俺がバス停に向かうと、ちょうど千歌がルビィを棒付き飴で木の陰から引きずり出しているところだった。
「るーるるるる。」
「りゅっ!!!りゅっ!!!」
千歌が棒付き飴を引くと、ルビィが手を出す。マイクラのピストンのような謎原理でルビィを陽の当たる場所に出している。高校生になっても飴に釣られるなんて凄いな。よく今まで誘拐されなかったな。
「とりゃっ!!!」
「わっ!!!」
「捕まえたっ!!!」
千歌は空に向けて飴を投げ、ルビィがその上に飛んでいった飴に気を取られている間に千歌は抱きつくようにルビィを捕まえた。
「わっ、わわわっ!!!」
「っ!!!」
ルビィは捕まえられてから少しの間だけは抵抗していた(何故か笑顔だったが)が、飴が口の中に入ると抵抗するのをやめた。俺はよく変質者にハイエースされなかったなと、しみじみと思っていた。
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オレンジ色ラインが入ったバスは沼津駅に向けて海沿いの県道を走っていた。
「スクールアイドル?」
「すっごく楽しいよ。興味ない?」
「ああ、いえ、マルは図書委員の仕事があるずら。いいや、あるし・・・。」
千歌ちゃんから言われたスクールアイドルやってみないかという問に対し、花丸ちゃんは図書委員の仕事があると言い、断っている。席順は、私と千歌ちゃん、百香ちゃんが一番後ろの5人席、ルビィと花丸が5人席の一つ前の2人席に座っている。
「私も図書委員だけ「ちょっと黙るずら。」はい・・・。」
ハナマルゥスゥパァドゥルァァァァイ(百香ちゃんに対しての対応が)
百香ちゃんと花丸ちゃん、仲いいなぁ・・・。同じ中学校出身だからかな?
「そっか・・・。ルビィちゃんは?」
「えっ?あ、る、ルビィは、その、お姉ちゃんが・・・。」
「お姉ちゃん?」
「ルビイちゃんはダイヤさんの妹ずら。」
へー。ルビィちゃんはダイヤさんの妹なんだ。確かに目の色が同じだね。
「え?あの生徒会長の!?目の色以外全然似てないじゃん!!!」
「あ?」
キレた。千歌ちゃんの一言でルビィちゃんがキレた。・・・。千歌ちゃんはよく黒澤姉妹を怒らせるなぁ・・・。黒澤姉妹を怒らせるスペシャリストだね。
「ごめんなさい・・・。」
私がスクールアイドル嫌いだもんねと言うと、ルビィちゃんは、はい・・・と言って、悲しそうな目で窓の外を眺めてた。ルビィちゃんを見て、ダイヤさんって昔、スクールアイドル関連で嫌なことでもあったのかなと、口から出そうになったが、あえて言わないでおいて、今は曲作りを先に考えた方が良いかもしれないと言っといた。そうすれば何か変わるかもしれないからね。
「そうだね・・・。花丸ちゃんはどこで降りるの?」
「今日は沼津までノートを届けに行くところで。」
千歌ちゃんの問の答えは・・・。沼津まで行くらしい。バス停の名前は言ってない。うん。まあ、答えになってないような感じがするけど、千歌ちゃんが納得してるならいいか。
「ノート?」
「はい。実は入学式の日、凄い独特な挨拶をして恥ずかしくなったのか、逃げ出した子がいまして・・・。それっきり学校に来なくなったずら。」
「そうなんだ・・・。」
独特な挨拶って何だろう。かなり気になる。見てみたい。
「凄かったよね、あれ。」
「百香ちゃんの方が凄かったずら。よくあんなのにやったのに学校来れるのが凄く思うずら。」
「もうあれは言わないで。死にたくなるから。」
死にたくなる挨拶ってどんなのだろう。見たかった。もし見れたならビデオで保存して家宝にするのになぁ・・・。もし、保存できてたら「消して!!!」と訴えてくる百香ちゃんの顔写真とか撮れるよね。グへへ。
「死ぬなら勝手に死ねば良いずら。」
「酷くない!?」
「冗談ずら。」
私を含めた5人の笑い声と、1人のため息をつく声が響く賑やかなバスは内浦湾沿いの県道を沼津駅に向けて走って行くのだった。
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「じゃーねー!!!」
私は沼津駅に向けて走り去って行く曜ちゃん、百香ちゃん、ルビィちゃんと花丸ちゃんの4人を乗せたバスに向かって手を振った。
「お?
