海上自衛官が渡辺曜の妹になりました   作:しがみの

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第7話 ラブライバーダイヤ様

「ワンツー、ワンツー、ワンツー」

 

浦女の中庭では、千歌と曜が俺の携帯から流れてくるμ'sの曲であるSTART:DASHに合わせてステップをしている。

 

曜のまたダメだったの?という問で千歌はあと一歩、あと一押しって感じかなと言い、笑いながら俺達の方を見ながらステップしてる。

曜はホントかなと半信半疑になってるが、大丈夫。ちゃんと入るからな。・・・多分・・・。

 

「だって、最初は〝ごめんなさい!!!〟だったのが、最近は〝ごめんなさい・・・〟になって来たし!!!」

 

梨子の声真似をした千歌に対し、曜は嫌がっているようにしか思えないと呆れ声で言っているし、俺は呆れ顔で千歌を見ていた。まあ、誰だって何回も同じ人で、さらに同じ部活に勧誘されたら嫌になるよな。

 

「そのうち無視されたりね。」

 

「大丈夫!!!いざとなったら、何でもするし!!!」

 

千歌はどこからか出したのか、音楽の教科書を俺達の目の前に出した時、また曜はそれはあんまり考えない方がいいかもしれないと呆れ声で言っていたが、千歌は気づいてないようだ。

 

「それより、曜ちゃんの方は?」

 

「ああ。描いてきたよ。」

 

だって曲とか衣装の方気にしてるし。やっぱり馬鹿なんじゃないのか?・・・この事は心の中で留めておきながら千歌と曜の後について2年生の教室に向かった。

 

 

 

 

 

「「おお・・・。」」

 

「どお?」

 

教室で曜に見せられた最初の衣装の案はやっぱりあれだった。〝HAPPY PARTY TRAIN〟に似てる衣装。というか凄いな。何も見てないのに〝HAPPY PARTY TRAIN〟に似てる衣装描けるなんて。

 

「凄いね・・・。でも、衣装というより制服に近いような・・・。スカートとかないの?」

 

却下されましたか。まあ、アニメ通りだからね。しょうがないね。

 

「あるよ。はいっ!!!」

 

「ええ?いやこれも衣装って言うか・・・もうちょっと可愛いのは・・・?」

 

千歌が疑問に思っているのも無理はない。2枚目に書かれていたのは婦警の恰好。婦警の恰好なんてもう衣装じゃなくて制服だよね。さすが制服フェチ。

 

「だったらこれは?はいっ!!!」

 

「武器持っちゃった。」

 

「可愛いよねー!!!」

 

次に見せられたのは千歌が銃を握ってる絵。いや、流石に衣装なのにこれは無いでしょ。まあ、まあ、面白そうだから俺は的外れのツッコミでもしておこう。

 

「いや、ここは89式描くべきでしょ。」

 

「武器の問題じゃないよ!!!それに可愛くないよ!!!むしろ怖いよ!!!」

 

「ん?」

 

千歌のツッコミに対して曜が疑問に思っているのもどうかと思うんだけどなあ・・・。

 

「もっと可愛いスクールアイドルらしい服だよぉ・・・。」

 

「と思ってそれも描いてみたよ!!!ほいっ!!!」

 

「わぁー、凄い!!!キラキラしてるー!!!」

 

次の4枚目でようやくスクールアイドルみたいな可愛い衣装が出て来た。というか、曜、ここまで来るまで迷走しすぎじゃない?

