ソードアート・オンライン ~幻剣と絶剣~   作:紅風車
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捕われた檻の中

響夜は起きると必ず朝に家事をする。

神菜は研究職で中々家に帰れず、家事は基本響夜がしていた。

SAO事件前も同じだが、最低限しか家を出なかった部分が今と違う所だろう。

 

そして響夜は自分の目からカラーコンタクトを外す。

 

「・・・変な目・・・だよなぁ」

 

鏡に写る響夜の目は金色に輝いていた。

生まれつきらしく、神楽には無かったが響夜だけが金色の目をしていた。

 

「はぁ・・・」

 

ため息を付いているとベッドから声がする。

昨日退院し、泊まりに来た木綿季だった。

SAOで散々下着姿で寝ていたので見慣れてしまったと思っていたが現実世界ではそうはいかないようですぐに目を逸らす。

 

「木綿季は無防備すぎだろ・・・」

 

「・・・んむ・・・すぅ・・・すぅ・・・」

 

するとパソコンのメールに1件の通達があった。

何だろうと思い響夜はそれを開く。

 

差出人はエギルからだった。

そして内容には添付された画像ファイル。

それを開くと一つの画像が表示される。

 

「随分と画質が荒いな・・・ちょっとぐらいはあげれねぇかな?」

 

自分の編集技術で荒い画像を何とか見られるレベルにまでにした。

そしてそこに写っていたのは鳥かごと一人のプレイヤー。

 

「・・・こいつは・・・アスナか?」

 

そして添付ファイルの下には文章があり、「この住所に来てほしい」との文章があった。

 

「・・・なるほどな」

 

「すぅ・・・すぅ・・・」

 

「木綿季、朝だぞ起きろー」

 

「んむ・・・もう朝ぁ・・・?」

 

「そうだぞ、飯食ったら俺少し出掛けるからな」

 

「ん・・・どこ行くの・・・?」

 

「エギルに呼ばれたからそこに行く」

 

「ボクも・・・行く・・・」

 

「ならまず顔洗って来い、ご飯食べたら用意するからな」

 

「ふぁい・・・」

 

響夜は木綿季を起こし、顔を洗いに行かせると1階に下りてご飯を作る。

神楽はもう起きていたようで皿の用意などをする。

 

「ありがとう、神楽」

 

「・・・」コクコク

 

少しすると木綿季も完全に目が覚めたようで椅子に座ってご飯を食べる。

すると響夜の様子がおかしいことに気づく。

 

「ん・・・?響夜、目隠してどうしたの?」

 

「んあ?あ・・・」

 

カラーコンタクトを入れ忘れていた響夜の目は黒色ではない。

それを木綿季に見られない様にしていたがばれたため仕方なく言う。

 

「黒じゃないんだよ、俺の目は」

 

「わぁ・・・満月みたいで綺麗だね」

 

「・・・褒め言葉として受け取っとく」

 

初めて自分の目を褒められ、顔が赤くなるのを感じた響夜は顔を逸らす。

そんなことをしているとご飯を食べ終わり、食器洗いを済ませた響夜は木綿季と神楽を待っていた。

 

少ししたら下りて来たため、そのまま家を出て鍵をかける。

そして合鍵を木綿季に渡す。

 

「鍵・・・?」

 

「この家の合鍵。俺が帰るの遅いときとか家入れなくなるからな。くれてやるよ」

 

「ありがとう、響夜」

 

そして響夜は自宅の自転車置場の隣に置いているバイクに鍵をかけるとエンジンを吹かせた。

 

「ん、大丈夫そうだな」

 

「これ響夜のバイク?」

 

「そうだぞ。車は父さんのを借りてただけで元々はバイク乗ってたし」

 

木綿季達にヘルメットを渡すと木綿季と神楽を乗せて出発する。

そして指定された住所・・・看板『Dicey Cafe』と書かれ、喫茶店のような所へと到着する。

 

「ここか・・・」

 

響夜はそのまま扉を開けると広々とした空間が広がっていた。

するとカウンターの所にエギル(本名アンドリュー・ギルバード・ミルズ)が居た。

 

「なんだおまえの店か」

 

「ああ、SAOん時でも言ってたろ?こっちでも店経営してるってな」

 

「そうだな・・・っと」

 

響夜はカウンター席に座ると神楽を持ち上げて席に乗せる。

木綿季も響夜の隣に座る。

 

