コンラくんのFGO   作:彼に幸あれ

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狩人は去りて

第三者視点

 

 

中世フランスのとある森の中。

翠緑の衣装を身に纏う狩人の少女が、己の弓を引き絞っていた。

キリキリ、キリキリ。

強く、より強くと引き絞られていく天穹の弓(タウロポロス)

その矢の狙いは、父親と鍛錬に励む幼い少年ーーコンラへと定められていた。

 

彼女は離れた高い木の上におり、地上の少年との距離は遠い。

さらに場が森林ゆえに無数の枝や葉が邪魔をし、少年の姿を目視する事は難しい。

けれど、少女ーー《純潔の狩人》アタランテにとってそれらは障害には成り得なかった。

 

神域の弓術の使い手たる彼女の腕であれば。

射る対象が見えずとも、少年が野生の小動物のように俊敏な動きをしていようとも、決して狙いを外す事はないのだ。

必中の腕前を持つ、ギリシャ神話最高の狩人に狙われた少年の命は風前の灯火であった。

しかし・・・

 

 

「ぐ、う"ううう"ううっ!!!」

 

 

その死をもたらす矢は未だ放たれず。

狩人の顔に浮かぶのは勝利を確信した優越の笑みではなく。

何かに抗う苦悶の表情であった。

 

 

(ダメだダメだダメだダメだダメだっ!!

子供を手にかける事だけは!

子供の命を奪う事だけは!)

 

 

アタランテーー彼女はかつて、男児を望む父親に疎まれ森へと捨てられた捨て子であった。

女神アルテミスの慈悲により、聖なる雌熊に育てられ当時赤子であった彼女の命は救われた。

そして、少女はその出自から『ある願い』を抱くようになる。

 

それはーー『この世全ての子供たちが愛される世界』の実現。

世界の不条理により、何の罪もない子供達が与えられるべき愛を失い。

得るべきだった幸福を奪われる現実を、彼女は容認する事が出来なかったのだ。

 

彼女にとって全ての子供は《救われ》、《愛され》るべき存在であり。

《幸福》を享受するべき存在であった。

・・・だがらこそ。

 

 

(私は、私はあの子を殺さない!

殺してなるものか!!!)

 

 

己と同じ不幸な境遇の子供を無くそうとする、心優しき狩人の少女は身の内の狂気に抗う。

付与された《狂化》に理性を蝕まれながらも。

魔女の《命令》により、今にも暴れ回らんとする破壊衝動を抑えつけ。きつく歯を食いしばり。

己の《願い》とは真逆の、子供を害そうとする自身の体を静止しようとする。

 

 

「うヴ、ううヴヴうっ!!

うぐ、ぐっーーーッ!!!?」

 

 

だが、少女の抵抗も虚しく。

彼女の震える指は、弓につがえていた矢から離れてしまった。

 

少年へと放たれる必中の矢。

見開かれる狩人の瞳。

唇から漏れるのは悲鳴に似た掠れた声。

 

アタランテは、子供の命をまごう事なく狩り取るだろう一撃を放った己に。

その刹那、怒り。絶望した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クリスティーヌを、私は護る。」

 

「っ!!?」

 

 

そんな彼女(アタランテ)を、そして子供(コンラ)を救ったのはーーー誰が予測したであろう。

歌姫(クリスティーヌ)への愛故に狂ったオペラ座の怪人《ファントム》であった。

 

己の《気配遮断》のスキルをもちい。

アタランテに気付かれる事なく、接近していたファントム。

彼は両手の鋭い鉤爪で少年(歌姫)へと放たれた矢を弾き、斬り刻む。

さらに、《狂化》に抵抗し不安定な精神状態であった為。心身ともに常より遥かに反応が遅れ、動けぬ狩人へと怪人は間を置かず肉薄する。

 

 

「我が歌姫を害する者よ。

お前を、私は許さぬっ!!」

 

「ーーッ!!」

 

 

狂気に染まる赤と、狂気に抗う緑の視線が数秒交わり。次の瞬間・・・・狩人の少女は無抵抗にファントムの凶刃に胸を貫かれていた。

 

 

「ゴホッ!ア、がっーーーふ、ふっ。

(あぁ・・よかった。これであの子を殺さずに済む。)」

 

 

あえて弓を構えず、大人しく殺される事を受け入れた少女は。血を吐きながらも、安堵したように小さく笑みをこぼす。

彼女は何故、怪人が少年を助けたのかを知らない。

けれど彼女にとって、少年を殺そうとする己を殺めてくれたファントムの出現は幸いであった。

 

『霊基』を破壊され、消えていく体。

バランスを保てず足場の枝から滑り落ちた彼女の、優れた瞳に最期に映ったのは。

 

 

 

「父さんっ!」

 

 

 

輝くような笑顔で、父親へと駆け寄る少年。

そんな少年を慈愛の滲む表情で見、受け入れる父親。

 

