コンラくんのFGO   作:彼に幸あれ

55 / 64
自我ありしモノ

 

 

ぐぬおおおおっ!!

お尻がっ!痛ぃいっ!

 

 

俺は父さんに叩かれた尻を片手で押さえ、(うずくま)る。

さすがランサークラス(筋力B)

キャスタークラス(筋力E)の父さんより力が強いだけあって、なかなか局部の痛みが引かない。

これで手加減してるとか・・マジか。

 

 

「これに懲りたら2度とあんな事すんじゃねぇぞ。こっちがどんだけ肝を冷やしたと思ってんだ。」

 

「Yes、Father・・」

 

 

前回の(特異点Fで)頬を引っ張られたのが可愛く思える『仕置き』にビビリ。

俺は父さんの注意に素直に頷く事にした。

まぁ、今回は調子に乗った俺が全面的に悪いしな。

猛省せねば。

 

ーーーでも、楽しかったなぁ。←

ホントに楽しかったし、嬉しかった。

まさか前世で(アキラの時に)諦めた夢がこんな所で叶うだなんて。

父さんにも会えて、《人理修復》の旅の最中も一緒に居られるし。優しいマスターも居るし。新しい友達もいっぱい出来たし。

《疑似サーヴァント》になってからの俺は、過ぎるぐらい恵まれてるなぁ。

 

(ちょこちょこ文句を言いながらも)この機会をくれた爺ちゃん(ルー神)に俺がシミジミ感謝していると。

マルちゃんを連れて何処かに消えていたマスターが1人で戻って来た。

(なにやら心配げな様子で2人の後を追ったジークフリートの姿もない。どうかしたんだろうか。)

 

 

「っ!?ーーコンラッ!」

 

 

そして(うずくま)る俺の姿を見て、驚いた顔で駆け寄って来てくれた。

痛むなら『治癒魔術』で治してくれると言われたけど、俺はそれを慌てて辞退する。

 

この痛みは『仕置き』だし。

お尻を見せるのは・・ほら、恥ずかしいし。

なによりーー。

 

 

(マスターに、カッコ悪いところをこれ以上見せられないっ!)

 

 

俺は脚に力を込め、気合いで立ち上がる。

ーーうん。

さっきより痛みもだいぶマシになった。

ゆっくり歩く分には問題なさそうだ。

 

 

「大丈夫だよマスター。

心配かけてばっかりで、ごめんね。」

 

「この子は無茶ばかりして。

仕様(しょう)がないんだから、もう・・。」

 

 

マスターは困ったような表情を浮かべながらも、優しく頭を撫でて許してくれた。

あーー、俺。

マスターに頭を撫でられるのも好きだ。

 

へニャリと頬が緩むのも気にせず髪を撫でてくれる指先を堪能していると、父さんが『へぇ』と感心した様な声を漏らした。

 

 

「随分懐いてるな。

《あの女》に似てるから一時は不安だったが・・。思ったより相性が良かったか。」

 

「?、父さん?」

 

 

唐突な父さんの呟きに尋ねたところ。

父さんいわくマスターが因縁のある《敵国の女王(メイヴ)》に似ているから、俺の身を案じてくれていたそうだ。

俺はその発言にーー心配してくれたのは有り難いけどーームッとして抗議する。

 

 

「父さんっ!

マスターとその女王様を一緒にするのは失礼だよ!マスターはすっごくすっごーーく優しいんだ。

 

その女王様みたいに、牡牛やら男の人が食べたいからって他国に攻め入ったりする悪いヒトとは全然違うんだっ!!

