もう一つのペダル   作:ユーチャロー

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下り勝負!

沼津南高校は4人の力を合わせながら山岳を攻略してた。先行を走る車にボードが出る。そこには箱根学園の美影と総北の大坂の山岳賞の結果が映し出される。それを見た多村は驚きを隠せなかった。 

 

「総北のエースクライマーでキャプテンの大坂さんが……箱学の無名の選手に負けるなんて…。」 

 

「多村!! そろそろ交代してくれ!! あと1kmで山頂だ!! そこまで頼む!!」 

 

「ここまでご苦労様! 北上君! 君はよく頑張った!! 先頭の箱学と総北まで約1km弱まで縮めた!! ここからは僕が山頂まで引き…下り坂からは勘太さんが引く! そして! 下りが終わってスプリントラインを追加したあたりから僕が山中さんをアシストする! これが…今現状いるメンバーで出来るオーダーです! かわります!」 

 

すると山中は多村の先頭に行く。 

 

「!!? 山中さん? あなたが今日のエースなんですよ! 」

 

「ここはオレに引かせろ。ここからオレは登りも下りもオレが引く! 今日のエースは…多村!! お前が行くんだ!!」 

 

「何故!!? 今いるメンバーであなたが…1番…力を温存してるのですよ…。 そのあなたがここで! 脚をつかったら僕達は優勝争いに絡めない!! 総合優勝も出来ません!!」 

 

「4人ではない! 6人で先頭に追いつき…そして…今日も優勝を狙いに行くんだよ!」 

 

「なぁ……。山頂までもあと少ししかないのに…佐々木君も中嶋君も追いついて来なかった…。こうなると…4人で戦わないといけない!」

 

「多村。オレは絶対アイツらが追いついてくると確信している。そして…オレが死ぬ気で先頭に追いつく走りをする。」 

 

「それでも…僕は許可出来ない!!」 

 

すると勘太は多村の肩を叩く。 

 

「大地は昨日のゴール前争いで敗れた。あいつは…レース後大号泣しながらオレに抱きついてきた。オレのせいで優勝をとれなかったって。皆んなに託されたジャージを1番で届けなかった責任。それがきっと大地には残っている。だからこそ…チームの為に力になりたいんだ。今日…お前にゴールを託す理由は…お前が1番このチームで強いからだ。そして…大地はきっとお前にこのインハイで成長してほしいと願っているからだ。」 

 

(山中さん…。あなたはいつも僕のオーダーを無視します…。しかし…それが良かったことは沢山あった!僕と全く正反対な山中さん。何回もチームの力になり…そして…このチームを変えていった。僕には出来ないことを山中さんが出来る!) 

 

「わかりました…。山中さん。ここからの下りは山中さん…。あなたに任せます!!」 

 

「ああ!!」 

 

すると山中は戦闘態勢に入りスイッチを入れる。 

 

 

その頃。京都伏見と佐々木、中嶋は山頂まで残り1km地点まで来てた。

協調しながらクライマーとオールラウンダー組を入れ替えながら走ってた。家斉が佐々木に問いかける。 

 

「なぁ〜。そろそろ山頂やで。あとはキミに任せてええか?」 

 

「はっはっはっ…。またオレかよ……。」 

 

「おやおや…君たち…先頭に追いつくんじゃなかったの? それで…協調に乗ったんやろ? 」

 

佐々木も限界が来てた。いくら協調はしてるといえど先頭で引くと風除けになる為余分に体力を使う。それに…協調する前までは全力で中嶋を引いていたため疲労も溜まっていた。 

 

「バーロー。行けるぜ…!」 

 

佐々木は再び先頭に立ち全力で登っていく。それについていく京都伏見と中嶋。そして、山頂に到達すると佐々木は嵐山に問いかける。

 

「はっはっはっ…。山頂まで引いた……。ここからはオタクらのスプリンターを出して…下り坂を引いてくれ!!」 

 

すると…嵐山は満面の笑みを浮かべながら佐々木に語りかける。

 

 

「いや〜。ここまでご苦労さん! キミのおかげで…先頭争いの射程圏内に入ったや! さて! 君たちはここでおさらばだな!!」 

 

「なんだと!! ぶざけんな!!」 

 

「バカじゃないの?君たち?普通〜協調乗るか〜??君たちが不利になるのはわかってるのに…。これだから一年坊主は〜。経験がないからな〜!! 沼津南は捕らえた!! さて! 宮本! 先頭いけるか?」

 

「嵐山さん! 行けます!」 

 

「バイバイ〜!」 

 

「ちょ…待てよ!! 」 

 

佐々木はついていこうとするが脚に少し痛みが来てた。

 

「いたっ……。 クソ〜〜!! 」

 

 

「佐々木。この協調は正解だよ。」 

 

「えっ。お前…何を言ってるんだよ…。」 

 

「佐々木や京都伏見が引いてくれたおかげでオレの力が温存することが出来た!! 」 

 

「お前…まさか…。」 

 

「ああ…。辛そうに演技してたのは…京都伏見にオレが回復してることを察しさせない為だ。」 

 

「お前…いつから回復したのか? それは…第1給水所あたりからだ。オレがあの時…熊野からもらったあのドリンク。あのドリンクには疲労回復に効く成分が配合されていた。あれを飲んでいたらどんどん回復していった。後で…アイツに感謝しないとな…!」 

 

「くっ…。くははは! お前は…やっぱり狂人だな!! こりゃ面白い演技を見させていただいたぜ! 」 

 

「佐々木! オレはこのインハイに絞って平地も練習をしてたからな!この下りでギアをMAXにして京伏もねじ伏せて…そして!山中さん達に追いつき! 箱学と総北も抜いてやるぜ!!」 

 

「こりゃ面白いぜ!! さっさと蹴散らしてやろうぜ!!」

 

「ああ!! 」 

 

沼津南の下り勝負が始まる!! 

 

 

次回話に続く…。

 

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