ポケットモンスター サン&ムーン ~出会えてよかった~ 作:モモワ
~ポケ問題~
アローラ! ククイだ! 今回のポケ問題は俺が出すぞ!
では問題だ! 今日のお話でサトシとセレナが遊ばなかったものはどれだ?
【A:トランプ B:チェス C:麻雀 D:オセロ】
答えは小説の最後で!
ポケモンスクールがお休みのある日のこと その日のアローラは
朝から天地をひっくり返したような大雨が降り続けていた
セ「…………」
窓から外の様子を眺めるセレナ 家の側に咲いていた紫陽花の花に
大粒の雨が幾度となく当たり続けている
サ「セレナ どうしたんだ?」
セ「あ ううん ただ… こんな大雨の日も珍しいな~って思って」
アローラは気候の関係もあり 基本晴れている日の方が多いのだが
時々このような大雨が降ることもある
ロ「本日の降水確率は90% メレメレ島だけでなく アーカラ島 ウラウラ島 ポニ島
アローラ全域で大雨の予報ロト!」
サ「らしいな! これじゃ外でバトルの特訓もできそうにないや」
サトシはセレナの隣に立ち 同じように窓から外の様子を眺めた
さすがにいくらバトル大好きなサトシでも 今日は特訓ができるような天気ではない
ク「アローラじゃ たまにこういったスコールにあう事があるからな!
しかしこりゃまたすごい雨だな… まるで”ハイドロカノン”並だぜ!」
そう言うククイ博士の手には 開く前の黒い大きな傘が握られていた
サ「ククイ博士? こんなすごい雨なのに出かけるんですか?」
ク「ああ! 今日はどうしてもはずせない用事があるんでな!
帰りは遅くなると思うから 夕飯は2人ですませといてくれ!」
ククイ博士は傘を広げ ”たきのぼり”の勢いで振り続ける雨の中 出かけていった
セ「こんな日にお出かけなんて ククイ博士も大変ね」
サ「あぁ 遅くなるって言ってたし… 今日1日は俺達だけになりそうだな」
セ「そうね……………………………えっ!?」
そこでようやくセレナは状況を理解した
セ「(サ……サトシと2人っきり!?/// い…いや もちろんポケモン達も一緒だけど
それでも今日はこの家にいるのは 私と… サトシの……… 2人だけ………///)」
サ「ん!? どうしたセレナ?」
セ「うにゃあぁ!?/// なな…何でもない!!///」
妄想中に突然声をかけられ セレナは真っ赤になり 顔から蒸気を出しながら悲鳴を上げた
ロ「とりあえず今日は家で のんびり過ごすしかなさそうロト! こんな大雨の日に
誰かが尋ねてくる可能性は12%未満ロト!」
サ「そうだな 今日はバトルも特訓もお休みか… とりあえず掃除でもすっか?」
セ「う…うん/// そうね じゃあ私ホウキとって来るね」
それから2人は家の中の掃除をはじめた
日頃お世話になっているククイ博士の家 こんな時にこそきれいにしなくちゃと
2人はポケモン達にも手伝ってもらいながら掃除を続けた
高いところの埃はモクローにはたいてもらい サトシは掃除機をかけ
セレナやテールナー達は窓ガラスや棚の上なんかを拭いたりして
1時間ほどで掃除は完了した
サ「よーーーし 掃除完了ー!! ピッカピカになったぞー!!」
ピ「ピッカピカチュー!!」
もちろん掃除は一応毎日やってるのだが 今日は時間があったので
いつもよりゆっくり丁寧にやったためか 家中がピカピカに光り輝いていた
セ「たまにこうやって大掃除してピカピカになると気分いいわよね~」
テ「テナテナ!」
サ「よーし! そろそろお昼過ぎだよな? じゃあ飯に…」
ロ「まだ午前10時を迎えたところロト! ククイ博士が出かけてから
まだ1時間半ほどしか経過してないロト」
けっこう時間が経ったと思ったのもつかの間 掃除も終わってしまい
することがなくなった2人は仕方なく それぞれ自由な時間を過ごすことにした
ピ「チャァァ~~~♪」
ソファーに座ったサトシの膝の上でピカチュウは気持ちよさそうに
彼のブラッシングをうけていた その足元には次の順番を待ち遠しそうにしている
イワンコがしっぽを振っており モクローはいつものように爆睡中だ
ニャビーはソファーのはしっこで丸くなっているが イワンコ同様
サトシにブラッシングしてもらうのをひそかに楽しみにしているご様子
セ「………~♪」
セレナもテールナー達のブラッシングをし それが終わると今度は自分の荷物から
手芸セットを取り出し 1人静かに裁縫をはじめた
今彼女が塗っているのは サトシの普段着だった カロスを旅した時も
彼女はよくサトシの服のやぶけたところなどをきれいに修復していた
セ「サトシの服って しょっちゅうボロボロになるよね?」
サ「ハハハ 自分で言うのもなんだけど俺けっこう無茶するからさ」
セ「フフフ わかってる♪ この前直したと思ったら もう次の日には穴が開いてたり
するもんね?」
しかし彼女はそんなサトシの服を嫌がる様子も見せず 当たり前のように直していた
せっせとサトシの服を縫う彼女の顔は むしろどこか嬉しそうだった
サ「……ありがとなセレナ いつも俺の服なおしてくれて」
セ「どういたしまして♪」
サトシの素直な感謝の気持ちにセレナは笑顔で返事を返した
セ「ところで… 今までは誰に服を直してもらってたの?」
セレナはふと気になったことをサトシに尋ねた
カロスに来る前も サトシは各地を旅していて 旅仲間もたくさんいたと聞いた
当然これまでの旅でもサトシの服は幾度となくボロボロになってきたはずだ
サ「服を直してくれてたのはタケシだな! 前に言ったよな?