そこには『親に愛を与えられる子供』がいた。

そこには『得るべき幸せを受ける子供』がいた。

狩人の少女が《願い》、《望む》光景がーーそこにはあった。

 

 

(感謝するぞ、ファントム。

おかげで・・この光景を己の手で壊さずに済んだ。)

 

 

《純潔の狩人》アタランテ。

彼女は己の『願い』を体現するかの様な父子の光景を。その澄んだ瞳に、胸に刻みつけ。

自らの意思をもって、このフランス(第一特異点)より《座》へと還る。

重力に従い落下する彼女の体は、大地へぶつかるより早く消え去った。

跡形も無く、解けるように。

まるで、降り始めたばかりの新雪のように。

 

 

……………………………………………………………………………………………………………………

 

 

 

「父さんっ!」

 

 

己の命がバーサーク・アーチャー(アタランテ)に狙われていた事など、露知(つゆし)らぬ少年ーーコンラ。

彼はつい先程まで、模擬戦のような形で父親と修練を行い、一心不乱に打ち込んでいたのだが。

ふいに、得物代わりの棒を降ろし。

ランサー(クー・フーリン)の元へと荒い息を整える間もなく走り寄った。

そして満面の笑顔で鍛錬の成果を尋ねる。

 

 

「父さん。俺の今の動きどうだった?」

 

「あーー。そうだな。」

 

 

対照的に、ほとんど息を乱していないランサー。

彼は息子の問いに、長い棒をトンッと己の肩に軽く乗せながら何と答えるべきか思考を巡らせる。

 

実を言うと、得物()を交え始めた当初のコンラの動きは(ランサーから見て)とても酷いものであった。

どうやら思い出した《生前(ケルト時代)の記憶》が、彼の思惑に反し悪い方向に息子に働いてしまったらしい。

それは《過去の肉体の記憶》と《現在の肉体》の動きのズレ。

 

かつて《赤枝の騎士団》の猛者達を容易(たやす)く地へと沈め。

アルスターの英雄と謳われたランサーに、奥の手である《刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク)》を使わせるまで追い込んだコンラ。

その幼い肉体は成長途中であるにも関わらず。

身に付けた武芸と同様に、7歳とは思えぬほど洗練されていた。

僅か半年とはいえ(思うところも聞きたい事も山ほどある相手だが)あの(スカサハ)に教えを受けた息子の実力は。

当時のランサーの目から見ても抜きん出たものであったのだ。

 

しかし、《疑似サーヴァント》となった今のコンラの《肉体()》は昔とは異なる。

 

そもそもが《コンラ(光の御子の息子)》の概念を基に祖父であるルー(太陽)神が創り出した仮の肉体であり。

まったく戦や神秘に触れず生涯を終えた『2度目(アキラとして)の人生』という魂のブランクに合わせ、意図的に格落ちもさせているのだ。

詰まるところ、《現在の肉体》が《過去の肉体》に劣ってしまうのは当然なのである。

 

それを考慮し、ルー神は父親であるキャスター(クー・フーリン)のいる『第一特異点』に孫を送ったり。

カルデアの面々と会わせたりと色々手を回して可愛い孫の生存率を上げようと頑張っていたのだか・・・前にも述べた通り、すべて当事者に台無しにされてしまったのだった。

お爺ちゃんの努力は孫のカルデアス・ダイブにより水泡に帰したのであるーードンマイ←

 

・・・話を戻そう。

上記のとおり、コンラの《現在の肉体》は《過去の肉体》と比べて劣化している。

よってソコから生まれるのは《記憶》と《肉体》のズレだ。

 

つまり頭の中のイメージした動作に、体の方が追いつかないのである。

そのズレは1秒にも満たない短いもので、日常的な動作では少し違和感を覚える程度であった。

だが、戦闘の際はそのズレは顕著になり致命的なロスとなる。

同時に、遅れる四肢の動きは生前に身に付けた武芸の鋭いキレさえ奪う。

 

結果的に、《生前の記憶》を思い出した事でコンラは思い出す前よりーーー弱くなってしまったのだった。

 

 

……………………………………………………………………………………………………………………

 

 

 

《ーーーッ。》

 

《・・コンラ。》

 

 

父親との手合わせで初めて発覚したその事実に、コンラはショックを受け。しばし呆然としていた。

そんな息子の姿を痛ましく思い、ランサーは続けて声をかけようとしたが。

 

 

《・・父さん、良ければなんだけど。

もう少しこのまま俺に付き合ってもらってもいい?》

 

《っ!ああ、構わねぇが。》

 

 

それより早く、心を持ち直したコンラがランサーへ鍛錬の続行を頼んだ事で。父親の口から励ましの言葉は出ることは無かった。

 

 

《大丈夫か?》

 

《うんっ!》

 

 

