「ーーーはぁ?記憶がないですって?」
「うん。気づいたらここにいたんだ。」
後から来た二人の協力で無事に骸骨達を倒した俺達は、お互いの持つ情報を擦りあわせていた。
最初に襲われていたお姉さんが所長ことオルガマリーさん。
オレンジ色の髪の子が立香ちゃん。
盾を振り回していた子がマシュちゃん。
なんかハイテク機器の向こうにいる男性がロマン。
ペットのフォウくん。
最後に俺が自己紹介する番になったのだが、あいにく俺はこの燃える街に来る以前の今世の記憶がないので素直にそのことを伝えてみた。
前世の話はしないでおいた。
きっと混乱させるだけだろうし。
「この子がサーヴァントであることは間違いないのよね?ロマ二。」
《うん。こっちで見たかぎり少し弱いけど英霊としての反応が出てる。彼は間違いなくサーヴァントだよ!》
「そう・・。」
所長は顎に指をあてて、なにやら難しい顔をしている。
俺はその間にマシュちゃんにサーヴァントとは何か聞いてみた。
そんなことも知らないのかという表情で驚かれたが、マシュちゃんはすぐに俺の疑問に答えてくれた。
簡単にいうと使い魔として召喚された過去の英雄達のことをそう呼ぶらしい。
・・・ん?
ということは今の俺は幽霊ってことか?
しかもこの世界で生きていた時、英雄だったってことになるよな?
この年で英雄とか俺は生前どんなスーパー小学生だったんだ?
「この特異点自体が正史から狂っているし、呼び出されたサーヴァントに異常があってもおかしくはない・・か。」
「?・・俺どこかおかしいの?」
「ッ!・・・いいえ、どこもおかしくないわ。
そういえばまだお礼を言っていなかったわね。
さっきは助けてくれてありがとう。」
《「「っ!!?」」》
「いいよ別に。
困っている人がいたら助けるのは当たり前だし。」
「当たり前、ね。
あなたは優しい子なのね。」
「あの所長が・・・素直にお礼を言った?」
「自分の耳が信じられません。あの所長がっ!」
《まさか・・・開いてしまったのかい?
ショタコンという禁断の扉をーー!!》
「黙りなさいドルオタ。撃ち殺すわよ。」
《あ、はい。スミマセンデシタ。》
「ドクター・・。」
「ロマン弱っ!」
えっ?何これ(冷汗)
途中微妙な空気になりつつも話は纏まり、この特異点の原因を調査することになった。
ロマンの指示に従って俺達は崩れた建物の間を進んでいく。
何回かまたあの骸骨達に襲われたけど、問題なく撃退する事ができた。
けれどーーー
「はぁ・・はぁ・・」
「うぅっ・・もう・・・無理!」
「マシュ!所長!」
度重なる戦闘で、体力とメンタルを削られたマシュちゃんと所長が苦しそうだ。
二人を心配する立香ちゃんも顔色が悪い。
顔には出さないようにしてたけど、俺もかなりしんどかった。
なんかガリガリとHPみたいなのが少しずつ減ってる気がする。
「ねぇロマン!近くに休めそうな場所はない?」
《えっ?えーと・・・あ!学校らしき建物があるよ!燃えてないし、ここが良いんじゃないかな。》
「わかった!そこまで誘導してくれる?
二人ともあと少しだけ頑張って!!
キミも、悪いけど手伝ってもらえる?」
「うん!任せてっ!」
立香ちゃんの提案には俺も大賛成なので快く手伝わせてもらった。
まぁ、マシュちゃんの盾を運びつつ邪魔な敵を倒してただけだけど。
だんだん面倒くさくなって、盾をぶん投げてみたら敵を粉砕した後ブーメランみたいに戻ってきた。
それを見た所長は顔を引きつらせ、ロマンは何やらブツブツと俺の真名を考察し始めた。
マシュちゃんは「その手があったか!」みたいな顔してた。
立香ちゃんは素直に凄いって褒めてくれた。
ーーー嬉しい(照れ)
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最後のマスターの名前は藤丸立香。
公式主人公にふさわしい体力と精神力の持ち主。
性格はお人好しで天然(の予定)。
サーヴァントより体力のあるマスターとは一体何なのか・・。