元ニビジムのジムリーダーで ポケモンブリーダー目指してたけど今は
ポケモンドクター目指して頑張ってるって」
セ「うん! 確か…家事全般が得意で 料理もその人がやってたって」
その話を聞いてセレナは どこか安心感を覚え ホッとしたという
何故なら その話を聞くまでは サトシのそういった世話は
一緒に旅をしたという女の子の旅仲間がやっていたと思っていたからだ
サ「みんないい奴ばっかりだったけど 思えば俺の服を治してくれたり
料理をつくってくれたりしたのはセレナが始めてだな!」
前にサトシにそう言われた時 セレナはすごく喜んだという
ワガママかもしれないけど サトシのことを1番に想ってきた旅仲間は自分でありたい
そう願っていたからだ
その頃 他のクラスメート達はというと…
マオ「あーあ… 今日はお客さん来そうにないわね~」
アマ「アマァ…」
いつもならたくさんのお客さんで賑わうアイナ食堂
しかし今日は生憎の大雨 店内にもお客さんの姿は1人もいない
?「今日はもう店じまいだな! お前もたまにはゆっくりしたらどうだ?
いつも食堂を手伝ってもらってることだし」
コック帽を脱ぎながら マオの父は片付けの準備をはじめた
マオ「う~~~ん… といっても この雨じゃどこにもいけないし
かといって誰かが来てくれるわけでもないしな~」
?「ぶぅ~! つまんなーい!」
?「ぶぅ~! お外行きたーい!」
窓から外を眺める双子の姉妹 ほっぺを膨らませ ブスっとした表情で
憎らしげに外で振り続ける雨を眺めているのはスイレンの妹達
ス「この雨じゃ釣りにもいけないし… 今日…どうしようかな?」
アシ「アォゥ~」
スイレンの膝の上に乗り 外の景色を眺めるアシマリ
ス「いっそ水着に着替えて そのまま外に遊びに行く?」
アシ「アォオ!?」
ス「……エヘ♪ 冗談だよ冗談」
リ「………すごい雨ですねシロン」
シ「コォ~ン」
自分の部屋のベランダから外を眺めるリーリエ
その手にはしっかりとシロンを抱きしめていた
?「お嬢様 お茶が入りましたよ」
コンコンとノックの後に部屋に入ってきたのは リーリエの家に仕える
執事のジェイムズだった 彼が押してきたカートには湯気のたちこめる
暖かいミルクティーと クッキーの乗った皿が積まれていた
リ「みんなはこんな雨の日はどうされてるんでしょうか…?」
?「お兄ちゃん すごい雨だね~?」
窓の外から牧場の様子を眺める1人の幼い女の子
カ「ホシ! あんまり窓の側にいると濡れて風邪をひくぞ!」
カキはそう言うと窓をバタンと閉めた
?「も~ このくらいじゃ風邪なんてひかないよ!」
彼女はホシ カキの妹で カキが溺愛している最愛の妹だ
ホ「お兄ちゃんこそ 今日は特訓しなくていいの?」
カ「あぁ… この雨の中バクガメスを出すわけにもいかないだろ?」
いつもならケンタロスやドロバンコでいっぱいの この牧場だが
今日は雨のため みんな宿舎の方に非難しているようだ
カ「大雨は人々に恵みを与えると同時に 時にこうして試練をも与える
爺ちゃんが昔よくそう言っていたな」
そしてとある民家の隣にある小さな家 ここはマーマネが個人の研究所として
つかっているマーマネラボだ
マー「すごいな~ 今日の雨の降水量は 今年1番っていうデータが取れたよ!」
マーマネは今日の雨のデータをパソコンに打ち込んでいた
隣では相棒のトゲデマルとデンヂムシが美味しそうにマラサダドーナツを食べている
?「マーマネ」
そこへ扉が開いて中に入ってきたのは彼の母親だった
マ母「マーマネ 買い物行くけど何かほしい物ある?」
マー「えっ? こんな雨なのに買い物に行くのママ?」
マ母「ええ こんなことなら昨日の間に買い物に行けばよかったわ」
マー「そっか… 気をつけていってきてね! えっと……じゃあパイルジュースお願い」
?「アローラに来て初めての大雨ねミヅキ」
ミ「本当だねお母さん カントーにいた頃でも こんなに降ったことないよね?」
ミヅキの家では ミヅキとミヅキの母が仲良く外の景色を眺めていた
ミ母「…そういえばミヅキ ポケモンスクールはどう? ちゃんと楽しめてる?」
ミ「うん! クラスメートのみんなもいい人ばっかりだし それに…
サトシ君やセっちゃんとも再会できたんだもん!
私…アローラに来て本当よかった! ねぇラッキー?」
ラ「ラッキ!」
ミ母「そう よかったわね! 確かサマーキャンプでいじめられた時に
助けてくれた子だったかしら? フフフ 運命って不思議なものね」
ハウ「じいちゃん すげー雨だねー?」
ア「リボ~ン♪」
ここはリリィタウンにあるハウの家 この村にも天からの大雨が降り注いでいたが
ハウのアブリボンは窓から外に飛び出すと まるで濡れるのが嬉しいかのように
ご機嫌に飛び回り また家の中に戻ってきた
ハウ「アハハー アブリボン楽しそう!」
ハラ「これこれ ちゃんと身体をふいてやらないと! 風邪をひいたら大変ですからな」
ハウ「そだねー でもじいちゃん こんな雨じゃ カプ・コケコも大変だねー?
どっかで雨宿りでもしてるのかなー?」
ハラ「さて…どうかな?」
クラスメート達が それぞれ雨の日の1日を過ごす中
サトシとセレナの2人は…
セ「……ごめんねサトシ チェックメイト!」
サ「ああっ!!? とほほ……また負けた…」
サトシとセレナはすることもなくなり しょうがないので戸棚に入っていた
ポケモンチェスをつかって2人で遊ぶことにしたのだ
ロ「これでセレナの3連勝ロト! サトシは無意味に駒を動かしすぎるロト!
