。だが、物陰からこちらを見ている気配を感じる。

 

 

 

 

 

 

 

「そこに居るんだろ?隠れてないで出て来いよ」

 

失笑しながらそう言うと、本殿の裏からひょっこりと善子が現れた。

 

「来たわね」

 

「何で隠れてたんだ」

 

百香は、怪訝な顔をしながら尋ねると、善子は何も言わずに早足で近づいてきた。

 

「場所変えるわよ」

 

耳元でそう呟くと、善子は百香の手を引き、また別場所へ移動し始めた。

 

「何でまた移動するんだ・・・」

 

「私が聞きたい話、誰かに聞かれたら多分、マズい事になるかもしれないから」

 

それだけ大事な話をするのだろう。この場所は誰かがたまに来るため話の内容を聞かれる事になる。しかも、ここは十千万旅館の犬、しいたけの散歩ルートに入っている。もしも千歌が来て話を聞いたら大変になるからだ。念には念をと考えたのだと、百香は考えた。

 

 

 

 

百香は善子に連れられて海沿いを通る県道に出た。そこに出ても、善子は何も話さない。

 

「なあ、善子」

 

「黙ってついて来なさい」

 

「・・・」

 

長浜の集落を過ぎ、長浜城跡前までの崖の区間に入ると、反対側の車数台分広くなっている路側帯に沼津市街方面からやってきたシルバー色のコンパクトカー、ホンダ フィットが止まり、身体が並の男性より少しだけ細い男性が降りてきた。

 

「善子、こっちに来るぞ」

 

「・・・何か用事でもあるのかしら・・・」

 

その若い男性は小走りになりながら善子と百香が小走りになりながら学校方向に向かっている歩道にやってきた。百香は、善子に小声で不審者の可能性もあると言い、自身のスマートフォンでこっそりと110通報の用意をした。

 

「君達、浦の星女学院の生徒?僕、こういう者なんだけど・・・」

 

「・・・芝山(しばやま) 秀俊(ひでとし)・・・伊豆駿東新聞の新聞記者ね・・・」

 

男性から名刺を受け取った善子はゆっくりと読み上げ、それと同時に百香は少しだけ嫌そうな顔をした。

 

百香はあまり新聞記者が好きではない。自衛隊に関してあることないことを書かれ、しかも新聞という媒体を使うため、拡散力が強い。そして、前世の百香はその媒体によって後ろ指をさされることがよくあったからだ。

 

「で、新聞記者(プレス)がただの女子高生に何の用ですか?」

 

「いやぁー、ある話を知っているなら教えて欲しくてね」

 

「・・・何ですか?」

 

百香の顔はだんだんと険しくなっていく。

 

「浦の星女学院の廃校についてとか、3年前の沼津市誘拐事件の噂とかね」

 

「・・・なにも知らないです」

 

「本当に?」

 

若い記者、芝山はそう言いながら、いつの間にか芝山を睨んでいた百香の顔を見た。その時の芝山は「お前、何か知ってそうだな」という顔をしていた。

 

「まあ、何か思い出したらここに電話してよ。君もね」

 

そう言いながら、芝山はまた真新しい銀色の名刺ケースから善子に渡した同じ名刺を百香に渡した。

 

「じゃあ、僕はこの後取材があるから」

 

そう言いながら、芝山は沼津方向の車線側の路側帯に停車している車に乗り込むと、浦の星女学院方向に走り去って行った。

 

「何だったんだ・・・」

 

「さあ・・・」

 

そのあとの百香と善子の会話はこれだけで、長浜城跡に着くまで、2人の足音と、横の県道を走る車の音以外は聞こえなかった。

 

 

 

「んで、その話とはなんだ?」

 

長浜城跡に着いたため、善子に理由を聞く。

 

「東京での貴女の話」

 

「東京で?」

 

百香は、首を傾げながら善子に尋ねた。百香には心当たりがなかった。東京では、沢木さんに呼ばれてたため、Aqoursとはほとんど一緒に行動しなかったし、Aqoursの前で何か大変な事を言った覚えもない。前者は大会事務に呼ばれていると嘘をつき、もし、確認されてもバレないよう、沢木さんに手を回してもらっていたから、バレるわけが無い。後者の場合も、百香はほとんど空気状態だった。バレるわけがない。

 

「どういう話だ?」

 

百香は首を傾げながら善子に聞いてみたところ、善子は苛立っている様子だった。

 

「東京で貴女がコソコソしてた話よ!」

 

「っ!?」

 

善子の返答を聞いた瞬間、百香の心臓は急に動作が早くなる。久々にきたこの感覚。

 

「〝Aqoursのこの先を決める権利は、俺達にはない〟!?〝お前らの投票用紙は俺がここで処分する〟!?貴女、何を知ってるの?私達に何を隠してるの!?」

 

善子は背伸びとつま先立ちをし、ずいっと百香の顔に顔を近づけた。

 

「・・・」

 

「何か答えなさい!百香!」

 

何も答えない百香に業を煮やしたのか、百香の白色のTシャツの胸ぐらを掴んだ。

 

「・・・教えてしまったら、Aqours内での善子の自由はなくなる。その時は俺達のように傍観者になってもらうぞ!」

 

百香は、善子に掴まれた手を離しながら言った。百香は、もしも誰かにバレてしまった時、春のラブライブ!でAqoursは優勝することをバラすという事を決めていた。

だが、このことを話せるのはAqoursメンバー以外だった。もし仮にあるAqoursメンバーに話してしまい、そのAqoursメンバーが調子にのってしまい、ラブライブでのAqours優勝が無くなってしまったら──

 

と、百香は思っていたため、善子に胸ぐらを掴まれても理由は話せなかった。

 

「傍観者だからって、私達に何も言わなかったの!?Aqoursが東京の大会で最下位になるって知っていても!」

 

「仕方無いだろ!?俺の居た世界のAqoursに俺は、百香は居なかった!俺は、媒体上のAqoursに、この世界に存在するはずない人間なんだ!」

 

「媒体上・・・?」

 

百香は、ついに善子に話し始めた。善子の頬には、1滴だけ話を始める前の数秒間、頭をフル回転させ、全て話してもいいのかどうか考え、そして、ある一つの結論にたどり着いた。

 

 

〝俺の存在と前世だけ話そう〟

 

と──

 




次回更新予定日は5月22日です

時間的に余裕が出てきたので1話だけ番外編ストーリーを書きたいと思います

  • 渡辺百香と前世の娘
  • スクスタ時空─スクフェス!─
  • 百香とルビィの入れ替わり!
  • スクスタ時空─虹学・Aqours対決!─
  • ロリ辺百香
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