ソードアート・オンライン ~幻剣と絶剣~   作:紅風車
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《笑う棺桶》作戦会議

昨日の事後。

疲れ果てて眠った二人は、朝の時間になるとヒビキより早く起きたユウキ。

 

「ん~・・・ふぅ、もう朝かぁ」

 

「すぅ・・・すぅ・・・」

 

「まだヒビキ寝てる・・・ふふ、たまにはボクが作ろうかな?」

 

いつもならヒビキが作り、ユウキがそれを食べるのが日常だったが、まだ寝ているヒビキを起こして作らすのもと思いユウキはご飯を作りに行った。

 

「昨日は・・・シチューだったから、軽めのを作ってみようかな?」

 

ユウキは簡単に作れてお腹が膨れる物を作ることにし、材料を揃えて作った。

 

ご飯を作っていると寝室から寝ぼけたヒビキが出てきた。

 

「んぁ・・・おはよー、ユウキ・・・」

 

「おはよっ、ご飯作ってるから待っててね」

 

「おう・・・」

 

目を擦りながら椅子に座ったヒビキはしばらくすると眠気が覚めてきていた。

 

「やっべぇ・・・昨日ので結構疲れたな・・・」

 

「もう・・・ほら、出来たよ」

 

「おっ、美味そうだな」

 

「えへへ~、頑張って作ってみたよ!」

 

「んじゃ・・・いただきます」

 

「いただきまーす!」

 

ヒビキとユウキが合掌するとヒビキが食べてみる。

スープとパン、サラダと軽めの朝食だがヒビキには作ってもらっただけで十分なほどなので足りないことは無く、味も現実世界に近づけたため美味しく仕上がっていた。

 

「ど、どう?」

 

「うん、美味い!」

 

「良かったぁ~」

 

ヒビキが美味しいと言うとユウキはほっとし、ユウキも食べはじめた。

 

「やっぱ自分で作るより誰かに作ってくれた料理のが美味いな」

 

「だね、ボクはヒビキのご飯好きだけどな~」

 

「ユウキと違って俺は戦闘メインだっつーの、ご飯はユウキが作ってくれた物を食べたいしな」

 

普段ヒビキの料理を食べていたためユウキからするといつも通りのヒビキの料理を食べたいがヒビキも同じなのである。

 

「じゃあ今日はユウキが作ったから明日俺が作る。その次の日にユウキが作ってくれないか?」

 

「うん、わかった!」

 

「よし・・・って、もうすぐ集合時間だな」

 

「だね、行く?」

 

「遅れるわけにもいかねぇし、行くか」

 

「はーい!」

 

集合時間に近づいているのに気付いたヒビキはユウキに伝え、用意をすると作戦会議の場所の第56層にある《聖竜連合》に向かった。

 

 

少し歩くと聖竜連合本部に到着し、門番にラフコフ討伐の作戦会議に参加するという旨を伝えると通してくれたため、そのまま二人は会議場に向かう。

すると道中で親友のキリトとアスナが居た。

 

「アスナ!」

 

「ユウキ!あなたも来ていたのね」

 

「うん!ヒビキを何とか説得して参加することにしたんだ!」

 

「ヒビキ・・・」

 

「何・・・真剣にしてる奴の頼みを無下にしたくないし、自分でやると言ってるから問題ないだろ」

 

「はぁ・・・そういうとこは俺と一緒だよなぁ」

 

「うっせ、尻に敷かれてる癖に何を言う」

 

「うぐっ・・・」

 

アスナとユウキが話しているとキリトも言ってくるがキリトも真剣にしている相手を無下にはしないため結局はヒビキと似ている。

違うといえばキリトは尻に敷かれている。

 

「さて、始まるぞ」

 

「ああ、ユウキとアスナは少し静かにしような」

 

「ご、ごめんなさい、ヒビキ君」

 

「ごめん・・・」

 

ヒビキがすこし注意すると聞いてくれたのかすぐに静かになり、ラフコフ討伐作戦会議が始まった。

 

 

「今日集まって貰ったのは他でもない、あのレッドギルドで悪名高い《笑う棺桶》の討伐作戦だ!今回の内容は如何に犠牲をださず相手を殲滅出来るかだ!」

 

聖竜連合所属のタンク隊のリーダー『シュミット』が言った。

それに反するようにヒビキが言う。

 

「シュミット、そういうが相手の居場所は割れてんのか?殲滅作戦は大事だが、相手の場所が分からなければ作戦の組み用がない」

 

「ヒビキ、それに関しては大丈夫だ。奴らの本拠地は割れている。67層迷宮区に奴らの本拠地があると分かった」

 

「シュミットさん、その情報は信用に値しますか?」

 

アスナは疑うようにシュミットに聞く。

確かに情報があってもその元が信用に値するかによっては変わる。

だがシュミットは言う。

 

「ああ、これは《鼠》からの情報だ」

 

「なるほど・・・あの人の情報なら信用出来るわね」

 