だいたい守るべき『キング』のこまを無鉄砲に突き進ませるなんて無謀すぎるロト!」
サ「だって… 攻撃は最大の防御って言うじゃん!」
ロ「それとこれとは別問題ロト!」
その後サトシが「もう1回だ!」とセレナに再戦を挑んだものの
無計画に駒を動かすサトシと 戦略をしっかりたてて駒を動かすセレナとでは
まるで勝負にならなかった
サ「つえええぇぇ…… セレナってチェス得意だったのかぁ…」
セ「えっと… そんなに得意ってわけでもないんだけど…」
まさかサトシにチェスで5連勝もするとは思ってなかったセレナは
ちょっぴり申し訳なさそうに言った
ロ「サトシの戦略が単純すぎるだけロト! ポケモンバトルじゃ
僕でもビックリするような すごい作戦を思いついたりするのに
どうしてそれがチェスだと発揮できないロト?」
サ「…俺にもわかりましぇん」
若干落ち込み気味のサトシを見て セレナは少しやりすぎたかな…と反省した
というか別に反省する必要はないと思うのだが…
セ「じゃあサトシ! 次はオセロで勝負しない?」
サ「よし! オセロなら負けないぜ!!」
それから数分後
サ「……………」
サトシは自分の駒の色と同じように真っ白になって固まっていた
セ「………ごめん もうちょっと手加減したほうがよかったかな?」
セレナがまた申し訳なさそうに誤る 何故なら…
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目の前のオセロ盤はヤミカラスのように真っ黒になっていた
ロ「…盤上の全ての駒が同じ色一色で埋まるなんてはじめてみたロト」
パシャッ パシャッ
そのあまりにも珍しい光景にロトムはカメラのシャッターを切りまくった
サ「………俺 こんなにオセロ下手だったっけ…?」
ピ「ピ~カァ……」
落ち込むサトシにピカチュウがポンと背中を叩いて慰めた
そしてその後はセレナの提案で トランプで遊ぶことになり
ロトムやポケモン達も参加した
サ「くそー 誰だよハートの6止めてる奴は~!」
まずはトランプの定番「7並べ」が始まった
ロ「次はサトシの番ロト! どうするロト?」
サ「くっ………パス!」
ロ「サトシはパス4回目ロト! よってサトシの負けロト~!」
サ「くっそぉ~!!」
ロ「……じゃあそろそろ解禁しちゃうロト」
といってロトムはハートの6を置いたのだった
サ「お前かあああぁぁぁ!!」
続いてのゲームは神経衰弱 これもトランプでやる遊びの定番である
サ「え~と… ハートの3がそこにあって その隣がスペードの2… いや3だっけ?
んでもってダイヤの8が…」
テ「テナ!!」
サ「ああっ! 俺が唯一覚えてたハートの3が…」
狙っていた札をテールナーに取られてしまい悔しがるサトシ
セ「サトシ そんな声に出してたらみんなに丸聞こえだよ?」
ロ「今のところ サトシが2枚 セレナが6枚 僕が8枚 テールナーが6枚
現在僕がトップロト! ………パシャ!」
サ「ってお前! 写真取るのズルくねーか!!?」
サ「うむむむむむむむむむむむっ!」
サトシは普段なかなか見せないような集中した顔で
セレナの持つ2枚のカードを見つめていた
セ「サ…サトシ 力入りすぎじゃない?」
彼らが今やっているのは「ババぬき」だ そして他のみんなは先にあがり
残すはサトシとセレナの一騎打ちとなっていた
サトシのカードは1枚 セレナが2枚 つまりサトシが
数字のカードを選べばサトシの勝ちとなるのだ
セ「(うううっ///……サトシがすごい顔で私のこと見てるよぉ…///)」
ここまでサトシにジッと見つめられることも滅多にないせいか
セレナの顔はいつも以上により赤く染まっていた
サ「………よし! こっちだあああぁぁ!!」
サトシは勢いよくセレナの持っていたカードの1枚を抜いた
彼が選んだのは数字のカードだった よってセレナの手元にジョーカーが残り
この勝負はセレナの負けとなった
サ「よっしゃああああああぁぁぁ!! 勝った! 俺は勝ったんだあああぁぁ!!」
外では先ほどから雷が鳴り出したのだが それにも負けない大声でサトシは叫んだ
ロ「サトシ 1回勝ったくらいで大げさロト」
サ「だって俺全然勝てなかったじゃん! やっと勝てたんだから そりゃ嬉しいさ!」
ゲームをする時はもちろん その勝利の喜びまでゼンリョクで表現するサトシ
かつての旅仲間からすれば「大人気ない」「子供ねぇ」などと言われそうだ
セ「フフッ サトシって本当何にでもゼンリョクなんだね」
しかし彼女は違った それも彼の個性の1つだと理解し 喜ぶ彼の姿を見て
何とも微笑ましそうにしていた
セ「でも何か久しぶりだね サトシとこうやってのんびり遊ぶのって」
バラけたカードを整えながら セレナがそう言った
サ「確かに……旅をしてた頃って あんまりこういうのできなかったもんな?
今日みたいな雨の日で先に進めず ポケモンセンターに滞在することになった時とか
そんな時くらいだったよな?」
改めて自分達の旅を思い出すサトシ 確かに普段はバトルの特訓やら何やらで忙しく
こうやって旅仲間とのんびりした時間を過ごすのは 久しぶりだと感じた
セ「たまにはこういうのもいいね! のんびりみんなとゆっくり過ごすのも」
サ「そうだな! 気分転換にもなるしな!」
と その時 壁にかけられていた時計が正午を告げた
サ「おっ! もうこんな時間か… そういや腹減ってきたな」
セ「すっかり遊んじゃったもんね じゃあ私が何か作るから待ってて」
セレナはトランプを戸棚に戻し 昼食の準備をするため キッチンへ向かおうとした
すると…
サ「いや…セレナ! 今日は俺がやるよ!」
突然のサトシの料理発言にその場にいた全員が驚いた
セ「えっ!? サ…サトシが?」
サ「あぁ! いつもいつも…セレナにばっかり頼ってちゃ悪いし…
たまには俺がやるよ! 大丈夫! 前にもやったこt」
ロ「待つロトーーーーーーーーーーーーッ!!」
ピ「ピカピカッチューーーーーーーーーッ!!」
サトシのセリフは途中で乱入してきたロトムとピカチュウにかき消された
サ「何だよロトム ピカチュウ」
ロ「サトシ 料理って作り方とか知ってるロト?」
サ「いや だからレシピだけロトムに調べてもらって…」
ピィィーーーーーーーーッ!!
