カイト「この章はマジ洒落にならない…俺が絶体絶命になる…」
放仮ご「この章から「能力」も現れます…では、お楽しみください!」
第4話 現れたD(デスボーカロイド)/最凶の歌姫たち
前回(亞北ネルの因縁編)のあらすじ…ビギンズナイトで生み出されたネルの悲しみは、カイトたちとネロによって癒され、亞北姉弟はカイトの事務所に居候することに。ゲキド街でつかの間の休息を味わうカイトだったが…。「暴れたりないよ…」「輝いているもの全てを…」なんか(異常にやばそうな)新たな危機が訪れようとしていた。『第二章:最凶!デスボーカロイド編』始まります!
銀匙町:和風レストラン楽歩(本日は休み)
いつもと違って空っぽの店内では、カイトと楽歩が先日あったことを話していた。
「カイト、先日はお疲れでござったな」
「ああ。ネルが救われてよかったが、まだシーエがな…」
カイトがこの間を思い出していると ドゴーン!!爆発音と共に少し遠くのビルが崩壊した。
「何事でござるか?」
「行くぞ楽歩!」
カイトは壁に立て掛けてあったBSギターを手に取り外に出て楽歩もそれに続く。
廃墟となったそこにいたのは、なぜか傷だらけになって倒れているやまとやデフォ子部隊と、全体的に白い学ランと黒ずくめのズボンを着た、リンに似た白髪の少女『怨音(おんね)リナ』と、全体的に白い服を着たミク、と言うよりはネルに似ている深紅のロングヘアーの冷たい表情の少女『呪音(じゅおん)キク』だった。
「あーあ、弱すぎ。それでもあんたら平和を守っているの?UTAUの皆さん」
「リナ、お客が来た」
「うん?」
二人はカイトたちに気付き、こちらを見る。
「君たちはいったい?」
カイトはBSギターを構えながら訪ねる。その後ろで楽歩も自分の愛刀を抜いた。それを見た二人は殺意を出し始める。
「へ~。ケロリン町の探偵とおまけの侍か。私をこれ以上退屈させないでよ」
「消去を開始する」
リナは赤いカラーリングのベースのチェンソーを、キクは赤いラインがついている二本の包丁(なた)を取り出す。
「戦うしかない、という事か」
「おまけではない!話し合いで解決したかったがな」
BSギターの先端に刃を出すカイトと、本気モードで口調が変わった楽歩。少し間があり、4人は同時に走り出す。そしてリナはカイトに、キクは楽歩に切り掛かった。
「はあ!」
「せい!」
リナはチェーソーを起動し、カイトと斬り合う。振るたびに赤い残像が浮かび上がり徐々にリナがカイトを押していく。
「こいつはどう? RING(リング)」
リナが呟くとチェンソーの先端から赤い円型のエネルギー弾が発射されカイトを襲う。
「残念だけどそいつは効かないな。REFLECT(リフレクト)」
カイトは弦を鳴らしたとたん青いバリアーが出現してリングを弾き返し、リナにダメージを与えた。
「いっつう…。やったな~!おらおらおらおらあっ!」
「な?」
リナはでたらめにチェンソーを振り回してカイトの手からBSギターを弾き飛ばし、真っ二つに破壊した。
「これで武器はないでしょう」リナがチェンソーをカイトの首に突き付け勝ち誇るが
「くっ…。なんてな」
「にゃに?」
カイトは懐からアイスバーを取り出してチェンソーを弾いた。
「えぇえええっ!アイスで!?」
「これはただのアイスじゃない。UTAU特製の戦闘用アイスだ。食べることも出来るけどな」
「そんなのありか!」
「油断した方が悪い」
カイトはそのままフェンシングの構えをとった。
「せい!」
「ふん!」
ガキン!楽歩の刀とキクの包丁二本がぶつかり、火花を散らす。
「いい加減止めろ!こんな戦いが何になる」
「光り輝いているもの全てを消すまでやめないよ。まずはこの町から」
「この町には拙者の妹がいるのでな。これ以上好き勝手はさせん。SONIC(ソニック)」
楽歩の放った剣圧の衝撃波がキクを襲う。
「無駄よ。FINAL(ファイナル)」
すると包丁二本が一つの大剣に変化し、防御した。
「それもデバイスを取り入れているのか?」
「そちらこそ。ただの刀かと思ったら機械の刀(マシンブレード)だったから驚きました」
「こないだ(一話)アカイトに負けたからな。UTAUに頼んで新型を作ってもらったんだ」
そう言った楽歩は間合いを取り、刀を横に構える。