 

俺は・・そんなマスターが大好きだから。

例え相手が父さんでも、マスターの事を悪く言うなら怒るからねっ!」

 

「こ、こんら・・っ」

 

「おまえ・・。」

 

 

キッパリと俺の気持ちを伝えれば、何故かマスターと父さんに酷く驚かれた。

変だな。俺、まさかまたマズイ事を言ってしまったのだろうか。

でも、コレは俺の中で譲れないことだから。

ちゃんと言っておくべきだと思ったんだ。

 

 

「ーーす、好きっ!」

 

「?、うん。俺もだよ?」

 

 

急にマスターが感極まった様子で俺の事を抱き締めてきた。

よく解らないけどマスターが幸せそうなので、俺も嬉しくなって応える。

 

 

「好きぃいいいいっ!!!」

 

 

すると叫びながら更に強く抱きしめられた。

解せぬ。

うーむ。少し苦しいけど・・このまま我慢しよう。

喜んでるマスターの邪魔をしたくないし。

思えば前からよく抱き締めてくるから、もしかしたら俺の抱き心地が良いのかもしれない。

 

 

「はぁ・・余計に拗らせちまって。

マスターとの仲が良好なのは良い事なんだが。」

 

 

父さんの疲労感の滲む声が耳に届き。

俺はその状態のまま、顔だけずらして隣を見上げる。

 

 

「ーーまぁ、どうにかなるか。

メイヴのやつに比べれば『善人』の部類だしな。」

 

「?、マスターは『良い人』だよ?」

 

「・・・ああ。そうだな。」

 

 

傍らに立つ父さんが《当たり前のこと》を口にしたので、不思議に思いながらも告げると。

父さんは一瞬、複雑そうな表情を浮かべて。

けれどーー何かを思案するように数秒目を伏せた後はーー何処か嬉々とした様子でパッと破顔した。

 

 

「兎にも角にも、オレはお前がようやく《男》になってくれて嬉しいぜ。

よし!これは祝杯を上げるしかねぇな。

コンラ、酒はどこだ?一杯やろうぜ。」

 

「えっ。こんな真っ昼間から飲むのっ!?」

 

「ちょっ!?アンタこんな子供に酒飲ませるつもり!!?」

 

 

ーーというか、俺は産まれてからずっと性別《()》なんだけど。

父さんはいったい何を喜んでいるんだろうか。

謎だ。

そして、マスターはやっぱり俺の『精神年齢』が成人を突破している事を忘れているらしい。

なんてことだ。

 

 

………………………………………………………………………………………

 

 

第三者視点

 

 

 

子供(ガキ)子供(ガキ)だと思ってりゃあ、一端(いっぱし)の顔も出来るじゃねぇか。)

 

 

てっきりオルガマリーに『母性』を求めているのかと思いきや、『サーヴァント』としての使命感とーー本人はおそらく無自覚だろうがーー僅かに『男』の面を覗かせたコンラ。

ランサー(クー・フーリン)は知らぬ間に成長していた息子のその姿に、父親としての喜びと秘かな安堵を抱く。

 

何せ生前(アキラの時)に《友人》として接していた間。

息子の口から出る話には女の『お』の字すら感じられないほど、浮いた話題が無かったのである。

 

一度だけ直球で尋ねてみたところ。

(一般教養は身に着けている為)知識が無いわけではないのだが、そっちの話に疎いというか。鈍いというか。

ぶっちゃけた話ーーまったく彼はソチラの方面に対して興味が無かったのである。

青年期に入った男がそれで良いのかと、真剣にランサーが危惧するレベルで。

 

 

 

 

 

《いや、お前。顔が悪いわけでもねぇし。

その歳なら女の方から寄って来た事もあっただろ?1度もそういう関係になったことねぇのかよっ!?》

 

《うん。》

 

《それ以前にこう・・ムラッとしたことねぇのかっ!?》

 

《うん。》

 

《淡白にも限度ってもんがあんぞっ!!?