ホイッスルを吹いたような音が部屋に響いた
ロ「サトシ それでこの前 悲惨なことになったのを忘れたロト!?」
サ「うぐっ!!」
セ「悲惨なこと!?」
事情を知らないセレナは頭にクエスチョンマークを浮かべていた
ロ「前にククイ博士がいない時にサトシに料理をやらせたことがあるロト!
せっかく僕がレクチャーしたのに 出来上がったのはこの世のものとは思えない
奇奇怪怪とした物になったロト! これがその時の映像ロト!」
ロトムはサトシが料理をしたときの製作過程を録画した映像をセレナに見せた
なお この時はまだ録画する機能が備わっていなかったのだが ロトムが過去の記憶を
映像化して映したようだ
セ「…………………」
そのあまりにずさんなサトシの調理風景にセレナは一言の感想もフォローも言えぬまま
とばっちりを受けたピカチュウに同情した そして同時にサトシが心配にもなった
セ「(私が側にいるときはいいけど… 私がいなくなったらサトシどうなるの!?
もし料理できる人が側にいなかったら サトシの将来が………………いや違う!
サトシのためにも…何としても私がサトシのお嫁さんに……………って
そうじゃないそうじゃない!!/// それも夢だけど今は先にサトシに…)」
セレナは頭の中で1人何やら考え もだえていた
セ「……サトシッ!!」
サ「は…はいっ!?」
突然大声で呼ばれ 驚いたサトシは気をつけの姿勢でセレナに返事した
セ「私が教えるから……料理頑張ろう!」
サ「へっ!?」
ロ「ロトォォォォーーーーーーーーッ!?」
セレナの発言にロトムが絶叫し 画面には理解不能を意味する顔アイコンが表示された
セ「最後まで諦めるな! 私がサトシから教えてもらった大切な言葉…
だからサトシも諦めちゃダメ! 私が教えるから 一緒に料理頑張ろう! ね?」
サ「あ………あぁ! セレナが教えてくれるなら俺も心強いよ!」
ロ「大丈夫ロトォ?」
ピ「ピ~カ…」
心配そうなロトムをよそに サトシもエプロンをつけてキッチンに立った
ロ「えー それじゃ改めて製作工程を説明して行くロト! まずは材料を…」
サ「おう! 用意したぜ!!」
サトシは冷蔵庫にあったと思われる野菜を全部取り出し お皿に乗せていた
セ「ピィィーーーーーッ!!」
すかさずセレナは首からぶら下げていたホイッスルを吹いてサトシを静止させた
セ「もぉ~サトシ! そんなたくさん用意したって全部食べきれるわけないでしょ!?」
まぁサトシなら食べきれなくもないが…とも思ったのは内緒の話にしておこう
セ「料理はあるもの全部使えばいいってもんじゃないんだからね!
使う野菜を使う量だけ取らなきゃ!」
サ「はい…」
そして材料も無事選別が終わり いよいよ次は野菜を切る作業だ
サ「よーし! 切るのなら俺でも…」
ピ「ピィィーーーーーーッ!!」
またもやセレナの静止ホイッスルが響いた
セ「サトシ野菜の切り方知ってるの? 適当に切ればいいってもんじゃないのよ!
大きさによって 火の通る時間にも違いが出てくるんだから」
ロ「さすがセレナロト! これなら少し安心できるロト」
サ「………って お前が教えてくれた時 そんなこと一言も…」
ロ「さぁ続きをやっていくロト! セレナ 野菜の切り方よロトしく!」
ロトムは誤魔化すように セレナに話題をふった
セ「いい? 野菜を抑える時 手は指先を猫の手みたいに少し曲げるのよ!
指をピンと伸ばしたままだと 指を切っちゃうからね! それと野菜を抑える手は
力をいれず そっと抑えるだけよ! 力を入れると うっかり滑らせて危ないからね
それと 切るときは真上から真下に切るんじゃなくて 必ず手前に引くか
向うに押すかしながら切るのよ!」
サ「えっ!? 真上から切るんじゃダメなのか?」
セ「うん! 野菜とか魚って細かい繊維が走ってるでしょ? 野菜なんか特にそうだけど
繊維が丈夫でしっかりしてるから この繊維の抵抗が包丁に負担をかけて
うまく切れなくなるの だからどっしりと安定した力を加えるためにも
向こうに押し切るように切ったほうがいいの」
サ「へぇ~ 野菜1つ切るのにもけっこうコツがいるんだな~」
サトシはセレナに教えられるままに野菜をうまく切っていった
セレナはちゃんと そうする理由まで加えて丁寧な教え方をしてくれるので
サトシも疑問を抱くことなく それを知識として脳に学習することができる
ロ「確かにサトシなら力任せに押さえ 力任せに切ろうとするはずロト」
サトシの性格を知ったうえでの適切な指導だったとロトムは思った
サ「おほぉ~ スゲーさくさく切れる! やっぱセレナの教え方は上手いな~」
セ「エヘヘ// そ…そうかな?//」
サトシにほめられ頬を赤くするセレナだったが 次の瞬間慌ててセレナは驚き
ホイッスルを鳴らした
セ「サトシ! 切りすぎ切りすぎ!! そんなにたくさん切ってどうすんのよ!?」
サ「あ……悪ぃ うまく切れるようになってきて だんだん楽しくなってきちゃって…」
