第5話 新メンバー続出!!
あのスプリント勝負から2日後。
山中の脚は筋肉痛になっており歩くのも痛い状態であった…。 登校時の時である。
「ああーー!! 筋肉痛やばい…。無茶しちゃったよ。 全力でペダルを回しちゃったからな……。」
後ろから歩いてきたのは菅原兄弟である。
「おはよう。大地。」
「山中さん! おはようございます!」
「なんだ…。菅原兄弟か…。」
「おとといの勝負の時に脚にきたのか?」
「当たり前だろ…。 あんだけ全力でペダルを回したからな…。」
「まぁ…。仕方ないことだ。お前の走りはすごい気迫と勝利の執念を感じたからな。」
「兄さん! ごめん!! 先に行くね!」
「ああ……。」
菅原兄弟の弟の純太の彼女が待っていた。兄の勘太はボソボソとぼやく。
「純太。お前が羨ましい。」
「なんか言ったか? 兄さんよ。」
「なんでもない。大地。 今日の放課後少し時間があるか?」
「ああ…。 今日はバイトないから大丈夫だ。なんだ?」
「それは… 放課後の楽しみだ。」
「……。 わかったよ。」
「じゃあ。また放課後な。」
「ああ…。」
〔気になるが…。また勝負とか言い出すんじゃないか? リベンジ的なやつ! オレの脚が動かねーよ!!〕
山中は少しモヤモヤしながら放課後まで過ごすのである。
放課後。
「あっ…。山中さん! 兄さんに山中大地を連れてこいって言われたので来ました!」
「なんだ…。純太のほうか。」
「で…。勘太はオレに何の用だよ。」
「それは… バラすなって言われてるから…言えません!!」
「意外に頑固な部分があるな…。兄さんは。」
山中は純太と共に学校に裏門に連れていかれた。 そこには見慣れない顔が3人いた。
「来たか。大地。紹介しよう。」
「こいつらは? 誰だ?」
「この3人は… 自転車競技部に興味がある一年だ。オレが勧誘した。」
「おいおい…。まだ… 自転車競技部もないんだぜ。 勧誘してくれたのはありがたいが…。」
「そうなのか? 大地。」
「ああ……。」
「8人いれば… 部活できるよな。インターハイは6人いれば出れるからな。」
「そうなんだ…。」
「ああ。」
「どうやってそこにいる3人を勧誘したん?」
「SNSだ。この3人のプロフィールを見て誘ってみたんだ。」
「なるほどな…。」
「兄さん! さすが!」
「とにかく。自己紹介を頼む。」
1人は眼鏡をかけて勉強が出来そうな真面目で優等生っぽい男が先に自己紹介をする。
「はじめまして。僕は沼津南高校1年B組の熊野友成といいます。ロードは中学1年からやっています。 僕は山も平坦も走るオールラウンダータイプです。よろしくお願いします。」
「ああ…。よろしく…。」
横にいた身長が150cmぐらいの小柄で愛嬌がある美男子系の男が次に自己紹介をする。
「はじめましてです! 僕は… 北上雄介といいまーす!! 山なら… 負けないよー!! ちなみに僕は…… 中嶋悠斗が大嫌いでーす!!
