ソードアート・オンライン ~幻剣と絶剣~   作:紅風車
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家族とストーカー退治

ユウキはその日夢を見た。

そこはSAOの中でフロアボスの場所には自分が愛するヒビキがいた。

 

「ヒビキー!」

 

呼び掛けるが反応がなかった。

変だなと思い、近付いてみるとそこには。

 

 

あちこちから血を流し、愛剣を握るヒビキがいた。

 

「ヒ、ヒビキ?ど、どうしたの?」

 

「・・・」

 

ヒビキは何も答えず、ユウキに振り向いた。

そして武器を引きずり、近付いた。

ユウキはそれに恐怖を覚え、尻餅を付いた。

 

「ヒビキ・・・?どうしちゃったの・・・?」

 

「・・・」

 

何度も話しかけても声は帰ってこず、それどころか近づく度にどんどん嫌な予感がしていった。

ユウキもそれが怖くなり、後退りする。

 

「や、やめよ?怖いよ・・・?ヒビキ・・・」

 

「・・・」

 

とうとう壁に到着し、これ以上後退りが出来なくなった。

それに焦ったユウキはどこに逃げるか焦る。

しかしヒビキは冷酷な目で無慈悲な一撃をユウキに振りかざそうとした。

そこでユウキは夢から覚めた。

 

 

 

「・・・っ!・・・い、いまのって・・・」

 

ユウキは周りを見渡し、ヒビキの家だと確認した。

すると隣から声がした。

 

「うぅ~ん・・・んぁ・・・ユウキ?・・・」

 

「ヒビキ・・・?」

 

夢で見たヒビキは偽物だと分かると何故か涙が出てきていた。

それがいつものヒビキだったという安心からかわからなかったが。

 

「ヒビキぃ~!・・・うわぁ~ん・・・!」

 

「えっ、ちょっ、ユウキ!?ちょユウキさん!?どうしました!?」

 

「ひっぐ・・・」

 

いきなり自分を見て泣き出したユウキに驚くも、落ち着かせるため抱きしめて頭を撫でた。

すると段々と落ち着いてきたのかユウキからは泣き声がしなくなった。

 

「ユウキ?どうしたんだよ、いきなり泣き出して」

 

「何でも・・・ない・・・」

 

「あるだろ?いくらなんでも今の泣いてたユウキは異常だったぞ?明らかに何かあったに決まってるじゃねぇか」

 

「言わなきゃ・・・ダメ・・・?」

 

「ダーメ。何も知らない状態で何回も泣かれるとこっちの神経が削れるっての。それに泣いてるユウキなんて見たくないしな。何かあったなら一緒に背負ってやる。それが夫婦ってもんだろ?」

 

「うん・・・」

 

「もうしばらくこのまんまがいいか?」

 

「うん・・・」

 

いつになく元気が無くなっていたため、しばらくユウキと一緒に居ることにした。

ユウキもヒビキの言われたとおり抱き着いた間々少ししていると眠たくなり寝てしまった。

 

「ユウキ?・・・って寝てんのか・・・まぁあんだけ泣きゃ疲れるか」

 

「んむ・・・」

 

「今日は何も無いから近くにいるからな」

 

とユウキに言って少し頭を撫でた後、ご飯を作りに行った。

今日のユウキの状態を見てご飯もある程度考えて作っていた。

少しするとご飯が出来たため、ユウキが寝ている寝室にご飯を持って入った。

するとユウキが起きていた。

 

「ん、おはよう・・・もう大丈夫?」

 

「うん・・・大丈夫だよ」

 

「あんま無理すんなよ?別に我慢しなくて良いんだから」

 

「良いの・・・?」

 

「当たり前だろうが、お前はもう独りじゃないんだからな、我慢なんてしなくて良いからな」

 

そういうとヒビキはユウキの頭を撫でた。

その言葉によって色々我慢していた物が無くなったのかまた泣き出した。

 

「うん・・・!ありがとう・・・!」

 

「ったく、お前は何回泣きゃ済むんだか・・・」

 

と困り果てるヒビキはどこか嬉しそうにユウキを抱きしめた。

 

「ねぇ・・・ヒビキ」

 

「ん?」

 

「ボクね、家族が居ないんだ」

 

「なっ・・・」

 

ユウキがいきなりとんでもないことを話しに切り出した。

それもユウキには家族が居ないという物を。

 

「お父さんとお母さんは交通事故で死んじゃった」

 

「まさかその事故って・・・」

 

「うん・・・ヒビキのお父さんが巻き込まれた奴と一緒だと思うよ」

 

「そうか・・・」

 

ヒビキ自身は自分の父親を何とも思わなかったが、それに巻き込まれてしまったユウキの両親を惜しんだ。

 

「それとボクには双子の姉ちゃんが居たんだ」

 

「へぇ・・・ユウキのお姉さんか」

 

「うん・・・でもお母さん達が交通事故に合って親戚の人がボク達を引き取ったんだけど・・・ボクと姉ちゃんは別々の家に引き取られたんだ」

 

ユウキの話を聞いていると少し疑問に思った所があったためユウキに聞いた。

 

