いや、けっこうです   作:マッキンガムⅡ

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恋を知らない私が恋愛を書こうというのは、中々に無謀だと思う。



ホワイトデーはこの場合、どうなるんだろう?

2月某日 天気:洒落に生きなしゃれ

 

 

 とうとうこの日がやってきてしまった。今まで幾数多の男たちが沈み或いは浮かれ、女たちは意中の男性を落とさんとする男女共通の盛り上がる日…そう、バレンタインデーである――――――――とはいったのものの、特に関係ない自分は普段通りにアルバイト(最近は就職を打診されている)を頑張っていた。

 

アイドル達にとってもやはりバレンタインデーとは盛り上がる一大イベントらしく、346プロダクション内に設置されているキッチンではアイドル達が思い思いにチョコを作る光景があった。個人的に可愛らしいと思ったのが凛ちゃんや加蓮ちゃんで、何とも可愛らしい隠し味をチョコに込めていた。

 

 

 

 

(愛情注入っていうと…こうかな?)

 

(愛情…愛情注入…こういうのとか?流石に恥ずかしいけど、偶には素直になってもいいよね)

 

 

 

 

チョコをギュッとする仕草やチョコにキスをする仕草はかなり可愛かった。ちなみに自分は何をしていたかというと、年少アイドル達のチョコ作りを補佐していた。

そのチョコ作りの監督はまゆちゃんがしており、微笑ましく他のアイドル達を見守っていたその姿は女神と言っても差し支えないぐらい美しかった覚えがある。(なんか本命チョコを作っているときのまゆちゃんは修羅にも勝る勢いがあったが)

 

 

 自分もぴにゃこら太専用に作っておいたエプロンを装備してから、普段お世話になっている方々に何種類か作っておいた。こどもたちには甘目のチョコを、大人組にはお酒が入ったチョコを作り包装まで行った。

料理が出来ない男はモテない!と母親から厳しく躾けられた結果として一通りの料理は出来る様になり、実家にいたころは料理当番を週に3回ほどしていた。

 

お陰様で一人暮らしになってからも自炊できているから助かっているが、友人たちからはお前の料理喰わせてと材料を持ち込まれて料理することになることも偶にある。

 

 

 それはさておき。バレンタインデー当日、ぴにゃこら太装備で346プロダクションを移動して関係各所の方々に手作りのチョコを配り歩いた。概ね好評であったのだが、何故かチョコを食べたとたん『負けた…』と項垂れる方々がいた。特に変なものは入れていないはずであるし、材料も市販のものを使用しているから特別な味がするというわけでもない…うーん、なんでだろうか。女子力がどうとかいっていたが、私は男だから関係ないだろう。

 

 

 折角なので弟子にもチョコを配っておこうと思い気配を探ると、屋上にいるらしい事が判った。レッスンの合間にも屋上で鍛錬でもしているのかと感心していると、屋上から城ヶ崎美嘉ちゃんが上機嫌で階段を下りてきていたのでチョコをプレゼントしてから屋上へと向かうと、そこには何故か心底ほっとしている様子の弟子がいた。いったい何があったのか。

 

 

 

「し、師匠に気配殺しの方法と隠れ身の術をしっかり習っておいてよかったです、本当に」

 

 

 

……いったい何があったのだろうか。

平和な屋上にてまるで見てはならないものを見てしまったかのような安堵感を滲ませる弟子に対して、知りたいとも思ったが知らぬが仏かと思い直してそのまま日頃の労をねぎらう為にチョコをプレゼントした。

 

 

 

すると今度は、弟子は何故か顔を真っ赤にして、

 

「え、これって、師匠、あのその…ちゃんとしたチョコですか?」

 

といってきた。もちろん自信作だぞと伝えるとか細い声で有難うございます、と頬を赤らめながらお礼を言われた。

やはりお礼を言われると気持ちがいいのものである。

 




スパロボVのレナードがかっこよすぎる、そしてネバンリンナが可愛すぎる。
死んでからの転生とか形をとって何か書きたいです

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