藤丸立香視点
私達が校舎裏に着くと、敵サーヴァントらしきアーチャーと彼が戦っていた。
宙を翔ける五つの光槍を巧みに操って善戦してるみたい。
「あれは親父の・・!」
キャスターは彼の武器に心当たりがあるみたいで、思わずといった風に呟いた。
でも一転して好戦的な笑みを浮かべると、すぐさま彼の助太刀に入る。
マシュもそれに続いた。
その後は言わずもがな。
彼の光の槍に穿かれ。
キャスターの炎の魔術に焼かれ。
マシュの投げた盾に吹き飛ばされ。
アーチャーはフルボッコされて消滅していった。
「セイバーッ!やつらは危険だっ!!
力になれず、すまないーーー」
消える間際に告げられたその言葉は虚しく戦場に響き。
あまりに一方的な戦いに呆けていた私は、思わず彼の為に涙した。
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喚び出した光槍を虚空に還し、俺は額に浮かんだ汗を腕で拭った。
ふーっ!無事に勝ててよかったっ!!
正直、HP的なのが減りすぎて危なかったんだ。
皆が来てくれて助かったよ。
一人だったら負けてたかも!
「大丈夫?ケガはない?」
心配して声をかけてくれた立香ちゃんに、俺は笑顔で頷く。
「うん、大丈夫だよ。
助けに来てくれてありがとう!」
そして、さっきから気になっていた事を尋ねることにした。
「えっと、立香ちゃん。その人は・・?」
立香ちゃんの後ろに佇む、杖を持った蒼い髪の男の人。
アーチャーを一緒に倒してくれたから味方なのはわかるんだけどさ。
誰だか教えてもらえないかな?
「・・・・。」
「彼はキャスターだよ。私達と一緒に戦ってくれる事になったの。」
「そうなんだ。よろしくキャスターッ!」
「ーーーあぁ。よろしくな、坊主。」
どこか憂いを帯びた表情のキャスターが俺の頭上に手を伸ばす。
数回躊躇うかのように手を彷徨わせた後、まるで壊れ物に触れるみたいに俺の頭を撫でた。
ーーー頭撫でられるのなんて、いつ以来だろう。
変な感じだ。
でも不思議と嫌な気持ちにはならない。
むしろ嬉しい、ような・・?
《そういえば、キャスターと彼は知り合いなんだよね?さっきは聞き損ねてしまったけど問題なければ教えてくれないかな?》
湧いてきた不可思議な感情に首を捻っていたのだけれど。
耳に入ったロマンの言葉に、俺は慌ててキャスターを見上げた。
キャスター、俺の生前の知り合いなの?
やった!
なら俺のこと教えてよ!
「ーーーこの坊主の名前はコンラだ。あとは言わなくてもわかんだろ?」
《えぇっ!?コンラッ!!?
じゃあこの子はキミのっ!》
「なるほど、理解しました。
親子だからお二人はどことなく似ていたんですね。」
「え?」←俺
「え?」←立香ちゃん
「あんたクー・フーリンの伝承ぐらい知っときなさいよ!!」
嘘だろっ!
まさかの父親だったっ!!
というか俺の名前、コンラなのか。
・・・カッコイイかも!
《あれ?でも伝承だとコンラくんは・・・》
「ロマニッ!!」
突然、所長が大きな声でロマンの言葉を遮った。
な、何ごと!?
「それ以上は当人を前に言うべきではないでしょう。」
《あっ・・・そうだね。ごめん。》
「感謝するぜ、嬢ちゃん。」
「「???」」
「先輩、あとで一緒に勉強しましょうね。」
『ーーーねぇ、もう出ても平気なの?』
「あっ!イリヤちゃん!」
ごめんね!
ちょっと立て込んでてさ。
敵もいなくなったし、皆もいるし。
うん。もう大丈夫だろ!
「出て来ていいよーッ!」
校舎に空いた穴からこちらを覗き見ていたイリヤちゃんに、俺は急いで声をかけた。
「コンラくん?誰と話してるの?」
ハッ!そうか!
俺以外には視えないんだった。
えーと、実はーーー
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やっと二人が会えました。
そしてようやく主人公の名前が判明。
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あと既にご察しの通り神の正体は太陽神ルーです。
クー・フーリンの父であり、コンラくんの祖父。
孫バカなので、今後の作中にも登場します。