「居合?そんなものは効きませんよ。HEAVY(ヘビー)」
「ぐなっ?」
キクの目が妖しく光り、いきなり体が重くなって刀を地面に刺すしかない楽歩。
「私たちデスボーカロイドは一人一つずつ『能力』を持っている。私の能力は近辺一帯の重力と言う名のプログラムを操る。この能力であのUTAUは敗北した」
それを聞いた楽歩は苦しそうに聞く。
「やまとやデフォ子たちが敗北した理由は分かった。では、先ほどのビル崩壊もお前の仕業か?」
「いや、あれは私じゃなくてリナの能力。そもそも彼女は私と違い、能力を使わなくても強い。あんたのお仲間は負けるかもね」
「カイトが負けるとは思えないがな。もう一つ聞きたい」
「いいよ。答えてやる」
キクは勝ち誇っている。楽歩はじりじりと刀を抜く準備をしていた。
「拙者の名は神威楽歩。お主の名前は?」
「私は呪音キク。あっちは怨音リナ。デスボーカロイドよ。冥土の土産はこれぐらいでいいかしら。楽歩さん?」
「ああ、十分だ!」
キクが言い終わると同時に楽歩は刀を振り上げ大剣を弾く。それと同時に重力が戻って楽歩は身が軽くなり、そのままキクの首に刀を突き付ける。
「形勢逆転だな」
「勝った気にならないで」
キクは袖からもう一本包丁を取り出して楽歩に斬り付けた。
同時刻、UTAU本部指令室
そこでは、テトたちUTAU三人組がデフォ子から報告を聞いていた。
「銀匙町、エリア17で未確認モデル二人と交戦中だったやまと隊長他、第4デフォ子部隊の反応が消えました。代わりに今、始音カイト、神威がくぽ両名が交戦中の模様です」
「なにい!それは本当だお、デフォ子14号?」
「はい。指令(ルコ)に伝えますか?」
「よし、君はルコさんに連絡を。モモは念のためここで待機。僕とウタ、第7デフォ子部隊は彼らの増援に向かう」
「OK」
「分かりました」
「了解!(×10)」
テトとウタはそのまま十人のデフォ子たちと共に、モモとデフォ子(14号)が残った指令室から出て行った。
その頃…
「うぬおおっ!アイスなんかにいい!」
「アイスをなめるな!」
リナがやけくそでチェンソーを振るうが、カイトはそれを余裕でアイスバーを使って弾き返し、フェンシングの突きでリナを攻撃する。二人はその動作を先程から繰り返していた。だがリナも飽きてきたらしく
「今更謝ったって許さないからな~。DEATHSIZE(デスサイズ)」
怒った口調で呟く。するとチェンソーを包んでいた赤い光が大きくなり、死神の鎌を思わせる形になった。
「おらあ!」
それをブン!と振り下ろし、すかさず避けたカイトの裾を掠る。
「お、危ないな。ならこっちも…SWORD(ソード)」
カイトがつぶやくと同時にアイスを冷気が包みこみ巨大な剣となる。
「ICE(アイス)・Sword(ソード)!」
「死に絶えろ!スペルカード、壊滅【崩壊の狭間】!」
カイトの叫びと、謎のカードを持ったリナの意味不明の技名と共に二つの剣がぶつかり「なに…」カイトの体が崩れ落ちた。
カイトが崩れ落ちたその頃…。
「く、不覚…」
「ね。言ったでしょ?」
楽歩は思いもしなかったキクの三本目の包丁で手傷を負わされていた。
「もうそろそろ終わりたいんだよね。私たちの最終目的はこの町の占拠だし」
「なんだと?」
「だからさ、もう邪魔しないでよ。じゃないと死ぬよ」
楽歩は傷を押さえながら立ち上がり、刀を持つ。
「そうはさせん」
「そう…じゃあ、HEAVY(ヘビー)・WALL(ウォール)」
キクが冷たい表情でつぶやくと同時に周囲の空気に赤い稲妻が走り、重圧て身動きが取れない楽歩を襲う。
「ぐああっ!」
そしてそのまま体がコンクリの地面に沈み始めた。キクは立ち去ろうとするが振り返って呟く。
「私たちはデスボーカロイド。あんたらとは違い、陰でしか生きることを許されない存在よ」
そう言ってキクはリナのもとへと向かった。
カイトは何とか立ち上がるが困惑していた。
「何が…起こった?」
「いくらあんたが強くても私の能力には勝てなかったみたいね」
「どういうことだ?」
「私たちデスボーカロイドは一人一つずつ能力を持っている。私の能力は『プログラムの崩壊』」
「なんだと!?」
「さっきの技はここら一帯の空間と言う名のプログラムを崩壊させただけ。あのビルもそう。私の能力で崩壊させたんだよ。それより、まだやる?」
