ソードアート・オンライン ~幻剣と絶剣~   作:紅風車
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姿現し幻想の夢追い人

ヒビキとカグラは今、新生ALOのダンジョンの一つである浮遊城アインクラッドにいる。

目的は暇潰しのために攻略をするため。

ボス部屋まではマッピングが終わっていたため、ボス部屋前に行くと数人ほどプレイヤーがいた。

 

「んじゃ、行こ?ユウキ」

 

「うん、みんな張り切って行くよー!」

 

「「おおー!」」

 

水色の髪を持ち、細剣を扱うプレイヤーのアスナとユウキ。

そして恐らくユウキのギルドメンバー等がいた。

 

「へぇ・・・ギルド作ってんのな」

 

「うん、みんな強いよ」

 

「なら、対立してみるか」

 

先に入って行ったユウキ達から少し待ってからヒビキカグラも入った。

勿論フードを被って姿は見えなくしてある。

ボスは飛行系モンスターで近接には厳しい相手だったようで時間がかかっていた。

 

「隠蔽スキル様々だな、誰も気付いてねぇ」

 

「タイミングは?」

 

「そんなもん勘で気づけ」

 

 

 

 

ユウキ達は苦戦を強いられていた。

ほとんどが近距離だったため飛行するボスに有効な一撃を与えれていなかった。

打開策を模索しているといきなりボスが悲鳴をあげはじめた。

 

「キィィィ!?」

 

そして周りを見渡すと入るときには居なかった二人のプレイヤーがいた。

そして一人のプレイヤーが武器を持つとボスの羽に向かって投げた。

完全に羽にヒットし、ボスは飛行能力を落とす。

 

「・・・元々てめぇらのだろ、倒さねぇならLAB貰っちまうぞ」

 

「・・・シウネー!バックアップお願い!」

 

「はい、お任せください」

 

シウネーと呼ばれたウンディーネはユウキとアスナ等の前衛のサポートをした。

飛行能力を失って抵抗をはじめたボスは超音波によってユウキ達の動きを止める。

 

「あーあー、うっせぇなぁ」

 

「ん、もうやる?」

 

「良いんじゃね、LABも必要なければそこの奴らに渡せば良いだろ」

 

「ん、りょーかい」

 

バインドボイスの効果を受けなかった二人はソードスキルを発動させる。

ヒビキは《霊幻》スキル『幻炎爆夜』を。

カグラは《夢弓》スキル『トライデントアロー』を発動させた。

規格外にもなった二人のスキルによってボスのHPはどどん削れていき、あっという間にHPが0になった。

 

「す、すごい・・・」

 

ボスのLABは『霊羅鉄鋼』という素材アイテムだったため、ヒビキはそのまま持ち帰ることにした。

そして倒し終えたと同時に動ける様になっていたユウキ達は二人を引き止めた。

 

「ねぇ!」

 

「・・・あ?」

 

まさか止まると思っていなかったユウキはそのまま黙ってしまう。

 

「何もねぇなら先行くぞ」

 

ヒビキはカグラを連れて17層の扉を解放しに向かった。

 

 

 

 

 

ユウキ達はいきなり現れた二人のプレイヤーを見続けた。

自分達の行動を妨害した咆哮を物ともしなかった二人にその場に居た全員が興味を持つ。

 

「リーダー、さっきの二人は誰!?」

 

「分からない・・・でも少なくともボク達なんかより全然強い人達だとしか・・・」

 

サラマンダーのプレイヤーであるジュンはユウキに聞くも分からないと言われ肩を落とす。

すると扉の先から爆音が響いた。

そして扉の向こうからこちらに向かって来るプレイヤーを見た。

それはさっきボスを圧倒した二人だった。

 

「まずい!あいつらまだ移動してねぇぞ!」

 

「だったら防衛戦するまで」

 

「はいはい・・・フォロー頼むぞ」

 

奥から二人を追い掛ける大量のモンスターを見つけた。

その数は百を超え、レベルも90となっていた。

 

「てめぇら、そこどけぇぇ!」

 

「っ・・・一旦引くよ!」

 

「分かったわ!」

 

ボス部屋から出たユウキ達は先ほどの二人のプレイヤーが来るのを待った。

だがいつまでも来なかったため、部屋を見るとそこには。

 