自分を気遣うランサーの言葉に大きく頷くコンラ。少年の瞳には、強い決意と意志の光が宿っている。

 

 

《弱くなったのには驚いたけど。

その分、いっぱい努力して強くなるから大丈夫っ!》

 

《・・そうか。》

 

《うん、強くなるよ。前と同じ・・ううん。

前を超えるくらい強くなってーーー護るんだ。》

 

 

己の確固たる決意を吐露しながら、横を向く息子。

その視線を辿れば、父子の鍛錬の邪魔にならないよう離れた所で。

コンラの身を案じ、仲間達と共にコチラを心配そうに(うかが)彼のマスター(オルガマリー)の姿があった。

 

 

《(ーーなるほどな。)》

 

 

一連の息子の様子に、オルガマリーの存在がコンラの心の支えになっている事を確信するランサー。

彼は息子の成長を喜ぶ傍ら、進みゆく親離れをちょっぴり寂しく思った。

 

・・・・息子の心の支えに《オルガマリー(護るべき存在)》だけではなく《(頼れる父親の存在)》も含まれている事など、当の本人は思いもよらぬのだった。

ーーランサーよ、そう云うところだぞ。

 

兎にも角にも、父親は息子の頼みに快く応え。

お互いが降ろしていた得物()を、おもむろに相手に向けて構える。

そして鍛錬を再開し・・・・この後に。

ランサーは我が子のぶっ飛んだ『才』に改めて度肝を抜かれる事となったのだった。

 

 

…………………………………………………………………………………………………………………

 

 

 

「父さん。俺の今の動きどうだった?」

 

「あーー。そうだな。」

 

「自分で言うのもなんだけど。

けっこうイイ感じだったと思うんだっ!」

 

「ーーー。」

 

 

耳に入った息子のその無邪気な発言に、フッと父親の眼は思わず遠くなった。

 

 

(イイ感じ・・どころの話じゃねぇわな。

この短い時間でよくもまあ、ココまで動けるようになったもんだ。)

 

 

そう。ランサーが反射的に現実逃避し、内心でぼやく程。

コンラは驚くべき短時間でーー《生前(ケルト時代)の記憶》を思い出す前に近いーー肉体のキレをその身に取り戻したのだった。

 

どうやら《過去に積んだ武術の記憶》を《今の劣化した肉体》に合うよう脳内シュミレーションで格落ちさせ。

その動きを鍛錬しながら徐々に『今の体』に覚えさせ、慣れさせていったらしい。

 

確かにこの方法なら、劣化した体を生前(ケルト時代)の優れた肉体に戻す為に1から鍛えるーーなどという。

正攻法(せいこうほう)だが時間のかかる(すべ)より、遥かに早く実戦で戦える体に己を戻す事が出来る。

 

誰に教えられるでもなく。

自ら効率的なこの打開策を思いつき、すぐさま行動に移したコンラ。

それはさながら、極限状態で生き抜く野生動物の本能にも似た順応力であった。

 

たった小1時間で武術の腕を(ランサー基準で)『下の下』から『上の中』に上げた息子にーー生前の実力を身を持って知っていたーーランサーでさえも驚愕せずにはいられなかった。

さすがアルスター最強の大人(父親)を手加減しながらボコボコにした子供(息子)である。←

 

目撃したコンラの飛び抜けた才能に、強い相手と今後槍を交えられる事を喜ぶ《戦士》としての想いと。

近い未来《父親》としての威厳がなくなる事を危惧する想いが胸中に同時に湧き上がり。

何とも言えぬ複雑な気持ちに囚われるランサー。

 

 

「・・父さん?」

 

 

だが、反応の薄い父親の様子に不安を覚え、顔を曇らせ始めた息子と眼が合い。

彼はそれらの雑念を払うように首をゆるく振り、ガシガシと空いた手で頭を掻く。

 

 

(まあ・・何だ?

とにかくそれだけコイツはーー頑張った、て事だよな。)

 

 

ならば、褒めてやるべきだと。

ランサーは片手を伸ばし、汗で額に張り付いた息子の前髪をサッと払い。そのまま労るように小さな頭を撫でてやる。

 

 

「ああ。さっきのは今までで1番良い動きだったぜ。よくやったな、コンラッ!」

 

「っ!」

 

 

ランサーが笑みと共に返した言葉に、パアッ!と顔を綻ばせるコンラ。

大好きな父親に《手合わせ(鍛錬)》に付き合ってもらえた上に、手ずから褒められたのだ。

彼の喜びと興奮メーターはこの瞬間ーーー振り切れた。

少年は握っていた棒をポーンッ!と投げる様に放り出し、これまた大好きな己のマスターの元にダッシュで報告に走る。

 

 

「マスターッ!マスターッ!

父さんに褒められたよ!!

