これ下手すると28人ハーレムじゃね?そのうち歩夢に刺されるぞ・・・あなたちゃん・・・
「百香ちゃん」
百香が電車に乗り込もうとしたとき、後ろから声がした。
振り返ると、千歌、ルビィ、花丸、善子、鞠莉、ダイヤ、果南、そして、曜が立っていた。
そう、梨子を除いたAqours全員がこの場に集まっていた。
千歌の声に答える形で、ドアから車両内に入ろうとしていた百香は足を止めた。
「・・・何しに来た」
「百香ちゃんを連れ戻しに来たんだよ」
千歌は、真剣な顔をしながら百香を見つめていたが、百香は自嘲するような顔で薄笑いした。
「連れ戻す?何で?」
「百香ちゃんには居てほしいの、Aqoursに!」
「そんなことはできない」
千歌が強く百香に進言するが、百香の表情は変わらない。
「なんで?」
「俺はAqoursに居なかった存在。あの世界のAqoursとは条件が違っているんだ。条件が違えば、進むべき未来も、その通りに進まなくなってしまうかもしれないからだ」
「たしかに、百香ちゃんが前いた世界のAqoursでは百香ちゃんは居なかった。でもね、百香ちゃんは今、ここに居るじゃん。ということは、もうここは別世界なんじゃない?」
「・・・どういう事だ」
百香の頭は少し混乱していた。この場にAqours全員が来ることが想定外であったし、今起きている現実を受け入れられていなかった。
「だって、善子ちゃんが言ってたけど、百香ちゃんが元居た世界のAqoursには、百香ちゃんの存在、いや、曜ちゃんの妹すらいなかった。そうでしょ?」
「確かにそうだか・・・」
確かに、現実世界のAqoursは9人。そして、曜は一人っ子で妹は居なかった。
「百香。貴女、他にAqoursに関する何か持ってるでしょ?前世から持ってきた貴女の車があるなら必ずあるわよね」
「・・・他に、アニメ、映画、ライブのBlu-rayがある」
鞠莉が、チラリと善子を見ながら百香に聞いた。鞠莉が前世の車がここの世界にあるのをを知っているのは、鞠莉の目線から考えて、おそらく善子から聞いたのだろう。
「その中身、必ず百香はこの世界に来てから一回以上は見てるはずるはず」
「ああ。もう軽く10回以上は見ているが・・・」
「おそらく、百香の知ってるAqoursのアニメでは、この引き留めのシーンは無いはずよ」
「何が言いたい」
百香は、嫌な予感がした。この後、鞠莉の口から放たれる言葉は、百香が何度か考えたことのある選択肢であったが、決してそうであると考えたくなかったことであった。
「百香の記憶や、持っているAqoursの資料に変化がないのは、もう、百香の知っている世界とは別の世界が動き出しているということよ」
「つまり・・・?」
「この世界のAqoursは、百香の知るAqoursとは、別の道を歩むことになる」
「じゃあ、俺の見てきた世界はなんだ?」
「あの世界は、百香が産まれなかった世界。つまり、もう、貴女、百香が産まれた時点でこの世界は別世界になっていたのよ」
鞠莉の言う通り、この世界は、アニメの世界とは全く別物に変わっていた。
「じゃあ、俺は、俺たちはいったい、今まで何を・・・」
「全部、無駄だったんだよ。百香ちゃんがしてきたことは。
もう、15年以上も過ぎちゃってる。後戻りはできないんだよ。もう、百香ちゃんの望む世界は来ない」
千歌が残酷にも、現実を百香に突きつけた。
「世界をつくるのは神様じゃない。今ここに居る人間なの。私たちと一緒にAqoursの、浦の星の歴史をつくろうよ。記憶の有り無しなんて関係ない」
千歌が、真剣な顔で百香の顔をじっと見つめながら言った。
「何だよ。いろいろ黙っていて、今まで勝手に一人でいろいろ悩んでいた俺が馬鹿らしいじゃん・・・」
千歌の言葉が終わると同時に、百香の前に梨子を除いたAqoursメンバーが千歌の横に並んだ。その中でも、曜の手には紙袋が握られていた。
「俺は、もともと男だったんだぞ?しかも中身は中年のおっさんだ」
「そんなの気にしませんわ」
最初の言葉にはダイヤが
「もしかしたら、嫌らしい目で見ていたかもしれないんだぞ?」
「そんなの、鞠莉に比べたら全然ましだし、それに百香なら誰も気にしないよ」
次に果南が
「お前らの秘密も知ってるんだ」
「マル達の秘密を知られるのは少し恥ずかしいけど、百香ちゃんなら心配ないずら」
その次に花丸が
「もしかしたら、世界が変わっていないのかもしれない」