「なるほどな・・・さっきの家族が居ないってどういうことだ?親戚の人居るんだろ?」

 

「ヒビキと同じだよ、ボクは引き取ってくれた親戚の人には感謝してるけど信頼はしてない。他人から見たら家族に見えるように振る舞ってるけど本当の家族っていう意味で言えば居ないよ」

 

「そういうことか・・・ごめんな、変なこと聞いて」

 

「ううん、ヒビキには知ってて欲しかったから・・・」

 

「・・・俺が家族になってやっても良いけどな」

 

「何か言った?」

 

「ううん、何でも。それよりご飯作ってあるから食べよう?」

 

「うん!」

 

ユウキの家庭環境とかが自分とかなり似る物があった。

過程は違えど両親は居ないし、引取先の家庭を信頼していない。

だからこそ惹かれる所があったのかもしれない。

気づかない部分に。

 

ご飯を食べ終わった二人はその後ヒビキがあるものをユウキに渡した。

それは小さな箱だった。

 

「ヒビキ?これって?」

 

「ん・・・あぁ・・・うん、カグラに頼んでた物がようやく出来上がってな」

 

「そうなんだね・・・開けて見ても良い?」

 

「ん、良いぞ」

 

ユウキが箱を開けるとそこには指輪が挟まれていた。

 

「その・・・結婚指輪だよ、本当はあの時渡したかったけどまだ出来てなかったからな。ユウキのイメージカラーが紫だから使った宝石はアメジストに・・・」

 

「わぁぁ・・・!ありがとう!ヒビキ!」

 

「別に・・・渡すのが遅くなっちゃったし」

 

「ううん、そんな事は良いよ。こうしてちゃんと結婚してるって実感出来るなら」

 

「ったく、ほら付けてやるよ」

 

結婚指輪をユウキの左手の薬指に嵌めた。

ちゃっかりヒビキ自身も指輪を嵌めようとするとユウキがしたがっていたので渡して嵌めてもらっていた。

 

「もう隠せねぇけど・・・まぁ良いか、ユウキが一緒なら」

 

「だね、ヒビキと一緒なら何でも出来そう!」

 

「調子良いこと言うんじゃねーっての・・・ったく」

 

「えへへ~」

 

元気になったユウキが笑うと自分も元気になる、そんな感覚がした。

 

 

 

ユウキが「久々に戦いに行こうよー!」と提案し、ヒビキも断る用事がなかったため、前線になっている第74層に向かうことにした。

ユウキが用事がすこし出来たから先に行っててと言われ先に向かうことにした。

すると74層の転移門近くにはヒビキの親友キリトが居た。

 

「ん、キリトー!」

 

「ヒビキじゃないか、もう大丈夫なのか?」

 

「大丈夫じゃなかったらユウキに心配されまくるからな・・・」

 

「あはは・・・しかし久しぶりだな、最近見なかったからだろうけど」

 

「そうだな、キリトは誰か待ってる感じか?」

 

「ああ、アスナを待ってるんだよ・・・そういうヒビキは?」

 

「あー、ユウキ待ち。何か用事出来たとかで先行けと言われた」

 

「なるほどな」

 

二人して人を待っていると転移門が光った。

すると声がした。

 

「キリトくーん!避けてー!」

 

と言われるが反応出来ずキリトは誰かに押し倒される。

ヒビキは直感で危険だと警告されたような気がして事前に動いている。

 

「ん・・・なんだ?これ」

 

「ひゃあ!?キ、キリト君のエッチ!」

 

「うぐわぁ!?」

 

そういうアスナは胸元を押さえてキリトを睨んでいる。

恐らく胸でも揉んだのだろうとヒビキは思っているとまた転移門が光った。

 

「ヒ、ヒビキ!?よけて!よけてぇー!」

 

その光る正体はユウキだと分かり、避けるどころか飛んできたユウキを受け止めた。

 

「よっ・・・っと」

 

「避けて良かったのに・・・」

 

「バーカ、誰が避けるかよ」

 

ユウキの頭を撫でそういうとまた転移門が光った。

その瞬間、ユウキがヒビキの、アスナがキリトの後ろに隠れた。

 

「ん、どした」

 

「アスナ様!勝手な行動は困ります!」

 

「あの人!ボクをまた勧誘してきたんだよ!」

 

ユウキが言った相手は服装で一目瞭然であった。

SAO内の最強ギルド《血盟騎士団》の人員と分かった。

またユウキに話し掛けられるのも嫌だったヒビキは少し距離を取った。

 

「きょ、今日は何も無い日でしょ!?何で朝から私の家の前に居るのよ!」

 

「私の任務はアスナ様の護衛です!当然その任務にはご自宅も含まれますとも!」

 

そうおおらかに言うプレイヤーにアスナは「ふ、含まれないわよ、馬鹿」と言い返す。

するとキリトを無視してアスナの手を掴み連れていこうとする。

 

「アスナ様!ギルド本部に戻りましょう!」

 

「待てよ、あんたんとこの副団長様は今日一日貸出なんだ、しっかり俺が護衛するからあんた一人で帰ってくれ」

 

「この餓鬼!言わせておけば・・・!」

 