 

「でしょ?」

 

「こんな衣装作れるの?」

 

「うん!!!もちろん!!!何とかなるよ!!!ね!!!」

 

「え?あ、うん。」

 

いや、俺に振られても困るんだけど。まあ、裁縫は人並みに出来るけどさあ・・・。

 

「よーし、挫けてるわけにはいかない!!!」

 

で、また千歌は部活動申請書を持ち、教室を出て行った。・・・。やっぱり千歌は馬鹿だな。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「お断りしますわ!!!」

 

「こっちも!?」

 

「やっぱり・・・。」

 

ダイヤの反応に千歌は驚いているが、曜は当たり前だという顔をしていた。まあ、俺もそういう顔してるが。

 

「5人必要と言ったはずです。」

 

「そもそも、衣装しか進展がないのに申請出す時点でね・・・。よく出そうと思ったね・・・。」

 

で、ダイヤは2人以上に呆れてるし、指を机にトントン叩いてるから怒りも入っていると思う。

 

「ひどい百香ちゃん!!!」

 

「でも事実じゃん。」

 

「言い返せない・・・。」

 

「それ以前に作曲はどうなったのです?」

 

うん。作曲の進展具合は最悪だよ?

 

「それはー、多分ー、いずれー、きっとー・・・。可能性は無限大!!!」

 

「でも、最初は3人しか居なくて、大変だったんですよね。u()()s()も。知ってますか?第2回ラブライブ優勝校、u's!!!」

 

「ちょ、千歌姉それu'sじゃなくてμ'sだから・・・。」

 

俺が千歌の間違いを修正していると、ダイヤの怒り度数が上がっているのか、ダイヤが机を叩くペースが早くなっていく。

 

「え?あれ、μ(ミュー)って読むの?」

 

「お黙らっしゃぁぁぁぁい!!!」

 

ついにダイヤの堪忍袋の緒が切れたのか、生徒会室にダイヤの怒りの叫び声が響き渡った。

 

「言うに事欠いて、名前を間違えるですって!?ああん!?」

 

ダイヤは椅子から立ち上がり、ヤクザ紛いのことを言いながら千歌に近づいていく。生徒会長がこんな事やっていいのかな?

 

「μ'sはスクールアイドルにとっての伝説、聖域、聖典、宇宙にも等しき生命の源ですわよ!?その名前を間違えるとは・・・。片腹痛いですわ。」

 

「ち、千歌くないですか?」

 

あれ?誤字じゃない?〝千歌〟なの?〝近〟じゃなくて?

 

「あ、今のは私の名前の千歌と距離が近「火に油を注ぐようなことしないでよ!!!」ごめんなさい・・・。」

 

ああ、空気読めてないなコイツ(バカ千歌)

 

「フッ。その浅い知識だと、たまたま見つけたから軽い気持ちで真似をしてみようとか思ったのですね。」

 

「そんなこと・・・。」

 

「ならば、μ'sが最初に9人で歌った曲、答えられますか?」

 

あ、始まった。ダイヤさん暴走パート。これでダイヤさんがライバーだと分かるんだよなぁ・・・。ついでにダイヤの推しは絵里さん。これのせいでμ'sの絵里さんよりもイメージが崩れたのが早かったよね。

 

「え?」

 

「ぶーっ!!!ですわ!!!」

 

「じゃあ百香さん。わかりますか?」

 

「え?ぼららら?」

 

いや、急に振るなよ。何で俺に振ってくるんだよ。まあ、答えられたのだが・・・。

 

「え、何それ」

 

「ピンポーン!!!ですわ!!!」

 

「「は?」」

 

は?いや、は?何それ。〝ぶっぶー!!!〟なら知ってるけど、〝ピンポーン!!!〟なんて初めて聞いたぞ。嗚呼、ダイヤ様ポンコツ化がアニメ以上のスピードで進んでいってるぞ。

 

「〝僕らのLIVE 君とのLIVE〟通称〝ぼららら〟」

 

「ちょ、通称なの!?ってか、知ってるの!?」

 

千歌が驚いた様子をしているが、このくらいは知ってる。ラブライブ!の1期と2期、そして劇場版を見たからね。DVDも家にあるぞ?まあ、ある場所は秘密だけどね。だって知られたら自分の正体まで言わなくちゃならなくなるからね。

 

「次、第2回ラブライブ予選でμ'sがA-RISEと一緒にステージに選んだ場所は?」

 

「すてーじ?」

 

