【ヒビキのLv80→Lv89】を入れました。
ユウキの台詞ミスを修正。
プネウマの花を入手し、シリカを宿屋に送り届けた後、キリトとユウキはヒビキを探していた。
あのあと追えたら良かったのだが、シリカを置いていくわけにもいかず、追えなかった。
「ねぇ!キリト、そっちは見つかった?」
「いや・・・こっちは居なかった」
「だぁ~も!いきなりどうしたのかな!ヒビキは!」
あの時からもう2ヶ月経っていた。
念のため生命の碑というプレイヤー名簿を見て生存を確認していた。
また、最近構ってもらう量が減ったユウキは少しイライラしていたが、八つ当たりするわけにも行かず、我慢していた。
二人は懸命に自分達のフレンドにも協力してもらったがそれでも見つからなかった。
「ヒビキの奴フレンド削除してるな・・・これじゃあ見つけるのが苦労する」
「ほんとだよ!全然見つからないもん!」
と二人はどうしたものか悩んでいるとある人物がやって来た。
「ん、お困りのごよーす」
「へっ・・・カグラ?」
「・・・誰だ?」
「カグラちゃんだよ。フード被ってるから姿見えにくいけど」
「カグラってヒビキの妹の?」
「そうだよ。キリトまさか忘れた・・・とかじゃないよね?」
「ソンナコトナイダロ」
怪しげな反応をするキリトにカグラは少しため息を付くがすぐに話を出した。
「ヒビキをお探し?」
「うん、知ってるの?」
「当然、フレンド切ってない」
「なら教えてほしいんだ」
ユウキが聞くもカグラは答えなかった。
それは何か悩んでいるような顔だった。
「どうしても?」
「ああ、どうしてもだ」
「ん・・・」
カグラが言い渋っているとキリトがメッセージを見ていた。
どうやらクラインから届いた物だった。
「ユウキ!大変だ、迷宮区の61層のボス部屋が占拠されてるらしい!」
「えぇ!?何で、あそこって最前線でしょ!?」
「61層・・・」
二人が驚いているとカグラは61層という単語に反応した。
そんな反応を見逃さないようにユウキは問い詰めた。
「居るんだね?そこに」
「う、ん・・・ヒビキは61層の迷宮区に向かった」
「そっか・・・ありがとう、カグラ!」
「あぁ、俺からも礼を言う、言ってくれてありがとう」
感謝され照れ臭そうにカグラは顔を隠した。
それでもヒビキを止めてくれる事にカグラが感謝していた。
「キリト!急いでいくよ!」
「あぁ!」
二人はすぐさま61層の迷宮区に向かった。
それを追い掛けるようにカグラもついていった。
その後、二人は迷宮区のボス部屋まで難無く到着した。
しかしそこには大人数のプレイヤーが居た。
「クライン!これは?」
「おぉ、キリトか。それがあそこで通せんぼしてる奴がよ、ボス部屋を通さねぇんだ」
「あいつらが?」
キリトはボス前で通せんぼしているプレイヤーを見た。
それは、《軍》と呼ばれるギルドの一人、キバオウが居た。
「ここはとおさへん!そういう依頼や!」
「しかし、キバオウさん・・・通しては駄目というだけで見せてはいけないというのは言われていません」
「それもそうやな・・・見せるぐらいならええやろ」
キバオウはそういうとボス部屋の扉に手をかけた。
するとボスと戦っているプレイヤーが居たが・・・人数は一人。
「ヒビキ!?」
「嘘だろ?何で・・・」
ユウキとキリトはその異常な光景を見てしまった。
ヒビキは別れた後、カグラの元に行っていた。
「カグラ・・・邪魔するぞ」
「ん、ご自由に」
「・・・さっきほとんどの奴のフレンドを消した。残してるのはお前だけだ」
「そう・・・」
「もしあの二人が来たら限界まで言うのを渋ってくれ」
「なんで」
「顔を見たくないって言えば分かるだろ?それに、目の色・・・気付きかけた奴も居た」
「わかった、ヒビキのお願いだから聞く・・・でもそんなに引き伸ばせないと思う、勘良いから」
「それでも良い、じゃあ行ってくる」
「行ってらっしゃい」
とカグラの店を出た後、軍の所へ向かった。
用があるのは軍の中で分割されて対立している一人、キバオウだった。
「なんや、こんなとこ呼出しよって」
「依頼だ、報酬は先払い。仮に失敗しても構わん」
「なんやその依頼」
「あんたの部下とあんた本人でボス前の扉を誰にも通さないようにしてくれ」
「・・・理由は?」
「別に言う必要はねぇだろ、で・・・やんのか?」
「ええわ、やったろうやないの、そのかわりしっかりと金は貰うからの!」
キバオウに依頼を受けてもらった後、報酬の金を先払いし、61層の迷宮区に向かった。
迷宮区自体の雑魚は弱いと言っても過言ではなかった。
安全マージンの71を超えて89となっているヒビキにはほぼ無意味だった。
「さて、やるか」
ヒビキはボスの扉に手をかけ、独りで戦った。
それを数時間も。
「ねぇ!キリト行こうよ!あのままじゃ死んじゃうってばぁ!」
