異世界の忍者は大変です。 作:OXYGEN
第1話
「義経様……お守りすることが出来ずに、本当に…本当に、申し訳ない。ここまで来たのならば、我ら、轟家全ての命を捧げます。」
目の前に、甲冑を着て血塗れになり倒れている君主を見ながら、跪きうなだれている者がいた。その者もまた、命を絶とうとしていた。
ズブッ
何かを切り裂く音がしてから呻き声が周囲に流れ、不意に吹いた風と共に消えていった。そこには、男の身体は無く、義経の遺体しかなかった。
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「………お……起きぬか!…い…加減にせい!」
ゴっ!
鈍い音が頭に響くと同時に痛みが走った。危害を加えた者は杖を構えていた。
「いってぇー、何すんだよ…やることやってんだからいいだろ?」
そう言ったのは、この世界では珍しい、黒髪、黒目、浅い彫りの顔をした、少年だ。対して、その少年の頭を小突いたのは、白髪、ブラウンの目、彫りが深い顔だが、どこか少年と似ている老爺だ。
「いい加減にせい、時間はいくらあっても足りないのだ。昼寝終わったなら、鍛錬の続きだ!蓮行くぞ。」
「昼寝終わったならって言っても、じいちゃんが無理やり起こしt」
無理やり鍛錬を続けようとする祖父、健に対して文句を言おうとするも、祖父の出す覇気に負けて、体術、つまり戦闘訓練の続きをした。
鍛錬を再開してしばらくしたら、蓮が健に対してあることを聞いた。
「じいちゃん、俺たち轟家ってさ、異世界から来たんだよね?だから、俺の髪の毛とか目とか黒いんだよな?」
「あぁ、そうだ。たがな、初代つまり、12代前の轟 比嘉守(ひかもり)が、ここの世界の者と恋に落ち、子孫を残し始めてから、黒髪や黒目といった、轟家の象徴が薄れ、今では」
そう言いながら、首にかけてあるロケットを取り出し続きを話した。
「この家紋しか《轟》を表す者だ。しかし、今黒髪、黒目、そして天才のお前がいれば、また象徴が復活するだろうしな」
そう言って、川に向かって行った。すると、蓮が誰にいうわけでもなく、そっと呟いた。
「はぁー、周りの国は敵ばっか、国の中でぎりぎり、経済が回ってると言っても、きびしいまんまだし、俺たち轟家の仕事は隠密行動系だけど、今は戦闘力を生かして、前線で指揮執ったり、全体指揮したりする士官だから、パルクールの練習いらない気がするんだけどなー。まぁ、街中でやるの楽しいしいいか…」
そう言って、1人パルクールで必要になる技術を磨いていた。
しばらくして、健が帰ってくると、蓮にあることを言った。
「今、隠密部隊から連絡があった。お前明日、王に会ってこい。」
「ん?ん?ん?なんか、王とか、会うとか、明日とか言ったよね?ここから王都までどれ位か知ってる?2日だよ?無理だよ。」
そう拒否してみるが、祖父が冷めた視線で見てくると、承諾しなければいけないような気がしてきた。
「わーったよ、けどパルクールしてくよ?」
「許可する」
「剣とか、手裏剣とか持ってくよー」
「うん、良いだろう。行ってこい。」
仕方なく承諾した。その代わりのように、蓮は我が儘を言った。健は、分かっていたかのように承諾した。
次から、蓮視点も入ります。