「ぶっぶーっ!!!ですわ!!!百香さん、お答えください。」

 

ダイヤポンコツ化まで全速前進ヨーソロー!!!状態だな。しかも、2問目も聞いてくるし。

 

「秋葉原UTX屋上。」

 

「ピンポンピンポーン!!!ですわ!!!あの伝説とも呼ばれるA-RISEとの予選、ファンならこのくらい分からないといけませんわ!!!次、第2回ラブライブ決勝、μ'sがアンコールで歌った曲は?」

 

「それは知ってる!!!〝僕らは今のなかで〟!!!」

 

「ですが、曲の冒頭にスキップしている4名は誰?」

 

ようやく千歌が答えたのだが、〝ですが〟とか言ってなんか引っ掛けを出して来た。流石に酷いだろこれは普通のファンでもわからない人多いぞ。

 

「ぶっぶっぶー!!!ですわ!!!百香さんは答えられますの?」

 

「絵里さんと、希さんと・・・、あとは・・・。 誰だっけ・・・。」

 

だから振るなダイヤ。俺はこれわからないんだよ!!!流石にここまでは覚えられんわ!!!

 

「絢瀬絵里、東條希、星空凛、西木野真姫!!!こんなの、基本中の基本ですわよ!!!」

 

あー、はい。アニメでポンコツダイヤがさらにポンコツになったな・・・。

 

「「す、凄い・・・。」」

 

「・・・。」

 

「当然ですわ!!!(わたくし)を誰だと・・・。オホン・・・。一般教養ですわ!!!一般教養!!!」

 

「高度なスクールアイドル知識が一般教養なんて世も末だな。」

 

俺がそう言うと、千歌と曜はダイヤがμ'sの大ファンだということに気がついたようで、ニヤニヤしながらダイヤを見始めた。

 

「・・・とにかく、スクールアイドル部は認めません!!!」

 

ダイヤは一向にスクールアイドル部を承認してくれない様なので、千歌と曜と一緒に帰ろうとした。

 

「お待ち下さい、百香さん。」

 

が、俺だけダイヤに呼び止められたので、千歌と曜にバス停で待っててと言い、先に帰らせといた。

 

「何ですか?」

 

(わたくし)とお話があります。」

 

「はあ・・・。」

 

俺がドアを閉め、机の方を見ると、ダイヤは窓から外を眺めるようにしていた。

 

「貴女なので言いますが、本当は人数さえいれば、スクールアイドル部を承認したいのですが・・・。」

 

その時のダイヤは、さっきと違った悲しそうな顔だった。そんな表情を見せてくれる俺はかなり信用されているんだろうか。ダイヤ達の役に立った事は一回なのに。

 

「・・・ダイヤさん・・・。何で私にだけ言うんですか?」

 

「貴女は絶対に話さないと信じているので・・・。」

 

「・・・。わかりました。2人には言いません。特に千歌には。アイツ何か知ったら直ぐめんどくさい事にしますからね・・・。」

 

俺はそれだけ言うと、バッグを持ち、生徒会室から出た。ダイヤは、ただその場に立ち尽くし、生徒会室から出ていく俺の背中をじっと見つめていたのだった。

 




〇次回予告〇

「ひゃぁァァ!!!」

「曜ちゃん水色ー!!!」

「いやぁァァ!!!」

「百香ちゃんシマシマー私みかん色ー」

「「恥じらうこともなく人前で自分のスカート捲ったぞアイツ!!!」」

突如スカートを見ると捲り出すようになってしまった高海千歌。一体どうなってしまったのか・・・!?
次回、スカート捲り魔〝千歌〟
※予告と異なる場合があります。
次回更新予定日は12月20日です。

時間的に余裕が出てきたので1話だけ番外編ストーリーを書きたいと思います

  • 渡辺百香と前世の娘
  • スクスタ時空─スクフェス!─
  • 百香とルビィの入れ替わり!
  • スクスタ時空─虹学・Aqours対決!─
  • ロリ辺百香

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