祭りに行ったらポケモンW2を手に入れたので、ツタージャを相棒に頑張ってみる。
「…イトさん、カイトさん!」
「うっ…ここは…?」
「あ、気が付きましたかカイトさん、よかったです」
俺が目を覚ますと、目の前にはネルがいた。そういえば俺、血だらけでゼロに勝ったんだっけ…
「ゼロは!?」
「ゼロ?貴方の他には、血だまりがあっただけですが…あ、そうでした。楽歩さんたちが油断して捕まえた秋音ハルに逃げられたようです」
「なるほど…ゼロを救出したのはハルか…そういえばなんで俺、ここに?」
「カイコさんの通報で駆け付けたUTAUの面々に救助されたみたいですよ。操られて私たちを襲ったのも、UTAUの信頼性からただの訓練だと勝手に解釈されました。なので、プラマイゼロですね」
「待て、ミクは?あの時ゼロの右手に貫かれていたが…」
「ミクなら、UTAU総合病院にいますよ、何とかなったようです」
「そうか、よかった」
見渡してみると、ここはKAITO探偵事務所の俺の寝室のようだ。その時、電話の音が聞こえた。
「ネル、すまないが持って来てくれないか?」
「あ、はい。分かりました」
数分後、彼女は受話器ごと持ってきた。
「KAITO探偵事務所だ」
≪「カイト君、大変だ!」≫
「ウタ、怪我はもう治ったようだな、よかった。…大変って何が?」
≪「ミクの姿がぶれている。なぜかデータ量が安定していないんだ」≫
「なに!?」
安定しないだと?そんな症状、聞いたことないぞ?…心当たりがあるとしたら…
「すまないウタ。あとですぐそちらに向かう。…ミクを、頼んだぞ」
≪「任せろ」≫
電話を切った俺はすぐに、アイツがいる場所に電話する。
≪「UTAU本部だ」≫
「ルコさんですか?カイトです。急で悪いんですが、アカイトに電話を繋げてくれませんか?一大事なんです」
≪「分かった、すぐに繋げよう」≫
少し間が空き、聞こえてきたのは俺も、ネルも聞きたくない声だ。
≪「これはこれは。オリジナル君、この私に何か用ですか?」≫
「白々しいこと言うんじゃねぇ。ミクに何をした?」
≪「おやおや。その声の焦り具合から察すると、ついに症状が発症したみたいですね。BADENDの効果が」≫
「えっ?」
ネルはその言葉に呆けた顔を浮かべる。そう…アイツがミクたちに埋め込んだウイルス…BADEND…それはネルが作った物…だから正常化するプログラムで何とかした…はず。だけどアイツは、「改良したウイルス」とか言っていた。やはり、ネルの知らない何かがあったのか…
≪「いわゆる保険ですよ。…初音ミクの存在を消すためのね。無音ゼロの依頼で作りました。名前の通り、使用者の体をBADENDに送る…プログラムが消去されても、再び強い衝撃…例えば、体を貫くとかのが来れば発動するんですよ」≫
「おい待て…つまり、ミクは消える…そう言っているのかお前は!」
俺は激昂する。確かにあの時ゼロは、ミクを貫いた。それが引き金になったのか…いや、それよりも
「お前…ミクが消えるという意味、分かって行っているのか!」
≪「はい?」≫
「初音ミクが消えたら、このMMDWは消えるぞ!同時にな!」
≪「…嘘ですよね?たった一人のVOCALOIDがこの世界と連動…?誰が信じるとでも?むしろあなたと連動していた方が可笑しくありませんね」ドゴン!「え?」≫
その時、受話器から壁をぶっ壊した音が聞こえた。
≪「アカイトてめぇ、あの時の依頼は撤回だ!」「ゼロ?貴方は何を言っているんですか?」「早くアレをどうにかする方法を教えろ!」「無駄ですよ。アレは起動したら止まりませんし…」「よしてめぇ。歯を食いしばれ。ハル」「はい、ただいま」ドゴン!≫
その音を最後に電話は途切れた。どうやら、ゼロに言われた秋音ハルが電話ごとアカイトをぶん殴ったようだ。いや、それよりも!
「ネル、お前は知り合い全員を呼べ!俺はミクのところに行く!言っとくが、この事態はお前のせいじゃない。アカイトのせいだ。自分を責めるなよ…!」
「はい…」
あのウイルスの大元を作ったのはネルだ。罪悪感があるのだろう…だが、ネルは悪くない。兵器を作る人間は悪じゃない…間違ったことに使う奴が悪なんだ…!
俺は、UTAU総合病院へ急いだ。
「ミク!」
「カイトさん…」
俺が辿り着くと暗い表情をしたミクと、ウタ、テト、モモ、マコ、ルナ、リツ、そしてルコさん…UTAUのメインメンバーがいた。全員、何やら様子がおかしい。
「カイト君…心して聞いてくれ」
「ウタ?」
ウタがいつもよりも真剣そのものといった顔で語る。残酷な、現実を。
「ミクのプログラムの中枢に致命的なダメージがあった。どうやら少しずつ蝕んでいたところを、今回の打撃で発症したらしく、すでに60%以上の内側のデータが消去している。結論から言うと…ミクは、助からない。残り24時間で完全に消滅する」
「そん…な…」
その時、廊下の奥から聞き覚えのある声が聞こえた。
「すまないが初音ミクの病室はどこだ?」
「初音さんなら、ここを曲がったところを真っ直ぐ言ったところです」
「そうか、ありがとうな」
その声の主は徐々にこちらにやって来る。そして現れたのは、ミクのマスターであり俺の親友、刀葉士、二代目世界の破壊者だ。
「士…なんでここに…」
「俺はこの世界を救う手段を伝えに来た」
「何だって…?」
その言葉に希望を見出す。だけど、やはり現実は残酷だ。
「ミクの代わりの世界の中心人物を俺の力で創り出す。そうすれば、この世界は助かる」
「…何だよ、それ」
世界が終わる、その時までタイムリミット、あと24時間。
次回、最終章。一気に話は飛び、ボカロ荘に集まるお馴染みの面々。そして、カイトにとって最後で最凶の敵…それは初音ミク。
崩壊していくMMDWで、ミクは最期の唱を歌う…それは、彼女の「今」を現した、名曲…
そして物語は、BADENDのという名のクライマックスへ流れる…!