「くっ…」
カイトはBSギターを見るが完全に破壊されていて使い物にならない。続けてアイスバーを見るが先ほどの攻撃で根元から欠けていた。彼女の力で崩壊されたのだろう。
「こうなれば…」
カイトが懐から切札を取り出そうとしたその時
「カイト君、離れろ!」
「ぶっぱなすお~!」
そんな声が聞こえてカイトが後ろに避けた途端、リナに向かっていくつもの弾丸が飛んでくる。だがその弾丸は全てリナに当たる直前で消滅した。リナが能力で弾丸のプログラムを崩壊させたからだ。
「無駄だって。またUTAUか。面倒だなあ」
少し離れた場所からそれを撃ったのは、ガトリング砲を持ったウタとベレッタ二丁を構えたテト、そしてオートマチックの拳銃を構えた5人の第7デフォ子部隊 (残り5人はやまとたちを助けに向かっているみたいだ)だった。全員驚愕の表情を浮かべている。
「やっぱり駄目か。飛び道具系は役に立たない」
「でたらめにも程があるお」
ウタとテトは溜め息をつく。
「「うん?」」
そこに楽歩を戦闘不能にしたキクがやってきた。それを見たカイトは楽歩がやられたことに気付く。
「二人とも!そいつから今すぐ離れろ!」
「分かった。逃げるぞ」
「「「「「はい!」」」」」
「へ?」
ウタ(とデフォ子五人)はすぐに退避するがテトは困惑してそのまま立っていた。キクはリナに向かって歩きながら包丁を取り出す。
「邪魔よ。HEAVY(ヘビー)・SLASH(スラッシュ)」
「だお…?」
そして状況を飲み込めないテトに、重力の斬撃を浴びせた。
「ぬおおおお!?」
吹き飛んで瓦礫に頭をぶつけるテト。そのまま気絶してしまった。
「「「「「テト隊長!」」」」」」
「「はあ、何やってるんだテト!」」
デフォ子五人が驚き、カイトとウタは思わず呆れる。
「帰るわよ、リナ。貴女、力使いすぎているでしょ」
「分かった。雑音の所に戻ろう」
その間にキクはリナと合流し何かの準備をしていた。
「逃がすか!」
気付いたウタがガトリング砲を発射しようとするが
「もう遅いよ。WORLDBREAK(ワールドブレイク)」
リナがチェンソーを振るったと同時に空間に穴が開き、ウタ(その他数名)はその衝撃で吹っ飛ばされる。
「じゃあまたね」
「次会った時は本気で相手をしてあげます。後、楽歩さんがそこらへんで埋まっているので助けてあげてくださいね」
そう言って二人は穴に入って行き、姿を消す。同時に穴がふさがった。
「逃げられたか…」
カイトのつぶやきを聞いてデフォ子たちの方向に向くウタ。
「とりあえず、デフォ子27号と25号は楽歩君を救出に向かえ。26号と24号はテトの介抱をしてやれ。30号はやまとを助けに向かったデフォ子たちが来るまで待機。私はカイト君から何があったか聞く」
「「「「「了解!」」」」」
ビシッと敬礼し、デフォ子たちはそれぞれの方向へ向かう。
「ではカイト君、なにがあったか話してもらえるか」
「ああ。最初俺たちは…」
そして5分くらいかけて自分の見た状況をウタに伝えるカイト。
「そんなに強いのか。そいつらは」
「ああ。楽歩も負けたことから相当の実力だろう。しかも去り際に言った言葉からまだ本気を出していないみたいだ。俺はBSギターや特性アイスバーを破壊された」
「(私が言っているのはカイト君が負けた事実なんだがな。まあいいか)むう、とりあえずUTAU本部に行こうか。それを修理しないといけないし…」
ウタはデフォ子が担いできた楽歩を見て言う。
「君や楽歩君たちの手当てもしないとな」
数時間後…ボカロ荘。そこでは体中に包帯を巻いたカイトがハーゲンダッツを食べながらミクたち三人に先ほどの事を話していた。
「そんなことがあったの?」
「ああ。幸い俺はかすり傷程度で済んだが、ルコさんは現実世界のお偉いさんにしこたま怒られたらしい」
「(かすり傷?)あらま。それで、楽歩さんは?」
「それが、全治1ヶ月だそうだ。やまとたちも同様の重傷だ。楽歩は病院に運ばれるときにキクという子が言っていたことを話していたな。確か自分たちはデスボーカロイド。俺たちと違い陰でしか生きられない存在だと」
「そんなことを?」
「ああ。俺も気になって調べてみた」
カイトは手帳を取り出して中身を見せる。
