・神楽視点
声をかけたのは間違い無く時雨だった
たしかに、顔は時雨だった
しかし綺麗な黒髪のポニーテールは茶色いショートになっていたり、全身が血まみれになっていたりした
そして何より、右手に血で真っ赤に染まった短刀を握っていた
私は理解できなかった、否、理解したくなかった
これはきっと何かの間違いで、時雨は何もしていないんだ
あの血はたまたま降りかかったものだろう、どっちにしても故意でやったわけじゃないはずだ
「時雨、何をしている...」
流楠が瞳の奥を真っ黒に染めて言う
あいつは今、怒っているのだろう
でも犯人はきっと...きっと時雨じゃない...きっと...
「...遊びさ、とぉーっても楽しいお遊び」
ニッコリとした笑顔を向け、さも当然のことのように言った
「ほぉ、それは人を殺めるような遊びか?」
「そうだよ?」
私の頭は真っ白になった
認めたくなかったものが、強制的に認めざるおえない状況になったからだ
私は、どうすればいいか、何が正解か、わからなっていった
・流楠視点
まずい、色々とやばい。まず一つ、それはこの状況
時雨がやったかどうかは別として、これだけの人数を治療できるのだろうか
まぁそこは永琳に任せるとして、問題は時雨だ
服装と声色が同じだが、髪の毛の色とか長さ、瞳の色が違う
「時雨、武器を置いて、手を頭の後ろで組んで、こっちに来い」
外では警察がよくやっていた方法だ
ここで通用するかどうかは別として、今の俺にはこれくらいしか覚えていない
「時雨?あー、言い忘れてたけど私時雨じゃないから」
え?さっきも書いたが服装と声色が同じだけど、それ以外が違うから、別人ってこと?
「私は
狂...時雨の苗字を名乗ってるってことはやはり時雨本人、いや違うのか?
狂は少し前傾姿勢で西井がいる方に走ってきた
そして、西井と狂がすれ違う瞬間
西井の上半身が宙を舞った
「んなっ!」
思わず目を疑った、それは西井も、他のみんなもそうだろう
前にも言ったが、西井の身体は特殊なコルタン製、相当練度の濃い幻力ないし霊力でも使わないとできない芸当だ
俺ですら“最近まで“出来なかった
断っておくが、俺だってできるからな!?
───ガゴンッ
西井の上半身が地面に落ちた
既に西井の目には光がなく、死んでいるようだった
「あれ?死んだ?なぁーんだ、つまんないの〜」
「おまえは...自分が何をしたか分かってるのか...」
「だから遊んでるだけだって」
こいつ、頭が狂っていやがる
「ファイナルスパーク!」
魔理沙のスペカが発動した
砂が宙を舞い、砂煙が狂を覆い、木々が音を立てて倒れる
魔理沙は、殺った、殺ってやった、そう手応えを持った顔をした
『フフフフ...その程度で殺せると思うなんて、よっぽどお気楽に生きてきたんだね』
狂の声が耳もとで囁かれるような感じで聞こえてくる
俺たちは絶望し、そして恐怖した
あいつは強い、すごく強い、未知の強さを持っている
俺はあいつを倒せない、幻力だって使えないし、俺はそもそも人なんて殺せない
今の俺はなす術なしだ
『君たちの家に招待状を送るよ、日時と時間、そして場所を提示してる。これを贈られた人は、必ず来てね、さもなくば殺す。いいね。あと一人でくることわかったね』
狂の殺すがどうも現実味があり、すごく怖い
それはみんな同じなのだろう
俺たちの道は、真っ暗な闇に閉ざされた
今日、ツイッターのフォロワー数が32を突破!
今日の朝まで10人だったのに...