海上自衛官が渡辺曜の妹になりました   作:しがみの

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しばらくは週一投稿になります。安心してください、少なくとも2ヶ月は確定です。


特別編11 ロリ辺百香(下)

結局、私こと津島善子は小さくなった百香を元に戻す手がかりを少しでも見つけるために、渡辺家に一泊することとなった。

 

原因を見つけよ!というダイヤさんからの命令のためだ。

 

帰宅後、事の顛末を曜の母親に知らせ、百香を見せたところ───

 

 

 

「まあ───!可愛い!百香ちゃん可愛いよぉ───!」

 

「お母さん、うるさい」

 

母親もおかしくなった。遺伝か?

 

「実の母なのに辛辣ぅ!でもでも、こんなに小さな百香がいるなんておかしくなりそう!」

 

「気持ちはわかる」

 

わかるのかよ。先行き不安ね・・・

 

「さて、みんなが帰ってきたことだし、お夕飯にしようか」

 

「さんせーい!」

 

「ママ!今日のご飯は何?」

 

百香の質問に、母親は〝よくぞ聞いてくれた〟というような表情をした。

 

「それって・・・、百香ちゃんの好物の・・・」

 

そこから大体を察したのか、曜は少し嫌そうな顔をする。

 

「刺身よ!」

 

「わぁい!」

「・・・」

 

百香は諸手を挙げて喜んでいたが、曜は〝あー、やっぱりな〟という表情だ。それもそのはず。百香の好物は刺身、曜の苦手なものは刺身だからだ。なお、アレルギーに在らずのため、そこらは無問題だ。

 

というか、刺身好きな記憶は引き継いでいるのは意外であった。とりあえず、メモをしておこう。

 

「善子ちゃんも食べて大丈夫だよ」

 

「あ、はい。ありがとうございます」

 

もちろん、私も食べることになった。

 

 

 

 

 

「お刺身おいしい!」

 

「本当ね!おいしいわね!」

 

「今日はお刺身にした甲斐があったわね!」

 

刺身を食べた百香と私、そして母親が笑いあっている。曜はと言うと、刺身を少しずつ口の中に入れ、そしてすぐに飲み込んでいた。

 

その光景をみた百香は曜にぽつりと言った。

 

「ようおねえちゃんは、お刺身キライなの・・・?」

 

「そ、そんなことないよ!」

 

小さくなった百香にとって、自身の好物で曜が悲しくなるところは見たくなかったらしい。すぐに涙目になり、泣きそうになっている。

 

そんな姿の百香をみた曜は、あまり口にしなかった刺身を美味しそうに食べ始めた。

 

「うん!とってもおいしい!」

 

「ほんとう!?」

 

曜の笑顔を見た百香の表情は、ぱあっと笑顔に変わる。

 

「本当本当!」

 

自分自身の分の刺身を食べ終えた曜は、百香の頭を撫でる。曜、無理してない?これが姉の風格ってヤツ?それは紛れもなくヤツか?

 

 

 

 

コブラじゃないからね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕食後、百香と曜が2人で入浴し始めた時、リビングには私と曜達の母親の2人だけになった。

 

テレビがcmに移った時、ふと私が話し出した。

 

「その・・・、今回はすみませんでした。百香さんを小さくしてしまいまして・・・」

 

「大丈夫大丈夫。気にしてないよ。でも、ああいった百香を見るのは新鮮で良いね」

 

私の謝罪に対し、彼女はからからと笑いながら答える。なんだか拍子抜けだ。

 

「百香の小さい頃ってどんな感じだったんですか?」

 

「本当に手のかからない子だった。オムツも直ぐに取れたし、物事の分別もすぐに理解してた」

 

事情を知った今ならこうなっていたのは仕方ないが、何も知らなかった当時は曜の時と比べた時のギャップが物凄かったと、母親は笑いながら言った。

 

「こんな百香、見られることは1度もなかったからね。むしろ善子ちゃんに感謝してるって言っても過言じゃないよ」

 

