UTAU!VOCALOIDの事件簿   作:放仮ご百物語

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放仮ご「気分が悪い~。どうも、急激な気温の変化に体が耐えきれない放仮ごです」

カイト「まあ、おかげで実習を早引きできたけどな。というか、朝から風邪気味なのに雨を浴びるとかアホか?」

放仮ご「アホじゃなくて自暴自棄と呼んでほしい」

カイト「もろ悪いわ!」

放仮ご「とにかくアカイトとの決着と、新キャラたちの実力をどうぞ!」


第8話 最凶最悪のD(ディスティニー)/ゲキド街の法則、黒幕始動

「おみごとです。オリジナル君」

「その声は・・・アカイト!」

 

上空に唐突に現れ、ぱちぱちと拍手するアカイト。

 

「まさか私が数週間前にレストラン・楽歩で感染させ、徐々に成長させたウイルスで暴走したあの三人、ついでについ先ほど時間稼ぎにと感染させたそこの女性を助け出すとは。デスボーカロイドを味方に引き入れたことも驚きましたよ」

 

「全部お前の仕業か!」

 

「ええ、その通りです。ですが亞北ネルの情報操作能力を侮っていました。私が苦心して制作したウイルスをいとも簡単に除去してしまうのですから。いや、このデータは元々あったものに改変を加えただけですからできて当然なのかもしれません。ですが」

 

アカイトは殺傷能力が高いロシア製の『トカレフ』と呼ばれる拳銃を取り出した。

 

「その様じゃ何もできませんよね?とうとう私の天下ですよ」

 

そのセリフを聞いたカイトは笑う。

 

「・・・何がおかしいのですか?」

「笑うだろ普通。残念だが、ここはゲキド街。暴走している奴等がいなくなったらどうなると思う?」

「・・・どういう意味ですか?」

「こういう意味だ」

 

カイトがそう呟くとそれは突然現れた。戦車の群れ、武装して戦争に使う銃器を持つ住民たち、戦闘ヘリ五機。

 

「はい?」

「知っているよな。ゲキド街はMMDWの中でも一番住みたくない町だって。なぜだと思う?」

「ま、まさか…」

 

アカイトの顔から余裕の表情が消えうせた。

 

「ここではこんなことは日常茶万事。人呼んで『ゲキド街の法則』だからだ、先生!」

「(出番的な意味で) 待たせたな!」

 

カイトが叫ぶと戦車から誰かが飛び出し、すたっと着地する。迷彩服を身に包み、バンダナと左目に眼帯を付けた軍隊?と思わせる風格を持ったひげ面の男。その名は伝説の傭兵『ネイキッド・スネーク』カイトやウタの先生である。番外編に出てきたとか気にするな。

 

「そ、それがどうしましたか!」

 

ドキュン!

アカイトは動揺してスネークの顔面にトカレフを撃つが

 

「ちっちっち」

 

スネークは人差し指を左右に動かし、口から弾丸を吐き出す。その弾丸は、歯形がついていた。

 

「なんですか!このター○ネーターみたいな男は!」

「アカイト。君をMMDテロ現行犯の容疑で逮捕する」

 

アカイトは周りから狙われているので動けず、そのままウタに手錠をはめられた。

 

「負けました・・・」

 

アカイトはズーンとうなだれながら駆けつけたデフォ子部隊に連れて行かれた。

 

「またな、探偵」

 

雑音はデフォ子たちが来る前にさっさとどこかへ行ってしまう。しょうがないだろ、一応追われる身なのだから。

 

 

「先生、助かりましたよ」

「なあに。愛弟子のピンチだからな。後で飯をおごってくれるだけでいい」

「やっぱりですか…」

「カイト君、私も頼む!」

「ああもう!食いしん坊が二人もいたら俺の財布が持たいないよ~!」

 

カイトは自らの師匠と修行仲間にねだられ、泣き叫ぶ。それを見ながら残りの5人は去ろうとする。

 

「カイトさん、その腕と腹部を直すので帰ったらワインバー・DERUに来てくださいね。奢りますから」

「カイト、諦めなさい」

「カイトさん、ありがとうございました」

「「カイト兄、じゃあね」」

 

「あ、待ってみんなぁああああああっ!?」

 

カイトの叫びもむなしく、5人はさっさと行ってしまった。カイト、どこまでも不遇な男。

 

 

 

 

同時刻・・・

「アカイトが捕まったようですね」

「その様だなあ、お嬢様。ケケケケケ!」

 

とある場所で立派な椅子に座った赤いドレスを着た金髪の少女モデルに全体的に灰色の男性モデルが嬉しそうに笑う。そこはどこかの教会のようだ。

 

