ソードアート・オンライン ~幻剣と絶剣~   作:紅風車

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我慢強さも夫婦には必要

響夜が目を覚ますと時間は7時。

学校は日曜で休みだったのでとりあえずご飯を作ることにした響夜。

 

「ん・・・7時か・・・そろそろ作らねぇと・・・」

 

「・・・ぁ・・・ぅ・・・」

 

響夜が動こうとすると木綿季が響夜の手をしっかり抱きしめていた。

動こうとすると木綿季を確実に起こしてしまうだろう。

 

「・・・動けぬ」

 

「んゅ・・・」

 

「はぁ・・・木綿季、起きろよー」

 

「あぅ・・・?」

 

「朝だぞ、起きなさい」

 

「おはよ・・・」

 

木綿季は起きるもまだ眠たいのかぼ~っとしている。

響夜としては手を離してくれなければご飯が作れないのでどうにかして離してもらえないか言うも聞かなかった。

 

「手離せ」

 

「やぁだぁ~」

 

「・・・はぁ、ならご飯作ったあとなら良いから今は離せ」

 

「む~・・・分かったぁ~」

 

何とか手を離してもらえた響夜は詩乃に両手を合わせると部屋を出る。

木綿季は寂しくなった手を紛らすため、詩乃に抱き着く。

詩乃としては嫌ではなかったからかすんなりと受け入れていたが。

 

「さて・・・さっさと作るか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

手早くご飯を作って木綿季達に食べさせると響夜は部屋に戻っていた。

 

「母さん、もうすぐ帰る感じか?」

 

『ええ、もうすぐというよりあと数十分ほどよ』

 

「なら詩乃を家に置いとくからな」

 

『あら、詩乃ちゃん来てたの?』

 

「ん、まぁな。一人暮らしらしいし、昨日の帰る時間帯的に一人は危ない」

 

『木綿季ちゃんと過ごすうちに変わったわね』

 

「うっせ、んじゃ切るぞ」

 

響夜は電話を切ると机の引き出しから転校手続きの書類を取り出す。

響夜の母親・・・神菜はこういう書類をすぐに無くすので響夜が管理していた。

 

「んとこの書類で良いだろ」

 

響夜は数ある中から重要な物を持ち出す。

 

 

 

 

響夜が下りると同時に玄関が開いて神菜が帰ってくる。

 

「たっだいま~!」

 

「おかえりなさい、神菜さん」

 

「おかえり、母さん」

 

「・・・その子は?」

 

神菜は見慣れない人物・・・詩乃に気付く。

 

「紹介するよ。俺の幼馴染の詩乃」

 

「朝田詩乃と言います」

 

「そう・・・私は雪宮神菜よ、よろしくね詩乃ちゃん」

 

「は、はい」

 

神菜が上がると服を脱がずにそのまま椅子に座る。

響夜もお茶をいれて各々に渡して書類をテーブルに置いた。

 

「とりあえず転校手続きの紙はこれ。んで一応母さんがあの学校の理事長」

 

「さて・・・詩乃ちゃん。この学校に入りたいんだよね?」

 

「は、はい」

 

「・・・なら良いよ?」

 

「「・・・え?」」

 

「別に駄目なんて言ってないもの。まだ席が残ってるから希望者はあ程度受け入れれるわ」

 

まさかの即OKが出ると思わなかった詩乃は固まっている。

響夜もこんな早く終わるとは思っていなかったようだ。

 

「ま、まぁ母さんが言うなら文句はないけど・・・」

 

「良いんですか・・・?」

 

「ええ・・・だけれど学校でもし何かあれば誰か頼りなさい。幸いにも信頼できる相手がここに居るでしょう?」

 

「・・・はい」

 

「それに詩乃ちゃんが良かったらうちに遊びに来なさい。ご飯は響夜にでもねだれば作ってくれるわ」

 

「おい」

 

「・・・でもそろそろ増築を考えなきゃね」

 

「あー、木綿季がここに泊まるという名の住み付きはじめてるからな」

 

「うっ」

 

響夜に図星を言われた木綿季は顔を伏せる。

木綿季は響夜が帰ってきてからほとんど響夜の家に泊まりに来ている。

 

「そうなのよ、部屋を作らなきゃでしょう?」

 

「増築ねぇ・・・どうせそのうち進めてるだろうから俺らが気にしなくて良いだろ」

 

「まぁ耳には入れておくべきだと思ってね。木綿季ちゃん、どれぐらいの部屋が良い?」

 

「ふぇっ?ぼ、ボクは一緒の部屋でも・・・」

 

「・・・」

 

「あ・・・ぅ・・・」

 

「自爆したな」

 

「自爆したわね」

 

「お熱いわね~」

 

盛大に自爆した木綿季は顔を真っ赤にして机に伏せる。

二人からからかわれ、神菜にいたっては微笑ましく見つめる。

この様子では木綿季が一番下の子の図だろう。

 

