元・英雄殺しがダンジョンにいるのは間違っているのか? 作:黒犬@ダクソ民
調子に乗って続きを書きました。ここまで見てくださる方がいるとは…ありがとうございます。
今さらですが少々バルバトスがキャラ崩壊しているかもしれませんがそこは生暖かい目でお願いします。
では、始まります。ぶるぁぁぁぁぁ‼
ダンジョンから出てきたバルバトスとベル。ベルは自身の身の上を話しながら上がってきた。上ってくる途中でモンスターに遭遇はしたのだが…
「屑が!」「微塵に砕けろぅ!」「いつまで寝てんだ!」
全てバルバトスの一撃で砕け散っていた。そもそも、レベル2最強クラスのミノタウロスでさえも一撃で砕け散ったのだ、コボルトやゴブリン程度では相手にならない。
「す、すごすぎる…」
ベルは圧倒されていた、そしてバルバトスのことをどこか高名なファミリアの一級冒険者だと思い込んでいたが…この思い違いはすぐに正されることとなる。
「ベル君!? どうしたのそんな血だらけで!」
ダンジョンから出てきたばかりのベルを見つけて彼の担当受付嬢であるエイナ・チュールが駆け寄ってくる。
「あっ、エイナさんどうも」
「どうも…じゃない‼ どうしてこんなに血まみれなの‼まさか勝手に下の階層に潜ったんじゃ…」
「いえ、そうじゃないんですが…」
そうしてベルは五階層でミノタウロスに襲われたことを説明する。
「五階層でミノタウロス!? どうしてそんな上までミノタウロスが…?」
「さあ? それでですね、壁に追い詰められてもうどうしようもないと思ったところでこちらのバルバトスさんに助けられたというわけです」
そこで初めてエイナはベルの隣に立っている男に気が付いた。重量感のある斧を持ち、固そうな鎧を着たいかにも熟練の冒険者の風体をした男に。
「あなたは…? どちらのファミリアの冒険者の方でしょうか?」
エイナは曲がりなりにも受付嬢である。たとえ担当でなくともソロでミノタウロスを倒すような冒険者の事ならば頭に入っているがこの男の風体に見覚えがなかった。装備だけ見ればロキファミリアの「重傑」ガレス・ランドロックを彷彿とさせるが目の前の男はどう見てもドワーフではなくヒューマンなのである。それ故にこの問いを問いかけたのだが…。
「ファミリア? なんだそれは? ベル、ファミリアとは一体何だ…?」
なんとこの男ファミリアの事を知らないのである。これにはベルも驚いた。
「えっ!? バルバトスさんどこかのファミリアの団長とかじゃないんですか!?」
「そもそも、俺はファミリアなんぞというものは知らん」
「えーっと、ファミリアというのですね…」
そしてバルバトスはファミリアの話を聞き同時にこの世界の事を聞く。この世界では神が地上に降りてきていること。その神から人は恩恵《ファルナ》を受けダンジョンに潜っていること。そしてこの都市、オラリオが巨大なダンジョンの上にあるということ。
(なるほど…道理で話が合わないはずだ。ここはおそらく別世界というやつなのだろう。しかし、それにしても神が降りてきているか…神の降臨のためにいろいろと手を尽くしてきたあの女が聞いたらひっくり返りそうだな…)
バルバトスは脳筋と思われがちだが、実はかなり理解力が高いのである。そもそも脳筋ならばあそこまで魔法を使いこなせない。その高い理解力でバルバトスは自身の置かれている状況を理解した。
(まったく、どうしてこうなったのかは解らんが。カイル…お前の言う通り次こそは正道を歩いてみようと思うぞ。それにどことなくこの小僧にお前と似たものを感じるからな。これも何かの縁だろう)
「すまんな、エイナと言ったかな?」
「は、はい!」
「俺は実はここまでの記憶がなくてな、気が付いたらあそこの中で倒れていた。自分のできることだけは覚えているのだがそれ以外は覚えていなくてな。そこでベルに会ってな。しばらくこやつの所で世話になろうと思っているのだ。また後日、正式なファミリアの一員となってまた来る。それまでは俺のことを黙っていてはもらえないか?」
「えっ!? バルバ「いいから口を合わせろ」…はい」
「そうなんですよ、一応エイナさんの方でもバルバトスさんについての事を調べておいてもらえますか」
「え、ええ。別にいいけど…」
「では失礼します。バルバトスさん行きましょう」
「ではな、エイナとやら。よろしく頼むぞ」
「アッハイ」
そうしてバルバトスとベルは出ていってしまう。残されたエイナは混乱していた。なぜ、ミノタウロスを一撃で倒すような冒険者の名前も聞いたことがないのか。どうしてダンジョンの中に記憶喪失の男がいるのかなど。しかし、そこは彼女もプロである。しばらくして頭を落ち着かせるととりあえず調べるだけ調べようとその場を後にした…。
ギルドから出てしばらくしたところでベルは意を決して問いかける。
「どうして僕のファミリアに来るなんて嘘を…?」
「ん? 別に嘘ではないぞ、お前の話を聞いて迷惑でなければお前のファミリアの所で世話になろうと思ってな」
「えぇ!?」
「なんだ、迷惑か?」
「い、いや。迷惑だなんてそんな…でもいいんですか?バルバトスさんならもっと大きいファミリアの方がいいんじゃ…」
「いや、お前の話を聞いてお前のファミリアがいいと思ったから決めたことだ。それに、お前には素質がある。一緒に頑張っていこうじゃないか、ベル」
「バルバトスさん…はい!」
そして二人はホームに向かって歩いていく…。
因みに作中では書いていないですがエイナと別れたあと二人はちゃんと魔石の換金に行っています。大体40000ヴァリス(適当)ほどになっています。