「デスボーカロイドと言うのは亜種ボーカロイドの一種なんだが、他の物と違うのは元になった物のバックアップ。だから俺たちみたいに世間に出回らなくてあんな捻くれた性格になったらしい」
「そんな…」
「人間たちのせいってこと?」
「そういうことになる。捻くれるのもわかるなあ」
ボーカル専用だったのになぜか戦闘用よりも強いカイトはふう、とため息をつく。
「だったら私たちが止めます!」
「は?」
「だって私たちの亜種なんでしょ。ほっとけるわけないじゃん」
「そう…だよな」
カイトはアカイトの事を思い出し納得する。
「だがどうする?俺やがくぽ、ましてやUTAUのトップエースであるやまとでさえ負けたんだぞ。まあリンの怪力ならいけるかもしれないが…」
「私にはネギと歌があるよ!」
ミクが元気に答える。
「だがどうやって会うんだ?あの子たちがどこにいるか分からない」
「それなら・・・」
「探し回ればいい!」
「…やっぱりか」
カイトはがっくりと肩を落とした。
「ところでさ」
「うん?」
そこにさっきからいたのに(作者にも)忘れられていたレンが口をはさむ。
「その子たちの使った『能力』はなんだったの?」
「それなんだけどな」
カイトは手帳をさらにめくり、半分しか書かれていないページを開いた。
「二人の能力は、プログラムが関係していることがわかったんだが…」
「確かキクっていう子が『近辺一体の重力と言う名のプログラムを操る』でリナって言う子が『プログラムの崩壊』だっけ?どちらも勝ち目無いよね。どうするの?」
レンの真っ当な意見に難しい顔をするミクとリン。だがカイトは「話は終わってないぞ」と一枚の写真を取り出した。それには黒髪のミクが映っていた。
「これは…」
「デスボーカロイドのリーダー『雑音ミク』だ」
「え?」
「つまり今回の主犯だ。そして能力は『プログラムの上書き』。ミクのプロトタイプとして作られたVOCALOIDではないボーカロイドだそうだ」
その言葉に首をかしげる三人。
「ボーカロイドなのに歌えないんだよ。プログラムを作成するためだけに生まれた存在だそうだ」
「それはまた悲惨な…」
「それでもやるか?ミク、リン」
「うん!」
「当り前よ!」
「それならいい。あの二人が見つかったらすぐに連絡する。それでいいな?」
「はい!」
「ありがとう!」
「…お前らほんとに元気だけは人一倍だな」
「だよね」
「「それ、どう意味?」」
カイトとレンの言葉に静かに怒り、ネギソードを取り出すミクとパキポキと拳を鳴らすリン。それを見たカイトとレンはそろって土下座する。
「「無神経のこと言ってすいませんでした!」」
「「よろしい」」
ボカロの女性は恐ろしいことを改めて知ったカイトとレンであった。
カイト「中でもめーちゃんが一番恐ろしい…(ガタガタブルブル)」
放仮ご「いやいや…幾多ものMMDドラマシリーズでレン君にお仕置きしているミクさんの方が…」
レン「いや、何かあったらすぐロードローラーで轢いてくるリンの方が…」
ウタ「男どもが使い物にならなくなったから私とリンで進めていく」
リン「とりあえずレン、あとで道路に飛び出せや。轢いちゃうから」
ウタ「さて、まず最初に…あのカイト君が負けた?」
リン「まずそこがあり得ないよねー。そこのところ、どういう意味だよ作者」
放仮ご「ああ、このカイトは東方ウィザードのKAITOじゃないから。ただ単に戦闘特化型VOCALOIDを超えているというだけだから…実はそこまで強くない。技術面はすごいが」
ウタ「あと、リナとキク。あの能力、間違いなく東方の奴だろ?なぜ出した?」
放仮ご「うん?ただ思いついたから書いた」
リン「はいドーン!」←ロードローラーだ!
ウタ「最後に書かれていた雑音ミクの「上書き」能力…プログラムの世界じゃ一番厄介だな?」
リン「でも、消すことは無理だし、意識を持っているプログラムにも使えないよ。無機物にプログラムを足すだけ」
ウタ「触れたものなら片っ端だからな…カイト君はこれに勝てるのか?」
リン「次回もよろしくね~」←と言いながらレンをジャイアントスイングで道路へ投げ飛ばす
レン「え?ちょっ!?」←逃げ出そうとするが…
リン「ぶっちぎりに轢いてやんよ~♪」←歌いながらロードローラー操縦
レン「 」
ウタ「まあとにかく、次回もお楽しみに!」