いま俺、父さんに褒められた!!!」

 

 

その姿はさながら飼い主に全力でじゃれつく子犬のよう。

ピョンピョングルグルとオルガマリーの周りを跳ね回りながら、溢れんばかりの喜びを体現する少年。

 

彼の頭部に生える犬の耳と、興奮気味にブンブンと揺れる尻尾の幻が見え。思わず聖人2人と邪竜に近しい2名は己の目を擦った。

わんわんっ!わおーーんっ!!と今にも元気な子犬の鳴き声が聞こえてきそうな光景である。

 

 

「ふふっ・・良かったわね。

でも少しだけ止まって、コンラ。」

 

「?、うん!」

 

 

そんな少年の様子に目元を優しく緩ませながら。

オルガマリーはコンラを柔らかく静止し。自ら膝を折り、目線を合わせる。

そしてハンカチで少年の顔を伝う汗や、付いてしまった土片を甲斐甲斐しく拭い始めた。

 

 

「こんなに汚れて・・怪我はない?」

 

「うん!してないよ。

ありがとうマスターッ!」

 

 

彼女の行動に『俺のマスターは、やっぱり世界一優しいっ!』と幾度目かの感動を覚えるコンラ。

おかげで興奮は少しばかり治まり、紅潮した頬は喜びと感動でふにゃふにゃと緩みっぱなしである。

 

対してオルガマリーの方は落ち着いているように見えるが。

その内心は絶賛『コンラ(いと)し、ランサー(ねた)まし』の感情が嵐のように吹き荒れている真っ最中である。

 

飼い主とペット(子犬)

あるいは若い母親と子供。

傍から見ればそうとしか形容し得ない2人の様子に、彼らの(片方は無自覚な)恋心を知っているランサーは苦笑するしかない。

 

 

(あいつ等の背は後で押してやるとして・・。

これで、気掛かりだったコンラの戦闘面での不安はひとまず無くなったな。)

 

 

ワイバーン程度であれば余裕で倒せる力を、再び取り戻した息子に安堵しつつ。

無理を言って長らく待たせてしまった他のメンバーに一声かけるかと。彼は肩に乗せたままだった得物()を降ろし、歩き出したーーー瞬間。

 

 

 

 

 

【■■■■■■■■■■■■■■ッ!!!!!】

 

 

「ーーーーーグッ!!?」

 

 

 

 

彼の頭の中で突如上がったのは、獣の咆哮。

続いて(霊基)の奥底で大人しく微睡んでいた《モノ(狂気)》を(かい)し、直接叩き込まれてくる『誰か』の声。

 

 

 

【■■■だ。待■■■。

 

必ず■■■■■■■■■■てやる。

 

■■■そ今度こ■今■こそ■■■そ。

 

何が■■■■、■■に。

 

■が■■■をーーー】

 

 

 

脳髄に流れ込むのは耳鳴りのような雑音越しの言葉の羅列。グニャリと世界が歪み、紅く染まる。

 

 

(なん、だ・・・これは?)

 

 

全てを聞き取る事ができず、言葉の意味はわからない。

けれど、ランサーは不思議と其処に含まれる譲れぬ想い(感情)だけは理解できるような気がした。

覚えがあるような気がした。

 

 

 

トリモドセトリモドセトリモドセトリモドセトリモドセステテコワシテコロシテクラッテケシテナオシテモウイチドマモルヤクソクマッテロムカエニイクマモルコンドコソオマエヲシアワセニノゾミヲカナエテヤル

 

 

喪失、憤怒、哀惜、絶望、悔恨、憎悪、殺意、切望、執着、決意。

 

段々と『誰か』の想い(感情)が鮮明になり、形を成していく。

ふと、目を開けているのか閉じているのかもわからない赤い歪な世界の中に。黒い何かが不気味に蠢いているのが見えた。

 

ずるり、ずるり、と。

液体のようであった《ソレ》は、次第に『(誰か)』の姿を(かたど)っていく。

 

 

(誰だ、てめぇっ!)

 

 

己の異変の原因らしき《ソレ》に衝動的にーー口がどうしても動かず、心の中でーー彼は怒鳴る。

 

 

【・・・おまエこソ、誰ダ?】

 

「ッ!!?」

 

 

すると、応えが《ソレ》から返ってきた。

聞こえたその声にランサーは驚きを露わにする。

 

届かぬ筈の問いに、思いがけず答えが返ってきた・・からではない。

《ソレ》の声に、聞き覚えがあったからだ。

ついに完全な人の形になった《ソレ》が何者なのか、否が応にもわかってしまったからだ。

 

ドルイドの服を身に纏う《ソレ》は、長い蒼髪を揺らし。今まで背を向けていたコチラ(ランサーの方)へ振り返る。

 

血に染まったかの様な世界にも紛れぬ、ひときわ異質な。

深く暗い。どこまでも底がみえない。

深海に似た光無き紅瞳が、彼の姿を捉えーー

 

 

 

 

 

 

 

ーーーガッ!!!!