サトシの手元には本来必要だったキュウリの3倍の量のキュウリが薄切りされていた
セ「…まぁいっか 残った分は酢の物にでもすればいいし」
ロ「さぁ次はフランベするロト!」
切った食材を箸で混ぜながらフライパンで炒めていたところ ロトムがそう提案してきた
サ「フラベベ? 俺持ってないんだよな~ セレナ フラベベ持ってるか?」
サトシが料理の知識がないのは知っていたセレナだが 指導するはずのロトムの説明も
大雑把でわりといい加減だったことに今気づいた
そんなコンビが料理に挑んだところで きちんとした料理などできるはずがない
セ「フランベってのは アルコール度数の高いお酒をフライパンに落として
一気にアルコール分を飛ばす調理法のことよ! これをやると香りがつくから
料理の味が一気によくなるの」
サ「な~んだフラベベじゃなかったのか…ハハハ」
サトシは照れ臭そうに頭をかきながら苦笑いし そんな表情のサトシを見て
「可愛い」と思ってしまったセレナだった
サ「あれ? それってつまりお酒を入れるんだよな? 俺…酒なんて飲んだことないけど
大丈夫なのかセレナ? ………セレナ?」
セ「…はっ! ごめんごめん うん大丈夫よ! さっきも言ったけどアルコールは
フラベベすれば飛んじゃうから!」
サ「……フランベだろ?」
セ「はっ!///」
サトシのせいかどうかは不明だが ついフラベベと言ってしまったことに
セレナの顔は真っ赤になった そんなセレナを見てサトシは楽しそうに笑っていた
フ「じゃ……じゃあ落とすよサトシ 炎があがるから のぞきこんだりしないでね」
サ「おう! いつでも来い!!」
セレナはブランデーの蓋を開けると フライパンの中にブランデーを落とした
すると次の瞬間ゴォォォと真っ赤な炎がサトシと同じ背の高さくらいまで燃え上がった
サ「うおぉぉぉぉ!! フラベベのチカラってスゲーーーーーーッ!!」
ロ「フランベロト」
こうしてセレナの指導の下 ようやく昼食の野菜炒めが完成した
ちなみにセレナはそれだけじゃ物足りないだろうということで
残っている野菜で手際よくスープをつくり お皿にもりつけた
セ「さすがセレナロト! 料理に全く無駄がないロト!」
出来上がった料理の写真をロトムはパシャリと撮影した
サ「ご馳走様ー! あーやっぱセレナの料理は最高だよ! お腹いっぱい!」
サトシは満足そうに ちょっぴり大きく膨らんだおなかをさすりながら言った
セ「サトシの野菜炒めも美味しくできてたよ! ロトム ちゃんと写真撮ってくれた?」
ロ「バッチリロト! しかしセレナが教えるだけで全然違ったロトね
これがとても同じ材料をつかった料理とは思えないロト」
ロトムの画面の左側には今日の料理 右側にはこの前の悲惨な料理が映し出され
サトシもセレナも苦笑いするしかなかった
さて 食事も片付けも無事に終わり 時刻は午後2時をまわったところだ
外は相変わらず どしゃぶりの大雨で お腹がいっぱいになったからなのか
ピカチュウやテールナー達もソファにもたれかかってスヤスヤと眠ってしまった
サ「みんな寝ちゃったかー」
セ「うん ポケモンコンテストが近いから 特訓続きで無理させちゃったからね…
ごめんねみんな 今日はゆっくり休んでね」
セレナは眠っているテールナー達にそっとふとんをかけた
ザ「ザグザグー!」
セレナのポケモン達の中でゆいいつまだ元気なのが ジグザグマだった
ジグザグマはかまってほしいのか セレナの周りをグルグルと回った
サ「元気だなジグザグマは」
セ「うん! この子は本当いつでも元気いっぱいなのよね?」
ザ「ザグ!」
ジグザグマはセレナに抱きかかえられると 嬉しそうに鳴いた
ロ「ジグザグマ まめだぬきポケモン ノーマルタイプ
好奇心旺盛なポケモン 何にでも興味を持つので いつもジグザグに歩いている
背中の硬い毛を樹木にこすりつけ 自分の縄張りである印をつける」
セ「私がホウエンに着いた最初の日に 森を歩いてた時に出会ったの
野生ポケモンとケンカしたみたいで 足に怪我をしていたのよ
それで最初は警戒されてたんだけど 私がポフレをあげたら喜んでくれて
そのままポケモンセンターに連れて行ってあげたの そしたら仲良くなって
それで一緒に行こうって誘ったら 喜んでボールに入ってくれたの」
サ「セレナの優しさが伝わったんだな よかったなジグザグマ セレナと会えて」
ザ「ザグッ!」
サトシが頭を撫でるとジグザグマは嬉しそうに鳴き すると突然走り出して
キッチンの方へ行き そこで何かを見つけ それを加えるとサトシのもとに戻ってきた
サ「へ? くれるのか俺に?」
ザ「ザグ!」
ジグザグマが加えていたのはオレンの実だった 恐らくキッチンのかごの中に
積んであったものだろう
セ「この子 どこかへ飛び出して行ったかと思うと こうして木の実とかを拾って
持って帰ってきて私に見せてくれるのよ!