病気じゃねぇのか!?意味わかんねぇよ!!》

 

《俺はランサーが俺の女性関係にやけに喰い付いてくる事の方が意味がわからん。》

 

 

 

 

 

懐かしい冬木での日々を回想し。

息子にも『惚れた相手』が出来た事を嬉しく想う。

 

(そうかそうか。あのアキ・・コンラがなぁ。)

 

惚れた相手(オルガマリー)』に思うところが無い訳ではない。

なにせ相手はコンラが『良い人(善人)』と断言しようともーー道徳心が欠け、非人道的な行いをする事に定評のあるーー『魔術師』である。

しかし、当人のここ数時間の言動から、彼女の息子への惚れ具合と根っ子にある《真摯さ》を感じ取っていたランサー。

初見で抱いた不安は、今はだいぶ払拭されつつあった。

 

ならば、今後の彼が成すべきことは『息子の恋路』をーー時折、ちょっかいを出しながらーー暖かく見守ってゆく事である。

 

 

「兎にも角にも、オレはお前がようやく《男》になってくれて嬉しいぜ。

よし!これは祝杯を上げるしかねぇな。

コンラ、酒はどこだ?一杯やろうぜ。」

 

「えっ。こんな真っ昼間から飲むのっ!?」

 

 

息子の成長に対する《喜び》と。

まっとうな『男』となる第一歩を踏み出した彼への《激励》の意味を込めて、ランサーはコンラと酒を飲み交わそうと声をかける。

 

だが、それは息子の《想い人》であるオルガマリーによって制止された。

 

 

「ちょっ!?アンタこんな子供に酒飲ませるつもり!?」

 

 

いまだ両腕の中に収めている幼い少年を。

ランサーの飲酒の誘惑から護る為、シャーッ!と子を護る母猫さながらに威嚇するオルガマリー。

外見に反し、その胸中は『恋する乙女』そのものであった。

 

何故ならばーー『竜騎士(ドラゴンライダー)コンラ事件』により一時失念したがーー彼女の抱える《苦悩》。

それを当事者である少年の発した言葉が、アッサリと取り除いてしまったからである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《父さんっ!

マスターとその女王様を一緒にするのは失礼だよ!マスターはすっごくすっごーーく優しいんだ。

 

その女王様みたいに、牡牛やら男の人が食べたいからって他国に攻め入ったりする悪いヒトとは全然違うんだっ!!

 

俺は・・そんなマスターが大好きだから。

例え相手が父さんでも、マスターの事を悪く言うなら怒るからねっ!》

 

《こ、こんら・・っ》

 

 

彼の『大好き』という飾らない、幼く愚直なーーだからそこ心に直接響くーー『好意』の言葉が。

彼女(オルガマリー)の喪失感で凍えた心を、温もりで満たす。

 

彼の『マスター(オルガマリー)の為に、己の大好きな父親に怒る』という行為が。彼女の劣等感で荒んだ心を、労るように癒やす。

 

そしてーーオルガマリーは気づいた。

少年が自分と父親に『順位』などつけていない事に。

 

 

(ああ。ああ。コンラ。

貴方はそうやって、いつも私を救ってくれる。

当たり前のように助けくれる。

大切な事に・・気付かせてくれるっ。)

 

 

はじめから勝負はついていた。

ーー違う。

勝負にすらなっていなかった。

ーー違う。

 

勝負する(競う)こと』そのものが無意味だったのだ。

ーー1人の人間の《特別》が『勝者(たった1人)』だけだとは決まっていないのだから。

 

 

(貴方にとってランサーは『父親』として《特別》で。私もーーきっと『マスター』としてーー《特別》なのね。)

 

 

例えるならば、『両親』と『恋人』

例えるならば、『兄弟』と『友人』

 

それらに優劣などつけようがない。

それぞれの意味で、皆がひとり人間の・・複数の《特別》なのだ。

 

 

(ありがとう、コンラ。

私、わたし、貴方のことがーーー)

 

 

オルガマリーは己の中の《苦悩》が春雪のように溶け。

代わりに胸が《感謝》と《愛しさ》で熱く焦がれるのを感じた。

衝動に導かれるように少年を抱きしめ。

内から溢れ出る想いを言葉に変え、吐き出す。

 

 

「ーーす、好きっ!」

 

「?、うん。俺もだよ?」

 

 

(ーーきっとこの子の『好き』は、私の『好き』とは違う。けど、それでも・・それでもっ!)