「ま、母さんの好きなようにやりなよ。俺はそれに合わせる」

 

「分かったわ。それと転校手続きに関しても進めておくからね」

 

「は、はい。お願いします」

 

「それと・・・詩乃ちゃん、まだこの家に泊まるなら自由にね?生憎私とお父さんは中々帰れないけれども・・・」

 

「わ、わかりました」

 

「それじゃ、私は戻るわね」

 

「ああ、ありがとう母さん」

 

「息子の久々のお願いだもの。少しぐらい聞いてあげないとね」

 

神菜はいたずらっぽく言うと家を出て行った。

家には響夜と木綿季と詩乃と神楽が残る。

神楽は部屋で引きこもってGGOをしているだろうと響夜は考えているが。

 

「詩乃も一回家戻れ。さすがに着替え的にやばい」

 

「そ、そうね。一度家に帰るわ」

 

「またおいでね~詩乃」

 

「母さんも言った通り、いつでも来たら良いよ。嫌ではないから」

 

「ボクも時々で良いから来てほしいな。詩乃と話すの楽しいし!」

 

「ふふ。響夜君、木綿季ありがとうね。それじゃあ」

 

「じゃあね、詩乃」

 

「気ぃつけて帰れよ~」

 

詩乃も家を出ていくと家には響夜と木綿季だけとなった。

すると木綿季がもじもじしだす。

 

「・・・どうした?」

 

「ぁ・・・ぇと・・・」

 

「相手してほしいんだろ?朝っぱらからとか盛り過ぎだ」

 

「う~・・・」

 

「木綿季が16になれば・・・そうだな、2人ぐらいは欲しいな」

 

「響夜との子供なら・・・いっぱい産むよ?」

 

「まだ15のガキが。ませすぎだ」

 

「ぐぬぬ・・・3歳も離れてる・・・」

 

木綿季は15、響夜は18だった。

日本の法律上結婚する場合は女性は16、男性は18で結婚が認められる。

木綿季と響夜が結婚する場合、木綿季が16にならなければ出来ない。

 

「木綿季、ちと量が多いから洗濯物干してもらって良いか?」

 

「うん、喜んで!」

 

「その間に皿洗いと掃除機かけねぇとな・・・」

 

木綿季は洗面所に向かうと洗濯機から洗濯物を取り出し、外に出て行った。

響夜も台所で食器を洗いながら洗濯物を干す木綿季を時々見る。

 

「意外にも家事出来るんだっけか・・・」

 

木綿季の家はかなり大きく、厳しい家に見える。

木綿季の母親である裕子は誰かに嫁ぐ時、恥をかかないように家事全般は詰め込ませたのだろう。

 

「って言ってもいきなり家事やらすのは辛いだろうし、少しずつやらすか」

 

木綿季にどんな仕事をしてもらうか考えながら食器を洗う響夜だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

響夜が家事を終えたあたり木綿季も中に戻って来る。

 

「全部干し終えたよ~」

 

「ん、ありがとな木綿季」

 

響夜は木綿季の頭を撫でて言うと木綿季は嬉しそうに笑う。

 

「ん~♪響夜に撫でてもらうの好き~」

 

「そうか?一緒だと思うけど」

 

「響夜のは特別なの~」

 

「ん、そうか・・・っとメール来た」

 

響夜はソファに座って携帯を取り出すとメールを見た。

和人からのメールのようだった。

 

【ALOの新アップデートでエクスキャリバーが入手出来るらしいんだ。響夜と木綿季も一緒に来ないか?】

 

「ALOねぇ・・・あいつたしか菊岡さんに仕事貰ってたと思うんだが」

 

「誰からだったの?」

 

「和人から。ALOでエクスキャリバーが入手出来るようになったらしい」

 

「ほへ~・・・行ってみる?」

 

「俺多分使わねぇからなぁ、和人にあげるだろうし」

 

「そっか・・・」

 

「・・・神楽に頼んで一本作ってもらうか」

 

少ししょんぼりとした木綿季は恐らく欲しかったと思い、響夜は神楽にメールを送った。

数秒で返ってきた事に驚くが了承だったため、そのうち頼みに行くことになった。

 

「さて・・・今月は嫌な月にならなきゃ良いが」

 

「ふぇ、何が?」

 

「知る人ぞ知る事だ。木綿季の耳に入ってないだけだ」

 

「む~、教えろ~!」

 

「神楽とか明日奈にでも聞けば教えてくれるだろ、毎年12月は嫌いなんだよ」

 

木綿季は近いうちに明日奈にでも聞くことにし、響夜に抱き着いた。

 

「とぉ~!」

 

「うお・・・っと・・・ったく甘えん坊だな」

 

「響夜だからだもん~」

 

「はいはい・・・」

 

いつも通りの木綿季に響夜は適当に受け答えする。

だが内心嬉しく思う響夜は早く半年が経たないか待ち遠しく思うのだった。

 

 

 


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