「どうせあいつのことだ。変な手を使って脱走するに違いない。そうだよなあ?」

「そうですね。次はこの私が出ようかしら?」

 

「やめとけ。あんたが出たら俺たちの今までの苦労が水の泡になってしまう。せっかくアカイトがUTAUの連中を利用して大天使の野郎を捕まえたのによ。それじゃアカイトが悲惨すぎるぜ?」

 

「アカイトが捕まったのは油断していたせいですよ。それに捕まらなきゃいい話でしょう?私の実力を忘れたのですか?」

 

少女は自分の身長よりも長い、湾曲した刀身の『鎌』を召喚して肩に担ぐ。

 

「確かにそうだが・・・今はデスボーカロイドの相手をしている規格外共をどうにかしないことには始まりもしねえ。俺はどうしても『初音ミク』を消したいんだよ」

「あら、そんなこと言って。貴方もデスボーカロイドの一人でしょう?『ゼロ』心配じゃないの?」

 

ゼロと呼ばれた青年は悪態をつく。

 

「ふん。俺は雑音たちと違って戦闘向けの能力じゃねえんだよ。「音という名のプログラムを無にする」能力をどうやって戦闘に生かすんだ。ええ?『レア』様よお」

 

レアと呼ばれた少女は大きく欠伸をした。

 

「知らないですよそんなこと。じゃあ私は寝ますね。ゼロ、後始末は任せましたよ」

「お任せあれ。ケケケケケ!」

 

ゼロが不気味に笑い、消灯するかのようにその姿を消すとレアは先程までのんきな顔とはとってかわり険しい表情になる。

 

「『無音(むおん)ゼロ』・・・私にとっては規格外よりも注意すべき相手ですね。なにせこのMMDWの核となっているVOCALOIDの全てを忌み嫌い、恨んでいますからね。それにしても始音カイト・・・少し戦ってみたいものです。と言うかほんとに眠いですね。ちゃんと寝ましょう」

 

鎌をどこかに転送した少女『レア・クラブフラット』は掠れるようにその姿を消した。

 

 

その夜、MMDWで唯一の人工島『M諸島』の片隅。

緑をベースとした動きやすそうな和服を着た緑が掛かった黒髪のポニーテール少女『和音マコ』とオレンジをベースとしたシャツとスカートを着たウサ耳金髪の少女『天音ルナ』が何かを調べていた。二人ともUTAUのメンバーである。

 

「やはりデータが乱れている。ただのデータ破損かね?」

「にしては乱れすぎです。MMD犯罪が密かに行われたのでしょうか?」

「そうだね。む?」

 

マコは懐からスマホを取り出し電話に出る。

 

「和音マコよ」

≪マコ~?テトだお。今ウタやカイト君と一緒にウイルスに感染していたミクちゃんたちを救出して、主犯だったアカイトを捕まえたお。そっちはどう?≫

「駄目だね。大した収穫はない。データの乱れはあちこちで見つかるけど」

「あの、マコさん」

「あ、ごめん。後でかけ直す」

 

電話を切り、マコが見るとルナは背負っていた長い袋から自分の武器である銃身が長い『ドラグノフ狙撃銃』を取り出しており、察したマコも一本の短刀を取り出す。

 

「どうしたの?ルナ」

「何か感じます。私の耳がびびっと感じました。・・・来ます!」

 

ルナはそう言うと持ち前のジャンプ力で高く跳躍する。マコもルナほどではないが横に退避すると上空から小型のパイナップルの様な形の手榴弾『マークⅡ手榴弾』が降って来て爆発する。爆風が晴れると同時にビルの上からゼロが落ちてきて着陸した。

 

「およ?アカイトの『仕掛け』を消去しに来たのに何でUTAUがいるとはなあ…ま、見たやつは口封じと言うことで」

 

ゼロはこきこきと右腕を不気味に動かしハイライトのない灰色の無機質な瞳でマコを睨む。

 

「死んでもらおうか!」

 

次の瞬間マコの目の前に一瞬で移動したゼロは右腕でマコを押さえつける。

 

「があっ」

「マコさん!」

 

ドキュン!

 

ルナはドラグノフの引き金を引き、ゼロを狙い撃つ。

 

「ケケケケケ!当たるかそんな物!」

 

ゼロはマコを投げ捨てルナの背後に瞬間移動し弾き飛ばした。

 

「くっ…なら!」

 

受け身をとったマコは短刀をブーメランのように投げ、ゼロは「ケケケ」と笑いながらそれを避ける。

 

「おいおい。野暮なことするんじゃねえよ。それにな。俺を捕まえたきゃ」

 

ゼロは栓を全て抜いた十数個のマークⅡ手榴弾を宙に投げる。

 

「これぐらい派手な火力は無いとな。ケケケケケ!」

「まずい、逃げ・・・」

 

 

ドッカァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ!