前に誰かの財布を拾ってきちゃったことがあって その時はビックリしたけどね」
ロ「ジグザグマの特性は『ものひろい』ロト! ジグザグマはこうやって時々
いろいろなアイテムや木の実を拾ってくることがあるロト」
セ「テールナー達が毒やマヒになった時も すぐモモンの実やクラボの実を
探してきてくれて 本当に助かったわ」
サ「そっかー ありがとなジグザグマ セレナのこと助けてくれて」
サトシはお礼もこめてジグザグマの頭を撫でた
セ「うん 本当ジグザグマには慰めてもらったっけ…」
サ「慰めてもらった?」
セレナの言った言葉の意味が分からず サトシはセレナに尋ねた
セ「………私ね ホウエンに着いてから しばらくの間
夜寝る時になると……………………ずっと……泣いてたの」
セレナの突然の告白にサトシは目を見開いて驚いた
セ「今まではサトシやシトロン ユリーカと一緒に旅してたから…
その時の旅がとても楽しくて… その時のことを思い出すと…
『あぁ もう自分は1人なんだな』って思えてきちゃって…」
サ「………」
セ「……そんな時 この子がそんな私の気持ちを知ってか知らないでか
そばに来てくれて 甘えてくれて… それがとっても嬉しかった
何か…この子が慰めてくれてるみたいで すっごく嬉しかったの」
サ「そうか……やっぱりセレナもそうだったんだな」
セ「うん…………………!? セレナもって……まさか サトシも?」
セレナはサトシの言葉にひっかかり サトシに尋ね返した」
サ「…………はじめてだったんだ」
サトシは話すべきかどうか迷っていたが セレナには全て話すことにしたようだ
サ「旅を終えて家について… いつもだったら俺 すぐ次の旅に向かう準備とかして
次の冒険のことを考えてたんだけど… でも………カロスから帰って来た後は…
すぐに旅に出ようって気になれなかったんだ」
前にイッシュから戻った時は すぐさまカロスへと旅立ったサトシ
これまでも彼は前の旅が終わっても すぐ次の旅をはじめようとしていた
しかしカロスから帰ったサトシは違った 次の旅のことを考えず
自分の部屋のベッドで横になり 物思いにふけることが多かったのだ
その様子に母のハナコも何かを感じ取っていた
サ「オーキド研究所に預けている仲間にももちろん会いに行ったり
そこでバトルの特訓をしたりもしたけど それ以外の時間はほとんど家にいて
自分の部屋でぼんやりすることが多かったんだ だからピカチュウにも…
だいぶ心配をかけたなって思う」
ソファの上で丸くなってスヤスヤ眠るピカチュウを見ながらサトシは言った
そして正面に座っているセレナも驚いていた いつだって前向きで 明るくて
夢に向かって突き進むサトシが 家でぼんやりしている姿が想像できなかった
サ「そんな時 ママがよく俺に聞くんだ 『カロスで何かあったのか?』ってね
もちろん俺 ママにカロスで出会った仲間のこと 冒険のこと ポケモンのこと
いっぱいいっぱい話をしたけど… ただ………… 『あの事』だけは…
ママにも話せずにいたんだ」
セ「あの事?」
サ「あぁ………………空港で別れる時の……………セレナが俺に…してくれた事…」
セ「!!///」
サトシの一言でセレナは顔が真っ赤になった
ロ「ビビッ? セレナはサトシに何をしたロト?」
知らないが故にロトムは純粋に尋ねただけなのだろう ムーランドの時もそうだったが
まぁこれを事情を知るものが見れば「聞くな!」と辛辣な言葉を返すことだろう
サ「あの時の事が… ずっと頭から離れなかったんだ たった数秒のことだったのに…
それが俺の中じゃ… いつまでも忘れられなくてさ」
サトシも少しは理解しているのだろう あの時のセレナのとった行動の意味を
その証拠に いつも元気にはきはきと話すサトシの声は
そのいつもの声とは明らかに違った 彼の話し方… 言葉には… いささかの照れ臭さが
感じられた
セ「………………ごめんサトシ」
サ「え?」
サトシは下を向いたまま話していたが 突如聞こえた彼女の震えるような声に
思わず顔を上げた
セ「グスッ…………私のせいだよね? 私が………グスッ……あんな事したから………」
顔を上げたサトシは驚いた 力のないか細い声もそうだが 彼女は………泣いていた
セ「結局私は……サトシの力になるどころか……グスッ……邪魔になっただけだった…
サトシはずっと……グスッ………私のこと応援…し続けてくれたのに……グスッ……
私………私………最低だよ……グスッ」
彼女の目からは大粒の涙が零れ落ちていた そして彼女は心の中で考えていた
やっぱり自分はここに来るべきではなかったのかと…
明日にでもホウエンに戻って また1人で旅を続けたほうがいいのではないかと…
自分がいるだけで 彼の夢の邪魔になってしまうのではないかと…
それなら… 私はもう2度と… 彼の前に現れないほうがいいのではないかと…
彼女はほぼ心を決めていた それがどんなに悲しいことだったとしても
彼の夢の妨げになるくらいなら… 自分は…
サ「……何でそんな事言うんだよ」
サトシが発した言葉には いつもの彼からは想像もつかないほどの……
怒りの念がこめられていた
サ「俺がいつそんな事言ったんだ… セレナがいたら俺の邪魔になるって……
そんな事 いつ俺が言ったんだよ!!」
サトシの怒鳴る声に 寝ていたピカチュウ達も目を覚まし 飛び起きた
サ「俺……セレナに感謝することは山ほどあっても 邪魔だ! いなくなってほしい!
そんなふうに感じたことなんか一度だってない!!」
サトシが怒った顔は見たことないわけじゃない カロスを旅した時でも
ポケモンを傷つける者 旅仲間を傷つける者がいた時は 彼は真剣になって怒った
普段とは違う迫力に驚かされたものの それは彼がそれだけポケモンや自分達のことを
大切に想ってくれているかを証明するものでもあった
でも今は違う 彼の今の怒りの矛先は………セレナだ
サ「俺はセレナからたくさんの物をもらった… 料理とかお菓子とかだけじゃない!
俺が挫けそうな時 心が折れかけた時はいつだって……セレナが俺を励ましてくれた
だから俺 そんなセレナの想いを無駄にしたくなくて どんな辛い状況に追い込まれても
絶対諦めなかった……いや 諦めたくなかった! セレナを裏切るような真似だけは…
死んでもしたくなかったんだ!」
そんな彼の言葉が 呆然となりながらもセレナの耳に届いた
そして次の瞬間には サトシの表情は怒りの表情から いつも彼がセレナに向ける
あのいつもの優しい顔に戻っていた
サ「それに……最低なのは俺の方だよ」
セ「えっ!?」
サ「…………本当は感じてたんだ いつの頃からだったかは思い出せないけど…でも
セレナがずっと俺を見てくれていたことも ただの旅仲間だからという理由で
見守り続けてきてくれたわけじゃないってことも………………… だからっ!!」
ピ「ピカ!?」
テ「テナ!?」
次の瞬間 周りにいたピカチュウ達は一瞬目を疑った
サ「あの時……別れの間際に お前が俺にしてくれたこと……… すごく………嬉しかったよ」
あのサトシが かつての旅仲間だから鈍感だの朴念仁だのポケモン馬鹿だのと
ののしられてきた あのサトシが… 自分からセレナを両腕で優しく抱きしめたのだ
サ「でも俺……自信がなかったんだ… 答えを知ってても それを確かめる自信が…
俺にはなかったんだ もしかしたら違うのかもしれない 俺のただ1人の勝手な妄想で
俺がただ1人勘違いして舞い上がってるだけなのかもしれない… そう思うと俺…」
セ「…………………バカッ」
サ「えっ!?」
セ「…………サトシのバカッ!!」
次の瞬間 セレナは両腕でサトシを突き放した
サ「…………セレナ」
さっきとは逆で 今度はセレナが今まで見せたことのないような怒りを前面に表していた
下を向いていたので表情までは分からないが そのくらいの想像はつく
サ「(あぁ……やっぱりそうなんだ… もしかしたらセレナは俺を………なんて
自分に調子のいい事を考えていた報いを 俺は今受けたんだ……)」
サトシは今自分がとった行動を悔やんだ セレナに嫌われてしまった…
だがそれもしかたがない
サ「(これでもう 俺達は一緒に暮らすことも 一緒に夢を追いかけることも…)」
セ「みくびらないでよ!!」
セレナの怒号が部屋に響き渡った
セ「勝手な妄想!? 勘違い!? ………バカにしないで!!」
セレナは顔を上げてサトシを見つめた 目にはまだ涙が浮かんだままだった
セ「私の想いは………… 私がずっと暖めてきたこの想いは…………
そんなものなんかじゃない!!」
サ「セ………セレナ!?」
セ「………妄想だったら………勘違いだったら………………あんな事しない!!
