始動
突然だが、俺は《転生者》だ。
転生の影響で、ところどころ記憶に穴が開いてるけど。元は日本に住む大学生だったのが、諸事情により死亡。
色々あって、神にもう一度生まれ変わらせてもらったのだ。
《転生特典》なるものをもらって。
そこまでは良いんだ。
俺も納得済みだし。
むしろもう一度人生をやり直す機会をくれた神には感謝している。
だけどーーー
街が燃えていた。
骸骨の化物が徘徊していた。
女性が悲鳴を上げていた。
いきなりダークファンタジーとパニック映画が混ざったような場所に落とさなくてもいいと思うんだ!
取り敢えず女性を助けないとっ!
考えると同時に、体が反射的に動く。
戦い方は記憶が抜けていても体が覚えていた。
素早く近くの石を拾い、投石。
女性に斬りかかろうとしていた骸骨の剣を弾く。
その間に疾走、接近。
背負っていた剣で骸骨を両断し、女性を背に庇った。
「ーーーえっ?子ども・・!?」
「動かないで!離れられると守れないから。」
俺は尻もちをついたまま後退りする女性を引き止め、注意した。
敵はまだ山ほどいる。
たいして強くはないとはいえ、この多勢に無勢の状況で勝手に動き回られるとこちらの身も危ない。
さて、どうしようかな。
・・・というか、今この女の人。
俺のこと子供って言ったよな?
どうりで体が軽くてやけに周りが大きく感じると思った。
子供に転生したから、俺の方が小さくなって目線が低くなってたのか。
内心で納得しながら、襲いかかってくる骸骨を斬り伏せる。
それにしても本当にキリがないなぁ。
逃げるしかないか?
でも逃げるの、何でかすごく嫌な気持ちになるんだよなぁ。
戦いながら悩んでいると、すぐ横にいた骸骨の頭が急に吹き飛んだ。
振り返るとそこには指を銃のように構えたさっきの女性が。
「子供にばかり・・!戦わせ、られないわ!!」
涙声で、恐怖に顔を歪ませながら。
それでも女の人は俺の援護をしようと自分を奮い立たせていた。
その姿に胸の内が温かくなる。
俺は自分が今は子供だということを踏まえて、子供らしく振る舞うことにした。
まぁ、前世から子供っぽいってよく言われてたからほぼ素で大丈夫だろ!
「お姉さん!それ何?バンバン凄いね!」
「ひぃ!?こ、これ?これはガンドよ!」
「へぇー。カッコイイ!強いんだ!」
「ま、まあね!」
「ところでお姉さん立てる?もう少し戦いやすい所に移動しようと思うんだけど。」
「あっ!待って!」
俺の提案にお姉さんの顔が焦った表情になる。
どうしたんだろうか?
聞いてみると、腰が抜けて動けないそうだ。
何だ。そうだったのか。
「わかった!それじゃあこのまま援護してもらえる?あの骸骨全部倒しちゃうから。」
「・・置いてかないの?」
「え?何で?」
「だって、足手まといじゃない。」
この人は何を言ってるんだろう?
「全然足手まといなんかじゃないよ。
さっきもガンドで援護してもらって助かったし。
それに例え足手まといになったとしても、俺はお姉さんのこと置いてかないから安心して。」
「っ!!」
あれ?
お姉さんの顔が急に赤くなったぞ。
それになんか涙目になってるような?
お姉さんの様子に疑問を抱きながらも、骸骨が忙しなく襲ってくるので思考を切り替えた。
とにかく、さっさとこの骸骨お化けを退治するとしますか!
「所長!無事ですかっ!」
お姉さんがガンドで敵を撃ち、出来た隙をついて俺がとどめを刺す。
即席にしてはなかなか良いチームワークで立ち回っていると、少しして女の子が2人駆けつけて来た。
「マシュ!お願いっ!」
「はい、マスター!
武装完了ーーーマシュ・キリエライト行きます!!」
大きな盾を構えた子がそのまま突っ込み、敵を弾き飛ばしていく。
どうやら味方みたいだ。
よし、このまま一気に畳み掛けるぞー!
……………………………………………………………………
読んで頂きありがとうございます。
初投稿なので拙い部分が多いと思いますが、どうかご容赦ください。
そして未だ名前すら出ない主人公(笑)