第1話 いつもの辛い日常
ざわざわ、と教室から声が漏れている。
うるさいわけでもなく、かといって静かなわけでもない声が飛び交っている
いつもと変わらない光景
ああ今日も暇だな、と思いながら俺、
ボロボロになって、ほとんどのページに絵が描かれた、そろそろ買い替え時の自由帳だ
俺は友達があまり、というより一人しかいない。
だからこうやって暇な時は絵でも描くのだ。
絵を描く時間が俺にとって至福の時間だ
「なぁ〜サッカーやらね」
一見チャラ男に見えるこの男は俺の数少ない大切な友達
「嫌だ」
「なんで〜」
「つまらないから」
気だるそうに言って帰るよう、促す
しかしほんとは帰って欲しくないし、仲間に入れて欲しい。
だが、入れば佑はいじめられる。
「わかったよ。」
察してくれて、嬉しいようで悲しいような感情が俺の胸の中で渦巻く
佑がいなくなると教室はさっきよりも静かになった。
すると、いろんなところでひそひそ話をしているのが見えた。
不自然に思った俺は注意深く聞いてみることにした。
耳をすますと聞こえてきたのが、
(あいつなんで学校くんの)
(絵を描くのの何が楽しいの?)
(キモい)
........お分りいただけただろうか。
彼らはよく俺に隠れて陰口するのだ。
ひどい時には石を投げられることだってある。
他人のしたことで関係のない俺が叱られることだってよくあること。
先生に怒られても何も感じなくなっている
でも、人間なんてそんなもの。
もう何年もこんな調子だ。
慣れとは怖いものだなと、つくづく思う
「石円、先生が「生徒指導室に来い」って言ってるぜ。」
こいつの顔をよくみるとかすかな微笑を浮かべていた。
こいつは
俺が一番嫌いなやつで、おめでたい事に、イジメの最先端を行く男だ。
また濡れ衣でも着せられるのだろう。
何度目になるだろう?
生徒指導室に行く途中、俺は考えた。
俺はなぜ、こんな目にあうのだろう?
いつも考える。なぜ?、なぜ?、なぜ?
その答えは一生出ないだろう。
そんなことを考えるうちに、生徒指導室に着いた。
さて今日は星空は何をしでかしたのだろう。
「石円くん、今日は窓を破ったのか。」
ため息をつきながら、先生はそう言った。
もう俺とは関わりたくない、そのような思いが込められた、ため息のようだった。
「僕はやってません」
一応言ってみる。無駄だと思うが。
「でも星空くんが言っていたぞ、彼は嘘はつかない。」
何も知らないくせに。今回はボールか何かで、窓を破ったのだろう。
それで俺に責任を押し付けようとしているのか。
「嘘です。ほんとは僕がやりました。」
頭を深々と下げ、謝る。
「いい加減にしたまえ。もう何度目だね。」
今日はこれで返してもらえた。親に何と言おう。
もう何度目だね、か..
先生の言葉が頭をよぎる。
「何度目だろうね、星空のやつ」
皮肉を混ぜた言葉を空に混ぜる
正直、辛い。もうこんな日常嫌だ!
ほんとはそう言いたい。だが無理な話だ。
俺はよっこいしょと言うように席に着いた。
するとちょうと予鈴がなり、皆帰ってきた。
気持ちをリセットし、授業に挑む。
俺、石円流楠は今日も同じ、いつもの辛い日常に生きている。
処女作なので、お見苦しい点もございますが、見ていただけると、幸いです。