「ん、この二人は・・・カグラとユウキか」

 

「・・・」コクコク

 

「そうだよー、こっちじゃ紺野木綿季って言うんだ」

 

二人が言うとまた扉が開き入ってくる。

 

「エギル、いつもながら寂れた店だな」

 

「うるせぇ、これでも夜は繁盛してんだ」

 

「・・・和人か」

 

「ああ、エギルに言われて来たんだ」

 

「俺らも同じ」

 

来たのは響夜の親友、桐ヶ谷和人。

SAOでは《黒の剣士》と言われた攻略組の一人だった。

 

そしてエギルは胸元のポケットから一つの写真を出す。

 

「お前達はこれをどうみる?」

 

「うーん・・・アスナかな?」

 

「木綿季の言う通りこれはアスナだ」

 

「確証はあるのか?」

 

響夜の確定に和人が疑問を持ち聞く。

すると持ってきたバッグから一つのファイルを取り出し、カウンターに置く。

 

「これはエギルから送られてきた画像を出来る限り解像度を再構成した物だ。この姿を見て俺が知る限りアスナ以外分からん」

 

響夜が取り出した紙には綺麗に拡大された画像があった。

それはアスナにとても似ており、確証と言っていい。

 

「これは・・・どこなんだ?」

 

和人が言うと神楽が持ってきた鞄からあるものを取り出した。

 

「・・・」

 

「アルフヘイム・・・?」

 

「それはアルヴヘイムって発音するんだ」

 

エギルが発音良く言い直すそれは《ALfheim Online》と言われるゲームソフトだった。

 

「どんなゲームなんだ?」

 

「SAOと違って、完全にスキル制で自身の運動能力も影響するらしい」

 

「それじゃあSAOとあまり変わらないんじゃないか?」

 

「それが爆発的に売れてるんだ・・・それの理由は飛べるかららしい」

 

「飛ぶ・・・?」

 

「何でもフライトエンジン機能を付けてるんだとかで飛べるらしい、それとPVP推奨だとな」

 

エギルがPVP推奨と言うと響夜が興味を持ちはじめた。

響夜の戦闘狂はSAOで唯一LV100以上のプレイヤーとして象徴している。

 

「へぇ・・・エギル、プレイ機器は?」

 

「本来はアミュスフィアという物でやるらしいがナーヴギアでも動く。あれはナーヴギアのセキュリティ強化版でしかないからな」

 

そしてエギルはカウンター下からソフトを用意する。

和人はそれを受け取ると店を出て行った。

 

「俺もやってみっかな」

 

「なら二つともやろう、どうせやるんだろう?」

 

「まあな、PVP推奨とか面白そうだし」

 

「響夜・・・程々にね・・・?」

 

「はいはい、んじゃあな」

 

エギルの店を出ると車に乗って家に帰った。

 

 

そしてやることを終えると神楽は自分の部屋に入り、響夜は押し入れの中から二つの段ボールを取り出す。

 

「響夜、それは?」

 

「ん、父さんが送ってきたんだよ、アミュスフィア」

 

響夜が段ボールを開けると中からはアミュスフィアが取り出される。

もう一つのも開けると同じくアミュスフィアが出てくる。

 

「ほら、一個はお前のだ」

 

「へ?」

 

「父さんが俺と木綿季にって送ってきたんだよ、まさか本当に使うことになるとは思わなかったけどな」

 

「すごいね・・・響夜のお父さんは」

 

「あんなのただの親バカだろうが・・・まぁ嫌じゃねぇけど」

 

「ふふ、んじゃやってみよっか?」

 

「・・・少しそれ貸してくれ」

 

響夜に言われ木綿季はアミュスフィアを響夜に渡すと、ケーブルをパソコンと繋ぎ何かを弄る。

それが終わると自分のにも同じ事をして、木綿季に返す。

 

「何したの?」

 

「ん、少しな。まぁ見ればわかるようにしてある」

 

「・・・?わかった」

 

二人はベッドで横たわると手を繋いでお互いを見やる。

アミュスフィアのダウンロードが終わり、起動可能状態になるとあの言葉を口にする。

 

「「リンクスタート!」」

 

 

 




響夜はゲームに対する知恵だけは働きやすいためアミュスフィアにある細工をしています。
それは次話に明かされますが・・・。

次回はようやくALO編に本格的に入っていきます。



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