2日目のゴールまであと5km地点まで箱根学園は先頭を走っていた。大黒柱の敗北により総北は陣形を崩しており先頭にしがみついてるエーススプリンターの門倉とエースの真中。そして、総北の3年のエースアシストである永山雄太の3人で踏ん張っている状態だ。
永山雄太。彼は総北の副キャプテンを務めている。千葉県の大会で数々な賞をとっており、元クライマーだったがキャプテンの大坂坂道がオールラウンダーにコンバートしてほしいと頼まれ1年かけて練習をしてきた。努力の天才と部員からは呼ばれている。
「坂道が負けてしまった分、ゴール争いはこの3人でいく。宇津木がクライマー達を連れてゴールしてもらう。翔と勇気。お前ら。今日やるべきことはわかってるよな?」
「わかってる。雄太。しかし、今日は誰がいく?」
「やられてしまった分オレが今日ゴールを狙いにいく。翔も勇気も脚をつかっているだろ。ここは脚が万全なオレがいく。だから、2人でアシストを頼んでほしい。」
「わかった! いくぞ! 翔!」
「ああ!」
すると、後ろから車輪の音が聞こえてきた。
そこには京都伏見が追い上げにくる。
「いやー。計画通りやな〜。慶喜。」
「ああ。このラスト5km地点で先頭に並ぶ作戦は上手くいったな〜。宮本。あとはチームを連れてゴールまで引いとき。ワイら…。出るわ。」
「はい!」
「さて…箱学さんと総北さん。ゴールまで勝負しましょうか!」
宮崎が反応する。
「あれあれ〜。まさか京都伏見がここまで来るとは思っていなかったよ〜。嵐山君と菊川君。君たちは関西一というのは知ってるけど〜僕の眼中にないかな〜。」
「いやー。なめられたもんやな。オレら。あんたら…昨日のゴール争いで疲労も溜まってるし…僕らはな〜。このために脚を温存して来たんよ!! 君達総北と箱学を倒すためにな! 行くで…家斉。 こいつらに見せたろか! 京伏の力をな!! 」
「ああ!」
家斉の表情が変わりダンシングの姿勢になる。まるで鬼のように。
2人の息があった走りで一気に差を開く。箱根学園も動く。
「ほーう。そりゃ1日目で集団を引いてたら力も温存してるわ〜。この2日目で勝負をかけ明日に繋げる作戦か〜。悪くはないが…。それでも捻じ伏せてやるよ!! さて……うちらも1人力を温存してる奴がおる。ウチのとっておきを出そうか!! 行けますか? 根岸さん。」
「………。」
その男は軽く頷いて先頭に出る。
根岸正一。箱根学園3年のエース兼アシストであり、無口で表情を変えない男。タイトルはとっておらず全くの無名の選手だ。その異様なオーラを放ちチーム内で恐れされてる存在だ。桐谷は根岸に対してこう思っていた。
(根岸…。こいつは何も喋らないし表情を変えないから何を考えているのかわからない…。だが…一回コイツと走った時に異様なオーラに推されいつのまにか差を開かれた。宮崎君がゆういつ態度を控えながら話かける根岸。恐るべく相手は身近にいる。)
「さて。根岸さん。アシストを頼みます。前にいる京都伏見に力を見せてやりましょう。そして! 箱根学園が強いと証明しましょう!」
根岸はまた頷いて気持ちを入れる。
「桐谷くーん! あとは頼むわ。僕ら行ってくる。」
「ああ!今日は1番とれよ!」
「最初からそのつもりですよ。」
根岸と宮崎は先頭を走る京都伏見に追い上げを開始する。
それに反応して総北も動く!
「翔!勇気!追うぞ!」
総北も真中と門倉と永山の3人で追いかける!
箱根学園の桐谷が後ろから異変を気づく。
(やけに後ろからの声援が多い。他にも先頭を争うチームがここまで来てるのか…。しかし…あと残り4kmを切ったところで先頭に追いかけることは出来ない。それに…この場に総北と京伏を含めた選手が11人いる。抜くことは出来ないだろう。)
その頃。嵐山と菊川はもの凄いスピードでゴールに向かって走っている。嵐山が後ろを振り返るとそこには箱根学園の根岸と宮崎がいた。
「あらあら〜。あんたら。このスピードについて来るなんて対したもんだ。ウチの家斉をなめたら痛い目見るぞ!」
「凄いですね〜。関西一の運び屋は。伊達じゃないすわ。しかし…この根岸さん。もっと本気出しますよ〜。」
根岸は更に加速をして京都伏見を離しにいく。
すると嵐山と菊川に変な汗をかく。根岸の異様なプレッシャーに押しつぶされそうになる。
(手が震えてる…。この凄い圧に…変な汗が…。コイツ…。ただもんでは無いな! )
「家斉。本気出さんと勝てんよ。」
「ああ。アイツのオーラに負けそうになっとる!! プレッシャーを跳ね除け!! 慶喜!!」
「ああ!! 」
京都伏見も更に加速。
総北も必死にしがみつく!
「翔! 交代だ!」
「ああ!残りの3km!全力を出し切る!」
前を走る4人を追うのに精一杯の2人のアシスト。チームを優勝させるために全力を出す!
そして、ついに沼津南高校は箱根学園と総北、京都伏見の集団に勘太の全力の引きで追いつく!
「見えたぞ!第2集団! 先頭はもう出てる!! ここからはどうする!! 多村!! 」
「……。今日のアシストは山中さんと佐々木君の2人に頼みます!勘太さんは中嶋君と北上君を連れてなるべく早くゴールしてください!
まずこの集団を抜くのに少し僕は本気になります…。後ろについてください! 山中さん! 佐々木君!」
「ああ!」
桐谷が反応する。
「!!? そんなバカな!! 背後からの異変はお前達か!沼津南!
しかし!! 残り3kmもない! 先頭は今頃遥か先を走っているだろ!! ここから優勝を狙うのは無理だぜ!」
「そんなの。やってみなきゃわからないじゃないですか。沼津南は不可能を可能にする!! それがこのチームのスローガンだ!!」
多村と山中、佐々木は第2集団を置いて先頭を追いかける。
その無謀な挑戦に桐谷は呆れてた。
「バカなのかな? このチームは? 普通に考えたら1km以上離されてるのにゴールを狙いにいくなんて無理でしょ。」
勘太は桐谷に話かける。
「いいえ。このチームは本当に不可能を可能にするチームですよ。無謀なことも乗り越える力を持っている。それがオレらのチームだからな。」
「全く。キミまでもそんなことを言うのか。呆れたぜ。」
沼津南高校の怒涛の追い上げで先頭集団を追う!
次回話に続く…。