 

 

「ーーーっ!!」

 

 

 

ーーーる前に、ランサーは自らの頬を殴り。

赤い世界に囚われていた己の意識を『痛み』で強制的に現実へ引き戻した。

 

 

(あっ・・ぶねぇ!

もう少しで『引き摺られる』ところだったぜ。)

 

 

手加減なしで殴った為に、口の中が切れ血の味が口内に広がる。だが、そんな事は今のランサーにとっては些細な事であった。

彼が先ほど見た《アレ》は、紛れもなく。

 

 

(間違いねぇ。

あれは・・《オレ(クー・フーリン)》だった。)

 

 

《ダブルクラス》には成り得ぬ《三大騎士(ランサー)クラス》でなければ、抵抗する間もなく向こうの《狂気》に引き摺られ呑まれ(バーサーカー化し)ていたかもしれないと。彼は人知れず背にイヤな汗をかいた。

 

前世の息子であり、友である『アキラ』を殺めた《冬木の一件》以来。

ランサーは、その記憶を有する己の中に《狂気》が残留している事を自覚してた。

しかし、それは十分彼自身の意思で制御できるものであり。

今までも特に問題はなかった。

それが此処に来て、異様な暴走を起こしたのは・・。

 

 

(どう考えても、あのドルイド衣装のオレが何かしら絡んでるとしか思えねぇ・・)

 

 

しかも流れ込んで来たあの自分(クー・フーリン)の一部の《思考》や《感情》から察するに。

相当アッチの己はイカれているらしい。

 

 

(それにしてもドルイドの格好ってことは、あのオレは《キャスタークラス(魔術師)》で召喚されてるって事だよな?

ーーーん?ちょっと待て。

キャスタークラスの、オレ(クー・フーリン)?)

 

 

ランサーは思った。

そのオレ、知ってると。

物凄く心当たりがあると。

 

記憶を(さかのぼ)れば、父親(ルー神)息子(コンラ)の口からも彼は【その存在】について幾度も語られていた。

 

 

《すまない、セタンタ。

黒幕に私の存在が気取られたせいで魔神柱共との無限バトルを強いられている。

そのせいでカルデアに召喚された【キャスターのお前】にコンラの生存を伝えられなかった。カルデアの者達はコンラとマスターの女が生きている事を知らなーーー》

 

 

《【キャスターの父さん】に初めて頭を撫でてもらった時は不思議と嬉しかった。

記憶が無かったから、あの時はわからなかったけど。生前の『頭を撫でて欲しい』って願いを父さんは叶えてくれてたんだねーーー》

 

 

 

(おいおいおい。嘘だろ?)

 

 

 

ランサーは気づいた。

元は同じ人物(クー・フーリン)であるが故に。

とある獣以外、誰一人気付いていない。

もう1人の()異常(狂気)に。

 

 

(あのイカれた(キャスターの)オレは、『カルデア』に居るヤツかっ!!)

 

 

自分達が(合流の為)目指している場所に、マトモではない(狂った)己が居る。

それは彼に、強い警戒心を抱かせた。

 

 

(直接ヤツと顔を合わせる前に、どうにかしてアッチの様子を探れねぇもんか・・。)

 

 

例え同じ《モノ(狂気)》を『霊基』に宿し、干渉しやすくなっているとしても。別の場所(次元)にいる相手にまで影響を及ぼすことは難しい。

その事から、あちら(カルデア)側の己も今はこの《特異点(フランス)》に居るとランサーは考え。

息子(とそのマスター)の安全を考慮し。

合流する前に、どうにかしてカルデア側の様子を偵察出来ないかと頭を悩ませる。

 

 

「ーーーーーーヌ。」

 

「うわあっ!!」

 

「きゃあっ!?」

 

「っ!!」

 

 

 

そんな彼の思考を、唐突に上がったコンラとオルガマリーの悲鳴が遮った。

ランサーはとっさに地に置いた朱槍を蹴り上げ、掴むと。そのまま流れるような動きで矛先を声の方に向ける。しかし・・

 

 

「クリスティーヌ・・。」

 

「あ、何だ。ファントムかぁ。」

 

 

そこに居たのは敵ではなく。

少し前から姿を消していたオペラ座の怪人ーーファントムであった。

 

 

 

……………………………………………………………………………………………………………………

 

 

 

「クリスティーヌ・・。」

 

「あ、何だ。ファントムかぁ。」

 

 

向き合う俺とマスターが横を向いて、2歩ほど足を進めればぶつかってしまう近場に。仮面をつけた黒い怪人が佇んでいた。

その姿に声をかけてきたのがファントムだとわかり、俺はホッと強張っていた肩の力を抜く。

 

さっきは何の気配もないところから急に(歌姫さんの名前でだけど)呼ばれたから。驚いて飛び上がってしまった。

マスターもかなり驚いたみたいで、胸に両手を当てながら息を整えている。

こんなに近づいても、声をかけられるまで気付けないなんて。

ファントムの『気配遮断(スキル)』は凄いなぁ。

(これならどんな動物でも気取られずにモフナデし放題で羨まし・・・あっ、でもさすがに触ったらバレちゃうかな?

