東方魂魄恋愛談   作:魂夢

59 / 62
こんにちは、魂夢です。大いなる伏線回収…


第56話 流楠の怒り

夕方、俺は永遠亭に来ていた

今までの狂との戦いで重傷を負った、霊夢や魔理沙にお見舞いしに来てたのだ

 

今一番軽症なのは神楽、と言っても骨が14本ほど折れているが

逆に一番重傷なのは魔理沙で、意識不明、内臓ぐちゃぐちゃ、生命力低下などなど...

霊夢も血が足りないし、意識不明だが、このくらいならなんとかなる...らしい

 

まぁもう見舞いも終わったし、後は俺が狂をどうにかするだけ

手紙は今回俺に来たし、今までの感じだと、妖夢には来ないはずだ

 

ただ問題は...

俺が狂をどうやって対処するかどうか。存じてると思うが、俺は人を殺せないのだ。人型であれば無理な事もないが、ただの人間、ましては時雨を殺すのは無理だ

 

色々考えたあげく、やっぱり気絶させて拘束するのが一番いいのかな…

 

そんなことを考えていると、約束の時間はどんどん近づいていた

 

今の時間は6:30、約束の時間は7:00

 

前みたいにライデインを使って痺れさせてから、拘束ってのを試してみるか

 

俺は背の高い草をかき分け、進んでいく

 

ゴソッと何かが脚に当たった。大きくて、そこそこ重い何かだ。不審に思って、地面に目を落とす。

 

そこにあった物は─────

 

「妖……夢…?」

 

紛れもなく妖夢だった。銀色でボブカットの髪に、黒いリボン。

暗い青緑色の瞳には光が無い。

人間に比べて白い肌が、血によって赤く染まっている。

白いシャツに青緑色のベストを着た妖夢の細い体に、大きく風穴があいて、血が垂れ流れているようだ。

胸元の黒い蝶ネクタイは血が染みこんでいる。

 

嘘だ…嘘だこんなこと…

今まで何のために修行を積んできたんだ…大切な人を守るためじゃないのか!

それを殺せないという言い訳で、俺の大事な人が苦しんでいる。許せるわけがない!

 

「流楠……君……」

「妖夢っ!」

 

俺は妖夢を抱きかかえる。血が少ないのか、とても軽い

 

「に…逃げて……ください…………彼女は……勝てる相手じゃ……」

「止めろ喋るな!血が止まらない!」

 

俺はとりあえず傷口を押さえて止血を試みる

とにかく救急車を…!いや、救急車なんて無い。早く…永遠亭に……!!

 

俺は妖夢を抱きかかえたまま、浮き上がり、全速力で永遠亭へ

 

「あやややや?どうしたんですか?そんなに急いで……」

 

丁度いいところに射命丸が!

 

「妖夢を永遠亭まで頼む!」

「わかっています」

 

いつになく真面目でキリリとした表情の射命丸に妖夢を渡す

その時、後ろから短刀が妖夢を狙って投げられてきた

俺はすかさず抜刀、短刀を弾く

 

射命丸はもう永遠亭へ向かっていて、この場には居ない

安心して"こいつを殺せる"

 

俺の心には絶望、憎悪、そして怒りが渦まいていた。

俺は多分、自分が思っている以上に妖夢が好きだったのだろう

だから…こんなにも心が痛むのだ

だから…こんなにも殺意が湧くのだ

 

「あらあら、そんな力を宿らせて。どうしようっていうの?」

 

狂がそんなことを口にする

 

爪が食い込む程に握りしめた拳を見る

そこには赤黒い、波動がモヤモヤと渦巻いている

これが…闇の波動か…

今となってはもうどうでもいい…こいつを殺せるならば……!

 

頭上で、大きな雷が鳴っているのを、俺は如実に感じていた

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。