「ええ!?そうなんですか!?」

 

驚きだ。私の想像では、百香を勝手に小さくしたことに対して少なくとも困惑するのではないのかと考えていた。

 

まさか感謝されるとは微塵も思っては居なかった。

 

「たまにね、考えちゃってね。もしも百香が普通に産まれたら、ってね」

 

「・・・」

 

私は、何も言えなかった。私にはどちらが正しいか、決められない。

 

「でも大丈夫。今回だけで満足だから。いつもの百香は、あの百香だから・・・」

 

「そう、ですね・・・」

 

やはり、落ち着いていなかったらしい。

 

「早く戻してあげてね。百香ちゃん、この事知ったら多分、またベランダから飛び降りるから」

 

「は?」

 

恥ずかしいことがあったら飛び降りようとするの?百香って・・・。いや、待てよ・・・。自己紹介の時スベりまくって飛び降り未遂した事があったよね・・・?

 

これは教えてはならない。墓場まで持っていくしかない・・・。

 

「お風呂上がったよー」

 

「あがったよー!」

 

そうこうしているうちに、曜と百香が風呂から出てきた。母親が言うには、百香の服は曜や百香が小さい時に着ていた水色の寝間着との事。

 

なぜ残っているのか・・・

 

 

風呂から出てきた2人を見ると、どちらも髪が濡れている。ドライヤーで髪を乾かさずにタオルで軽く拭いただけなのだろう。

 

「ちょっと2人共!髪乾かしてないでしょ!ちょっとこっち来なさい!善子ちゃんは曜をよろしくね」

 

「あ、はい」

 

それを見た母親はドライヤーを脱衣場から2つ持ってきた。百香の髪を母親が、曜の髪を何故か私がドライヤーで乾かすこととなった。

 

え?大丈夫?ドライヤー2つも繋いでブレーカー落ちたりしない?

 

そんな不安とは裏腹にドライヤーは問題なく動き、私は曜の髪を、母親が百香の髪を乾かしていく。

 

「「くすぐったーい」」

 

「もう、髪の毛くらい乾かしたらどうなの?」

 

「え〜?だって面倒くさいじゃん」

 

「めんどうくさいじゃーん!」

 

これである。せっかく2人とも可愛いのに台無しだ。

 

「百香が真似したらどうするの?」

 

「それはイカンでありますな」

 

そして曜の手のひらクルクル様よ。

 

「百香ちゃん、ちゃんと髪の毛は乾かそうね!曜お姉ちゃんとの約束!」

 

「ようおねえちゃんとやくそくー!」

 

髪を乾かせられながら曜と百香は指切りげんまんをしていた。

 

さっきまでお前は何を言っていた?

 

 

 

髪を乾かし終わると、百香は曜と遊び始めた。その隙に私は入浴を済まし、脱衣場から出てくると百香がソファーでうとうととしていた。

 

「百香ちゃん、眠い?」

 

「眠くない・・・、眠くないもん・・・!」

 

曜が百香に聞くが、百香は眠くないと言い張って首を縦に振らない。でも顔を見るととても眠そう。

 

「じゃあ、お姉ちゃん達と寝ようか」

 

「うん・・・」

 

うん?今、お姉ちゃん()って言った?もしかして私も含まれている?私は百香を元に戻すのを調べないといけないのに・・・。

 

「じゃあ善子ちゃん。一緒に寝よっか。調べるのは明日でもいいから」

 

ですよね。もしかしてこの状況楽しんでる?