 

 

交わす言葉は同じ。けれど、宿る想いは違う。

その事実を理解しながらも。

好意を抱く少年の告白に、彼女の頬は赤く色味を増す。

心臓は早鐘を打ち、喜びの鼓動を刻む。

 

彼女の中で淡く(ほころ)んでいた小さな『恋』の蕾は。こうしてついに花開き、大輪の花を咲かせた。

 

 

「好きぃいいいいっ!!!」

 

 

オルガマリーは胸の奥底から再度、湧き上がった彼への『愛しさ』を。吼えるように、高らかに大空へと叫んだのだった。

 

 

 

…………………………………………………………………………………

 

 

 

「良いじゃねぇか、少しぐれぇ。

アンタも飲めばいいだろ?」

 

「飲まないし。許可しません。」

 

「あの、マスター。俺・・」

 

「固いこと言うなよ。

《つまみ》ならそこら中に転がってんだ。

家人も居ねぇし、酒の1本くらい貰っても構わねぇだろ。」

 

「そういう問題じゃなーーーって。

ちょっと待って。《つまみ》?」

 

「俺、あの・・」

 

「転がってんだろ。ほら、そことか。」

 

「ーーはぁっ!?あれ、ワイバーンよっ!?

アンタ《竜種》を食べるつもり!?」

 

「ま、ますた・・」

 

「オレらの生きてた時代では《竜種(ワイバーン)》はけっこうそこら辺を飛び回っててな。

食うに困った時はよく《非常食》代わりに狩ってたぜ。

そうだな、現代の食い物に例えるならーー《チキン(ニワトリ)》が近いな。焼くと旨ぇんだよ。

まぁ、その前の血抜きとか下処理がかなり面倒くさいんだが・・。」

 

「えっ。アンタ達(ケルト人)にとって《ワイバーン》と《ニワトリ》って同列なの?何それ。おかしくない?」

 

「・・・・。」

 

 

コンラの飲酒に関して押し問答を繰り返していたランサーとオルガマリーだったが。

ランサーの『ワイバーン(竜種)食べるもの(非常食)』発言に現代との《神秘の濃さの違い(ジェネレーションギャップ)》を感じ、衝撃を受けるオルガマリー。

 

彼らの生きていた時代は、現代の野鳥や野良猫が近所を彷徨(うろつ)いている感覚で《竜種》やら《魔獣》やらがいた為。彼女が驚くのも無理はなかった。

ーーー生粋のケルト人(モンスターハンター)達はともかく、現代人にはデンジャラス過ぎる時代である。

 

一方、己のマスターに『自分が(精神年齢的には)成人済みであること』を伝えようと機会を伺っていたコンラ。

白熱する2人の会話になかなか口を挟めず、幾度目かの挑戦の後。

ついに彼は『また今度話そう』と話を先送りにする事を決め、肩を落とした。

 

 

(それにしても・・俺はいったい何時までマスターに抱き締められていればいいんだろうか?)

 

 

嫌なわけではないのたが。

同じ体制でいる事に、さすがに飽きてきたコンラ少年。

彼は何かないかと眼だけを動かし、見える範囲で辺りを見回す。

そして《あるモノ》が視界に入りーー『あれ?』と疑問を抱いた。

 

 

(何で・・まだ還ってないんだろう?)

 

 

それは未だ宙に在る1本の光槍。

淡い輝きを放ちながら、そのーーよく見れば、穂先(ほさき)が5つに分かれているーー槍は何処か所在なさげに浮かんでいた。

 

 

(あっ、そうか。

俺がまだ還っていいって言ってないからーーん?待てよ。)

 

 

コンラはそこで、ある重大な事実に気がつく。

 

 

(俺、《穿く必勝の光槍(ブリューナク)》喚んだっけ?)

