海上自衛官が渡辺曜の妹になりました   作:しがみの

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お久しぶりでございます。

かなり久しぶりの投稿です。

久しぶりの投稿なのに今回の話は2千字という体たらく。

しかも連載始まって3年以上経つのにまだ作内では半年も経っていない!?うっそだろお前。時間経過がほぼ名探偵コナンになってるじゃねーか。

まあ、そんなこんなであけましておめでとうございますです。2021年もよろしくお願いします。


第65話(12話)

「おい、曜!」

 

部屋に入ると、百香はすかさず部屋の明かりをつけて暗闇で包まれていた部屋を明るくした。

 

カーテンが完全に締め切っている部屋の床にはスクールバッグが投げ出されており、中身が多少見えている。

 

中身を踏まないように慎重に進み、ベッドの上でタオルケットにくるまっていた曜の前まで移動し、千歌もそれに続いた。

 

「なぁ、曜。お前はそれでいいのか?」

 

百香は、曜の枕元にしゃがみ込み、そう言った。

 

「え?」

 

「逃げることばかり選択して、曜ちゃんは本当にそれでいいの?」

 

千歌の言葉に、曜はタオルケットから少しだけ顔を出し、千歌の顔を見た。その時の曜の顔は、目が赤くはれていて、とても周りには見せられないような顔であった。

 

「逃げた先には何が待っているの?何かいいことでもあるの?」

 

「それは・・・」

 

千歌の問いに、曜は口を噤ませた。実際、曜は話すことから逃げた。その結果がこれであった。

 

「もちろん、逃げが必要な時もあるよ。でもね、逃げちゃいけない時だってあるんだよ。今日のことみたいにね」

 

千歌の言葉で、曜は唇をかみしめた。逃げてはいけない時に曜は逃げ出したことを知っていた。逃げ出したことの影響は計り知れない。もしかしたら千歌以上に鞠莉との関係が改善することが無いのではないか──

 

そうした恐怖が生まれてしまっていた。

 

 

 

 

 

 

第12話(65話)

雲ヨハケ──

 

 

 

 

 

 

「・・・千歌ちゃん。

 

私はどうすればいい・・・?」

 

一分ほど口を噤んでいた曜が言った言葉はこれであった。

 

鞠莉と喧嘩のような言い争いをした曜は、鞠莉との関係修復を望んでいた。まだ言い争いをしてから一日も経っていない。両者の合意があれば関係修復には早ければ早いに越したことはない。

 

「とりあえず、鞠莉ちゃんと話し合おうよ」

 

曜の枕元に座っていた千歌が立ち上がると、曜は千歌の服の裾をつかんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「千歌ちゃん・・・、怖い・・・。

 

怖いよぉ・・・」

 

その後に生み出された声はとても小さく、少しの雑音でかき消されてしまうような声であった。

 

 

 

 

 

「・・・」

 

「・・・千歌ちゃん?」

 

そんな曜の様子を見た千歌は、無言で曜を抱き寄せて強く抱きしめた。

 

「大丈夫。千歌が、私がついてるから」

 

「千歌ちゃん・・・」

 

「大丈夫。大丈夫・・・」

 

「千歌ちゃん・・・、千歌ちゃん・・・!」

 

ゆっくり、ゆっくりと曜の背中をさすると、曜は千歌が抱きしめる力よりも力強い力で千歌を力強く抱きしめた。

 

「できるよ、曜ちゃんなら・・・できるよ・・・」

 

「うん・・・」

 

「曜ちゃんのことは、私が一番知っているんだから・・・。私の隣は、曜ちゃんの特等席だよ」

 

「うん・・・、うん・・・」

 

「大丈夫。私がついているから。ずっと、ね・・・」

 

「こんな私でもいいの・・・」

 

「良いんだよ。それが曜ちゃんの個性だもん」

 

千歌は、曜の顔を見ながら曜の両手を手に取った。

 

「ありのままの曜ちゃんを見せてよ。私はありのままの曜ちゃんが好きだから」

 

「うん・・・」

 

「ありのままの曜ちゃんを、これから私に、高海千歌にもっと見せてくれますか?」

 

「うん・・・、うん・・・!」

 

曜は千歌の言葉の後、千歌の肩に顔を埋めた。千歌の身体で隠れてしまったため周りから曜の顔は見えなかったが、千歌がゆっくりと曜の頭を撫でていることを見るに泣いているのだろう。

 

「安心して・・・、ね・・・」

 

千歌が曜の背中をゆっくりと撫でると、曜の背中が震え始め嗚咽を漏らし始めた。

 

「・・・わたし、鞠莉ちゃんに謝ってくる・・・」

 

「うん、うん・・・」

 

曜は、千歌の身体から離れると流していた涙を拭いた。

 

「鞠莉は廊下に居るからな」

 

「うん。ありがとう百香ちゃん。行ってくる」

 

曜は立ち上がり、部屋の外へと向かった。外に向かう曜の目は覚悟が決まった顔であった。

 

「曜ちゃん、頑張って・・・!」

 

その様子を見ていた千歌は、握りこぶしを作ってその後ろ姿をじっと見つめていた。

 

 

閉められたカーテンの隙間から今まで雲に覆われていた西日が差し始め、暗かった部屋に明かりを差し込ませてきた。

 

曜の背中がその朱色の西日によって照らされる。

 

短かったようで長かった五日間は、もうすぐ終わろうとしていた。

 

マンガの世界、雑誌の世界、アニメの世界、スクールアイドルフェスティバルの世界、スクールアイドルオールスターズの世界。全ての世界線上に全く存在していない、渡辺曜の妹、渡辺百香を合わせた、10人の新たなAqoursの誕生である────

時間的に余裕が出てきたので1話だけ番外編ストーリーを書きたいと思います

  • 渡辺百香と前世の娘
  • スクスタ時空─スクフェス!─
  • 百香とルビィの入れ替わり!
  • スクスタ時空─虹学・Aqours対決!─
  • ロリ辺百香
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