山岳リザルトとられたからねー。 」
「ああ…。よろしくな…。そんなにあいつが嫌いか?」
「うん。 大嫌い!! 」
「そうか…。 仲良くしてやれよ…。で…。そっちは…。」
「………。」
「自己紹介してくれないか?」
「………。」
「すまんな…。大地。こいつは多村純太郎。ロード経験者ではないが… ロードレースに興味があるらしいんだ。」
「そうなのか…。よろしくな。」
「………。」
〔なんだ…。こいつ…。一言も喋らないじゃないか! 極度の人見知りか? こいつ!!〕
「今日呼び出した理由はこれだ。大地。」
「ああ…。競争じゃなくて良かったよ…。」
その時。佐々木と中嶋が歩いてきた。
「あっ…! 山中さんに菅原さん達! お疲れ様です!! 」
「山中さん。菅原さんお疲れ様ですー。」
「けっ…。タイミング悪すぎだな。大地。」
「ああ…。」
北上は中嶋を見た瞬間! 顔が険しくなる。
「あれあれー。誰かと思えば…。狂人クライマーじゃーん。」
「うん? お前…。 誰だ?」
「はぁー?? 覚えてないのー? 中嶋ー?」
「全く!!!」
「去年の大会…。お前にコケにされてうざかったんだよ!!」
「??? あっ… 思い出した! どチビやろう!! 」
「どチビ……。 気にくわないな!!」
「ちょっと!! やめたまえ!! これからチームメイトになるというのに…。チームの輪を乱す行為は良くない! 」
「ふん…。熊野君。君に言われたくないな…。 オールラウンダータイプとか言いながら君のこと知らないんだよねー。ロード経験者とか言ってるけどー。」
「くっ…。それは…。」
「やめろ。」
突然今まで何も喋らなかった多村の一言が周りの雰囲気が変わった。
「……。」
この冷たい空気を変えようとした山中。
「まぁまぁ…。 仲良くやろうぜ! まだ… 部は結成してないが… メンバーは集まったし…あとは理事長とか生徒会に申請すれば部は結成できるから!! 勘太! ありがとな!」
「ああ。」
北上が山中に挑発する。
「ちょっと…。 山中さんでしたっけ? あなたが… 仕切ってますが… 部長にもなる気なんですか? 」
「部長? オレは初心者だ。部長は経験者がなるべきではないのか?」
「へぇー。たしかにあなたみたいな初心者には部長は向いてませんよ!ちなみに僕は菅原勘太さんが部長が良いと思いますがね!」
この北上の発言にキレた中嶋。
「おい。どチビ。山中さんはお前にとって先輩だ。山中さんの実力わかってねークセにバカにすんじゃねーぞ。」
「へぇー。中嶋ー。ロードレースの世界では速い奴が強者。いくら歳上だろうが… 自分が一番速ければ上下関係なんて関係ないんだよー。山なんか特にそうじゃないの? 中嶋。」
「それは少し違うな。どチビ。たしかにお前の言ってることは間違っていないが… でも!上手く言えないが… 山中さんは凄いんだ!」
「はぁ…。 お前が認めてる山中さんの実力を是非!! この目でみたいなー。」
〔ちょっ… 中嶋!! オレの脚が筋肉痛って言うのに… 。〕
「オレな…。 脚が筋肉痛なんだ…。また今度にしてくれないか?」
「言い訳ですか? 山中さん!?」
「言い訳じゃない! 本当だ! 」
「初心者だから… 自信ないんですか? この僕に勝てないと…。」
「山中さんならできます!!」
〔中嶋ー!! お前のせいで…!! だが… ここで逃げたら北上にバカにされるだろ…。なら… やるしかないか…。脚痛いが…。〕
「大地。本当にいいのか? 」
「本当は… やりたくないけど… ここで逃げたらあいつにバカにされそうな気がするからな!!」
「あまり… 無理するなよ。」
「ああ…。 」
「大丈夫なんでしょうか? 山中さんの脚…。2日前限界までペダルを回して脚に来てるはずですが…。」
「大丈夫だ。純太。山中大地の凄さはお前も知ってるだろ。」
「……。そうですね! 兄さん!」
佐々木と中嶋は山中に対して感じてることはあった。
〔山中さん…。僕もあなたがどんなに苦しくても誰にも負けたくないという気持ちは強いです! 2日前… 山中さんと一緒に走って凄く思いましたー! 〕
〔僕はあなたと初めて一緒に競争してこの人はただモンじゃないと! そして! あなたが別人格の佐々木の心を動かしたあの言葉! それは確信に変わりました!だから! あんなどチビに負けないでください!!〕
「山中さん! あなたは山が得意ですか?」
「ああ。北上! オレはクライマーだ!」
「あなたがクライマー!! なら… ちょうどいいですね!!」
「来い! 北上! オレは勝つ! 筋肉痛だろうがな!! そこの山の山頂がゴールだ!!」
「良いでしょう!! なかなか傾斜があるさか道…。 大好物ですよ!」
山中大地と北上雄介のクライム勝負が始まるのである。