 

半透明の武器を天井近くから床に向かって射出して、その手に持つ武器で敵を薙ぎ払うプレイヤー。

 

蒼色を放つ弓で前にいるプレイヤーをフォローしているプレイヤーがいた。

 

 

「リーダー、あれって!」

 

「・・・みんな」

 

ユウキの意思にみんな同意したのか、目を配る。

そしてアスナとユウキが突入したのと同時にジュン達も特攻する。

 

「殲滅手伝うよ!」

 

ユウキの協力に思いもしなかったヒビキは一瞬ユウキに気を回した。

その隙をつかれ、一気にモンスターがヒビキを狙う。

 

「しまっ・・・!」

 

だがそれはユウキ、アスナ達によって攻撃される事はなかった。

 

「大丈夫!?」

 

「悪い・・・」

 

ヒビキは一度戦線から離脱するとクイック装備に登録してあった装備に変更する。

ローブもその時解除されてしまうが状況的に仕方なかった。

 

「さぁてぇ・・・てめぇらは何分持ってくれるよ?」

 

ヒビキは《霊幻》スキル『現象爆閃』を発動するとおもいっきり地面に突き刺した。

すると一気にボス部屋全体が爆発を起こし、モンスターを一気に減らした。

 

「カグラ!」

 

「ん・・・」

 

ヒビキの攻撃に合わせてカグラは《夢弓》スキル『エンジェルフェザー』を発動させるとユウキ達にそれを散布した。

 

「ユウキ、行くよ!」

 

「うん!みんなもお願い!」

 

「ああ!」

 

「任せな、リーダー!」

 

ユウキ達は一気に減ったモンスターで残る分を攻撃していく。

ユウキとアスナが攻撃するとジュンとスプリガンのノリが追撃する。

その後、向かってきた攻撃はタンクのテッチが受け止め、壁となった。

 

 

10分ほどボス部屋で戦いつづけるとようやくモンスターを殲滅し終え、ヒビキとカグラ以外は床に座り込む。

 

「・・・悪い、モンスター持ってきて」

 

「ごめんなさい」

 

「逆に君達が居なかったら私達が死んでたからお互い様よ」

 

「そ、そうです!」

 

「ん、そうか・・・」

 

ヒビキとカグラは手伝ってくれたユウキ達に感謝すると17層へとまた向かおうとする。

しかしユウキが大声をあげて止めた。

 

「ヒビキ!」

 

「・・・」

 

「ヒビキでしょ?!そうなんでしょ!」

 

「・・・人違いだろ」

 

ユウキは立ち上がるとヒビキに向かって走り出す。

それから逃げるようにヒビキはカグラを抱えると走り出した。

 

「・・・」

 

「ユウキ・・・」

 

「ヒビキだったよ・・・あの半透明の武器・・・」

 

「リーダー?どうしたんだよ、大声あげて」

 

「うぅ・・・」

 

「り、リーダー?」

 

「なんで・・・」

 

憑き物が取れたようにユウキは座り込むと涙を流す。

その様子を見てシウネー達はただ慰める事しか出来なかった。

 

 

泣き止んだユウキを連れてアスナ達は『スリーピング・ナイツ』のギルドホームに向かった。

その途中、掲示板に人だかりが出来ておりシウネーは気になり見に行った。

 

「ゲリラ的に出てくる謎のプレイヤー・・・?」

 

「何その情報?」

 

「分からないです、書いてあったので・・・」

 

ユウキ達が一度ホームに戻るとする途中、フードを被ったプレイヤーが扉前に居た。

メンバーは全員出ていたため、反応がなく、移動しようとする。

 

「ねぇ、そこの女の子ー!」

 

「・・・?」

 

「あたし達に何か用事ある?ここあたし達のギルドホームなんだけど」

 

「はい・・・どちらかというとユウキさんとアスナさんにですが」

 

「ボクに・・・?分かった、一回中に入れよう?」

 

ユウキが言ったため全員はそのプレイヤーも一緒にホームへと入る。

ホームの扉を閉めたのを確認するとフードを取り払った。

 

「えっ・・・カグラちゃん?」

 

「そうですよ、アスナさん」

 

「知り合い・・・なんですか?」

 

「うん、SAOからだよ」

 