プレイヤーはメニューを操作するとキリトにデュエルを申し込んだ。

 

「貴様にアスナ様の護衛が務まるものか!」

 

キリトはそのデュエルを受ける。

すると周りのプレイヤーがデュエルに釣られたのかどんどn集まって行った。

モードは《初撃決着》、両者武器を出す。

 

3、2、1・・・とデュエルが開始した瞬間両者ともソードスキルを発動させた。

プレイヤーが使ったのは両手剣スキル《アバランシュ》、上位スキルで中々のスキルだがそれはモンスター相手なら。

それに対してキリトは片手剣スキル《ソニックリープ》。

プレイヤーはキリトに当たると確信しているとキリトの剣がプレイヤーの武器に当たった。

それによってプレイヤーの武器の刀身が折れて吹き飛んだ。

キリトがやったのは《武器破壊》と呼ばれる物だ。

武器と武器が相槌しあう時、起こす偶然的な物だがキリトがやったものは故意的だった。

武器の宝飾がある物はその部分が脆い。

その部位に攻撃を当てられると武器の耐久値が大きく減ることがある。

キリトのはそれを狙ったのだろう。

 

「まだやるなら相手するけど・・・もういいんじゃないかな」

 

「言わせておけば・・・!」

 

予備の武器を取り出しキリトに攻撃しようとするがアスナによってそれを止められる。

 

「クラディール、血盟騎士団副団長として命じます。今日を持って護衛任務から解雇。本部から別命が来るまで自宅待機とします」

 

クラディールはキリトを忌ま忌ましく見つめる。

するとヒビキの後ろに隠れているユウキを見つけ、近寄った。

 

「ひっ」

 

ユウキが怯えたように小さな声を漏らした。

 

「これはこれはユウキ殿。どうですかな、ギルドの参入は?」

 

「ボクは入らないって何回も言ったよね!?」

 

「一度入れば気が変わるかとおもいますよ、さあ体験入部として」

 

とユウキの手を掴もうとするとクラディールの首元にヒビキの剣が押し当てられた。

そのヒビキの目は汚物を見るような目でクラディールを睨む。

 

「何様で手ェ出してんだ」

 

「また貴様か・・・!いつもいつも私の勧誘を妨害しよって!」

 

「黙れ、入らないって言ってんだろうがぁ・・・?それで止めろよ」

 

「この糞餓鬼がぁ・・・!」

 

クラディールはさっきアスナに罰を与えられたのにも関わらず、ヒビキに食ってかかった。

ヒビキにデュエルを申し込み、ヒビキはそれを承諾した。

 

「ユウキ、キリトんとこ行っててくれ。被害及ばれたら困る」

 

「う、うん・・・絶対勝ってよ・・・?」

 

それに頷くとユウキはキリト達のところに走って行った。

するとクラディールは厭らしい目でユウキを見つめる。

それに気づいヒビキは武器を握る手に力が入った。

 

デュエルが開始されるとクラディールはすぐさまヒビキに突っ込んで武器を振りかぶった。

ヒビキはそれをただ右手を構えて待つのみだった。

 

「ヒビキ!?何してるの!」

 

ユウキが言って来るが無視し、クラディールの攻撃に構えた。

確実に当たると確信し、そのまま振りかざそうとするクラディール。

しかしそれは外れた、何故なら。

 

クラディールの武器を構えていた右手で掴み止めていたから。

 

「なっ!?」

 

「あ・・・?こんな程度か。よわっちぃ筋力なこった」

 

ヒビキはそう呟くと剣を振ってクラディールの腹を蹴って距離を取った。

すぐに体勢を直したクラディールはヒビキの攻撃を避けようとするが。

ヒビキはアイテムストレージから短剣を取り出し、クラディールに振りかぶった。

それを弾こうとクラディールは短剣を簡単に弾けた短剣に驚いたクラディール。

それでヒビキは勝利を確信し、飛ばされた短剣に目もくれずクラディールの背中に周り愛剣を首元にあてた。

 

「対して強くもねぇのに威張んな、そういうのうぜぇ」

 

事実上のクラディールの完全敗北だった。

リザインと呟くとクラディールはとぼとぼと転移門に向かい、姿を消した。

 

 

「ヒビキー!」

 

「うおっ、しっかりと勝ったぞ」

 

「うん!ちゃんと見てたよ!」

 

戦っている姿をしっかり見ていたユウキに照れ臭そうにするもヒビキは少し嬉しかった。

すぐにキリト達もやってくる。

 

「おつかれ。大丈夫だったか?」

 

「全然。てか弱すぎだわ、キリトのがまだ張り合いある」

 

「ごめんなさい、私のギルドが・・・」

 

「いや良い、どうせ来るだろうなって思ったし」

 

「そうなのか・・・なぁ、ヒビキも迷宮攻略来ないか?人数多い方が楽しいだろ?」

 

「ユウキは行くか?」

 

「ヒビキが行くならボクも行くよ!」

 

ユウキが行くと言い、ヒビキもそれに同意したため、キリトとアスナは二人をパーティーに入れた後、74層迷宮に向かった。

 

 




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