 

 

 

 

 

曜に連れられ、客間に行く。普通なら個々の部屋で寝るのが普通なのだが、今日は異例の事態のため客間に布団を2つ敷いて右に善子、左に曜、中央に百香という川の字の体勢で寝ることになった。

 

百香は、布団に入り始めた頃はよく話していたのだが少しずつ口数が少なくなってきた。

 

身体が小さくなったからなのか、もう百香は眠気に支配されているらしい。

 

「ようおねえちゃん、よしこおねえちゃん。また、あした・・・、あそ・・・ぼう・・・」

 

「うん、また明日ね」

 

眠気に勝てなくなった百香はすぐに寝息を立てはじめる。私は、この後こっそり布団を抜け出して原因を見つけようとしたが、ゲームばかりして夜遅くに寝ていた弊害で眠気に負けた。

 

布団には勝てなかったよ・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、なんじゃこりゃぁ────!」

 

朝5時。まだまだ辺りは少し薄暗い時間。客間に百香の叫び声が響きわたり、私は目を覚ました。

 

曜もさっきの叫び声で目を覚ましたらしく、目を見開いていた。

 

そう、布団の中央には、元の姿に戻った百香がいた。

 

ただ、着ていた寝巻きや下着類は布団の外に脱ぎ捨ててあって、今の百香は一糸まとわぬ姿だった。

 

この場に神田が居たら間違いなく3人の蹴りが飛んでただろう。神田はそういう役割だから仕方ない。

 

「何で私全裸なんだよ!」

 

百香は〝しかも家だし、学校に居たはず〟と続けた。どうやら、小さくなった時の記憶は無いらしい。

 

「辛すぎて倒れた後、無意識に脱いじゃったのよ!」

 

「はあ!?」

 

昨日の適当に誤魔化すと、百香が怒り出した。まあ、倒れたと知ったら誰でも怒る。私だって怒るし、ルビィや花丸だって怒るだろう。

 

「それよりもさ、服、着たら?」

 

「あっ・・・」

 

曜のその一言で、怒りで真っ赤だった顔が恥ずかしさで真っ赤に変わった。

 

「着替えっからあっち向け・・・」

 

そう言いながら百香は背を向ける。

 

乙女かよ。乙女だわ。中身おっさんだけど。

 

 

 

百香はその後、もし戻った為に用意していた着替えに着替え、今日は活動日であるため、部室に行くことになった。

 

本来であれば休みにするはずだが、もし百香が元の姿に戻った時のために今日の予定は未定にして辻褄を合わせることにした。

 

ただ、家を出る前の母親が少し悲しそうな顔をしていたのは気のせいだろう。

 

 

 

 

 

「あー、もうお嫁に行けねぇ・・・」

 

部室に着くなり、テーブルに突っ伏した百香はボソリと呟く。部室には、私と百香と曜の3人しかいない。

 

ちなみに、ロシアンマフィンについては怒りよりも裸になった羞恥心により忘れてしまったのか、私は許された。やったぜ。

 

「裸なんて私達見慣れてるから大丈夫なのに」

 

「そういう問題じゃねーよ・・・」

 

大した問題ではないと私達は思っているが、百香にとっては重大な問題らしい。

 

私は、苦笑いしながら百香の横に座ると、サッシ扉を開けて花丸が入ってきた。

 

「百香ちゃん、どうしたずら?」

 

「ん?ああ」

 

突っ伏していた百香が顔を上げて入ってきたのが花丸だと確認した時───

 

()()()()()()()か」

 

この一言を放った。当然、みんな驚いて一斉に百香を見つめる。

 

 

 

 

 

 

 

「───ずら?」

 

「いや、何でもない!ちょっと頭冷やしてくる」

 

しばらく全員呆気にとられていたが、はっとした百香は小声で〝あれ?何でだ?〟と首を傾げながら外に出て行った。

 

「もしかして、記憶の奥底には残っているのかもね」

 

曜は、私にポロリとこぼした。確かにそうかもしれない。もう一度試してみたい気も起きてくる。

 

「善子ちゃん。次は無いずら」

 

「アッハイ。

すみません、もうしません・・・」

 

そう言いながらも、また別の魔法陣を試してみようと私は考えていたのだった。

時間的に余裕が出てきたので1話だけ番外編ストーリーを書きたいと思います

  • 渡辺百香と前世の娘
  • スクスタ時空─スクフェス!─
  • 百香とルビィの入れ替わり!
  • スクスタ時空─虹学・Aqours対決!─
  • ロリ辺百香
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