 

 

そう。落下する最中、フレイズマルを助け(キャッチす)る事に必死になっていた彼はーーなんと。

実に恐ろしいことに、己の《宝具》を喚ぶ事を忘れていたである。

ーーーうっかりでは済まされない。

ランサーに知れれば2回目の『仕置き』確定の事案である。

 

つまり《今の主(コンラ)》の命の危機を察した《宝具(ブリューナク)》が、何時まで経っても喚ばれない事に焦り。自己判断で出てきたところ。

タイミングよく、生存本能で動いたコンラが光槍の柄の部分に脚を引っ掛けて事無き終えたというのが。

今回の『竜騎士(ドラゴンライダー)コンラ、墜落死未遂事件』の真相だったわけである。

ーーーコンラ少年、ガチで猛省せよ。

 

 

(そう云えばマスターが、通説では《穿く必勝の光槍(ブリューナク)》には『自我』があるって言ってような・・。

なるほど、俺を助ける為に喚んでないのに来てくれたのか。)

 

 

己の《宝具》に助けられた事を理解したコンラは。命の恩人である光槍へと手を伸ばし、『おいで』と呼ぶ。

光槍はその(めい)に従い、フヨフヨと少年の側へと寄った。

 

 

「助けてくれて、ありがとう。」

 

 

彼は、未熟な主である己をーー今回だけでなくーー幾度も助けてくれた《穿く必勝の光槍(ブリューナク)》へ。

感謝を述べつつ、にぱっと笑み。

その柄の部分を優しく撫でた。

すると、光槍は小刻みにその身を震わせーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〘あ、危ねぇー。ちょー危ねぇー。

お孫様マジおそろしや。

あやうく開いちゃいけねぇ扉が開くとこでしたわー。カワイイは正義ならぬ、対精神兵器とオイラ学んだ。

これは《ショタコン(オルガマリー)》がショタコン化するのも無理ない。仕方ない。是非も無し。

あと、ご子息様の《親バカ》っぷりマジワロスー☆〙

 

 

「・・へっ?」

 

「あ"っ!?」

 

「はぁっ!?」

 

〘おっと!

そう云えば《リミッター(制限)》解除されてたんでした。しっけいしっけい☆〙

 

 

ーーーあまりにも軽すぎる口調で、いきなりベラベラと話し始めた。

突然ディスられ、反射的に怒りの声を上げたランサーとオルガマリーに臆する様子も微塵もない。

ある意味、肝が座っている槍である。

 

穿く必勝の光槍(ブリューナク)》が極東の島国(日本)で概念として誕生する際に(みなもと)となった5つの伝承。

その内のひとつーー《クアルンゲの牛捕り》のおりにルー神が携えていた『五尖槍』。

その逸話から生まれた人格ならぬ槍格《ソウェイル》は、唖然とするコンラの手に甘えるようにグリグリと柄を擦りつけながら。

軽快に自己紹介を始めた。

 

 

〘改めて初めまして☆

お孫様に、ご子息様。

あとショタコンッ!〙

 

「今度は・・槍が喋ったっ!」

 

「ちょっ、またなの!?

だから私はショタコンじゃないってばっ!!」

 

〘オイラの名前は《ソウェイル》ッ!

穿く必勝の光槍(ブリューナク)》の5本槍が内の1槍

ーー『光』のソウェイルだよん。

以後、よろしくお願いしマスマス☆〙

 

「スルーッ!?」

 

「あぁ・・また面倒くさそうなのが出てきやがった。」(チラッ)

 

「はっ!アンタいま私のこと見なかったっ!?」

 

「・・・・・気のせいだろ。」

 

「その《間》は何なのよっ!!」

 

 

息子のーー元は父親のだがーー《宝具()》がいきなり話し始めた上に、その口調から一癖ありそうな匂いを感じ取ったランサー。

思わず彼が同じ《面倒くさい系》の女に眼差しを向ければ。その視線に気づいたオルガマリーは、激しく抗議の声を上げる。

ーーー彼らが揉めるのは、もはや恒例と化しつつあった。

 

 

「よろしくお願いしマスマスッ!」

 

〘おっ。お孫様ノリがわかるねー。

ノリは大事だよー。戦も恋も時代も。

いつだってビッグウェーブにノらないと生き残れないからねー。置いてかれたら《死》あるのみさー☆〙

 

 