「それはそれで百香がそのアニメの世界に取り込まれたってことになるでしょ?それなら結果オーライじゃない?」
と鞠莉が
「本当に俺を受け入れてくれるのか?」
「当たり前でしょ?」
と善子が
「林間学校の時、〝踊る資格なんて無い〟って言ってたけど、そんなことないよ!踊るときの、笑顔。あの笑顔をまた見せてよ!」
「ああ」
とルビイが
「同じステージで一緒に踊ろうよ。百香ちゃん」
「・・・ああ」
衣装が入った紙袋を差し出しながら曜が
「それでは、改めてAqoursにようこそ。百香ちゃん!」
最後に、一歩百香に近づいた千歌が、満面の笑みで語り掛けた。そして───
「もう、悩まなくてもいいんだよ」
満面の笑みの後に、柔らかな笑顔でそう言ったのだった。
「私は・・・、私は・・・!!!」
百香はその場に崩れ、そんな様子を見た千歌は百香を優しく抱きしめた。
百香の後ろからは、止まった時間が動き出すみたいに、島田行きの6両編成の電車がゆっくりと動き出す。
「もう、悩まなくてもいいんだよ」
「うん・・・」
「私たちと、新しいAqoursをつくっていこうよ」
「うんっ・・・」
「もう、一人じゃないよ」
「ううっ・・・、うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ───!」
沼津駅のホームに、今までの彼女からの性格からは考えられない弱々しいなき声が響いた。
「我慢しないで、良いんだよ」
千歌は、胸の中で少女のように泣きじゃくる百香をもう一度ゆっくりと抱きしめた。
それに続くように、1人、また1人と、百香を抱きしめ始め、最後には、9人で抱き合っていた。
止む気配もなく、何日も降り続いた雨はいつの間にか止んでおり、雲が消えた真っ青の青空には、
第6話(第59話)
雨ハ止ム。
すっかり雨が止んだ沼津市内。仲見世商店街のアーケード下を、Aqours9人が歩いていた。
「なあ、どうして今日出発するって知ったんだ?曜を含めて全員には教えなかったのに」
「ああ、それずらね。善子ちゃんが教えてk「うにゃあぁぁぁぁぁ!」むーっ!むーっ!」
「アハハ!善子が?」
何故か花丸が得意げに百香に説明し、善子は恥ずかしそうに花丸の口を押さえていた。
そんな様子を見た百香は、〝善子のくせに〟と言いながらケラケラと笑った。
善子はしばらく恥ずかしそうに花丸の口を押えていたが、自身の腹を抱えて笑い続けているいつも通りの百香を見た
「確かに、全員に百香のことを言ったのは私だけど、私はただ、橋渡しをしただけよ」
「橋渡し?」
「そうよ。私は、大智の代わりに頼まれただけ」
「そうなのか?」
「そうよ。昨日、大智に〝百香は浦女から転校したくないような雰囲気がしていたから、止めてほしい〟って言われたのよ」
何考えるように〝そうなのか・・・〟と百香が答えた後、善子は小さな声で〝まあ、新静岡に行ってほしくなかったのは私も一緒だったけどね・・・〟と呟いたのだが、百香には聞こえなかった。
「ははっ・・・。結局、変に悩んでいたのは私だけだったんだな」
百香は、自身にあきれるように笑った。
「まさか、あいつがあんなことをするなんてな。私もまだまだだ」
百香と八名は親友だったが、このようなことをするのは百香の予想外だった。でも、不思議と百香の心はスッキリしていた。
Aqoursの思いは一つになりつつある。
「・・・」
百香の後ろで歩きながら、周りに気付かれないように少し暗くなっている一名を除いて。
時間的に余裕が出てきたので1話だけ番外編ストーリーを書きたいと思います
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渡辺百香と前世の娘
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スクスタ時空─スクフェス!─
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百香とルビィの入れ替わり!
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スクスタ時空─虹学・Aqours対決!─
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ロリ辺百香