カイト「しっかりしろよ、作者…。だからっていろんな現実逃避することないだろ?」
ウタ「『凍てつく千本桜』のシーンだよな?●●ドラゴンを倒すシーンのはずだが?」
放仮ご「なんというか…オリジナルの歌詞が書けない…」
二人「「はぁ?」」
放仮ご「作詞もできないのに何VOCALOID買っているんだって話だよ…ハハハ…」
カイト「…まあ、ともかく俺の記憶が一部戻る今回、楽しんでくれ!」
ウタ「作者、マジでしっかりしろ―!ほら、読者の皆様に考えてもらうって方法があるじゃないか―!」
カイトside ケロリン町:ワインバー・DERU
「俺、改めてVOCALOIDでよかったと思うよ」
「ですね。生身だとすごいことになっていましたよ」
俺はネルの修復された自分の右腕を見て呟く。続いて腹部も修復されていく。ちなみに今頃先生とウタはゲキド街の道路に犬神家 (頭部が地面に突き刺さっている現象のこと。つまりはお仕置き)している。
「カイト、今回はまた無茶をしたな。不幸体質は相変わらずのようだ」
「しょうがないだろ。あそこまで一方的にやられるとは思わなかったんだ。それに相手はミクたち・・・本気を出せるわけがないだろ」
カウンターからその様子を眺めるデルの言葉に俺は言い返す。そうこうしているうちにネルの情報操作能力で完全に修復された。
「終わりましたよ。幸いなことにウイルスには感染していませんでした」
「ありがとう。そう言えばなんでネルはミクたちが感染したって知っていたんだ?それにあんなワクチンプログラムをいつのまに…」
「えっと…恥ずかしい話なんですが・・・」
ネルは顔を赤らめて言う。
「元々あのウイルスを作ったのは私なんです・・・」
「「へ?」」
「アカイトは知らなかったみたいですけど私は組織の開発部にいたので・・・命令であのウイルスの化学式を作りだしたんです。ワクチンプログラムもその時一緒に・・・組織の保管庫にしまっているはずなんですけどアカイトが引っ張り出してきたみたいですね。ウイルスの反応があったから駆けつけてみたらカイトさんが一方的にやられていたという事です」
「なるほど…そう言えばその組織のリーダーってどんな人なんだ?」
どこの黒の組織だよ?と思いながら言った、俺の素朴な質問に「うーん」と真剣な顔をして考え込むネル。
「確かふんわりした金髪のお嬢様らしい雰囲気を出す女性モデルでした」
「そんな奴MMDWにいたか・・・?少なくともこのケロリン町じゃ見ないな」
「と言うか女性なのか・・・」
そう言いながらも雑音たちの事が気になる俺。あいつら今頃どうしてるかな~?
すると扉が開き、長身の青い袖なし服を着た女性、欲音ルコさんと派手なドレスに眼帯を付けた赤毛の少女が入ってきた。ルコさんはギターケースを担いでいる。
「いらっしゃ…誰かと思ったらルコか。それと…誰だ?」
デルの言葉に少女は軽くお辞儀する。
「始めまして。UTAU開発部担当の『波音リツ』。BSギターの修理を任された者です」
「修理&強化が終わったから持って来たんだ。最初は事務所に行ったんだがカイコにここにいると聞かされてな」
「わざわざご苦労様です」
ルコさんからギターケースを受け取る。ジッパーを開いて中を見てみると・・・
「これが新生BSギターか・・・」
青と黒をベースに使っているにはそのままだが銀と黄色が追加されており、前よりも強度が上がっているように見えるBSギターがあった。
「修理、強化のほか、隠されていた機能を復活させました」
隠された機能?
≪私の事ですよ。久しぶりですね、マイマスター≫
うわっ。BSギターから機械音が発せられ俺は思わず落としてしまう。
≪痛いですね~。どうやらその様子だと本当に忘れているようですね。このことを夢月さん達が知ったらどうなるやら≫
「もしかしてお前、俺の過去を知っているのか?」
≪はい。それと私はお前ではなく、以前貴方は「相棒」と呼んでいました。これからはそう呼んでください≫
BSギター改め相棒は、俺のことを話してくれた。俺が数年前まで幻想郷と呼ばれる別世界にいたこと。その世界で一度命を落とし、チートスペックと『一度見た他人の技術を盗む程度の能力』と『全てを検索し、ある程度具現化する程度の能力』と呼ばれる力を手に入れて蘇生したらしい。
なるほど、自分でも理由がわからなかったこの力はそれか。こないだテト達の技術を使ったのは『一度見た他人の技術を盗む程度の能力』の応用だそうだ。
俺、無意識のそんな力を使っていたのか。雑音たちが言っていた『規格外』の意味が分かった気がする。
「興味深い話だ」
「確かに記録では数年前に『始音カイト』は存在していないようですね」
「カイトさん、一度VOCALOIDをやめているんですね」
「そういやBSギターは何で今まで喋れなかったんだ?」
デルの質問に他の三人もそうだそうだと頷く。確かにな。
≪いや、ただ音声機能が故障していただけです。あの時真っ二つにされたときは本当に焦りましたよ。腕がいいこの女性がいて良かったです≫
「褒めてもらえて光栄です」
リツは淡々と少し顔を赤らめて言う。
「そういや俺は何で記憶を失っていたんだ?」
≪それは言えないんです。すみません。でもスペルカードを使えると思いますよ≫
「スペルカード?」
なんのことだ?するとリツがポケットをあさり、何枚かのカードを取り出す。
「これのことでしょうか?」
「ああ、修理する時に出てきたって言っていた奴だな。あとで調べてみようと思っていたんだが・・・」
≪それです。絶対に調べないで下さいよ。マスター、それの説明は…まあ、いりませんか。自動的に記憶が戻りそうですし≫
「どういう意味だ?」
その時だ。プルルル・・・プルルル・・・どこからか着信音が聞こえてきた。
「ああ。私だ」
ルコさんはヘッドホンをいじり、着信に出る。誰からだ?