私………………………………好きでもない人に 一生に一度のファーストキスを
授けたりなんかしない!!」
その言葉の後 しばらく沈黙が続いた お互いどう話せばいいのか
次の言葉が出てこなかったのだ
セ「…………きなんだもん」
サ「えっ?」
セ「…………………………好きなんだもん!!/// 私はサトシが…………… 初めて会った
あの日からずっと……ずっと…………私は……………………………私は…この世界の誰よりも
サトシのことが大好きだからっ!!///」
サ「セ… セレナ………///」
目に涙を浮かべ 自らの想いを告げたセレナ
一方 想いを告げられたサトシは 頬を赤くそめ 目を見開いて彼女を見ていた
セ「……何事にもゼンリョクで挑むサトシが好き//
ポケモンと一緒にがんばるサトシが好き//
ちょっぴり無鉄砲だけど 仲間思いで いつも私達のことを考えてくれるサトシが好き//
私が泣いてる時に一緒に泣いてくれて 悩んでる時に一緒に考えてくれるサトシが好き//
そんな誰よりも優しくて… 誰よりもカッコイイサトシが……私は………大好き!///」
サ「本当に…」
どれくらい沈黙が続いたのか もはや誰にも分からない
だが彼はようやくその口を開いた
サ「セレナは本当に………………俺のこと見てくれてたんだな」
次の瞬間には もうセレナはサトシの両腕に包まれていた
「考えるよりはまず行動してみる」
かつてセレナにそう教えたサトシは それをまさに自分で実行にうつした
さっきよりも力強く そして優しく……両手でセレナの身体を抱きしめた
サ「………こういう時 本当はすごく気のきいた格好良い事言うべきなんだろうけど…
俺……そういうの考えるの本当苦手だから……だから………
パッと最初に思った事 お前に伝えたい!」
サトシは一呼吸置くと 正面からセレナの顔を見て 言った
サ「……………………ありがとなセレナ! 俺…スッゲー嬉しい!
お前に嫌われてないってわかって俺… すごくホッとした」
それはサトシらしい シンプルイズベストな答えだった
でもセレナにとって それ以上の答えなんて求めていなかった
セ「……嫌いになんかなれないよ このアローラで再会した時…言ったよね?
サトシの笑顔が…励ましてくれる声が…暖かいその気持ちが… サトシの全部が………
私は………大好き!! ずっと…ずっと伝えたかった 私のこの想い… 全部…
全部あなたに…」
次の瞬間 セレナもサトシを抱きしめる手に力をこめた
セ「……でもサトシ 私……まだ あなたの口から聞いてない」
サ「えっ!?」
セ「1番………あなたの口から聞きたかった言葉を…」
サ「…………あぁ そうだったな」
サトシはニカッと笑みを浮かべた後 深呼吸して心を落ち着かせた
サ「長い間………待たせてしまってごめんな 俺も……やっと自分ではっきりと
分かったよ! 俺は…」
そこで少し恥ずかしげに言葉を止めるサトシ だが臆してなどいられなかった
想いを告げてくれた彼女に対し 自分の正直な気持ちを伝えねば…
サ「俺は………………………セレナ!! お前が……………………………………好きなんだ」
そしてカロスでのお返しと言わんばかりに 自らの唇を最愛の相手の唇とつなげた
それを見ていたピカチュウとテールナーは あの時のように顔を真っ赤にして
両手で顔を覆った
セ「…………//」
サ「……嫌だったか?」
セ「………バカ// 嫌なわけ……ないじゃない//」
セレナは目に涙を浮かべたまま サトシの胸に顔をうずめた
どんなものにも変えられない 人生で1番幸せそうな笑顔を浮かべながら…
セ「私の想い…………やっと あなたに届いたんだね…」
サ「あぁ……確かに受け取った ありがとうセレナ…………そして………ごめんな
本当に……長い間待たせちまって……」
サトシは彼女を抱きしめる両腕に力を込めた
まるで もう誰にも彼女を渡したくないという気持ちを表すかのように…
サ「ただ……セレナ 1つだけ頼みがあるんだ」
セ「頼み?」
サトシはセレナの両肩を掴んだまま 少し距離を置き 彼女の目を見て言った
サ「…………俺バカだからさ そのことには気づけても……まだ色々
本当なら気づいてなきゃいけないこととか これからのこととか
分かってないことが多いんだ そのせいでもしかしたら この先お前のこと…
悲しませてしまうかもしれない だから………時間がほしい」
セ「………」
サ「俺…お前のこと 本当に幸せにできる男になりたい! そのためにも俺…
これから学ばなきゃいけないことがたくさんあると思うんだ!
それに…………いつかは俺も ポケモンスクールのみんなと別れて
カントーに戻る日が来る… だから…………」
サトシは一呼吸おき 話を続けた
サ「その時までに俺……必ずお前のそばにいて恥ずかしくない男になる!
ポケモンマスターになる夢はもちろん! 俺のもう1つの夢のために!