 

 

次の瞬間全て同時に爆発し、爆風で吹き飛ばされたマコとルナは背中から勢いよくビルの壁で強打する。そして不思議なことにゼロは傷一つなしで、ガレキの上にあぐらをかいて座っていた。

 

「爆風相殺波(ばくふうそうさいは)とかいう言葉を知っているか?計算して爆発させることで爆風と爆風、欠片と欠片を打ち消し合い、その僅かな隙間に入ることで自分の身を守る技術だ。便利だろ?」

「くっ…とどめは・・・刺さないのか・・・」

「お、喋ることもちゃんと出来ないか!こりゃいい気分だ。ケケケケケ!…とどめは今すぐにでもさせるんだがそれじゃ物足りねえな・・・よしっ」

 

ゼロは立ち上がり、この上なく楽しそうな笑顔を浮かべる。

 

「お前ら!もし悪運強く生き残ったらまた勝負してやるぜ。あ、それと俺の名前は無音ゼロだ。覚えておけよ?じゃあな!」

 

その言葉を最後にゼロは消灯するように姿を消し、残されたマコとルナは不審に思ったテト率いるデフォ子たちに数時間後救出された。その時、爆風で破壊されたと思われる何かの端末を見つけたが・・・?

そして時は現在に戻る。

 

 

 

「はあ、今日は朝からコーヒー吹き出すし弾丸も相当な量を使ったし腕は斬られるし腹は貫かれるし家族同然の存在がウイルスに感染してフルボッコにされるし解決しても奢らされそうで財布がピンチだし・・・ああもう!不幸だ~!」

「諦めろ」

「そして早く私たちに飯を奢れ」

 

「奢ってもいいけどなあ・・・」

「「はい?」」

 

カイトは片手でウージーを取り出し二人に向ける。

 

「その前にお仕置きだ!」

「「なんで!?」」

「問答無用!」

 

その後規格外から逃げる地獄の追いかけっこが数時間続いたという。ちなみに片手でウージーの他にもRPGやマグナム、ベレッタなどを撃ちまくったためスネークとウタ涙目。だがさらに、カイトにとっての不幸がもう一つ。

 

「やっとリベンジが出来そうだね~探偵、始音カイト君」

 

アイツが再登場の予感?

 

 

 

 

次回、UTAU!VOCALOIDの事件簿・・・・・

アカイトは捕まえた。だがMMD犯罪は終わる気配を一向に見せない・・・腕が完治したカイトにBSギターの人格であるソウがカイトの過去を離す中、再び現れるシーエ。前よりもパワーアップしたパワー、スピードでカイトを苦しめる。

その間、ミク、リン、レンは雑音、リナ、キクと戦闘を開始した。シーエ、デスボーカロイド達との因縁、ついに終結。そしてレア、ゼロとは何者なのか・・・

 

カイトの記憶が戻るとき、幻想の力を解き放つ・・・?

 

第6話『K(カイト)の記憶/C(シーエ)&D(デスボーカロイド)との決着の時』

 

いつもどおり、次回もいくつかに分けると思います。

 

 

「ちなみにこの話の原作はファイネルPのMMD作品『【第6回MMD杯】感染~Epidemic~』作者がMMDにはまるきっかけになった動画です。そして今回の豆知識。この話に出てきたゲキド街の法則と言うのはいろんなMMD作品でよく使われる法則のことで。MMDWの大半の住民がここには住みたくないそうです。その代り刺激を求める人たちには人気のようですね」by桃音モモ

 




カイト「…なあ。俺、あんな奴らといずれ戦うのか?はっきり言って勝てる気しないのだが」

放仮ご「大丈夫だ、死にはしない。多分」

カイト「多分…ね。次回は俺の記憶が一部戻るみたいだが?」

放仮ご「デスボカロ編の最初に、BSギター破壊されただろ?UTAUには腕のいい人がいてな、その人に修理ついでにとある機能を復活させたもらったんだ。お前の相棒をな」

カイト「何のことだ?」

放仮ご「ま、それでも一部なんだよな。今のお前が真実を知ったら自殺どころじゃすまないからな」

カイト「いや、ほんとに何があった!?」

放仮ご「まあ気にするな。という分けで次回、楽しみにしてくれ!」
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