ソードアート・オンライン ~幻剣と絶剣~   作:紅風車
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夢想は事を忘れる

ヒビキが『霊想刀・焔凍』を装備するとスキルが解放され、それを見る。

すると今までの物から考えてとてつもないほどのスキルがあった。

 

「んだ、これ・・・バグってレベルじゃねぇんだけど」

 

そこには《霊幻》スキルの一覧があった。

・全ステータス20%上昇

・全ソードスキル使用後の硬直消滅

・全ソードスキル威力20%上昇

・全武器熟練度1000固定

・《幻想剣》スキル強化

・属性攻撃半減

・与ダメージ倍加

・被ダメージ軽減

・自然回復量上昇

・飛行速度上昇

・即死攻撃25%無効化

・致死攻撃50%無効化

というゲームバランス崩壊の《パッシブスキル》が付与されていた。

しかもソードスキルでなくてこれだったため、本命は更に強いと言って良いだろう。

 

「・・・チーターじゃないすか、俺」

 

ヒビキは突然の強化に戸惑うも、とりあえず使って見ることにした。

最初は《幻想剣》スキルを使うことにしたが説明文が変更されていた。

 

「これ《幻想剣》も強化されてんのかよ」

 

手始めに17層のモンスターを斬るがソードスキルを使わずとも削りきれる辺りがステータス強化の恩恵が高かった。

 

「んと・・・これ使ってみるか」

 

《幻想剣》スキル『バーンメテオ』をモンスターに放つ。

ヒビキはそのモーションに従うように放つ。

十字に切り付け、交差に切り上げた後に中心に突きを放った。

 

「・・・普通に最上級スキル並の火力あんだけど・・・こわっ」

 

5連撃だけとはいえ高火力を出せるのは後々に大事になる。

全て解放されたスキルを全て使うのは至難だと思い、気に入ったスキルだけを今後使うことにした。

 

「とりあえずしばらくはこれで安定なんだろうが・・・確実に装備自体変えたのが良いよなぁ・・・」

 

ヒビキの武器は強力と言っても過言ではないほど強い。

 

SAO時代から使っている『ファンタジア』は強化素材が厳しい分、強化回数の制限が無い。

また一つ上のランク武器を10本用意してカグラに合成してもらえば『ファンタジア』の武器ランクもあげれる。

そんなことをしていたため、『ファンタジア』は最高ランクであるレア度20で【レジェンド】級になっている。

 

さきほど作ってもらった『霊想刀・焔凍』もレア度は20で特殊効果付きだった。

効果は【死霊モンスターからの被ダメージ半減、与ダメージ倍加】という死霊モンスター特効武器だった。

『妖刀ムラマサ』も強力だがヒビキの求めている武器本来の質量的に使わなかった。

 

 

しかしヒビキが懸念しているのは装備品が武器の強さに合っていなかった。

今まで集めた装備品は全て倉庫に放り込んでいるため漁れば良いのだがヒビキはそれが面倒だった。

 

「倉庫・・・漁んのめんどいしなぁ・・・まぁなんか見つけたら性能見ることにするか・・・」

 

ひとまずこのままで過ごすことにしたヒビキはアインクラッドの攻略をしていくことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アインクラッドの攻略に夢中になっていたヒビキは身体結果の事を忘れていたため、思い出したのは結果が出た次の日だった。

 

「・・・さて、完全に聞くの忘れてたわけだが・・・時間帯的に聞くか・・・」

 

ヒビキは仮装世界でコールを押して倉橋を呼び出した。

少しするとあの時の様に倉橋がやってくる。

 

「こんにちは、響夜君」

 

「こんにちは・・・倉橋先生、診断結果はどうでした?」

 

「結果は良好で、もう治療自体は終わっています。それでなのですが、一度メディキュボイドを止めようと思います」

 

「はあ・・・わかりました」

 

「メディキュボイドを止めたらとにかくどんなことでも良いので私たちに分かるような行動を起こしてください」

 

「わかりました」

 

倉橋は仮装世界から出ると、病室のメディキュボイドを止めた。

響夜もそれに合わせて現実世界へと戻る。

 

「響夜君、倉橋です。聞こえますか?」

 

「・・・はい」

 

「五感に何か異常はありますか?」

 

「今のところは・・・無いですね、使用期間にも寄るかと」

 

「なるほど・・・それでは、機材等を仕舞います。運動能力にも異常がなければ数日程で退院出来ますよ」

 

「運動能力が衰えてるとリハビリですか・・・」

 

「そうですね、ですが響夜君ほどの若者ならすぐに元通りでしょう」

 

「わかりました」

 