「そうだな、一応《メテオクレスト》もそう言ったからな」

 

ヒビキがそのギルド名を呟くと全員ヒビキに注目した。

その行動に理解できずヒビキは後ずさる。

 

「ねぇ、ヒビキ君。さっき何て言ったの?」

 

「え?だから《メテオクレスト》からもそう聞いてるって」

 

「まさか、あのギルド!?」

 

「そ、そうなんじゃねぇの?・・・よく分からんが」

 

「ヒビキよ!そのギルドに今回の作戦に参加してもらえないだろうか!?」

 

「えっ」

 

いきなりアスナとシュミットがヒビキに聞いて来るためヒビキは焦る。

 

「な、なぁ・・・《メテオクレスト》ってそこまで有名なのか?」

 

「有名なんてものじゃないわよ!メンバー数は不明だけど実力は攻略組の塊とも言われているのよ!」

 

「・・・はじめて知った・・・カグラ、お前は知ってたのか?」

 

初耳と聞いて二人は驚いた顔をし、ヒビキはそれの反応に困る。

だがヒビキだけが気付いたのか隣に居たカグラに聞く。

 

「初耳。ヒビキ基準にすると全員弱いと思う」

 

「「!?」」

 

いきなり現れたように感じる二人は驚く。

 

「カグラ、《隠蔽》使いながら来たのかよ」

 

「ん、門番めんどい」

 

「あ、はい」

 

ヒビキとカグラが話していると、アスナがヒビキに近づく。

 

「ヒビキ君・・・この子ってあのカグラちゃん?」

 

「多分な、何か有名らしいし」

 

アスナが確認すると他のプレイヤーが一気にカグラに群がった。

するとカグラが秒速でユウキの後ろに隠れる。

 

「カ、カグラちゃん?どうしたの?」

 

「うぅ・・・」

 

「・・・カグラ。きついなら店に戻っとけ、参加するならするで教えに行くから」

 

と普段と違うカグラを見たユウキは戸惑い、ヒビキは落ち着かせるため静かにだがカグラに伝わるように言った。

 

「だい、じょぶ・・・頑張る」

 

「・・・はぁ、ユウキ少し頼む」

 

「うん、任せて」

 

カグラをユウキに任せるとヒビキは群がってきたプレイヤーを散らしに行った。

その行動にシュミットとアスナも入ってくれたため、すぐにプレイヤーは散った。

 

 

「さて、少し騒ぎが起きたが会議を続ける。奴らが潜伏している情報は信用に値すると思ってくれただろう。そしてここからだが・・・、基本は捕縛し牢獄に投獄するものとするが、中でも幹部格である『ジョニー・ブラック』『赤眼のザザ』『PoH』は必ず捕縛する!しかし激しく抵抗をする者は・・・やむを得ないが我々の手で終わらせるしかない」

 

シュミットの言葉にその場にいたプレイヤーは全員息を飲んだ。

終わらせるしかない・・・つまりは自分達で殺すのだ。

だがそれぐらいの意気込みが無ければラフコフは倒せない。

 

そして簡単なパーティー編成を終えてその日の作戦会議は終了し解散した。

キリトとアスナも自分のホームへと戻り、ユウキとヒビキはカグラを連れて家へと帰った。

 

 

22層、ヒビキの家。

 

カグラを連れて帰った二人はユウキはヒビキに聞いた。

 

「ねぇ、ヒビキ」

 

「ん?何だ?」

 

「カグラちゃん・・・どうしたの?作戦会議からこんな感じだよ・・・?」

 

ユウキが聞いたのはカグラの事。

作戦会議からずっと半泣きでユウキにしがみついている。

さすがにユウキも変に思いヒビキに聞いた。

 

「・・・カグラはさ、人が苦手なんだよ」

 

「へっ?そ、そうなの?」

 

「ああ・・・だが一人二人・・・数人なら構わないんだがな、さっきみたいに大人数が来るとこんな状態になる」

 

「・・・そうなんだね」

 

「詳しいことは・・・またいつか話せたら話すよ。だけど今はユウキにしか頼めない。それだけユウキはカグラに信用されてるって事だしな」

 

ヒビキに訳を話されてユウキはカグラを見た。

普段の立ち振る舞いからは想像出来ないほど弱々しくユウキに引っ付いている。

 

「うん・・・分かったよ、カグラちゃんはボクに任せてね」

 

「悪いな」

 

「ううん、こうして見てたらカグラちゃんって小さくて・・・ボク達の子供・・・見たいだし」

 

「・・・元に戻った本人には言うなよ」

 

馬鹿なことを言うユウキに呆れつつヒビキはユウキの横に座り、ユウキに引っ付くカグラの頭を優しく撫でた。

 

 

その後カグラはずっとユウキと一緒に引っ付きその日は離れなかったため、そのまま一緒に三人は寝た。

 

その光景は仲の良い夫婦と子供が寝ていた。

 

 



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