「うむ。ああ・・・カイト、君にだ」
俺?俺はルコさんの通信を自分のヘッドホンに移す。
「はい。変わりました、誰ですか?」
≪あ、カイトさん。俺です、ミクオ≫
ああ、ミクの亜種の初音ミクオか。どうしたんだ?
≪ミクたち見ていません?連絡が付かないんですよ≫
「なに?」
ミクたちはあの後まっすぐ帰ったはずだ。なのに繋がらないとなると・・・あいつらまさか!
「ミクオ、リンのロードローラーを見たか?」
≪いや、ガレージにはありませんが・・・≫
「やっぱりか…何かわかったら連絡する。じゃあな」
≪ちょっ≫ブチッ
ミクオの言葉を最後まで聞かないで俺は電話を切った。
「なんと?」
「ミクたちがいなくなったらしい。ちょっと俺探してくるな」
多分雑音たちの所だろう。どうやって探そうか・・・俺がワインバー・DERUを出ようとするとネルが引き留めてきた。
「待ってください。修復が終わったとはいえまだ身体は万全じゃないです。そんな状態ではさすがに…」
「ネル・・・知っているか?」
「はい?」
「男には・・・やらなきゃいけない時がある!」
「ついさっきやらなきゃいけないことをしすぎたでしょ!」
そ、そうだな・・・どや顔だったのに台無しだよこれじゃ・・・。でもな。俺がやらなきゃいけないんだ。なぜなら
「共闘した時に雑音の奥底が見えた気がする。あいつは苦悩しているんだ。おそらくあと二人もな。救えるのはミクたちだけだろうが…」
「なら…」
ネルは安心したのか少し笑顔になるがごめんな。俺はまた無茶をするよ。
「助太刀するぐらいなら出来る。行くぞ、相棒」
≪いいのですか?マスター≫
「ああ。それより早く・・・」
「行かせませんよ。意地でも」
俺がBSギターを持って外に出ようとすると決意した表情のネルが扉をふさぐ。はあ、しょうがない。少しずるいがさっきソウが言っていたのを試してみるか。
検索ワード・・・調べたい項目は『気付かれずに脱出する手段』キーワードは…『俺の過去』だ。・・・これなら行けそうだな。十六夜咲夜さん、貴女の力をお借りします。俺、すごい人たちと知り合っていたんだな。そしてネル、すまん。
「ごめんな。模写(コピー)【ザ・ワールド】」
「え?」
その瞬間俺以外の『時間』が止まった。ネルは呆けた顔のまま固まっている。このスペルがもつのはあと数十秒、早くワインバー・DERUから出ないとな。俺が外に出てベースバイに跨り猛スピードで駆ける。ケロリン町の外に着くころにザ・ワールドの効果が無くなり、時間が正常に動き出した。
今頃ネルたちは慌てているだろう。目の前にいた俺が一瞬で姿を消したのだから。でも、今はそれどころじゃない。仲間が苦しんでいるんだ。じっとしていられるわけがない。
≪よろしいのですか?≫
「ああ。さーてと。模写(コピー)【ブレイジングスター】」
俺は蒼い光でベースバイごと包み、高速で飛び上がる。今の俺なら場所が分かる。ゲキド街、廃工場だ!
ウタ「この流れで行くと…カイト、死ぬよね?」
雑音「また死ぬのか?アイツは」
ウタ「またって?」
雑音「ああ、私も昔幻想郷にいてな…」
放仮ご「stop!それ以上言ったらこれから書こうと思っているスピンオフでの扱いをひどくするぞ」
雑音「私がお気に入りな作者に限ってそんなことはないと思うが念のために言うのはやめておこう」
カイト「さて、第二章最終幕に入ったが…この後俺の無双だっけか?」
放仮ご「ああ。空気読めないほどのチートを発揮するぞ」
雑音「ではまた次回」