そんな保護者2名をよそに、己の《宝具》と交流を深めるコンラ。何だかんだで適応能力が早いのが彼の『長所』である。

 

 

〘さてさて☆・・そいじゃあ。

どっから話しましょうかねー。〙

 

 

コンラの《記憶の封印》が砕かれた際。

ルー神が施した《意思表示の制限》が強制解除された《穿く必勝の光槍(ブリューナク)》。

その一槍である《ソウェイル》は、悩むように穂先を左右にユラユラと揺らす。

そしてーー

 

 

〘とりあえず《クアルンゲの牛捕り》でのオイラの大活躍と。ついでで、ご子息様の(戦の)武勇伝の話をしましょーか☆〙

 

「・・オレはついでか。」

 

「仮にも(あるじ)の身内なのに、随分と失礼なやつね。」

 

「ーーお願いします!

主に父さんの武勇伝の方を重点的にっ!」

 

「ーー。」←(ちょっと嬉しい)

 

「・・ふん。」←(わかってはいても、やっぱり気に入らない)

 

 

父親の武勇伝を聞けると聞いて、コンラは若干喰い気味にソウェイルの話に飛びつく。

その姿に、少しの照れ臭さと・・喜びを感じ。

ランサーは無意識に目元を柔らかく緩ませる。

 

オルガマリーは《仕方のない事》だとわかっていても、己の内の『嫉妬』の感情を完全には割り切れず。

ギュッと少年の背に回した手に力を込め、不満気な声を小さく漏らしたのだった。

 

 

………………………………………………………………………………………………

 

 

※遅くなりましたー!!(土下座)

今回はコンラくんだけでなく、ヤリニキと所長の心情の変化にもスポットを当てた回でした。

 

○コンラくん

 ↓

ヤリニキ・・大好きなお父さんで。元親友。

憧れの強くて優しいヒーロー(英雄)

俺の父さんは最強(の戦士)なんだっ!

 

所長・・大好きなマスターで。

無自覚で恋心を抱き中。

いつも微笑っていて欲しい、絶対に護りたい人。

俺のマスターは世界一(優しい人)なんだっ!

 

○ヤリニキ

 ↓

コンラ・・2度も殺してしまった愛息子。無自覚な親バカ。護りつつも、今後は心を鬼にして息子を鍛えてゆくつもり。

 

所長・・息子の現マスター。敵国の女王似のショタコン。魔術師として一流だし、息子が惚れてるし。男として一皮むけるなら交際OK。

でも泣かせたら必要なくなった時点でゲイ・ボルク。

 

○所長

 ↓

コンラ・・命の恩人で、生涯唯一の自分のサーヴァント。マジで惚れた護りたい相手。好き好き大好き可愛いハアハア。

一応良識はあるからヤンデレにはならない・・たぶん。

 

ヤリニキ・・惚れた少年の父親。未来のお義父さん(仮)。実力は認めるけど、ある意味1番のライバルで最大の壁。

邪魔だわランサーに使える令呪欲しいホットドッグ食べる?

 

 

まとめると今の3人の心境は上記の感じですかね。保護者2人の秘かな殺意がヤバイ(白眼)

 

あと、作中でのコンラくんの敵国の女王様に対する認識は間違っていて。

生前に風の噂で聞いた『牡牛を欲しがって他国に攻め入った』と『毎夜寝室に男を連れ込んで美味しく食べている(意味深)』が合体した結果。

何故か『牡牛と男の人を食べたい(捕食的な意味で)から他国に攻め入った、謀略を巡らすズル賢いヒト(魔物)』となってしまっています。

そして『そんな恐ろしい人喰い魔物と戦った父さん凄いっ!』と知らず株が上がっていたヤリニキ。メイヴ様・・どんまい←

 

 

えー。ぐだぐだと後書きが長くなってしまい申し訳ないです。

次回は新たなオリキャラ『ソウェイル』が出張りつつ。とある「クリスティーヌ」な怪人が現れる予定です。

乱文ですが、宜しくお願い致します!

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告