「落ち着けユウキ、今の状態のヒビキに近寄れば一緒に処理される」
「でも・・・でもぉ!」
泣きながらユウキはヒビキの姿を見ることしか出来なかった。
誰も、中には入ろうとはしなかった。
なぜなら、ボス部屋の中でだけ限定だが辺りには武器が突き刺さっていた。
入ればあれの流れ弾を食らうことになりかねない。
それを見ていることしか出来ず、数時間たった。
数時間経つとヒビキは《幻想剣》スキル『ディレベル・メテオ』をボスに放った。
いくらボスと言えどスキルやアイテムなどで強化されたヒビキの筋力には敵わず、上に蹴り飛ばされた。
するとあの時の男プレイヤーよりも遥かに多い数をボスに与えていた。
そして、100連撃が全て決まった瞬間、ボスのHPは0になりポリゴン状となって消えた。
それを見ていたプレイヤーは状況を忘れ、喜んでいた。
しかし一人だけそれに混ざらずヒビキに突っ込んでいった。
「・・・ユウキか」
「あれ全部・・・ヒビキ一人でやったの・・・?」
「当然だろ、俺以外ボス部屋には入ってない」
「・・・なんでこんな危ないことしたの!」
ユウキはヒビキを心配していた。
それはもう胸が張り裂けそうなぐらいに。
あのままだと死ぬんじゃないか、自分を置いていってしまうんじゃないかと。
「おいおい・・・別に俺が好きでやったことだ、それで死ねるんなら本望だ」
「・・・っ!ボクがどれだけ心配したと思う!?あの時にいきなり消えてやっと見つかったと思ったら一人でボス討伐なんかして!それで死んだらどうするの!」
「何だよ、勝手にやってわりぃか?俺の命は俺のだ。誰かに縛られて生きてるわけじゃねぇ、それで死ねる方が後々良いんだよ」
「変だよ、最近・・・ヒビキの様子が」
「はぁ?たかが数ヶ月一緒に居ただけで俺のことなにもかも知ったつもりかよ・・・そういうのうざいんですけど」
「それはヒビキが何も教えてくれなかったからだよ!言えるときまで待っててほしいって言われたからボクは待ってたよ!何も言わなかったのはヒビキの方じゃん!」
「あーも、うるせぇ、うるせぇ・・・頭に響くから黙れよ・・・」
耳を塞ぎ、何も聞こえないふりをする。
その行為がまたユウキを怒らせた。
「そうやって逃げてるだけのくせに!結局ボクが言ったことは全部無視して人に心配かけさせて!迷惑かけて!ヒビキがやってるのはただの自己中だよ!」
「・・・もう好きに言ってろ、言葉でしか何も出来ねぇくせに」
呆れたようにヒビキは言い、62層の扉へと向かった。
「ヒビキ!」
ユウキが制止をかけるもそんなものは無視し、未知のエリアである62層へと入って行った。
その後、ヒビキはカグラの所で寝泊まりしていた。
自分の家に帰ればユウキが居る可能性はありえる。
わざわざ自分から突き放すように言っておいて会ってしまったら意味がなくなる。
「ヒビキ、あれ気にしてるの?」
「そりゃあな、あのまま俺に依存されたらSAO帰還後あいつの精神が確実にもたねぇだろ」
「・・・話したの?」
「誰か話すかよ、あんな事」
「だって、どうする?」
カグラがそういうと裏方からユウキが出てきた。
「カグラ・・・お前謀ったか」
「私はヒビキの事思ってこうしただけ、謀ったと思ってないし元よりヒビキ側とは言ってない。私裏にいるね」
「はぁ・・・で?今更何のようだよユウキ」
「・・・」
ヒビキが尋ねるも黙った状態で何も言わないユウキ。
しかし、その顔からは確かに涙が出ていた。
「だんまりかよ、それなら俺は移動するぞ」
「・・・っ」
ヒビキが席から立ち上がろうとするとユウキが引き止めたと思ったがそのままそのまま身体をヒビキに預けた。
その行動にヒビキは少し驚くがすぐにいつもの表情になった。
「ヒ・・・ビキ、お願い・・・」
「あ?」
「もう独りに・・・しないで・・・」
そう言うユウキの顔はとても歪んでいた。
しかしユウキは寝てしまっており、寝息が聞こえた。
いくらヒビキでも寝ている女の子を放っては行かない。
「はぁ・・・自覚しての行動なら文句言うけど・・・こいつ寝てねぇな・・・」
「もう・・・独り・・・は・・・い・・や・・・」
「・・・ユウキには言うべきなのかねぇ・・・あのこと」
「ヒビ・・・キ・・・」
泣きながら自分に引っ付くユウキをどこか自分と重なるような感覚がした。
そしてこんな状態のユウキを置いていけないため、そのまま一緒に居ることにした。
「起きるまで居てやるからしっかり寝ろよ」
それに答えるようにヒビキを強く抱きしめた。
ヒビキも久しくユウキと寝ていなかったからかすぐに寝付いた。
カグラが一度見に来ると二人は幸せそうに寝ているのを見て微笑ましく思い、毛布を二人にかけてあげた。
ヒビキさんはソロで61層のフロアボスを倒しました。
自分で言っては何ですが強いですね・・・。
次回、ヒビキのお話メインです。