いやいや!諦めるのはまだ早いぞ。

バレないよう上手く撫でればなんとかっ!)

 

 

「クリスティーヌ。

君の敵を、葬ってきた。」

 

「・・へ?」

 

 

自分には無いファントムの『気配遮断』スキルに感心して(&羨ましく思って)いたところ。

何の前触れもなく告げられた言葉に、俺の目は点になる。

俺の敵?エネミー?

あの変態芸術家(ジル・ド・レェ)生きてたの?(混乱中)

 

 

「て、敵って。えーと・・どんな人?魔獣?」

 

「《バーサク・アーチャー》。」

 

「そっか。《バーサク・アーチャー》かぁ。」

 

 

《竜の魔女》が召喚した《バーサク・アーチャー》なら確かに俺(達)の敵だね。

それなら納得だ。

変態芸術家(ジル・ド・レェ)が生きてたわけじゃないんだ。良かった!本当に良かった!←)

 

そうか。《バーサク・アーチャー》をファントムは倒してきてくれたのか。

そうかぁ・・って。えっ?

 

 

《バーサク・アーチャー》・・?

 

 

うええええ"え"ぇぇーーっ!!!!?

 

 

 

「アンタ、なにサラッと敵の戦力削ってんのよ!?」

 

「倒したの!?ファントム、《バーサク・アーチャー》倒したの!?1人でっ!?

強い!すごい!」

 

 

思わず長い黒マントをグイグイと引っ張りながら問い詰めれば。何故か嬉しそうな顔でファントムは背を屈め、俺の頬に白い手袋に包まれた手を添えながら囁いた。

 

 

「クリスティーヌ・・すべては愛しい君の為に。」

 

「oh・・・」

 

 

・・・・す、凄まじい殺し文句だった。

俺が女の人だったら確実に心を奪われていたと思う。

(父さんには負けるけど)ファントムもイケメンだしな。

イケメン、恐るべし←

 

そして(いくら勘違いしてるは云え)決して男の、しかも子供な俺に言うべきセリフではない。

なんかごめん。ファントム、歌姫(クリスティーヌ)さん。

 

 

「ちょっとぉおおおおっ!!?

人のサーヴァントを口説くの止めなさいよぉおおっ!!!!」

 

 

衝撃のあまり固まり、明後日の方に意識を飛ばしていた俺を。

ベリッ!と音がしそうな勢いでファントムから引き剥がし、抱き締めるマスター。

 

 

「うう・・何なのよもう!油断も隙もないわ。

何で世の中こんなに変態ばっかりなの?」

 

 

これまで何度か似たような事があったけど。

今回は今まで以上に強い力で胸元に押し付けられ、かなり息苦しい。

でも、聞こえてくるマスターの声は不安気に震えていて。

そんなマスターに、どうしても離れて欲しいと訴えられず。

俺は大人しくされるがままになる。

(あっ・・でも何か、ヤバイかも。頭がボーとしてきた。)

 

 

「アンタも十分、その(変態の内の)1人だけどな。」

 

 

視界ゼロ+意識が朦朧とする俺の耳に、呆れたような父さんの声がやけにはっきりと届いた。

 

 

「ど、どういう意味よ!?」

 

「そのまんまの意味だ。

それより早く離してやれよ。

コンラのやつ窒息死しちまうぜ。」

 

「え?」

 

「っ!、っ!」←(窒息寸前)

 

「いやぁあああっ!!コンラーーッ!!」

 

「クリスティーヌッ!!」

 

 

背中に回っていた両腕が慌てて解かれ。

自由を得た俺は「ぷはっ!」と大きく口を開き、新鮮な空気を肺に取り込む。

 

危ない危ない。

まさかマスターに窒息死させられそうになるだなんてっ!

 

 

「父さん。危険って、何処にでも潜んでるものなんだね。」

 

「その通りだな。・・けどよ。

今回の件はお前がその嬢ちゃんに甘過ぎるだけだろ。」

 

「コンラーッ!ごめんね!ごめんね!」

 

「(俺がマスターに?・・そうかな?普通だと思うけど。)」

 

 

半泣きで何度も謝ってくるマスターを、『大丈夫だよ!怒ってないよ!』と繰り返し声をかけながら慰める。

 

後ろで不審な動きをーー手袋を外そうとーーしたファントムは、軽く殺気を飛ばして牽制した。

いくら仲間(ファントム)でも、マスターに危害を加えるなら容赦はしない(怒)

 

警戒しながら取り乱すマスターを落ち着かせていると。

父さんは(どこかショボンとした様子の)ファントムの横を素通りし、待っていてくれたゲオルギウス達に話しかける。

 

あれ?見間違いかな。

父さんの片側の頬が赤く腫れてたような・・?