「まずはそこからお話しましょうか、分かっていれば後々理解しやすいので」

 

カグラはそういうとSAO事件やSAOでのユウキなど、カグラが分かるかぎりの事を説明した。

 

「ふむふむ・・・それで、カグラさんは何故ここに?」

 

「ユウキさんに伝達があったので、それを」

 

「ボクに・・・?誰から?」

 

「ヒビキからですよ」

 

カグラがその名を出すとユウキの表情が変わった。

その変化にギルドメンバー達も驚いていた。

 

「蝶の谷・・・ユウキさんが辻決闘をしていたように、ヒビキもしているときがあります。明日、するそうなので一応教えに来たのです」

 

「ヒビキが・・・?」

 

「そうですよ、ですがヒビキとの辻決闘がいつ終わるかは・・・」

 

「・・・みんな、明日ギルドお休みしても良いかな・・・」

 

ユウキがみんなに申し訳ない表情で言うと、シウネー達は手を出した。

 

「リーダー。私達もそれを見届ける事にします。それだけ大事な用事なのであれば」

 

「シウネー・・・」

 

「そうだぜ、リーダーは元気なのが一番なんだ!」

 

「あたしも着いていくよ!予定は開ける!」

 

「じ、自分も!」

 

「当然私もね」

 

「ありがとう・・・みんな・・・」

 

メンバーの言葉にユウキは感謝しか言えなかった。

それだけユウキは慕われている。

カグラもそれを見るとホッコリとしており、笑っていた。

 

「それでは私は用事があるので落ちますね」

 

「う、うん!ありがとうカグラ!」

 

「まったく・・・困った兄姉ですね」

 

「カグラ!?」

 

「ふふ、それではまたねです」

 

最後に言い残したカグラの言葉にその場に居た物がユウキを問い詰めるもユウキは頑なに言わなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、ALO内の掲示板、ニュースにはでかでかと表示された記事があった。

 

『ゲリラ的辻決闘を行う謎のプレイヤーが蝶の谷にて君臨!決闘に勝った物はOSSが贈られるぞ!』

 

「・・・さて、人来るのかねー」

 

「気長に待てば来るよ」

 

「人来たら言ってくれ。それまで寝る」

 

「うん、分かった」

 

ヒビキは記事を見た後、人が来るまで一眠りすることにした。

 

 

カグラにおこされる頃には挑戦者は100人を超えており、面倒臭そうにしていた。

 

「多くね・・・」

 

「みんなOSS欲しいんだよ」

 

「なるほどね」

 

ヒビキは木の上から降りると目でまず相手を観察する。

ヒビキの索敵スキルはLv150以上も相手でなければ見定めれるぐらいだったため、強そうな相手を見定めていた。

そして数人を呼ぶ。

 

「二刀流のスプリガンと隣のウンディーネ、インプにしようと思う。見物ってだけなら棄権していいぞー」

 

舐めた口調で特定の人物を呼び出した。

二刀流保持のキリト。

閃光の早さを持つアスナ。

ALO最強プレイヤーのユウキ。

 

 

 

キリトは呼ばれたため前に出ると相手を見る。

しかし自分の索敵が足りないからか強さなどが分からなかった。

 

「久しぶりだな、キリト」

 

「・・・?会ったことあるか?」

 

「ああ、フード付けてる間々か」

 

ヒビキがウィンドウを操作すると姿を隠していたフードが消える。

その姿はかつて共に共闘したヒビキだったことにキリトは驚く。

 

「ヒビキ・・・か?」

 

「そうだな、まぁ終わったら教えてやる」

 

「わかった」

 

 

 

決闘は《全損決着》。

飛行、ユニークスキル有り。

魔法有りのなんでもありな決闘ルールになった。

お互い申し込むと、60秒間の待ち時間があった。

ヒビキは本気で勝つためにユニークスキルをも解放した。

そして『ファンタジア』ともう一つの武器である『夢陽炎』を装備する。

防具もSAOの時に使っていたスカイナイトコート。

 

「キリト、手加減無しだ」

 

「そっちこそな!」

 

60秒経過するとその戦いの火蓋は開かれた。

 

SAOの最強プレイヤーとも言われた。

二刀流のキリト。

幻剣のヒビキ。

 

何度目か分からない決闘がまた始まった。

 

 

 




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