倉橋は諸々の書類を看護師に渡すと、メディキュボイド等が運び込まれていく。

一応これからのことを聞いたが、数日は様子見をしてリハビリが必要そうならばリハビリの日数を追加することになった。

ゲーム自体は消灯時間厳守ならやってて良いと聞いた。

 

「・・・退院まで寝ることにしよう、ALOもその時にすればいいや」

 

響夜は退院までゲームを我慢することにし、寝ることにした。

今までの睡眠を取り返すように寝続けれたため、日数はあまり気にならなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして、自主的な運動を少しして、リハビリが必要か倉橋に見てもらっていた。

 

「リハビリは必要なさそうですね、入院期間が短かったのもあるのでしょう」

 

「家族には連絡してもらっていいですか?退院日の迎えで」

 

「ええ、私からしておきますね」

 

倉橋はそういうと響夜に退院手続きの書類を渡す。

そしてもう一つ重要な物があった。

響夜は普通に使っていたがメディキュボイドは本来まだ実用化されていない。

響夜の場合は被験者として受けたためその報奨金が出ていた。

 

「わぁお・・・なんだこの報奨金」

 

報奨金は通帳に振り込まれていた。

金額は少なくともSAOクリア時以上の額があった。

 

「では私は仕事もあるので失礼しますよ」

 

「はい、ありがとうございました」

 

響夜は倉橋に礼を言うと書いておかなければならない書類をさっさと記入した。

それを書き終わるとまた眠りにつく。

 

そんな事をメディキュボイドを外して2週間。

この日は響夜が待ち望んだ退院日だった。

そして病室で荷物を纏めていると神楽が入ってくる。

 

「ん、おはよう神楽」

 

「おは・・・ょ、ぅ・・・」

 

「声出せてる・・・うん、綺麗な声だぞ」

 

「え、へへ・・・」

 

今まで頑なにその声を出さなかった神楽もSAO事件から変わりはじめていた。

その一歩が声を出していくということ。

SAO、ALOでは普通に声を出していた辺り現実世界の声を出すのが怖かったのかもしれない。

それを周りは支えてくれていたため、神楽はちょっとずつでも出そうと頑張ったのだろう。

 

「神楽、声出すのは良いけど無理はしなくて良いからな。無理して出して喉痛めても駄目だから」

 

「ぅ、ん・・・ぁりがと・・・」

 

「んじゃ、さっさと母さんと父さんに会いに行くか」

 

「ぅん!」

 

響夜も荷物を纏め終わり、神楽と共に病室を出ていく。

看護師に仲の良い兄妹にしか見えなかったからか、よく話し掛けられていた。

 

「母さん、父さん」

 

「響夜、退院おめでとう」

 

「おめでとう、響夜」

 

「さっさと帰ろうぜ、母さんの料理が食いたくなってきた」

 

「あらあら・・・今日は退院祝いに振る舞うわね」

 

「やったぜ・・・んじゃ、倉橋先生」

 

響夜は後ろを振り返るとこれからもお世話になるであろう倉橋と話をした。

メディキュボイドの事、病気の事、神楽の事・・・色々と倉橋には世話になっていた。

もっとも神楽の事は倉橋以外に任せれないが。

 

「それでは、お世話になりました」

 

「まだまだ神楽君の事を考えたら早いですよ?」

 

「あはは、そうですね」

 

「それでも、響夜君。退院おめでとうございます」

 

「ありがとうございます、倉橋先生」

 

響夜は倉橋と握手した後、病院を後にした。

迎えは拓也の車で帰ることになり、そのまま久方振りの家に到着する。

 

「久しぶりだな、帰ってくるの」

 

「そう、だね・・・」

 

「それに懐かしい、この状況が」

 

「・・・?」

 

響夜の言うことに神楽は理解できなかったがすぐに分かることとなった。

それはかつて自分達を養子に入れてくれた時と同じ様に神菜と拓也が玄関で待っていた。

 

「ったく、これ2回目だぞ?」

 

「良いじゃないか、思い出なんだよ」

 

「そうよ?二人が初めて来たときのことは未だに覚えてるもの」

 

「まったく・・・」

 

響夜はいつも通りの二人の行動に呆れるも嫌ではなかった。

そしてそれをまた再現すべく、神楽の手を持って玄関に上がる。

 

「ただいま、母さん、父さん」

 

「ただ、ぃま・・・」

 

「おかえりなさい、響夜、神楽」

 

「おかえり、二人とも」

 

今度は何も起こらない。

響夜の病気は治ったから、響夜が思い詰めたことなんてもうほとんど無いのだろう。

 

「ああ、ただいま」

 

 

 




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