桜内さーん!!!」
「はあ」
夕日で照らされる海岸には桜内さんの姿が。私が呼びかけたらなんかため息ついたような感じがしたから気のせいだよね?
「まさか、また海入ろうとしてる?」
「してないです!!!」
私はまた桜内さんが海に入るのか気になったから、桜内さんのスカートを捲った。なるほどー。桜内だから桜色に近い色の下着なんだね(関係ないけど、柄は無いよ)。私はみかん好きだから無地のみかん色だよ?(知らんがな)あ、ちなみに百香ちゃんは水色の水玉だったよ(風でみえた)。
「よかった。」
「あのねえ、こんなところまで追いかけてきても答えは変わらないわよ。」
「え?ああ、違う違う。通りかかっただけ。」
私が桜内さんの横に並ぶが、視線は変わらず海の方を向いているだけ。
「そういえば、海の音は聞くことは出来た?」
「じゃあ、今度の日曜日空いてる?」
「どうして?」
「お昼にここに来てよ。海の音、聞けるかもしれないから。」
「聞けたらスクールアイドルになれって言うんでしょ?」
桜内さん、痛いとこつくなー・・・。そう思いながらとりあえず腕を組む。桜内さんは・・・、少しだけ微笑んでる。
「あー、だったら嬉しいけど・・・。その前に聞いて欲しいの。」
「音?」
「梨子ちゃんはスクールアイドルのこと全く知らないんでしょ?だから知って欲しいの!!!ダメ?」
「あのね、私、ピアノやってるって話したでしょ?」
その時の桜内さんの顔はどこか悔しそうで、悲しそうだった。
「うん。」
「小さい頃からずっと続けてたんだけど、最近、いくらやっても上達しなくて。やる気も出なくて。だから環境を変えてみようって。海の音を聞ければ、何か変わるのかなって。」
「変わるよ。きっと。」
「簡単に言わないでよ。」
そう言いながら私は桜内さんの手を取った。
「分かってるよ。でも、そんな気がする。」
「変な人ね。貴女は。
とにかく、スクールアイドルなんてやってる暇なんてないの。ごめんね。」
「わかった。じゃあ海の音だけ聞きに行ってみようよ。スクールアイドル関係無しに。」
桜内さんは私の手を振りほどき、この場から去ろうとしたが、私はつかみ直した。
「え?」
「ならいいでしょ?」
「・・・本当、変な人。」
私が差し伸べた手に桜内さんの細長い手が乗せられていて、桜内さんはふんわりとした笑顔で私のことを見ていたのだった。
〇次回予告〇
「R33だと!?ふざけるな!!!」
峠を走っていた黄色いFDを追いかけてきたのは自分自身が豚に食わせとけ!!!と言ったR33だった。
「豚のエサ同然のR33を、このFDがちぎれないだと!?俺は夢でも見てるんじゃねーのか!?クソッタレが!!!俺は地元のチームのナンバー2だぞ!?」
本気で走ってもついてくるR33。カーブの手前で減速しても、R33は減速せずに突っ込んでいった。
「この先を知らないのか!?キツイ右を越えたすぐにキツイ左がある。減速しなければ曲がれねぇ、そのまま谷底に真っ逆さまだ!!!」
そう、この先は急なカーブが2箇所あり、金髪の兄ちゃんが言ってるように、通常、減速しなければ曲がれない。そう、
「スピードが盛りすぎてる!!!立て直すスペースも無え!!!」
R33がドリフトをすると、前直ぐにカーブがまた現れた。FDの兄ちゃんがクラッシュするのを見る覚悟でいたが、ありえないことが起きた。ドリフトをし、カーブを曲がったのだ。
「!!!」
そう、前のR33は遠心力でドリフトをしたのだ。
「慣性・・・、ドリフト・・・!?」
FDの兄ちゃんがそう呟いた時には、R33は視界から消えていた。
次回、頭文字M
※予告と異なる場合があります。
次回更新予定日1月10日
時間的に余裕が出てきたので1話だけ番外編ストーリーを書きたいと思います
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渡辺百香と前世の娘
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スクスタ時空─スクフェス!─
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百香とルビィの入れ替わり!
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スクスタ時空─虹学・Aqours対決!─
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ロリ辺百香