だからそれまで…………待っててくれるかセレナ?」
サトシは少しばかり不安を抱きながらセレナに尋ねた
今日までずっと長い間待たせてしまったにも関わらず さらに待ってほしい
そんなこと言われ 普通の女性なら呆れるか 最悪愛想を尽かすことだろう
セ「………言われなくたって」
だがセレナは呆れることも愛想を尽かすこともなく いつもの笑顔で返事を返した
セ「私だって…学ばなきゃいけないことはいっぱいあるの!
ポケモンコンテストはもちろん パフォーマーとしての腕をもっともっとあげて
カロスクイーンにまでのぼりつめたい! だってそうしなくちゃ…」
セレナはちょっぴり頬を赤らめ そして小さい声で囁いた
セ「…………未来のポケモンマスターの隣に立てる女性に なれないと思うから//」
サ「セレナ…//」
セ「だから…………待ってるよ私! ずっと……ずっと待ってる! でも その代わり…
これからも……側にいていいんだよね? サトシのこと…応援して…いいんだよね?」
サ「当たり前じゃん! むしろセレナがいなくなったら 俺はゼンリョクで泣きながら
アローラの海に飛び込むからな!!」
セ「………サトシならそれでも無事そうだけどね」
サ「うぉい!!」
セ「…フフッ ごめんごめん//」
サ「…ったく//」
ピ「ピカピ!」
テ「テーナ!」
それまで遠慮して周りで見守っていたピカチュウ達が
いっせいにサトシ達に飛びついてきた
2人が夢の第一歩を踏みしめられたことを みんな喜んでくれているようだ
ロ「ビビッ 今のやりとりはぜ~~~~~んぶ保存したロト!」
ロトムの画面には保存完了のマークが浮かび上がった
ロ「もし今後2人がケンカして別れそうになっても この映像をアローラ全土に放送して
みんなに協力してもらってケンカを止めるから安心するロト!」
サ「げっ!! それ何の公開処刑だよ!?」
セ「そんなことされたらもう2度と表歩けないよぉぉぉ!!」
ロ「じゃあケンカしなければいいだけのことロト! まぁ2人が今後
別れるレベルまで発展するようなケンカをする確立は0.01%以下ロト!」
サ「…わぁーってるよ! するわけないじゃん!」
セ「うん! サトシとは…ず~~っと仲良しでいたいもん!」
2人は笑いあった 今の幸せをその身に感じて幸せいっぱいの笑顔を浮かべた
この後に訪れる悲劇も知らずに…
サ「あっ! なぁセレナ… こういうのってやっぱ………みんなには…その……
ちゃんと………言うべきなの…かな?」
セ「えっ!?/// あ………うん 普通は……そう…だよね?/// 恥ずかしいけど…」
ロ「その心配はないロトよ」
サ「へっ?」
セ「何で?」
ロ「だってもう手遅れロト!」
そういってロトムはチラッと窓の方を見て 2人もつられるように窓の外を見た
そして……………2人は真っ白になり石の様に固まってしまった
リ「すすす…す…すいません! けけけ…決してそんなつもりじゃなかったんですが」
ス「マオちゃんが面白そうだからこのまま見てようなんて言うから…」
窓の外にいたのは リーリエ スイレン マオ カキ マーマネ ミヅキ ハウ
見事にクラスメート全員が集合していた そして気がつけば いつの間にか雨もやみ
外は普段と変わらない晴れ晴れとした青空が広がっていた
マオ「いやぁ~ハハハ… 雨もようやくあがってお店も今日はお休みにしたから
みんなでサトシんとこでも遊びに行こうと思って玄関あけたら…」
サ&セ「ど………どこから!!?///」
ミ「えっと……サトシ君がセっちゃんに怒鳴ったところくらいから…」
カ「今入ったら空気がまずくなると思って遠慮しただけだ!
島の守り神カプ・コケコに誓って 決して覗いていたわけじゃないからな!!」
マー「っていうか 呼び鈴まで押したんだから 反応しないそっちにも非あるよね?」
ハ「サトシー セレナー よかったねー これからずっと一緒だねー♪」
ハウは意味が分かっていっているのかどうか分からない分
ある意味1番タチが悪いのかもしれない
サ&セ「……………プシュー///」
2人はそのまま抱き合うように気絶してしまい そんな2人を見てみんなは笑い
心から2人のことを祝福してまわったという
マオ「セレナー うちの食堂の近くにおすすめの教会があるんだけどー」
ス「ハネムーンで海の旅をするならうちのライドポケモン使っていいよー」
その日以降 マオやスイレンがセレナをいじるネタが増え
セレナはそのたびに顔を真っ赤にしたという
ク「おーい あんまりセレナをいじめるんじゃねーぞ?」
そういうククイ博士もいつも以上にニヤニヤした顔をしていたと後にセレナは語る
TO BE CONTENUDE
~次回予告~
今日のポケモンスクールの授業はポケベースだ!
俺達はこの前にもやったことあったけど ミヅキ セレナ ハウにとっては
初めて挑戦するポケベースとなる!
不安かセレナ? 大丈夫だって! お前ならポケベースでも活躍できるさ!
だから最後まであきらめるなセレナ! 俺はお前の事応援してるからな!!
次回 ポケットモンスター サン&ムーン ~出会えてよかった~
【激闘!? 超ハチャメチャポケベース!!】
みんなもポケモン ゲットだぜ!!
~ポケ問題 答え~
ク「よーし! それじゃ正解の発表だ! 答えは【C:麻雀】だ!
まぁサトシやセレナに麻雀はまだ早いから当然っちゃ当然だな!」
サ「俺 麻雀ってのはやったことないから ルールもわかんないし…
セ「麻雀って 何か大人がやってるイメージだし…」
ク「そうだな! お前らにはまだまだ早いってことだ!
ってことで 俺はちょっと研究仲間と麻雀する約束があるから行ってくるぜ!」
~2時間後~
ク「…………帰ったぞ」
サ「おかえりなさ……!?」
ク「…………今日はもう寝る」
セ「ククイ博士… 何かすごく落ち込んでるような…」
ク「………あそこで国士無双さえ来なけりゃ…」
サ「コクシムソー!? それって新しいポケモンですか!?」
セ「サトシ とりあえずそっとしとこう…」