 

 

 

「こっちの都合で待たせて悪かったな。」

 

「いえいえ、気になさらずに。

それより彼の剣の腕が戻ったようで何よりです。」

 

「そうね。

これから《竜の魔女》と一戦交えるんだもの。」

 

「・・・ところで、その顔の怪我はどうしました?先ほど、自分で殴っていたように見えましたが?」

 

「げっ!やっぱ気づかれてたか。」

 

「この距離ですから。

もしや、ランサー。貴方はーーー」

 

「・・・・・。」

 

「ーーそう云った特殊な嗜好(しこう)をお持ちで?」

 

「はぁあっ!?もってねぇよっ!!」

 

《ショタコンなマスターに。

父親が特殊な性癖持ちか・・あやつも苦労する。》

 

「ラ、ランサー。好みは人それぞれだから止めろとは言わないけれど。あの子(子供)が居る前でやるのは、さすがに控えるべきだと思うわ・・ほら。

倫理的に、ね?」

 

「『ね?』じゃねぇよ!!

恥じらいながらとんでもねぇ爆弾発言かましたな!?

アンタたしか聖女だったよなっ!?

そのくせ人を特殊嗜好者扱いすんのヤメロッ!!」

 

「すまない!ランサー、本当にすまない!」

 

 

 

んん?

何やら急に父さん達の方が騒がしくなったぞ。

 

マスターからチラリと視線を移せば、柔和な笑みを浮かべるゲオルギウス。頬を淡く染めたマルタさん。

何か語気を荒げて喋っている父さん。

申し訳無さそうな表情のジークフリートと、その肩に乗るマルちゃん。

・・という(揉めている?ような)皆の姿が視界に入った。

 

どうしたんだろう?

問題でも起こったのかな?

 

マスターが落ち着いたのを確認した後。

その手を引いて、俺は父さん達の元にトコトコと向かう。

 

 

「(私があんな事をしてしまったのに。

笑って許してくれた!また手を握ってくれた!

嬉しいっ!優しいっ!コンラ大好きぃいっ!!!)」

 

「父さん。何かあったの?」

 

「あぁ・・あった。

(おも)に俺の沽券(こけん)に関わることでな。」

 

古剣(こけん)

父さん、古い剣なんか持ってたっけ?

・・・はっ!もしかして噂で聞いたあの《クルージーン(名剣)》のこと!?

何処にあるの?見たいっ!!」

 

「ーーーーそう来たか。」

 

 

俺のお願いに、父さんは何でか疲れた様子で苦笑し。

『悪い、今は持ってねぇんだ。セイバークラスで召喚されたらな。』と応えてくれた。

どうやら《セイバークラス》の父さんしか《光り輝く剣クルージーン》は所持していないらしい。

ちょっと残念だ。

 

・・・・それにしても。

こうして改めて考えると、父さん(クー・フーリン)は色んな《クラス》の適正があるんだな。

 

生前(ケルト時代)に聞いた噂を基にすると《ランサー》と《キャスター》の父さんの他に。

《セイバー》、《ライダー》、《バーサーカー》か。

あっ!《アサシン》と《アーチャー》の2クラス以外全部だ!

さすが父さんっ!!

もしかしたら、《人理修復()》の途中で他のクラスの父さんとも会えるかもしれないっ!

 

 

「運良く適正クラス全員が集まったら、俺と父さん(クー・フーリン)だけで3対3のストリートバスケができるね!」

 

「(キャスターは知ってるからまだしも)

あと3人も増えるわけ!?

あ、悪夢だわ・・。」

 

「うげっ・・!

(バーサーカーのオレが召喚された時点でバスケどころじゃなくなるぞ、おい。)」

 

 

きっと楽しい試合(闘い)になると、ワクワクしながら同意を求めれば。予想に反してマスターは顔を引き攣らせ身震いした。

父さんも心底イヤそうに眉を顰めている。

ええっ!?変だな?

疑問に思った俺は直接理由を尋ねようとした・・のだけれど。

 

 

 

《む?》

 

「っ!!」

 

「おや?」

 

「あっ!」

 

 

 

マルちゃん、ジークフリート、ゲオルギウス、マルタさんの4人(3人と1匹?)が一斉にバッ!と北東の方角に顔を向けた事に驚いて。言葉は喉の奥に引っ込んでしまった。

まるで始めから示し合わせていたかのような、一糸乱れぬ見事な揃い方だった。

 

 

「今のは・・」

 

「ええ。」

 

「間違いないでしょう。」

 

《気取られたかもしれぬな。》

 

 

そのままジークフリート達はお互いの顔を見、何かを確信したように頷き合う。な、何ごと?

俺達だけ『蚊帳の外』状態なんだが・・。

 

 

「おい。コントを始めるなら先に一言言ってくれや。ついてけねぇだろうが。」

 

「コントッ!?」

 

「すまない。そうではないんだ。」

 

「むしろ、コントで済めば幸いだったのですが・・。」

 

 

湛えていた微笑みを消し、難しい表情になったゲオルギウスはおもむろに口を開く。

告げられた予期せぬその内容に、俺は自分の耳を疑い。

マスターは呆気に取られた様に小さな声を漏らした。

 

 

「さきほど《邪竜》が動きました。

どうやら私達が向かっているオルレアン城は、すでに『もぬけの殻』のようです。」

 

「・・・は?」

 

 

えっ・・《竜の魔女(ジャンヌ・ダルク)》と《邪竜(ファヴニール)》。

お城に居ないの?

 

 

 

……………………………………………………………………………………………………………………………

 

 

 

※大変、大変遅くなりました。

スランプと公私の忙しさで手が止まってしまい。 

なかなか更新を再開する事が出来ませんでした・・・申し訳ありません。

気づけばUAも10万突破しており、続きを待っていて下さった皆様には感謝の想いばかりです。

 

ありがとうございます!(泣)

ありがとうございます!(泣)

 

 

 

つ、続きまして。文章の話になりますが。

文中で説明不足な部分が幾つかあったので、付け加えさせて頂きます。

 

 

▼《光り輝く剣クルージーン》とは?

 

クー・フーリンが生前に使用していた名剣。

鉄の館の外壁に柄まで深々と突き刺さった上、隣接する木造建築の館2軒を貫通する威力をもつ。

(コレたぶん、斬撃的なものを飛ばしてますよね?)

 

水に浮かべた毛髪が触れただけで切れ、両断された人が暫し斬られた事に気付かぬ程の鋭い切れ味。

(オマエはもう、死んでいるっ!)←

 

にも関わらず、刃を折り返してくっつけられるほど柔軟な造りで。その状態で手を放せば、しなりながら直ぐにピンっと真っ直ぐ元通りになるとの事。

(素材が何なのか気になるぅ・・!)

 

 

 

▼その他の伝承に登場する武具は?

 

 

・《鏖殺戦馬セングレン》

 

公式認定のライダークラス時の騎乗馬。

黒毛のお馬さんで、実はマハという灰色の毛のお馬さんと一緒に兄貴のトンデモ戦車を引っ張っていたそうな。

でもマハの方は非公式。なんでさ←

 

 

・《恐槍ドゥヴシェフ》

 

ゲイ・ボルグとは別の槍。非公式。

頑張れば師匠と同じ二槍流になれる可能性があるかも?

 

 

・《空幻魔杖デル・フリス》

 

妙技を見せる投げ矢、または早業の杖。非公式。

重要なのは『投げ矢』の部分。

つまりアーチャークラスもイケるという事ですね。

 

 

・《Duban という名の盾》

 

コンホヴァル王の庇護下にいた、と或る盾職人を脅して作らせたもの。非公式。

ヤのつく職業の取り立てじゃあるまいし、何やってるの兄貴(困惑)

 

 

・《隠れ蓑》

 

ティール・タリンギレ(約束の土地)産の生地でこしらえたマント。養父からの贈り物。非公式。

フェルグス叔父貴ぃいいっ!!早く会いたいよ叔父貴ーっ!!

 

 

・《喋る剣》

 

人語を話す以外詳細不明の剣。非公式。

わかります。

槍が喋るなら、剣も喋らない道理はありませんしね←

 

 

以上になります。

そして今になって重大なミスが発覚。

 

 

▼クー・フーリンが自ら「俺には3人、いや。4人の女がいてなーーうんぬん。」とFGO内で語った4人の女性について。

 

 

《槍の師匠》←言わずと知れた影の国の女王スカサハ。

 

《姫さん》←海神の奥さんとのW不倫現場に武装した50人の侍女を引き連れ突☆撃!本妻エメル。

 

《死の女神》←おのれクー・フーリン憎し!影の国の隣国の領主アイフェ・・ではなく、戦女神でもあるモルガン。あれ?

 

《敵国の女王》←スーパーケルト○ッチで名高いメイヴ・・ではなく、こっちがコンラくんの母様アイフェ。

やってしまいました(白眼)

 

 

すでにお分かりの通り。

《死の女神》=アイフェと作者が間違った認識をしていた事が判明。なので、急ぎ前の文章の一部を加筆修正・削除しました。他にもおかしな部分が見つかりしだい修正していきます。

ファンの皆様、にわか知識でスミマセンッ!!←

 

次回は場面がコンラくん達からカルデア組に移る予定です。

ついに救国の聖女と元師が母国で再会を果たす時が、来たっ!!

 


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